※この作品はR-18です。

おいでよ カルデアの森   作:一火

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いつの間にやら、感想数がR18小説の中で一番になっていました。これも皆様の応援とほぼ全ての感想返しを行った私のおかげですね(隙あらば自慢)。R18小説の中で唯一トップを取れそうな所でもあったので非常に嬉しいです。まぁ、最近はこれホンマにR18なんかってツッコミ入れられそうなんですが。
五章実装前に投稿したかったので、いつもとは違う時間です。










最近、キリシュタリア様が毎日金の林檎をくれるのでこれってもしや求婚ではっ?(ギリシャ的に)と訝しむ作者なのであった。ぐだ子だったらワンチャンあった(ないです)。





週末のワルキューレ②(第2部 2章)

 スルトが保有する宝具『太陽を超えて耀け、炎の剣(ロプトル・レーギャルン)』。

 

 炎の剣をただ振り下ろすという至極単純な攻撃方法だが、摂氏400万度超という地球上に存在し得ない高熱を巨人のスペックで全身全霊叩き落とすそれは文字通り、世界を終わらせる業火であり、英霊だろうと神だろうと防げる者はほぼいないと言ってもいい。

 星の聖剣にも匹敵する神造兵器。油断も慢心も無く、世界を滅ぼす一撃がただ一人の男に向けて放たれようとしていた。

 

 文字通り神々の黄昏が炎の剣となって迫る──。

 

 その場にいるフランス皇帝も、魔剣の騎士も、戦乙女達も、雪の女神も、複合神霊も、全て等しく灰塵と化すであろう絶望の中、コンマ1秒の硬直も無く、この()()の窮地など日常茶飯事だと言わんばかりに一番早く動き出した者達がいた。

 

 

「『領域展開 讐骸憤竜園─炎葬式(しゅうがいふんりゅうえんえんそうしき)』」

 

 

 神殺しだろうが、世界を滅ぼす宝具だろうが、邪ンヌはマスターならそれを防ぐ術を持っていると一切の陰りなく信じていた。

 だから彼女はこのあまりにも規模が大き過ぎる戦いの余波が集落まで及ばないように固有結界で周囲の者達全員を含め、スルトをこの北欧から一時的に隔離した。

 

「そんなには持たないわよ!!」

 

 世界は書き換わり、恩讐の炎に包まれている十字架の草原の中で彼女は叫ぶ。スルトという神話級特大クラスのエネミーを固有結界の中へ取り込んだ状態は長続きしないと。

 

 

 言葉も交わさず、マスターを信頼し、最善の一手を取る……付き合いの長さは負けているが、絆の深さに関しては決してマシュにも劣らない贋作聖女。

 彼女に感謝しつつ、マスター……デアーはビースト状態を50%まで解放。

 

 リミッター……

【童話作家 ハンス・クリスチャン・アンデルセン作:『カルデア国物語』】解除(パージ)

【劇作家 ウィリアム・シェイクスピア作:『カルデア業物語』】解除(パージ)

【天才芸術家 レオナルド・ダ・ヴィンチ作:『カルデア寝物語』】解除(パージ)

【月の超級AI BB作:『HBチャンネル』】解除(パージ)

【浮世絵師 葛飾北斎作:『官能会之故姦通』】解除(パージ)

 

 極地礼装である黒い服がはじけ飛び、鍛え上げられた上半身が露になる。突然の露出に雪の女神が「すかっ!?」と驚愕しているがそれに反応している暇は無い。首元までしか無かった黒髪は腰まで乱雑に伸び、上半身の至る所に令呪の如き赤き紋様が刻まれる。

 かつて、ギリシャ異聞帯で宣戦布告した時と全く同じ姿となった。

 

()()()において七つの宝具を持つデアー。第五以上の宝具を使用する際には少なくとも宝具『Call Dear(親愛なる 貴方へ)』の内、五つのリミッターを解除(パージ)し、50%以上のビーストモードにならなければならない。

 

 

 世界が変貌を遂げようとも意に介さないスルトの終末の剣が降りてくる中で今……第五宝具発動の条件が整った。

 

 

 本来、この破壊を前にしてもマシュ・キリエライトという少女は絶対に引く事なく盾を構える。後ろに守るべき者がいるのなら、その身が消失しようと盾を構え続けるのがマシュ・キリエライトというシールダーの性質だった。

 

 だが──今回に限り、彼女は盾を構えていない。マスターの前に立つ事なく、隣で盾を手に全身の力を抜いた自然体でその場に佇んでいた。()()()()()()()()()()()かのように。

 

「ずっと一緒です。先輩(マスター)

 

「あぁ……第五宝具解放」

 

 

 

