※この作品はR-18です。

おいでよ カルデアの森   作:一火

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許されよ。許されよ。
投稿を3年近くも空けた、我の罪を許されよ。

2万文字以上あります。時間がある時に読んでいただければ。



《前回のあらすじ》

ナイチンゲール「(マスターに)抱かれろ」

スカディ「っ…!カルデアっていつもそうですね…!北欧の女神のことなんだと思ってるんですか!?」

おっきー「そのネタ、旬を過ぎてるってレベルじゃないよ」




スカディ様は溶かされたい(スカサハ・スカディ 後編)

「ふぅ……」

 

 メイヴに教えられたデアーの部屋の扉の前で息を整える。

 

 うろたえるんじゃない……女神はうろたえない。

 別段何も特別な事をするわけではない。顔を会わせて、北欧を救ってもらった礼を尽くすだけ。

 あの「婦長」と呼ばれていた赤いバーサーカーが言っていたことは今は忘れよ……私がその、デアーとセッ……!をしなければならないという話は後回しだ。

 メイヴの言う通り、私は女神として当たり前のことを行うだけ。大丈夫だ、問題ない。既にこの身にはルーンを十重二十重に重ね掛けした。

 完膚なきまでに万全である北欧の唯一神である私に油断も慢心も一切ない。さぁ、開けるぞ、扉を開けるぞ、今開けるぞ、すぐ開けるぞ────。

 

「扉の前に気配ッ!!何奴ッ!」

 

「ぴゃいっ!?」

 

 扉開いた!?何故!?あっ、あっちから開いたからか!そっかぁ……ってデアーがおるではないか!うわ近い近い近い、どうしよぉ。あぁ……顔が良い。あれこんなにもキラキラしておったか?滅茶苦茶輝いていないか、いや輝いてる間違いない。頬とか熱いし、頭もフラフラしているが私は至って正常だ。うむ、デアーのこの輝きはもはやバルドル(光神)も超えていると言っても過言ではないのでは?いかん、いかん、いかん、何かこう形容し難い尊さ的な感情が……駄目だ直視できん。

 

「む?」

 

「ひゃん」

 

 やばい、こっち見た。あ、私の顔がデアーの瞳に映ってる。蒼穹色の美しい瞳に私が入り込んで、まさに一心同体。これはもう結婚と言っても良いのでは?

 

「スカディ……」

 

 ふぅわぁあああぁぁぁっ!?肩掴まれた!?顔がさらに近づいて!これはもうそういう事なのか?ゴールという事でいいのか?私は幸せになってよいのか?女としての幸せを掴んでしまってもよいのか?あぁ、だがここは人目がある……。おこがましいかもしれぬが初めてぐらいは二人っきりで真っ当な睦みあいを──せめて、お前の部屋で肌身を預けたいっ。しかし、挨拶代わりに接吻までなら……今、この場で受け入れる覚悟ぐらいは出来ておるっ!デアー、お前が望むというのなら私は──ッ!

 

 羞恥で震える体を覚悟とルーンで抑えつけ、目を閉じる、待望の瞬間を掴むために──。さぁ、こいデアー!愛そうか、愛そうか。私の返答はYes or Yesじゃ!

 

「体調は大丈夫?」

 

「はいっ!」

 

「そっか、本当に良かった」

 

「………………はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、よかった。フローレンスから命に別状はないって聞いてたけど、自分の目で直接確認したかったからさ。うん、元気そうで何より」

 

 隣から快活に笑うデアーの声が聞こえる。ただ純粋に我が身を心配してくれた男を前にして、色事に狂った妄想をしてしまって自己嫌悪が止まらない。ふふふ、なんだ?行き遅れが過ぎて、まさかここまで桃色脳になっていたとはな……。ルーンがなければ即死だったぞ。

 

