スリーピン・アイ「私は嬉しい……。ハリウッド映画に抜擢されるとは、これでますます世の婦人方がほっとかなくなるでしょう」ポロロン
キャプテン・シールダー「ヘラクレスさんは全身緑色にされてますし、私もいきなりこんな盾を渡されて一体どうすればいいのでしょうか先輩」
アンアンマン「同人誌の次は映画かぁ。影響されやすいお年頃だから温かい眼で見守ってあげようね、マシュ」
雷神キントキ「いやいや文句はねぇぜ大将!俺っちにピッタリな役も用意してもらったんだ!お天道様に負けねぇぐらいのスパーキング見せてやるよ!!」
映画の世界で邪ンヌ主役ってつまりこういう事? 違う? マンガでわかるライダー「ジョル○○・メリ○○」出たいしない? しないかー。
4か月以上かかった5章も今回で完結。もっとダイジェスト方式にすれば早く終わったのにね。半年近くエロを書いてないR18作家がいるらしい。
いつも誤字報告、感想、評価、閲覧くれる読者様の方々は3000回愛してます。
「はい、こちら愛しのシータです。大丈夫です。ギャグパートはもう終了したので真面目にやります。監獄要塞の残骸に隠れて、巨人の様子を伺っていたのですが少々マズい事になったかもしれません」
隣から式部先生の書物に眼を剥かせながら水音を響かせているもう一人の自分と共に薄い金属製の板、魔術という神秘を壊す神器スマートフォンなるものでラーマと連絡を獲り合っている男装姿のシータが最後に残った殺生院キアラの眷属『暴食の巨人』の動向を伺っていた。
「魔神ケルト兵は全て巨人に喰われました、この島には私達以外は綺麗さっぱりです。なのでてっきり私達を探し始めるかと思っていたのですが……」
敵味方の区別すら無く、目についた生命体を手当たり次第咀嚼していく『暴食の巨人』。みるみる成長していくその体長は監獄要塞には納まりきらず、次の行動はシータの予想を覆した。
「えぇ、はい。海を渡ってアメリカ大陸の方に向かっています。質より量なのでしょうか?より多くの獲物がいる場所へと足を進めています。ラーマ様、私が斬りますか?」
『いや、その必要は無い。もう姿は確認出来た』
二人のラーマがいる場所はカリフォルニア州のオークランド。アルカトラズ島からそう離れていない大陸の港。剣を携えた赤髪の少年に同じく赤髪を二つに束ね、弓を構える花嫁姿の美女。まるで姉弟のようにそっくりな二人の戦士は津波を起こしながら、徒歩で大陸に迫ってくる巨人に一切物怖じをしていなかった。
「カヴァンダよりも大きいな……」
「シータよ。連絡を取っているのは余のシータを保護してくれた汝の家族とやらか?……まさか、既にそこにシータがいるのか!?頼む、声だけでも、聞かせてくれ!」
(……シータ(男装)、もちろん分かっているな?)
(はい、余計な事はもうしませんよ)
「シータ!シータ!!無事なのか!?頼む、声だけでも聞かせてくれ!」
「……んっ、あっ、はぁ……ら、らーマ様ぁ……?」
ラーマは歓喜した。途切れ途切れでどこか熱っぽい声で水音らしきノイズも聞こえたがそんな些末事がどうでもよくなるくらいに。決して会えないと思っていた生涯の伴侶とこうして再び声を交わす事が出来たのだから。
「あぁっ!良かった!本当に、本当に良かった……!」
「はぁ、はぁ……。私も、んっ、こうしてラーマ様の声ぉ……聞きながらする事ができてぇ……体が、嬉しがってますぅ……」
「もう少しの辛抱だ、すぐに余が向かいに行く!」
「はい、辛抱します……あっ、あっ、ラーマ様が来るまでぇ、んぅ、ぁやぁっ、どこにもイキませんぅ……」
「余の剣であのような巨人……一息に貫いてみせるともっ!」
「巨チンで……ラーマ様が貫かれて……?あぁっ、そんな、す、ごい……!」
シータ(男装)は確かに余計な事はもうしていなかった。というか既にしていた。離れ離れになっていた比翼の夫婦。そんな二人の会話には悲しいぐらいに齟齬が発生していた。