 デアーの声と共にマシュの肉体が盾ごと光の粒子に包まれる……その粒子は英霊が座に帰す時に現れるそれよりも遥かに強い輝きを放っていた。光の中でマシュは短く「あっ」と艶やかに喘いだ後に力強く宣言した。

 

 

「『Sex code(セックス・コード):マシュ・キリエライト』」

 

 

 光の粒子が夥しい数となり、マシュ・キリエライトという少女を構成する肉体の輪郭が薄れ、朧気になる。やがてマシュの姿は消え、彼女の肉体の素となった粒子デアーの元へと流れ、星雲のように彼の体を包み込む。

 

 その白き光がスルトの炎の光を押し返す程に輝きを増し続け……。

 

 

「『S (スピリット) E (エンゲイジ) X(ザナドゥ)!』

 

 

 輝きが晴れた先に白き盾を天高く掲げたデアー()()の姿があった。

 白く染まった円卓を模した十字架型の盾は彼を中心とした周囲100mを完璧に防御、スルトの剣による破壊を何一つ許さなかった。

 

「あれは……」

 

 変貌の一部始終を目にしていたオルトリンデとスルーズ……彼の宝具は彼女達に遠い昔、大神(オーディン)に聞かされた話を想起させた。

 未だ神代が続き、地上にいる彼女達が直に経験した事ではないが……ヴァルハラへと導かれた勇士達が戦乙女と共鳴した時、戦乙女はその肉体を勇士達にふさわしい武器へと変態させると、天界に訪れる危機に立ち向かえる力を与える為に。

 

 北欧の為にその身一つで絶望の炎と対峙している姿を見ていると、そんな機能は無い筈なのに胸が暖かくなったような錯覚に陥る。彼女達は自然と手を祈るように握っていた。敵対していた……この地はかの者が生きる地とは全く無縁の場所だ。見捨ててもいい、逃げてもいいのに──あぁ、どうして。我らでさえ諦めがよぎってしまう程だったスルトの終わりの一撃を、北欧を滅ぼさせまいと奮起してくれているのか。

 

 この時、二人の戦乙女は心で理解した。スカディに涙を流させたあの男の言葉に嘘偽りは無い。彼は間違いなく人の子が生きる我らが故郷を守護しようとしてくれていると。

 

 

 

『マシュの姿が見えない……? なのに魔力反応は確かにそこにある……いや、これはマスター君の体からマシュの魔力反応を感知している!?』

 

『これはただ単純に武器に変化したという生易しい話ではない……! 細胞、魂レベルで二人が完全に合一しているのか!?』

 

 ダ・ヴィンチとホームズは一つの肉体から二つの魔力反応を感知するという事態に驚愕する。

 

 カルデア式によって召喚されたサーヴァントは基本的にマスターとの距離が近ければ近い程ステータスを向上させる。セラフィックスにてレベルが低い段階でもマスターと手を繋ぎ、踊り、戦い、他のサーヴァントを圧倒したメルトリリスのように。

 ならば、肉体的な接触よりもさらに、性交よりも深く、結び付く事が出来れば? マスターに抱かれ、白き魔力を注がれ、サーヴァントよりも上位の体を持つようになった彼女達が最高のコンディションの状態でマスターと一体化すれば……それは一体どれだけの強さを産み出してくれるのか。

 

 スルトの宝具を盾でまともに受けてなお、彼は焦りも無く、笑みを浮かべる。重みすら感じてないかのように涼しい顔でただ盾を上へと掲げている。

 

 

 これが第五宝具『S (スピリット) E (エンゲイジ) X(ザナドゥ)』。

 

 愛と精を交えた乙女と一つとなり、強靭な()器や()装をその身に宿す合体宝具。

 

 初めて契りを結んだマシュとの相性は測り知れず……今や守る──その一面においてのみ、ありとあらゆる破壊全てを拒絶する白愛の盾となっている。

 

 

 

 

(なんだ……? 俺は今、何を斬っている?)

 

 未だ、剣を振り下ろし続けているスルトに浮かんだのは疑問。

 デアーが盾を構えた時、鼻で笑った。そんな小さき蓋で何が守れると。希望も余裕も何もかもその盾と共に真っ二つにするつもりだったが……現実はそうはならなかった。何故、未だに自分は剣を振り続けているのか……宝具を発動し続けているのか……奴らは滅びていないのか。

 

 

(まるで手応えが無い……)

 

 数多の神々をこの剣で屠り去ったスルトは断言する。剣を振るう以上何かしらの感触は絶対にあった。どんなに取るに足らない物であろうとも炎と衝突し、命が潰えるという感触がある筈だとスルトは訝しんだ。デアーの白き盾と接触している……筈だ、信じられない事だが『太陽を超えて耀け、炎の剣(ロプトル・レーギャルン)』が防がれてしまっているという事実が存在している。

 なのに、拮抗しているという実感すら湧かない程に手応えが無かった。

 

 

(馬鹿な、届いてすらいないのか…………!?)