 さて、気付けば部屋へと誘われてしまったが……男女二人っきりの密室に寝具の上で隣同士腰かけとは些か性急過ぎるというか、心の準備が出来ていないというか──……あぁ、いかんいかん。また思考が桃色寄りになっておる。我が娘(戦乙女)達の電波(惚気話)をくらってしまったせいだなこれは。

 しかし……うぅ、なぁぁっ~顔が熱い……『体温維持のルーン』よ仕事しろ。

 

「ちょっと部屋暑いね。冷房でも入れよっか」

 

……すき

 

「なんて?」

 

「な、何も言っておらぬ!私も暑いと思っておった所だ!」

 

 私が自ら言い出す前に顔色の微小な変化から気付き、さらには気を遣わせまいと自分が暑いという事にして自発的に我が体調に心を砕いてくれる優しさ、何だ気遣いの神か。

 駄目だ、さっきからデアーの些細な行動全てを好意的に捉え、好感度の上昇が留まることを知らぬ。心臓が爆発四散してしまいそうだ。

 浮足立つ心を落ち着かせる為に別の話題を探そうとデアーの部屋を観察する、メイヴの部屋はこれ以上ない程に奴の個性で現れていたが、この部屋はやけに整理整頓されている……悪く言えば簡素な内装であった。無個性ではないが、オフェリアの前で急に全裸になるという愉快な性格をしている男の部屋にしては些か落ち着き過ぎているようにも思えた。

 

「メイヴのようにあまり部屋を飾り付けるタイプではないのだな」

 

「あぁ、ここ(カルデア)って結構イベントごとには事欠かないからさ、その度に自室も色々と模様替えするわけで。まぁ、だから最初からシンプルの方が手間も省けるかなって」

 

 汎人類史の人理を取り戻すという使命(オーダー)があるにも関わらず、祭事にかまけるとは何事だと……とてもではないが、我が口からは言えなかった。

 異聞帯の王であった私の台詞ではないが、人理修復という壮大な責務を今まで請け負ってきた彼等にほんの少しの憩いも与えぬというのはあまりにも酷であろう。あれほど多種多様な英霊達がいるカルデアだ、きっと壮大で華やかな祭りなのだろうな。

 

 むしろ、そういう余分が我が北欧に足りなかったのだ。

 こやつ(デアー)は──カルデアは人理修復(使命)それ以外(余暇)に対しても等しく本気だったのだろう。だから様々な者が集まり、多種多様な解決策も取れる。

 現状維持を選ぶことしかできなかった、異聞帯となった道を辿らせてしまった己が無能をどうしても嘆いてしまう。

 

「メイヴちゃんが言ってた友達ってスカディのことだったんだ」

 

 暗い方向に沈みかけた思考をデアーの声が呼び戻す。

 

「ん、友……?メイヴのやつが私のことを?」

 

「うん。友達が遊びにくるから、よろしくって」

 

 最初からお膳立てするつもりだったのか、まったくあやつめ。どうして、会ったばかりの私にここまでよくしてくれるのだ。

 多くの神々に粉をかけられては誰一人としてその求婚に応える事がなかった私、ラグナロクの果て、永きにわたってたった一柱の神として生きてきたせいか、友というものが分からぬ。

 だが、メイヴが私を友と呼び、その友が恋路を応援してくれるというのは……なんというか、悪くない。

 

「でもメイヴちゃんが自分から友達って言うぐらいなんだから、よっぽどスカディのことを気に入ったんだろうね」

 

「随分と親しげだが……メイヴも、お前の(つがい)の一人の内なのか」

 

「あぁ、違う違う。メイヴちゃんはただの親友(セックスフレンド)だよ」

 

「む?そうなのか」

 

 あのデアーが同性である私から見ても良き伴侶になりそうなメイヴに手を出していないのは些か驚いた。

 親友、親友か……まぁ、男女の関係全てが色事になるとは私もさすがに邪推はせん。むしろ私とデアーに共通の友がいるということは喜ぶべきことだ。

 うむ、デアーと私の今後の関係をより一層相談しやすくなったのではないのか。

 