最愛の人と会えた喜びでラーマは気付いていない。電話の向こうでシータが『七歌物語』を読みながら、ラーマの声をおかずに既に三回は達している事に。全然辛抱していないし、普通にラマニーしまくってイキまくってる。
別世界の自分にも高尚な文化を布教出来たシータ(男装)は満足気にシータと電話を代わってもらった。
「世界は違えども、やはり同じ私。ラマニストとしての素質は十分にあったようです」
「後で説教」
「腹が減るんだよぉっ。喰っても喰っても、足りやしねぇ……。しゃぶって、噛み砕いて、飲み込んで――」
ベオウルフという霊器に魔神柱『バアル』を暴食の原罪として、注ぎ込み改造を施された眷属の姿は皮肉な事にまるでかつて彼に討伐された巨人の化生「グレンデル」のようだった。
英霊ベオウルフ時の金髪も今では乱雑に延び、黒ずみ、その風貌はただいたずらに口に入れる生命だけを求める暴食の化身。食せば食す程に成長するのではなく、飢餓を覚えれば覚える程、『暴食の巨人』は成長をする。だがその体系に見合う程の食事を行う事が出来るワケもなく、成長すればする程、飢餓を覚えて、また再び大きくなるという悪循環。キングプロテアの如き、際限なく成長し続ける巨人は全長100mまで到達し、今度は海から水を掬い、口に運びながら、より多くの生命がいる大陸に進んでいた。
そして、これ以上、その巨人を進ませんとする二人のラーマは一つの武器を手にしていた。
ラーマ(花嫁)が『狂竜』を屠り去った弓。ラーマ自身が持つブラフマーストラと似た紅蓮の弓は彼等の身の丈以上の大きさを持ち、矢は装填されていなかった。
「この宝具は本来1人で使用するものではない」
弓を構えるラーマに覆い被さる形でラーマ(花嫁)はもう一人の自分自身と手を重ねる。まるで弓の扱いに不慣れな若輩者に教えを授ける指導者のように。
「この弓は3人で引き放つ事で真の威力を発揮する。1人よりは2人、2人よりは3人だ」
ラーマ達の魔力によって構成された矢がつがえられた。ラーマ(花嫁)の説明通り、それは1人で彼女が放っていたのが霞んで見えてしまう程に強靭で荒ぶるオーラを持った矢だった。
「余の夫の国では3本の矢という逸話があるらしい。それにちなんでいるワケではないが……今回は2人で十分だ。3人で放つ必要は無い。あまりに威力が強力過ぎてな、下手をすると背後にあるアルカトラズ島まで吹き飛んでしまう」
1本では簡単に折れてしまう矢も3本ならば、容易に折れる事は無い……そんな毛利元就の言葉にシータも「確かに1人遊びより3Pです!ラーマ様のおTINTINにマスターの肉棒と私の張形を加えた3本の矢があれば、夜の結束も崩れません!」と感銘を受けたそうな。
花嫁となり、雌となったラーマの宝具『
ランクが上がった矢を見る限り、この世界のラーマも元を辿れば女の子となったラーマと同一人物であり、血の繋がりという点でいえば、彼女の家族認定をされたという事なのだろう。
だが、そんなラーマ(花嫁)による宝具の説明もラーマの頭の中には入っていなかった。
(体が近い!背中に慎ましくも柔らかい感触が当たっている!物凄く良い匂いがする!)
ピッタリと自身の背中に張り付いて、手を重ねているシータ(と彼が思い込んでいる)に思春期真っ盛りの中学生よろしく心臓が荒ぶっていた。
異世界の別人といえど、長い間、触れるどころか会う事すら出来なかった妻(と彼が思い込んでいる)との突然のスキンシップにラーマの弓を持つ手が震えてしまう。その震えを抑えるように強く握り締められ、さらにドキりとしてしまう悪循環。
「違うんだシータこれは浮気じゃない不貞じゃない鎮まれ鎮まれ余のマーラ」
「おい前屈みになるな。姿勢を伸ばし、標的を見据えろ」
それでもシータを助けるという意気込みに偽りはなく。興奮を抑えて、無理矢理弓を引く。
「弦を限界まで引け。息を合わせろ」
(ふおぉぉぉぉぉっ!息がかかって!シータの!シータの息がぁっ!)