 

 

『当然です。女の子の扱い方もわからない童貞敗北剣に()が破れる道理はありません!』

 

 誇るように白き盾からマシュの声が聞こえた。

 第五宝具によって武器(性器)と化した彼女達にはそれぞれの特性が現れる。マシュの場合はその貞操の硬さ。

 デアーの初めてを奪い、自身の初めてを捧げ、生涯をこの人と共にすると心に誓った一途さ。

 つまり、先輩(マスター)以外の男の接触行為を拒絶する彼女の潔癖の現れともいえるそれは盾と攻撃対象との間に無限の空間を造り出し、()に触れる事すら許さない絶対純潔領域。

 

 スルトはただその無限に向かって剣を振り下ろし続けているにすぎなかった。

 

『私の()まで届くのは先輩のぶっとくて長い剣だけですから!』

 

「力抜けるからもう少し真面目にやってくれないかしら!?」

 

 必死の想いで固有結界を維持している邪ンヌから苦情が入る。

 

「大丈夫ですかお姉様! おっぱい揉みますか!?」

 

「今すぐ黙って私にルーン魔術かけ続けるのと、一ヶ月マスターと私の当番表からはぶくのどっちがいい?」

 

「ブリュンヒルデは出来る妹です。クールにお姉様にバフをかけ続けます」

 

 しかし言動はともかくとして、神をも打ち砕く宝具をものともしてない現実をスルトは認めなくてはならなかった。ならばと──。炎の剣だけではない、スルト全身の魔力と熱がさらに上昇する。より強くより熱く際限なく剣に込める力を高める。誠に癪だが、眼下にある盾を破れないならば、別の物を破壊するのみ。

 

 表現するならば炎の津波。スルトの肉体と剣から紅と蒼が混ざり合った劫火が噴出し、邪ンヌの固有結界を破ろうと牙を剥く。

 

 

【その盾の強靱さだけは認めてやろう。だが一体それでどこまで守れる? 貴様の盾は北欧全てを覆い隠せるものなのか?】

 

 否と──せいぜい今周りにいる英霊共を囲う程度でいっぱいいっぱいの筈、わざわざ女の力を借りて、固有結界を発動したという事はデアーは北欧を戦場にはしたくないのだろうとスルトは推測する。その理由は彼にとって不明ではあるが、別段興味があるものでもないのでどうでもいいのだろう。

 

 現在の北欧はあまりにも脆い、封印される前のラグナロク以前よりも。雪の女神の助力がなければ、簡単に絶滅してしまう程に。剣を完全に振り下ろさなくとも、今の状態のまま全身に殺戮の炎を焚き続けていればそれだけで北欧という敷物(テクスチャ)はいずれその炎に飲み込まれ、消滅してしまうだろう。

 故にスルトは依然として宝具は発動したまま、全身に力を漲らせた。

 

 北欧を守ろうと盾を下ろすのならば、炎の剣をそのまま振りきるだけ。北欧も、この忌々しい獣の命も終わる。

 盾を下ろさないのならば、それはそれでよし。北欧を我が身の獄炎で灰にするだけ。現状、時間が味方をしているのはスルトの方だった。

 

(ククク、俺に宝具を発動させた時点で既に貴様の命脈は尽きている)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『と、あのデクの棒は思っているだろう。ある点ではその考えは正しい。さすがに今の状態ではマスターは身動きが取れぬ故、奴に対しての攻撃手段が封じられている』

 

 使い魔である鳩を潜ませていたセミラミスはマスターの盾による絶対安全域の中で残った英霊達にそれを通じて、言葉を送る。

 

『あの宝具を受けて、マスターが生きていたとしても北欧が滅んでしまえば、それはこちらの敗北に変わるまい。マスターはこの北欧で()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と決めているようだからな。では時間が無いので手短に貴様らの仕事を割り振ってやろう。本日のノルマ:「スルトに宝具をぶっ放せ」以上だ』

 

「以上……って。それであのスルトを打倒出来ると?」

 

 あまりに高慢かつ雑とも言える指示にスルーズが口を挟んでしまう。スルーズ個人としてはどうにかしたい……今もなお、盾を構え続けているデアーの力になりたいという想いがある。だが、戦乙女としての機械的思考が黒き者との戦闘力差を理解してしまっている。冷たく告げていた──不可能だと。

 

『戯け。貴様らに倒してもらおうなどと考えておらぬわ。我が主が第五宝具まで引っ張り出し、珍しく本気を出している以上、巨人殺しはマスターの仕事、誰にも譲らせるつもりは毛頭無い。一瞬でよい、奴が自身の宝具を打ち切るだけの衝撃を与えろ。後はマスターが如何様にもする』

 