「しかし、あの女は些か強引であるぞ。初対面で、しかも女神である私をいきなり部屋へと引き込んでくるのだから、あやつ、私が異聞帯の女王だったことを知らぬのではないのか?」

 

「昨日の敵が、今日の友になるのなんてカルデアでは割りと日常茶飯事だから別に気にすることはないと思うけど。多分、スカディのことをよっぽどほっとけなかったんだろうね。本人は否定するけど、大分世話好きな娘だから」

 

「うむ……それは十分身に染みた」

 

 あぁ、そうだ。普通にデアーと会話が出来ている喜びに忘れかけていたが、私はそもそも目的があってこの男に会いに来たのだ。

 北欧異聞帯の代表として、我が地に住む愛しき子達を救ってくれたデアーに礼を尽くすために。

 

「デアーよ」

 

 腰かけていた姿勢からヒールを脱ぎ、ベッドの上へあがる。頭の上にあるティアラを消し、重ね合わせた両手に額をつけるように平伏する。女王たる私がデアーに全てを捧げるが如く服従の体勢。

 

「我が北欧と、愛しき子達を救ってくれたお前に…改めて多大なる感謝を」

 

 土下座────この部屋に来る前に偶々、戦乙女(ヒルド)と出会ったときに教えてもらったデアーが住む国における最上級の感謝の意を示す礼式のようだ。

 

 ──ちなみに全裸で土下座して頭を踏みつけられるまでが汎人類史におけるスタンダードかな。そのあと足の裏で羽根をグリグリされたらぁっ、あぁ♡想像しただけでやばぁ♡今度マスターに頼んで……

 

 その後急に悶え始めた戦乙女(ヒルド)を捨て置いてこの部屋まで辿り着いたわけだが、さすがに全裸は無理だ、無理に決まっているであろう、馬鹿か。髪だけでなく脳まで桃色になったのか。

 異性に初めて肌を晒すのなら私はもう少しムードがある時を求める。

 ただまぁ、服を着た状態であれば頭を踏まれるという屈辱を甘んじて受けよう。さすがにあやつのように性的興奮を覚えることはあり得ぬが、そもそもあれ(ヒルド)はどうしてあぁなった?故障か?

 

「我が真名はスカサハ・スカディ。デアー、いや我がマスター()よ、北欧世界最後の神となった我が力をおまえに捧げることをここに誓おう」

 

 もはや北欧異聞帯の女王ではなく、従者としてこの男に仕えることに一切の躊躇いは無かった。私が受けた恩はそれほどまでに大きい。

 

 まぁ……ここで()()()を捧げると言えないあたり自身の臆病さに呆れてしまうがな……。

 それにあの凄みがあるバーサーカー(ナイチンゲール)に告げられた恋の病のことなど伝えるつもりは毛頭ない。私とて女のプライドはあるのだ。

 というよりも張本人におまえが好き過ぎたせいで倒れたなど言えるか阿呆。

 

「顔をあげてスカディ」

 

 言葉に従い、目に入った彼の顔は慈愛に満ちていた。

 それは我が居城で初めて直接顔を会わせた時、私の髪を撫で、労わってくれた時と全く同じ表情。

 だが一つ、あの時と異なる点を挙げるならば、今、私はマスターの表情に父性だけではなく、どうしようもなく男を意識してしまっている。

 

「お礼を言うのはこっちの方だよ。貴女がずっと持ち堪えてくれていたから──助けることができた」

 

 あぁ、違う……違うのだ。私はそんな言葉をかけられる資格はないのだ。

 ラグナロクの戦火より数多の神々から託された私は3000年もの月日をかけても北欧を救えなかった。

 人類史から下された未来無き(剪定されるべく)世界であるとの決定を覆すことができなかった。

 数え切れないほどの愛し子たちの命が私の手から零れ落ちてしまった。

 私だけの力では自らの国(北欧)を暖かき未来へ導くことはできなかったのだ……。

 