シータ禁欲状態からのいきなりの濃密な供給にラーマも下腹部が熱くなってしまうのを感じる。彼は今だけ周りに誰もいない事に感謝した。特に今の自身の状態を正面から見られるワケにはいかなかったから。
「ワァァァアァァァァァッッ!ラーマ×ラーマキテル!!我が世の春がキタアアアアアアァァ!!公式からの供給で妄想が捗る捗る!雄ラーマ様のマーラがご立派してる丸わかり!そしてそれを隠すように少し内股になっているラーマ様の雌みが高い、あぁこの時からもう素質はあったんですねまるで新芽を慈しむ造園士の気分ひゃっはぁ」
「ラーマ様が後ろから花嫁姿のラーマ様に覆い被さられてあぁそんな完全に入ってるじゃないですかやだぁ。雌のラーマ様に雌にされてしまうラーマ様。前もラーマ様後ろもラーマ様終わりのない永久供給機関、天上はここにあったんですね。寝取られ?いえ、ラーマ様にラーマ様を寝取られるならむしろ興奮しますが何か」
バッチリと見られていた。大陸各地に飛ばしているエレナ(軍服ママ)の小型UFOはこちらにもきており、シータ(男装)の熱い要望によりアルカトラズ島とオークランドで絶賛生中継だった。
勇ましくあろうとも後ろにいる女よりも女らしいラーマ様(花嫁)によって頬を紅潮させ、身をよじるラーマ様、ピチっとした黒い下履きから窺える確かな膨らみの映像は二人のラマニストを興奮の渦に叩き込んでいた。
一応、矢をつがえている二人は妻達を助けるという名目で来ているのだが世界の終わりのような声を上げて狂喜乱舞しているシータ達はどうしようもないぐらいに腐っていた……早すぎる。
「あ?なんだ?眩し――」
結局の所、マスターの手によって女の子にされたとはいえ、インド神話における大英雄。さらには彼の精液によって進化を遂げたラーマ(花嫁)の宝具は本来の威力には及んではいないとはいえ、災害とも言える程に成長した『暴食の巨人』の上半身を跡形も無く吹き飛ばした。
星のように流れていく魔弾は暴食を続ける巨人の口へと吸い込まれ、光と爆風によって構成された巨大な球型の炎となって大海を照らした。
実にあっけなさ過ぎる最期だったが、これは『暴食の巨人』が弱いというわけではない。飢餓を覚えれば覚える程、成長するスペックと耐久力、破壊力に関しては今回、殺生院キアラが召喚した眷属の中ではトップクラスだが、それによって俊敏性と思考力は完全に欠如していた。
故に『暴食の巨人』を殺し得るだけの攻撃力という高いハードルさえ超えてしまえば、実に楽な仕事である。
カルデア島に住む彼女達ならば「キングプロテアの方が万倍厄介」と口を揃えて言うだろう。
【第六の戦】
コサラの王:ラーマ
花嫁にされた夫:ラーマ
VS
暴食の巨人
勝者:ラーマ(♀)×ラーマ(♂)
エレナさんが操る小型UFOに乗り、敵本拠地であるワシントンまで向かう私達。各地で奮闘していた皆も徐々に合流していった。大なり小なり傷は負っていたけれども、エレナさんの話を聞けば、味方陣営で消滅したサーヴァントはいないらしい。
主要メンバーで今、この場にいないのはグダおとついてる花嫁ぐらい。もしかすれば、グダおの事だから、さっさとワシントンで殺生院キアラと決着をつけていそうなものだが……。
「正直、所長がグダおの力を借りずにラプチャーの眷属を倒すとは思いませんでした……。てっきりやっぱ無理ぃ!って喚いて泣きつくもんだと」
「まぁ、喚いてたのも泣いてたのも事実ですけどねぇ」
「シッ!黙ってなさいロビン」
「ですが李書文さんの拳をものともしなかったあの悪魔を打倒出来たのは素直に素晴らしいと思います!所長はカルデアのトップとして相応しい実力を既に兼ね備えていたのですね!」
「あぁ、マシュ……。私の味方は貴女だけよ」
所長があの悪魔を倒したと聞いて、書文さんの瞳がピキンと光ったような……。
純粋に大金星を上げた所長を褒めるマシュを感極まった所長が抱き締める。わたわたと慌てるマシュも可愛いがそのなすびちゃんはうちの大事な後輩なので百合の道には導かないで欲しい。
『最初の頃はマシュが怖くて、トイレでゲーゲーしてた所長が成長したね……』