 そもそも──と。使い魔を通じている為、姿は見えないが悪辣に口元を歪ませた女帝の姿を英霊達に幻視させるぐらいに挑発的な言葉を告げた。チョコレート工場にて部下にやる気を出させる上司のノウハウをマスターしたと自負するセミラミスは発破をかける。

 

『あの巨人はマスター以外、眼中にない。貴様ら程度は()()()で殺せると舐められているのだ。さぁ、曲がりなりにも人類史に名を刻んだ英霊、神霊達よ、その屈辱をよしとするか? 奴の炎の剣を中断させるぐらいの一撃すらも出せず泣き寝入りか? まぁ、それはそれでよしとしよう。隅で部外者が全てを片付けるのを眺めているがよい』

 

 その言葉に異論を挟む者も闘志を湧かせない者もいなかった。昂る魔力が彼等の答えを示していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──なぁ、女帝さんよ。さっき「人の死者を一人たりとも出すつもりは無い」って言ったよな? 

 

 ──あぁ。

 

 ──ならあの人類悪にはオフェリアを助ける術があるってワケか。まぁ、スルトに囚われている呪いをぶっ壊すぐらいなら俺もどうにか出来るんだが……。スルトとオフェリアの魔術回路(パス)がどうにも不安でな。それを残すと良からぬ事が起こるっていう勘がね……ま、これも可能性の話にしか過ぎねぇんだが。

 

 ──ほう、密林の奥に生息していそうな外見の癖に幾分か知恵が回るようだな。

 

 ──ゴリラじゃねぇよ! アイツ(デアー)には何か手があんだろ? 

 

 ──当然だ。我がマスターの力は貴様が身をもって経験した筈だが、弓兵? 

 

 ──あぁ、非常識っぷりを嫌って程にな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 デアーと矛を交えた時よりもより強く逞しい輝きをもってフランス皇帝が砲門を頭上へと向け、『凱旋を高らかに告げる虹弓(アルクドゥトリオンフドゥレトワール)』を放つ。不可能は無いという人類の(イメージ)によって後押しされた弓兵(アーチャー)の最大の一撃。

 

「おいしい所は譲ってやるよ!! だが、大団円(パッピーエンド)じゃなきゃ承知しねぇぞ人類悪(デアー)!!」

 

 ナポレオンの高らかな()哮を皮切りに北欧を……人が生きる世界を守ろうという一つの目的の元、集った英霊・神霊達が自己を象徴する宝具をスルトに向けて放つ。

 

 

 

「当方の霊基(肉体)が迷惑をかけた詫びはしなくてはならぬな。だが今は……」

 

「えぇ、私もこうして貴方と共に戦える喜びに酔いしれたい所ですが……」

 

 シグルドが魔剣グラムの性能を全て解き放ち、拳を構える。スルトに支配されていた時の悍ましい炎は無く、ただ人を守護せんとする正き英霊の光が迸る。

 

 その傍らでシグルドに寄り添う戦乙女がいた。

 彼女が構える槍の大きさは4m超、重量は5t。対象がシグルドならざるスルトの為、その威力は最大値まではいかぬが、ブリュンヒルデ自身のモチベーションの高さは自己ベストを叩き出している。

 

 会いたいと切望していた男と共に世界の危機に立ち向かう事が出来る。戦乙女としても、ブリュンヒルデという女個人としても燃え上がらないワケが無い。

 魔剣投擲『壊劫の天輪(ベルヴェルク・グラム)』。

 超巨大魔銀槍による真空の斬撃『死がふたりを分断つまで(ブリュンヒルデ・ロマンシア)』。

 愛憎深い男女の宝具が同時に放たれる。

 

 

 

「今が決別の時なのだな、3000年……人の世を苛んできた(貴様)との」

 

 異聞帯の王、スカサハ・スカディの背後に巨大な門が現れ、そこから死を彷彿とさせる影の城が姿を覗かせる。その影の城が与えるは幸運と祝福。今まさにスルトに立ち向かおうとしている勇士たちに絶大な強化を施す。ケルトの戦士、スカサハの面が色濃く出た宝具『死溢るる魔境への門(ゲート・オブ・スカイ)』。女神による後押しを受け、二騎のワルキューレ達が光槍を振りかぶる。

 

「機能最大値まで上昇」

偽・大神宣言(グングニル)投擲準備。対象捕捉完了」

 

 スルーズ、オルトリンデが手にする光槍はオーディンのグングニルの劣化複製版、名を『偽・大神宣言(グングニル)』。武具も、それを手にしている戦乙女達も全ては神の手による模造品であるが故に神殺しであるスルトに敵う機能は持たない。だが……いつの時代も戦況を変えるのは武具の性能ではなく、それを扱う心。理屈じゃなくとも、精神面の変化は攻撃力を上昇させる一つの要因になる。