「貴女が諦めなかったからだよ。だから改めて、もう一度俺からお礼を言うよ」

 

 だというのにお前は、同情でも慰めでもなく──。

 

「ありがとう。あの世界(北欧)を助けさせてくれて」

 

 心の底から、迷いなく私に感謝してくれるのか。

 

「悪い男だお前は。弱っている女にそんな言葉をかけて……どうなっても知らぬぞ?」

 

 傍に寄り添い、縋りつくようにマスターの服の裾を掴んで吐いた私の言葉は神の威厳の欠片もない弱々しいものだったが、どうしてだろう……そんな弱さをこの男へ見せるのは、全く抵抗がなくなっていた。惚れた弱みと言うべきか。

 しかし、その言葉の弱々しさとは裏腹に我が心臓の鼓動は騒がしい程に鳴り響いている。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。何でか分かんないけどさ。それと──」

 

 なんだ?これ以上言の葉を重ねて私をめろめろにしても、我が好感度は上限突破しておるのだが。

 

「ベッドの上で男と女が二人きり。どうなっても知らないのはこっちの台詞だけど、覚悟は出来てる?」

 

 ………………ふふ、事前に気絶無効のルーンを10回ほど重ね掛けしておいて正解じゃった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 北欧世界に唯一の神として君臨し続けた女神スカディは誰しも一目見れば、神として相応しい超然たる風格を持っているとわかる。

 原初のルーンを自在に操り、気候・自然そのものに影響を及ぼす規格外の魔術にはその道に通ずる者であれば、畏怖・畏敬を持って心が折れる力の差を感じるだろう。

 まさに格・能力ともに神と呼称されて然るべきである存在。

 

 だが、そんな女神でもあり、王でもある彼女は──。

 

「あわわわわ……」

 

 それはもうテンパっていた。

 マスターとベッドの上で並んで座り、肩を優しく抱かれているスカディはまるで初めて風俗にやってきた童貞が如くガチガチに緊張していた。

 

 かつてはいわゆる神々の花嫁として、まだ存在していた他の神々に粉をかけられていたものの、結局それも恋のさや当て止まりとなり、本格的な交際に発展したことはない。

 まさに何千年熟成された処女であり、ようやく春がきた生娘でもある。

 

 ルーンの重ね掛けで精神の弱体耐性を極限まで高めてなければ、とっくにキャパオーバーになっていた。

 

「うーむ」

 

「な、なんだ?」

 

 そんな深紅の瞳に負けないぐらいに顔を紅潮させ、小動物が如く緊張しているスカディを間近にマスターは得心がいったかのように頷いていた。

 

「いや、北欧の神様たちがスカディを大事にしていた理由がよく分かったって感じ。庇護欲が半端ないわ」

 

「……?」

 

 ケルトの女戦闘民族・ナチュラルバーサーカ──―汎人類史のスカサハと外見はそっくりだが、その中身は全くの別物であった。

 端的に言えば、スカサハ・スカディは精神的幼女(ロリ)。マスターの脳内では何かこうスイカバーを片手に口を半開きにしてぬぼーっと立っているのが凄く似合っている彼女の姿がありありと浮かんでいた。

 

 確かにスカディの色事に関する耐性はこの間マスターにしっかりといただかれた現地民ゲルダよりも大きく劣っている。

 12歳の彼女(ゲルダ)よりも男性経験が無いというのならば、これはもうまさしく真性幼女と言って差し支えはないだろう。

 

 ともあれ、○千さいのスカディちゃんは先ほどから自身の体に仄かに宿っている熱に困惑していた。

 神々を滅ぼし、黒き太陽──北欧を苦しみ続けたスルトという存在の弊害か彼女にとっては炎、そして熱というのは忌避すべきものであり、好ましくないものの筈だった。

 故にそういった熱を生み出すような羞恥や恋慕の感情は出来るだけ起こさないようにしていた。

 肌は出来るだけ露出せず、異性には長く見つめられるのを避けるように。

 

(いったい、私の体はどうしてしまったというのだ……?)