確かに一見すればクソ雑魚メンタルなのは変わらないけど、今の所長は同じクソ雑魚メンタルでも形状記憶合金性。折れてもすぐに戻る精神性を有しているように見える。
くっ、これが男に抱かれた女の余裕か。私と所長ではまだ回数に圧倒的な差があるし……。
「やはり露出度なのでしょうか。私もシャツとスカートの丈を半分ぐらいにしてパッツンパッツンに詰めれば獣になった父上にゲイ・ボルグしてもらえます?今、ちょっと服斬りますね」
「そんなはしたない格好をしていると異母殿からまた槍が飛んで来るぞ」
「現役時代にあんな対魔忍みたいな格好している女に服装についてとやかく言われたくないです!感度3000倍になってその辺の魔獣とFUCKされればいいんですよあんな女ぁぁあああっ!?」
「言ってる傍から……」
虚空から投擲されている槍の雨を叫びながら避けているマイフレンドたるスカナナの言う通り、もっと服装からのセックスアピールが必要なのかな?確かにアイドル衣装とか、プラグスーツとか、学生服には反応してたわけで……。
「さすがに水着の魔術礼装とかは、ないよね……」
『あるよ』
「あるんかい」
「ごめん逃げられちゃった」
よほど激しい戦いがあったのだろうか、私達がホワイトハウスがあったであろう更地に到着した時、桃髪の女ギャングのような格好をしている女の人はそう笑いながら、私達に聖杯を投げ込んだ。この特異点の原因となる聖杯を。
似たようなマフィアの格好をしたグダおも隣にいて、ペアルックでにこやかに話す二人をお似合いに見えて、ムムムとなりかけたが――。
「お疲れ様、皆。よく頑張った」
私達の姿を確認するやいなや、私、所長、マシュ、3人まとめて抱き締められるとそこら辺の嫉妬心なんて簡単に吹き飛んでしまうぐらいには私も扱いやすい女になってしまったのだと思う。
その後、スカナナとスコーネの子供二人も抱き締めてグルグル回っている姿を見ると父性を感じて、キュンキュンしてしまう。
というより逃げた?あの初対面だろうが公開オナニー絶賛公開中する羞恥心の欠片も無い女が?何の冗談だろうかと思ったが、彼女が投げ込んで来た聖杯は紛うことなき本物であり、それはこの特異点が修復された意味を示す。う――む、大変は大変だったけど、最後は拍子抜けというか……。私としてはあの女と雌雄を決する気満々だったのだけれど。
「まさか核心突いただけであんな取り乱すと思わなかったわ。人類史上最悪の淫魔だの何だの言われているけど、結構可愛いもんだったわよ」
「メイヴちゃんにレスバで勝てる女の子ってそうそういないと思うんだけど」
「体だけよ経験豊富なのは、心は処女。そんな女だったわ」
まるで精神世界でグダおに抱かれた私と正反対みたいだぁ。
そんな益体も無い事を考えている私に女ギャングの格好をした彼女――メイヴは突然近づき、クンクンと匂いを嗅ぎ始めた。いや、ちょっと今は汗と土まみれなので止めて欲しい……。
「ふぅーん、貴女が彼のマスターね。ふふ、体は処女なのに、心は破瓜済み、そんな匂いがするわ。一体、どこでこの子に抱かれたのかしら?」
「どんな匂いよ……」
所長のツッコミに同意しかない。スカナナも「裏切ったなッ!私の気持ちを裏切ったな!」みたいな瞳で睨み付けないで欲しい、親友だよね私達?
「マスター。この娘、あの快楽天を倒すまでは抱かない方がいいかもしれないわ」
…………は?
「あぁ――やっぱり、そうなっちゃうかぁ」
グダおが納得したような声を上げて、天を仰いでいた。
んっ、ん――?ちょっと意味がよくわからないのですが。
「最後にあの女と対峙した時にその意味がわかるわ。童貞は何のステータスにもならないけど、処女って男にとっては大きな意味を持つ時もあるでしょ?貴方は大して気にはしないでしょうけど。体は清らか、けれど心は殺生院キアラが最も求めている男と経験済み。肉体でも精神性でもマウントを取れるって結構重要よ」
さっきから私にとって嫌過ぎる方向に会話が進んでいるのだけれど……スカナナがすんごい良い笑顔で肩を叩いてくる。殴って良い?