 機械であると己を自負する戦乙女達もまた、北欧を守ろうとする決意と、仇敵スルトに対する憎しみを確かに持って必中の槍を放った。

 

「はっきり言おう。もうウンザリなのだ、お前(スルト)がもたらす悲劇を目にするのは。私はあの男(デアー)の手を取る。帰ってくるがいい……オフェリア」

 

 

 

 セイバー、アーチャー、ランサーという三騎士、さらにはトップサーヴァントともいえるスペックを持った英霊達の宝具が神の加護を授かり、スルトの無防備な胸先へと直撃した。突然横から殴りつけるように不意打ちを受けたスルトは一瞬、仰け反ったが──、足りない。まだ依然として炎の剣は下ろされたまま。

 

 けれど、彼等の宝具は無駄ではなかった。五騎による同時宝具攻撃の直撃、仰け反った瞬間、足元がおぼつかなくなった一瞬の隙を彼女は見逃さなかった。

 

「びっくり……。スルトの剣をあんなに長時間受け続けられるなんて。人間…………なのかしら? お義母さんも前より表情が柔らかくなってるし……」

 

 駆ける白熊に跨り、弓を構える少女シトナイもまたスカディからのルーンによりスルトが発する炎熱から身を守っていた。回り込むようにスルトの右踵を目指し、到着する前に弓から一射。

 弓から(はな)れた矢は氷の魔力を帯び、直撃したスルトの踵からシトナイまで放射上に氷の道を造り出す。

 

「置いてけぼり感は否めないけどっ! 取り敢えずあなたが邪魔だって事だけは理解しているわっ!!」

 

 氷の道を進み、シトナイを運ぶ白熊──シロウのスピードはさらに加速する。トップスピードのまま、スキル「スノーフェアリー」「カムイユカラ」により氷とアイヌの加護を受けた山刀を全力で振り切った。熊、弓、斬撃による連携宝具『吼えよ我が友、我が力(オプタテシケ・オキムンペ)』。実は竜特攻を持つこの宝具は悪竜現象を起こしているスルトにも非常に有効。

 

 シトナイの宝具と同時に、もう片方、左踵の方にも原始的な暴力を叩き込んでいる益荒男がいた。シトナイが召喚したヘラクレス。ギリシャ最強の戦士は斧剣をバーサーカーに相応しき破壊力で横なぎに振るう、シトナイと同等のタイミングで。

 

「やっちゃうわよ! バーサーカー!!」

 

 

 

【ぐっ……!】

 

 上半身前方、下半身後方それぞれから衝撃を受けたスルトもさすがに無視は出来なかった。宝具の発動を中断せざるを得ず、たたらを踏み、片手を地面につく。多少なりともダメージは受けただろうが、スルトの肉体は未だ健在。

 

 

【鬱陶しい……。この程度で俺が倒せると思ったか? 死にぞこないの英霊、神霊共、それら全てを喰らい、燃やしてきたのが俺だ。貴様らの必死の一撃もただ、ほんの少し寿命を延ばしたに過ぎん】

 

 

「あぁ、そしてそのほんの少しで十分だった。皆……ありがとう」

 

 炎の剣の重圧から解放された男が動き出す。盾を下ろし、艶めかしく腕を前へと出す。

 

「白式官能──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日曜日が嫌いだった。

 

 

 現代の戦乙女と持て囃され、ファムルソローネ家の宿願、「第六架空要素(真性悪魔)」へと到達出来る希望として、両親に期待をされるのが苦痛だった。

 

 だから、その期待が一番顕著に現れる両親と共にいる日曜日という名の牢獄は息が詰まりそうだった。

 

 そして魔術師としてあるまじきそんな軟弱な感情をいつまでも捨てる事が出来ない自分が何より嫌いだった。

 

 

 期待に応えられる程の強さも無く、かといって逃げ出す勇気も無く、私は何もかもが中途半端なままここまで来てしまった。

 

 己の人生を全て魔道に捧げるまでは強くなく、放り投げて一般人として生きる事を選択出来る程弱くも無かった。

 

 囚われのお姫様のように私を助けてくれる誰かがいるかもしれない。気の迷いでそんなありもしない妄想をしてしまった事もあった。

 

 ──全てに悲観し、逃げ出す事も踏み出す事も……手を伸ばす事さえしないアナタを一体誰が助けてくれるというのかしら。

 

 結局、あの女(コヤンスカヤ)の言葉は正しく、私は被害者のまま、全てを台無しにする道化に過ぎなかったのだから。

 

 

 

 

 

 

 燃える、燃える、熱く、そして酷く()()場所。半身を束縛の炎に捉えられ、思考が煩雑になる。自らの手で何かをしようとするには致命的に手遅れの状態だった。

 

