幽香の夜這い
「あ~あ」
最近、楓に会ってない……。
そりゃ長期休みじゃないから、あんまり来れないのは分かるけど……。
「寂しいな……」
週に1回ぐらいしか会えないのはやっぱりな~。
「……はぁ~」
もう日付を回って深夜になる頃にそんな事を考えてしまった……
「会いたいな……」
枕に顔を埋めながら、ボソッと呟いた。
「行っちゃおうかな……」
う~ん。
「良し!」
『良し』と決めたら行動を起こすのみよ!
私はピンク色のパジャマのまま、月明かりのみが照らす夜空を泳いで楓の家に向かった。
――
―――
――――
「2階かしら?」
外から回って、窓越しに部屋をみた。
「zzz」
「いた♪」
窓を開けて……あれ?鍵が掛っているわね。
「えい!」
ちょっとしたコツで窓を開けた。
「お邪魔しまーす」
誰にも聞こえないくらいの、小さな声で言った。
この時間なので、楓は寝ていた。
「可愛いなぁ……」
部屋を見回すと、綺麗に片付いてた。
「ん?」
机の上を見ると絵が完成した時にあげた、花が水に浮かべてあった。
「大事にしてくれてるのね♪」
さてさて。
「ふふふ よく寝てるわね」
「zzz」
「無防備ね」
楓の手をとって、自分の手と合わせてみた。
「小さい~」
「zzz」
頭を撫でまわした、男の髪質だと思えないほど、
サラサラしていた。
「いい匂いね」
楓は私から、いい匂いがすると言っていたが、
楓からもいい香りがする。
「ねえ? 楓? もう少し会いに来てくれると嬉しいな……」
「zzz」
「この前 私の事をお姫様抱っこしたいって言ったでしょ…… 本当に嬉しかったわ」
いっその事このまま攫っちゃおうかしら……。
「……いやいや」
一瞬本気で考えた自分が恐ろしくなった。
「でもね~」
このまま楓とつつつ付き合っていたら、
けけけけ結婚する事になるわよね……。
大勢の前でお姫様だっこをしてもらうの
いまから楽しみ♪
う~ん結婚したら、子供は欲しいわね
男の子でも女の子でも、きっと楓に似た可愛い子供が
生まれるわよね♪
「いいわね……いや……ちょっと待って……」
子供の前に一緒に仕事をするのもいいわね……
太陽の畑の近くで二人でお店を開くの。
お店はそうね……『お花屋』がいいかも♪
売れなくてもいいから、二人でずっとやって行くの。
「素晴らしいわね……いや……でも」
その前に同棲よね!
朝も夜お互いに求め合うような爛れた性活……。
『ゆっ幽香さんこれ以上でないよ……』
『だ~め まだ寝かさないわよ』
『ふええ』
いいっ! 実にいい!
考えただけで、体が熱くなった……。
ちょっとイッてしまったわ……。
「……違うわね 楓も当然成長するから」
楓も大きくなって……
大きくなるっていうのはアソコじゃなくて体や心の事ね。
キャッ! 私ったらはしたない
きっと『幽香さん』じゃなくて『幽香』になるわね。
『幽香』いい響きね。
そして、立派になった楓に抱きしめられて。
『幽香……今日もいっぱい愛してあげるね』
『いっぱい愛して……』
『幽香!』
『楓!』
「ぐふふふふ……夢が広がるわ」
やばい、妄想が止まらない。
いつまでもここにいるとまずい気がするので。
退散することにしよう。
「その前に……んっ」
楓の口に軽く口づけをした……大好きよ楓♪
「いっぱいしちゃおう♪」
起きないようにそっとね♪
「チュッチュ♪」
耳や首筋やおでこにいっぱいした。
「ふぅ~ ちょっとだけ満足したわ……じゃあね~」
私は窓から飛び立った。
――
―――
――――
「ふぁ~ あれ?」
なんだか体からいい匂いがする。
幽香さんの匂いがする気が……。
「今日は幽香さんの所に行こうかな」
そんな事を考えながら、朝の準備をした。