「ま、貴方はいつだって好きな時に女を抱いているだろうし、一任するわ」
『立香ちゃんの処女膜の有無がビーストⅢ/Rの攻略に関係があるというのかい?』
え?え?何で、私のバージンについてダ・ヴィンチちゃんもメイヴさんもシリアス声で会話してるの?
「えぇ。マスターの
「ハ、ハハハハ、ヤダなー、もう。私の処女膜の有無なんてそんな重要なものじゃないでしょ?」
「駄目ですよ先輩!初めては女の人にとって大事なものと聞きます。そんなぞんざいな扱いをしたらメッですよ!」
違うんだよマシュ!大事だけれどもぉ!大事にされ過ぎても困るんだよぉ!淫獄塔であんな経験して、これ以上お預けされたら私の理性が焼却されるんだよぉ!
「ふむ。人理を救った後に初夜を迎える……実に
「何よ……結構、ロマンチックじゃない……」
止めて止めてネロやエリちゃんの援護射撃で人理修復の為ならしょうがないかーみたいな空気にするの止めて。「世界を救ったら二人で愛し合おう……」なんて死亡フラグプンプンじゃない。ね、グダお!こっち見てよグダお!私のセーラー服に滅茶苦茶興奮してたよね?本当は今からでもむしゃぶりつきたいんでしょ?大丈夫よ私はいつでもウェルカム・トウ・ザ・ヴァギナパークよ!
「マスター……」
いやだー!聞きたくない!そんな慈愛に満ちた顔で見ないで――!
「もうちょっとだけ、お預けだね……」
「――――」
「先輩……」
『いいのかいマリー?立香ちゃんに慰めの言葉は』
「しないわよ……。今度こそ、腕折られるわ」
おのれ殺生院キアラ……。全部あの女が悪い……。でも私はまだ諦めない……!
「挿入しなければいいんだよね?な、ならBまでならOKでしょ……!?」
『強かになったねぇ、立香ちゃん……』
次の特異点ハリー!!RTAの時間じゃああぁっ!!
聖杯は回収され、このアメリカの特異点も完全に修復された。既に召喚された英霊達及び、カルデアメンバーの退去は始まっていた。
アメリカ大陸の西端、徐々に光の粒子に包まれたながらも涙して抱き合う二人の男女がいた。
「ラーマ様……!」
「シータッ!」
不幸とすれ違いが重なり、英霊になってもなお続く別離の呪い。聖杯戦争においても決して出会う事が出来ない二人は別れ際とはいえ、感動の再会を果たす事が出来ていた。
当然、歓喜の中に包まれた中でもその事についてラーマは疑問を抱えていた。
(一体、どういう事だ……?いくら特殊な形式の聖杯戦争だからとはいえ、余とシータはこんな容易く出会って、ましてや触れる事など出来なかった筈だ……)
二人には気付かれないような距離から抱き合うラーマとシータを被写体に収めシャッターを切るシータ(男装)は語る。
「離別の呪いは夫婦であったラーマとシータにかけられました。二人は互いに愛する者と出会う事は出来ないそういう呪いです。ならば、認識をずらしてしまえばいいのです」
この世界のラーマはここのシータとは別種の色気を持った異なる世界のシータ(と本人は思い込んでいる)と出会い、肉体的な接触も持った。
「世界とは観測と認識で成り立っているのです。たとえ、あるAが『自分は存在している』という意識を持っていてもそれを観測する人が誰もいなければ、その人は存在しないという事になります」
シータ(男装)は至極真面目な顔で頭がおかしい理論を唱える。
「ラーマ様の事を、周囲にいる全ての人が『雌みがヤバいラータちゃん可愛いよラータちゃん』と認識し続ければ、ラーマ様はラータ(♀)ちゃんになり得るのです」
見たことも無い男を夫とする純白の花嫁姿のシータ。自分ではない男と結ばれる妻の存在は少なからず、ラーマの認識に大きな衝撃を与えた。
そしてラーマだけではない、シータにも新たな扉は開かれている。
「では余の役目もここまでだな。ラーマよ、今度はその伴侶の手を離さないようにな」
「……まっ、待ってくれ!もしかして、君が何かしてくれたのではないのか?」