 

 だが、好いた男によって生み出されているこの熱には全く不快感がなかった。確かに羞恥の感情はある、逃げ出したい気持ちさえも。けれどもそれ以上に心地が良い。デアーの隣にもっといたい。触れ合いたい。自身でさえも理解できない矛盾した感情が渦巻いていた。

 

「スカディ、こっちむいて」

 

「は、はい……」

 

 隣の男に乞われれば、神らしからぬ弱々しい声で素直に応じる。

 頬の手を添えられ、互いの息がかかる距離でデアーの顔を真正面から見つめるスカディ、耳まで赤く染まり、瞳はトロンと潤んでいる。まさに恋の病の罹患者に相応しい乙女の表情をしていた。

 

「あっ、その……」

 

「こうしているのは嫌?」

 

「い、いやではない……だがな、こうも見つめられると」

 

「じゃあ、落ち着くまでこうしてよっか」

 

「そ、そうさな……それが、んっ!?」

 

 スカディから動くことは当然不可能、そして「これからキスするよ」と身構えさせるのも少々酷かと思ったマスターが彼女を気遣い、不意打ちのキスを行った。

 瞬間──襲われる唇への暖かく柔らかい感触に眼前に拡がる好いた男の顔。女神様は自身に起きた現実を明確に理解できなかった。

 

「んっ、んふっ、ん、まて、そんな…んっ、いきなり……んちゅ、何度もぉ、んっ、んっ、んちゅっ♡」

 

 ようやく小鳥が啄むような優しいキスの嵐を唇に降らされていることを把握した所で恋愛経験値がイクラ種火レベルの彼女に出来ることはなく、ただマスターに少しずつ唇を捕食される毎に増していく全身を駆け巡る熱に困惑するしかなかった。

 

 だがその困惑に不快感はなく、キスの数を重ねれば重ねるほど侵食していくその熱はある意味病人であるスカディにとっては一番の処方箋であり、唇から漏れ出る声にどうしようもなく甘い声色が混ざり始めるのもそう時間はかからなかった。

 

「んっ、ちゅ♡んぅ、んむっ♡ますたぁ、お前は私に、んちゅっ♡んっ、んはぁっ♡何かしたのかぁ、んっ♡おかしいんだ、体がっ♡さっきから、熱い、熱くてぇ……♡」

 

 いやらしい水音を響かせて交わす接吻を続けながら、スカディは徐々にベッドへ押し倒されていく。

 男の湿った唇の感触、自身の熱いを唇を啄まれる快感に夢中になってしまっている彼女は既にベッドの上でマスターに覆い被さられて、逃げ場を失っていることにまだ気付いていない。

 

(あっ♡うそであろうっ♡マスターの舌が口の中にれろって入って♡キスとはこんなイヤらしいことまでするのかぁ♡)

 

「れろぁっ♡んじゅっ♡ちゅぱぁっ♡んぁ♡じゅむぅっ……んれぁっ♡んんっ……んぱぁっ♡はぁっ……だめ、だめだマスタぁっ♡あつい、あついのだぁっ…ちゅっ、ちゅむぅっ♡体が溶けてしまうっ……んんっ♡」

 

 両手は恋人繋ぎで拘束され、マスターと上下に重なっている彼女は自身が籠の中の鳥である事に気づかぬままディープキスを受け入れていた。最初のバードキスで既に蕩かされ、全身がゆるゆるになってしまった幼女神に口腔に入ってくる男の舌を防ぐ手段もなく、幾重にもかけた精神耐性のルーンはもう全て吹き飛んでいた。

 接吻未経験である処女舌を巧みに絡めとり、唇で吸い上げ、歯も歯茎も舌先で丹念に擽り、何度も何度も優しくけれど深く淫らにスカディの唇は奪われ続けていく。

 