 あぁ、何も進歩が無い私はやっぱりここに戻ってきてしまった。

 まるで同じだ。炎に囚われているいる今の状況は……あの日、コフィンの中で全てが終わってしまった人理修復の始まりともいえるレイシフト初回実験の日と。

 

 

 人理焼却の炎に捲かれて諦めるしか無かったあの時と、今の状況に一体どれだけの違いがあるか。

 

 

 マシュと違って【一歩も踏み出す事の出来なかった】女には相応しい結末だろう。

 

 

「それは違うよッ!」

 

 

「………………私を殺しに来たの?」

 

 

「むっ、リアクションが薄いとそれはそれで気恥ずかしい」

 

 腕を前に差し出し、妙なポーズで私の前に現れたデアー。けれど驚きは少なかった。マスターとしてはどうかと思うが、こうなる可能性は想定済みだった。何故か上半身に服は着ていなかったが、全裸を見た私にはもはや気恥ずかしさ等、存在しない。視線を少し逸らしているのは敵愾心からだ。

 

 確かに神殺し、神代の終焉ともいえるあの巨人の王を正攻法で打倒するのは難しい。けれど、どれだけ規格外だろうとも今のスルトはサーヴァント。スカディのようにこの異聞帯に元から存在したワケではない。マスターという要石を失ってしまえば、要するに私さえ殺してしまえば、スルトを倒すのは今より遥かに容易になる。

 

 だから、スルトもマスターとしての価値しか無い私を悪竜の呪いまでかけて縛り付けたのだろう。

 

 空想樹と一体化したスルトを切除するという目的がある以上、いくら女に甘いという噂の人類悪であれ、もうこれ以上私を生かす理由は無い筈だ。

 

 でも、殺される前に一つだけ確認したい事があった。私の独白が耳に入っていた彼に。

 

「一体、何が違うというの?」

 

「あぁ、ちゃんと聞こえてたのね。良かった迫真のカットインまで用意したのにスルーなんてされた日には悲しみのビースト120%モードになってたから」

 

 マシュと長きにわたって共にいた彼なら理解しているだろう。人理修復が始まる前ならいざ知らず、今のマシュと私はもう似ても似つかない。彼女は外界に飛び出して、多くの経験をして自らの意志で選択する事が出来た。恋を知り、愛を知り、色んな意味で大人になった。

 

 それに比べて、私は未だにくすぶり続けたまま。なのにどうしてよりにもよって一番マシュを知っているあなたが否定するのか。

 

「本当に? 自分が何も出来てないと思っている? 踏み出せないまま、何一つ為す事が出来なかったと?」

 

「えぇ、わざわざ確認されるまでもないわ」

 

 汎人類史の敵であるクリプターとして非情に徹する事も出来ず、キリシュタリア様の期待にも応えられず、マスターとしてスルトを御する事も出来なかった。クリプターとしても、魔術師としても、マスターとしても、半端者だった。いずれ訪れる日曜日に膝を抱えたままの臆病者だった。

 

 もしカルデアマスターの唯一の生き残りが私だったら人理修復は間違いなく道半ばで失敗していただろう。

 

「それでもオフェリアさんは、ちゃんと一歩を踏み出したと俺は思うよ」

 

「あなたに何がわかると言うのッ!」

 

 何で断言出来るの! ……私の事なんて何も知らない癖に! 私がどういう思いで、どんな人生を歩んできたかなんて碌に接点がないあなたに分かる筈ないでしょう! 知ったような口を利かないで! 

 

「うん、魔術師であるのは当然として、クリプターである貴女の事も全くと言っていいぐらいに知らない。でも、それでも──俺はオフェリア・ファムルソローネという乙女が見せた勇気を知っている」

 

 

 癇癪を起こし、声を荒げる私に対しても彼は絶対の自信を持って告げていた。慰めているわけでもなく、気を遣っているわけでもなく、ただ事実として私が為し得た事を知っていると大空のような瞳が雄弁に語っていた。

 

 

 

「だって貴女は【マシュを助ける為に震える程に怖くて仕方なかった俺に立ち向かったじゃないか】」

 

 

 ──────。

 

 その言魂はついさっきの私の弱気を的確に打ち抜いていた。

 

「いえ、いえ……待ちなさい。でもそれは全て誤解…………マシュは助けなんて求めていなかった」

 

「それは大した問題にはならないよ。誤解だったとしても貴女がマシュの為に恐怖を押し殺して、立ち上がったという価値は絶対に損なわれない」

 

 彼は嬉しそうに笑っていた。誤解で自分の命が狙われたというのに一切気にしていなかった。

 

「ここは正直に答えてもらおうか。貴女があの時、俺に立ち向かったのはクリプターとしての責務を果たす為? あの時見せた激昂は敵対関係であるカルデアが許せなかったから?」

 

「違う……わ」

 