ラーマは振り返り、去ろうとする花嫁姿のラータちゃんを呼び止める。別の世界の見ず知らずの男と結ばれたシータだが、それでもこの特異点では何だかんだで自分の事を気に掛けてくれ、発破をかけ、こうして妻との再会の場まで導いてくれた。
異なる世界だろうとも、その言葉遣いは変わろうとも、匂い、感触は思わず劣情を覚えかけてしまうぐらいにはラーマにとって彼女はシータだった。
最後までもらってばかりで、何一つ返す事は出来なかったが、せめて感謝の意ぐらいは示したかった。
「ありがとう……!本当に……ありがとう!君にとっては知りもしない男をここまで助けてくれて、ありがとうッ……!!」
「余は何もしておらぬ。そして、余ではなく、後ろにいる彼女の事を気にかけよ」
「あぁっ!」
ラーマ(花嫁)は切に願った。今、お前の背後で涎を垂らしながら、「はぁはぁ、あんな切なくラーマ様(♀)に訴えかけるラーマ様(♂)もたまんねぇ……勃起もんです」と悶えている嫁の顔を心から気にして欲しいと。
(余はそちらのシータに関しては何もしておらぬ)
この世界のシータにとってラーマは愛しい夫という点だけではなく、推しであり、おかずであり、萌えとなった。矢を構え、ラーマとラーマが絡み合っているあの光景を見た瞬間、シータの中で新しい世界が開けたのだ。甘美で耽美な雌みに溢れたラーマにあらゆるものが掛け合わさる無限大な夢。
シータ(男装)はこの世界のシータにマスターに翻弄され、雌に堕ちていくラーマが描かれている『七歌物語』を見せた。それだけでなく、自らの口からもラーマとマスターの営みを赤裸々に語り、そして最後には自身の夫と花嫁姿のラーマを絡みを見せた事でこの世界のシータも完全に勧誘した。
これが彼女の布教宝具。ありとあらゆる手練手管を用いて同士を増やす洗の……啓蒙活動。
『
もはや猿バーリが離別の呪いをかけたまともな夫婦はこの世界に存在せず。女装した自身にドキドキしてしまったラーマと夫に対して801以上のプリミティプなシチュエーションを妄想して悦に浸っているシータが出来上がった。
――離別の呪い「ラーマ王?シータ王妃?知らない人達ですね……」
「帰ろうか、シータ」
「はいラーマ様♡」
特異点から二人は消失する。だが、もうこの世界において二人を引き裂くものは無くなった。
あのラーマならきっとシータの腐り切った欲望も受け入れるだろう。離別の呪いを乗り越えた二人はまたどこかで出会う筈。
「――この特異点で得たかけがえのない思い出をたとえ座に還っても彼女は忘れる事はないでしょう……」
「良い話風に締めようとしても余は騙されんぞ」
「あいたっ」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ――」
ソロモン王――魔神王ゲーティアの本拠地だった冠位時間神殿、彼等を取り込み、存分にその肉体を使える殺生院キアラは当たり前のように魔術の王の神殿も改造を行っていた。
不思議な空間だった。
星々が浮かぶ宇宙に幻覚すら疑う程不似合な平凡な庭付きの一戸建てが浮いていた。
夢見がちな乙女が結婚願望を想像する時に出てきそうなオーソドックスな家。
だが外見と内部の空間は一致していない。恋を知った獣はその
「あ――、あ――、あ――」
殺生院キアラは浮かんだ汗で淫らな尼装が肌に張り付いているのも気にせず、髪を掻きむしっていた。
「は、恥ずかしい! 恥ずかしい! 恥ずかしいっ!! 恥ずかしいぃ――!! あり得ない!! あり得ない!! あり得ない!! あんな女に! セフレだの! 親友だの! 聞こえの良い言葉であの人の心地良い位置を占領している淫売に知られた! 知られてしまった!!」
それはまるでふとした瞬間に黒歴史を思い出して、ベッドの上で悶える若人のように恥ずかしさで顔を真っ赤にしたキアラは誰もいない空間でうずくまり、ひとりでに叫んでいた。