「ちゅむぅっ♡じゅっ、ちゅむぅっ、んぅっ、れぁっ♡はぁ、ぁっ♡えっち、すごくえっちだぞぉ、ますたぁ♡このキスはぁっ、だめっ、だめだぁっ♡」

 

「んぅっ…………だめ?じゃもうやめよっか」

 

えぇ……?」

 

 いやらしい銀の橋が途切れて、突如としてマスターの捕食から解放されたスカディの吐息は切なく、寂し気だった。

 確かに拒絶の言葉を吐いたが、それは快楽に漬けられ、混乱した精神が条件反射で漏らした言葉であり、全く本気ではない。それは当然マスターも分かっている。スカディが初めてのキスに夢中になり過ぎてしまっていることも含めて。だからこそ──

 

「このままだと、スカディがキスだけで駄目になっちゃいそうだったから、次のステップに進もうかなって。これからもっと凄いことになるし」

 

「もっと、凄いことをって……あれ、私いつベッドに押し倒され……?え?ふぇぇぇっ……!?っていつ脱がされていたのだ私は!?」

 

 知らぬ間にマスターの腕に挟まれ、胸の下にいることも当然驚くべきことだが、それよりも自身の姿が深紫のドレスではなく、下着姿になっていた驚愕は肌を多く晒してしまっている羞恥を一瞬忘れさせる程のものであった。

 

「ベッドの上で好きな女性の服を意識させないで脱がせるのは、男なら誰でも持っているスキルだよ」

 

「そ、そうなのか、凄いな汎人類史の男は……」

 

 女神の魔力で編まれたドレスという魔術師からすれば、極上の垂涎物をエッチ目的で消失させる男は少なくとも汎人類史においてはこの男しかいない。

 

 マスターの世迷言はさておきスカディが今、身に纏っている下着は胸元が程よく露出され、谷間が強調されているプランジブラジャー。そして股回りのカットが高い位置にあり、付け根まで露出しているハイレッグショーツ。

 イマジナリーメイヴが「私からすればまだ地味すぎるぐらいよ!もっと太腿とかにガーターベルト巻くとかね!」等、後方相棒面で言いそうだが、「セックス」という単語すら満足に言えないか弱き女神からすれば、大分攻めた下着とも言える。

 

 というよりこの女王、自身が作成した戦乙女達には下着を装備させていない癖に自身はちゃっかりと男を堕とすモノは用意していたワケである。

 

「んっぅぅぅ……なんだ黙ったままこちらをじっと見つめて、何か言えばよかろう……」

 

 二の腕で胸を抱え、そわそわと落ち着きがないように内股のまま太腿を擦り合わせている彼女のそれは、恥ずかしい場所を隠す為にした何気ない行動だったが、如何せんその無意識がより一層目の前の男の欲情を煽った。

 

「ごめん、言葉を忘れるぐらいに見惚れていた(は?今まであんなに可愛らしい処女ムーブしておきながら、一皮剥いたらそんな自身のポテンシャルの限界値ぴったりの下着を用意しているとか何?俺だけの傾国の美女なの?しかも何だい?そのしおらしい態度は?誘い受け検定1級資格者か?もう許さん犯す。俺との交尾しか考えられないくらい抱きつぶしてアソコを子種で埋め尽くして、全身マスター専用お嫁さん肉奴隷になるまでラブラブセックスするからな一晩で終わると思うなよ)」

 

 スカディの態度にBBやクロエあたりのメスガキ要素が1%でも含まれていれば、GRANDSEX LAST BATTLE(※BGM「運命 ~GRAND BATTLE~」)が始まっていたが、ここは歴戦のマスターぐっと堪えた。

 

「そうか……ふふ、容姿を賛美されるなど、幾度もあったが、そのどれよりも嬉しいな。言の葉を放つ者が変わるだけで、こうも違いか……不思議なものだ恋というのは」

 

 たおやかに微笑みをこぼしたスカディは両手を拡げてようやくマスターを迎える決心をする。

 彼女の許しを得たマスターは腕から解放された豊満な乳房を下着越しに優しく愛撫する。両手で下からその重みを堪能するように持ち上げ、指の腹で弧を描きつつマッサージを行う。