 私はあの時、本気で虐げられているマシュの現状を憂いて、道具のように扱うあなたの事が許せなくて、何とかしなくちゃって思って……それで、それで──。

 

「ほら、誰に強要されるワケでもなく、自分の心内から出た行動だったんでしょ? それは十分踏み出したって言えるんじゃない?」

 

 仇敵だったデアーの言葉に私は小さく嗚咽を漏らしていた。

 だってそれを認めてしまったら……私が自身の人生の中で初めて自らの意志で選んで、一歩を踏み出す事が出来たのが友達になりたかったマシュの為だなんて、あまりにも美談過ぎて私には荷が勝ち過ぎているじゃない。

 

「色々と気難しく考えてしまっているオフェリアさんにこんな言葉を授けよう」

 

 

 …………? 

 

 

「【貴女は何をしてもいいし、何を為さなくてもいい】」

 

 

 それはとても救いに満ちていて。ずっと、ずっ──と私が……昔から求めていた言葉だった。

 

「人の生き方にこうあるべきなんて正しき姿は無いよ。貴女は貴女の思うままに、命短し人の生。鳥のように自由に行こうじゃないか、それで最期の最後に『あぁ、楽しかった!』と思えれば上等よ」

 

 彼は眩しい程に人生というものを楽しんでいた。今、私と相対しているこの瞬間も。

 はぁ……はは、あはは。本当に情けないわ。散々よ、あなたが来てから。ギリシャ異聞帯の会議の場で初めて見た瞬間から、錯乱して、逃げ出して、引き籠って、マシュが虐げられていると知って、震えながら立ち向かって、全裸を見せ付けられて、そしてマシュの事は誤解で、当の彼女は女として遠く先に進んでいて、スルトに呪いをかけられたと思ったら、元凶であるあなたに励まされて……。

 

 

「でも、ありがとう。最後に私の質問に答えてくれて、もう思い残す事はないわ。もしこれからギリシャ異聞帯でキリシュタリア様に会うなら伝えてくれないかしら、クリプターとして期待に応えられず申し訳ございませんって。そして、マシュにはガールズトークの続き、出来なくてごめんとも」

 

私の言葉にこの人は何を言っているんだ?と首を傾げているデアー。何だか無性に腹が立つ顔をしているわね……。

 

「いや、殺すつもりとかまるで無いんだけど。貴女をここから出す為に来たんだし」

 

「は?…………えっ? いや、どうして? 状況分かっているのかしら? スルトを現世に留めている要石でもある魔眼を私ごと殺してしまえば、大幅に弱体化する事が出来るのよ? クリプターである私に、人理修復というあなた達の成果を滅茶苦茶にした私に情けをかける必要は無いでしょう!」

 

「オフェリアさんが今、心配している事とか、負い目に思っている事は取り敢えず、今は気にしなくていいとだけ言っておこう。それに俺はクリプターがどうとかはぶっちゃけどうでもいい。俺はいつだって、俺独自の判断基準に則って助けたい人を助けているだけ。もちろん全てを救いたいんだ! なんて博愛主義になるつもりも毛頭無いし」

 

「あ、あ、……後で体とか要求してきても応えれないわよ!」

 

「オフェリアさんって自己評価が高いのか低いのか偶によく分かんなくなるよね」

 

 差し伸ばされた手を前にして、私は未だに判断に迷っていた。

 今の状態のままでは良くない事は十分承知だ。だけど、カルデアに害していたクリプターという立場が私を硬直させる。マシュの想い人を襲った私にこんな都合の良い奇跡が訪れていいのか……だって私にはそこまでされる価値なんて無い。なんでこの人は迷いなく私を助けようとしてくれるのか、それがまるで分からなかったから。

 

 今まで助けられた事なんて無かったという経験の無さが躊躇を産んでいた。

 

 私を包んでいる炎が勢いを増している。悠長に話をしていたが、もう時間が無いのだろう。スルトの呪いが私を逃しまいとより深くまで入り込もうと──。

 

「ちなみに俺は相手が手を出すのを待つほど優等生な性格はしていない」

 

「えっ? ……きゃぁっ!?」

 

「手を差し出さないのなら、こっちから握ればいいじゃない」

 

 力なく下がっていた手を無理矢理引っ張りそのまま炎の中から引きずり出された。

 乱暴なのにどこまでも優しい助け方。もう熱さも息苦しさもまるで無く、私の体には笑ってしまうぐらいの解放感とほんの少しの気持ち良さがあった。そっか、助けられるってこんなに簡単な事だったの……。

 

 

 あぁ、マシュ……あなたもきっとこんな風に手を握られたのね。あなたの気持ちが少し分かった気がするわ。

 

 

 

 ──あの時もこうやって助けられる力があれば……。

 