「違いますから! べ、別に何も怖くありませんから! 振られたら自殺する? 全然! ぜんずぅぇ――ん!! 堪えませんし! 私の物になるまでアプローチし続けるだけですから!? 101回ぐらいプロポーズ出来ますもの!! 恋愛経験超豊富ですし!! はい論破! 私の勝ち! 貴女の言ってる事は見当違いの的外れ! そんなドヤ顔で言って恥ずかしい恥ずかしい! だからこの話はここで終わり! 私の勝ちで終わりです!」
キアラにトドメの一言をくれたメイヴはここにいるワケはなく、キャラ崩壊している彼女の叫びは虚しくこだまするだけ。
そもそもワシントンで「マスターに次、振られたら自殺するでしょ?」と言われた瞬間、彼女は数秒固まってしまったのだ。それはメイヴの言っている事が事実だと自ら証明するのに十分過ぎる時間だった。
キアラは全身全霊で殺そうとした。死人に口無し。自身の乙女の園を暴いたメイヴを始末しようとした。
だが彼女はそう経たない内に逃亡の選択肢を取った、アメリカの特異点そのものから。
ワシントンに彼が近づいているとわかった瞬間に気付いたらここにいた。
「どうして!! 私の体は心の思うままに動いてくれないのですか!! 何がビーストⅢ/R! 何が愛欲の獣! 何故こんな生娘の如き振る舞いを私がしなくてはならないのですか!? 欲望の赴くままに彼を求める筈だったのに!! どうして!どうして!!」
期せずしてキアラが自らの行動によってメイヴの言っている事が正しいと証明してしまった。
『愛欲の獣』。確かに殺生院キアラという獣が欲望だけで彼を求めていたら、こんな事にはなっていなかった。
皮肉にも世界線を越え、ここまでやって来た原動力ともなる彼への『恋』がキアラを縛り付ける毒となっていた。
その毒は魔神王を飲み込んだ愛欲の獣にスケールと比べれば小さきものだが……余りにも致命的だった。
「…………………………死にたい」
膝を抱えたキアラは神殿の鍵を固く固くしめた。もうここから出たくない。誰にも会いたくない心を示すように神殿の奥底へと引き籠った。
第六特異点、及び第七特異点。殺生院キアラ不在……確定。
『
ランク:A++~EX
種別:対軍宝具(一人使用時)、対城宝具(二人使用時)、対国宝具(三人使用時)
使用者:ラーマ(花嫁)+シータ(男装)+グダおor(血縁者)
歪つな形で結ばれた3人の名を冠した弓。矢はつがえられておらず、使用者の魔力によって矢が構成される。本来の使用方法としてはラーマが弓を構え、両サイドからサンドするようにマスターとシータが挟む込み3人で放つ。その威力は簡単に大陸の地形を変え得るものとなる。一応は血の繋がりさえあればラーマかシータの子供でも使用条件を満たす。この弓を放つ体勢と3人のお気に入りの体位は奇しくもそっくりらしい。シータが張形で後ろからラーマを犯し、マスターは前からキスしながら雌チンポをしごき犯す決して折れる事のない3本の矢。まぁ、ぶっちゃけシータからすれば3Pならどんな体位でもOKですとの事らしい。嬲情矢が嬲情夫に見えても仕方がない。
『
ランク:C
種別:対人宝具(布教宝具)
ラマニストたるシータのラーマへのちょっと歪んだ愛の形が宝具化したもの。シータの腐った瞳はほんの少しでも素質のある者を絶対に逃さない。書物、映像、話術、実体験、あらゆる媒体を用いて対象を沼へと沈める。この沼に完全に沈んだ者は沈む前とは別人言える程に変貌を遂げる。ステータスは全てワンランク上がる。創作・布教活動には体力も基本。毒を以て毒を制する……今回のように離別の呪いを解呪する事も可能。ちょっと毒が大き過ぎひん?
かつてはラーマ×マスターで混ざりたい派であった彼女は見守りたい派である刑部姫と解釈違いでしばらく対戦状態だったが、ドアの隙間からひたすらマスターに犯されるラーマを見せ付けられるプレイでNTRにも目覚め、和解し、あらゆるものに寛容になった。どうてもいいね。
次回からは9か月ぶりのアポ編イキますよー。