 意識が途絶える瞬間、彼のそんな呟きが聞こえたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「白式官能 漆の掌 寝取りの型」

 

 

 精神世界におけるデアーとオフェリアの対話も現実では数秒しか経っていなかった。その数秒は他の英霊達が決死の宝具で造り出したスルトが動きを止めた隙。

デアーの周囲から伸びた七つの白き魔手がスルトの肩に留まっているオフェリアの肉体へと伸び、巻き付き、引き摺り出し、コードが縮むように地上へと帰ってきたオフェリアはデアーに抱き止められていた。その間の彼女は少々体をビクつかせていたが、不幸中の幸いか意識はまだ目覚めていなかった。

 

「オフェリアさん!」

 

 ()器状態から人に戻ったマシュへとオフェリアを預ける。

 デアーが行った事は悪竜の呪いの破壊だけではない。オフェリアとスルトを結んでいる魔術回路の上書き、及び要石となっている魔眼との接続にも割り込んだ。

 

 全てが遷延の魔眼でスルトという可能性を見てしまった事によって生じた縁から始まったというのなら、更なるインパクトでそれを掻き消してしまえばいい。

 デアーの下半身の輝きを彼女の魔眼に焼き付けたというきっかけは既に出来上がっている。後はそこを起点としてオフェリアとスルトを結んでいる魔術回路に白式官能の魔力を注ぎ込み、ハックし、ベクトルをデアーの方向へと書き換える。

 

 

【オ、オ、オ、オフェリアァァァァァアアッッ! デアァァァァァァア────!! キ、サマァァァァアアッ!!】

 

 

「そんなに大事ならちゃんと離さないようにしっかり掴んどけよ」

 

 『単独行動EX』を持つスルトはたとえ契約したマスターが消えたとしても地球全土の焼却を遂行するまで行動し続けることが出来る。

 

 だが、魔術回路に加えてスルトの召喚のきっかけとなった()()との接続解除は炎の巨人王という存在を大いに揺さぶる結果を産んだ。

 

 それがもたらす効果はスルトの激昂から察する通り、既にオフェリアからの魔術回路そして魔眼への接続も全てデアーへと繋がっている。もはやスルトとオフェリアを結ぶ関係性は何も存在しない。精神的な動揺、それはデアーに幾ばくかの猶予を与えた。

 だが彼の肉体は英霊の霊基ではなく、偽りの太陽の牢獄に封印されていた全盛期そのもの。少々弱体化しようが、その性能に陰りは見えず。

 

 だからここで勝利の布石を整える必要がある。

 

 第四宝具『通い妻オーバーラン』発動。恩讐の炎のステージに花のように散っている可憐な水飛沫と共にシグルド状態のスルトを散々いたぶったドSプリマドンナ、メルトリリスが現れる。

 

「私を呼んだって事は整ったのね。スタァに相応しいフィナーレが」

 

「あぁ、攻略までのフローチャートは出来上がった──さぁ、エンディングまで泣くんじゃない!」

 

 

 




S (スピリット) E (エンゲイジ) X(ザナドゥ)

ランク:EX
種別:合体宝具
使用者:ビースト0/デアー
読み方はスピリット・エンゲイジ・ザナドゥか、婚約者達の楽園。それ以外には御座いません。
精と愛を交わした彼女達と魂で結び付き、()器や()装として使用する。交わる女性によって武具や効果も千差万別。鎧だったり乗り物だったり巨大ロボだったりする場合もある。基本ステータスも大幅に向上するので、この状態のデアーのステータスは全てEX。デメリットとしては武具から解除された女性はしばらく酔ったかのように本調子には戻れない。所謂、賢者タイムである。

「単純な受肉じゃないですよね絶対。だって冷静に考えると普通の肉体を持った人間がいきなり武器に変化しますか? まだサーヴァント状態でやってくれた方が納得しますよ。何というかマスターの精液ってアルトリウム並に万能物質感があるんですよね。調子が良くなった。強くなった。肌が綺麗になった。胸が大きくなった。女の子になった。寿命が伸びた。聖杯で治せなかった頭痛が治った。とかエトセトラ……。だから、きっと私達の肉体も単純な受肉状態じゃないでしょう。綺麗な聖杯の泥とか? まぁ、ぶっちゃけ私としてはセイバーをブチ出来ればいいので特に気にした事はありませんが。え、真エーテル?まっさか――」by謎のヒロインX




人類悪:デアー

第一宝具:『白式官能』
第二宝具:『模倣英霊』
第三宝具:『竿繋ぎの多元性交(パラレル・セックス)
第四宝具:『通い妻オーバーラン』
第五宝具:『S (スピリット) E (エンゲイジ) X(ザナドゥ)
第六宝具:――
第七宝具:――










次回、消()試合。(スルト)だけに……(スルト)だけにっ!(チラッ



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