 

「んっ、あぁっ、はぁっ♡」

 

 既に先ほどのキスで出来上がっている彼女の口からはいとも簡単に甘い啼き声が漏れ出してしまう。

 ブラの下から主張している中心の突起にはまだ触れないように、確実に女の快楽というものを体に教え込んでいく。

 

「あっ、ひゃんぅっ♡くすぐったいのに、それ、とても、気持ちいいっ♡んっ、ふぅ♡先ほどの接吻といい、何か私に魔術でもかけたのか?……あんっ♡」

 

 胸部を揉みこんでいる右手を残して、空いた手を太腿へと伸ばす。

 神々の花嫁として存在していたせいか、戦士としての性質が強いケルトのスカサハよりもやや肉付きがいいむっちりとした太腿の触り心地をマスターは楽しんでいた。膝裏から上へと五指と手のひらを駆使してせり上がり、余すところなく鼠径部まで到達する。鼠径部を伸ばしつつも、湿ってしまったクロッチの箇所にはまだ指は這わせない。

 

「んっ♡あっっ♡はぁっ♡あつ、いぃっ……♡触られたところが、どんどんっぅ♡はぁ、ぁっ、ふゎぁっ♡マスターのいやらしい手で私の体がつくりかえられていくぅっ♡」

 

 マスターの指先によってスカサハ・スカディは調律されていく。

『女王』『神』『支配者』『北欧の母』あらゆる仮面が剝げ落ち、只の女であるスカディの姿が。

 ベッドの上で喘ぎ、悩まし気に体をくねらせ、甘い吐息を漏らし、目の前の男に情欲を宿した視線を向ける。乳首が興奮してどうしようもなく勃っていることも、陰部が下着越しにはっきりと分かるぐらいにぐしょぐしょに湿っていることも彼女には一切の自覚がない。

 

「はぁっ──♡はぁっ──♡」

 

 荒い呼吸に顔ほどサイズのある胸部が上下へと動いている……もう既にブラへ指がかけられ、ぷるんっ♡と弾力のある乳肉が露わになってしまった。ここで自らを守っていた最後の砦が一枚ずつ剥かれてしまっていることに気づいた所でスカディは全身を赤らめたまま、固まるしかなかった。

 

「逃げちゃだめだよ」

 

 当然、逃げる気力も意志も無い。死ぬほど恥ずかしいが彼女は心の奥底で期待してしまっている──元来、人の熱というものを嫌っている筈の自身の心の変化を。腰のあたりからショーツへ指を通し、ゆっくりと下ろし脱がしていく男にこれから、自分の体はどうされてしまうのかと。

 

「わ、私だけは、フェアではないだろう……お前も──」

 

 か細く、絞り出した言葉は僅かながら残っていた女王の維持。

 再び、腕と脚で胸部と局部を隠したままの為、威厳の欠片もないが、それでもマスターへ服を脱ぐことを促したのは大きな勇気であった。

 

「あぁ……確かに、気の遣い過ぎも良くなかったね」

 

(ふっ、まぁ……私は一度北欧でお前の全裸を目にしている。いわゆる経験者というやつだ。今更男の裸程度で………………………………ふぇ?なぁにあれぇ?グングニル?

 

 かつて北欧異聞帯にて、オフェリアの前で『人類悪・キャストオフ』をかました時、魔力構成された雪を通して、一瞬とはいえスカディもマスターの全裸は目にしていた。だが彼女が視たのは通常時。

 オフェリアが「輝いている様を見ているっ!」と錯乱するほど、ワールドワイドだったとはいえ、現在絶賛スカディの顔面に見せ槍をかましている一品とはモノが違う。

 そもそもあれ程までに男の情欲を煽る反応をされてしまった以上、脱ぐ前からマスターの剛直はズボンの下からお前をマジで犯すと言わんばかりに膨らんでいたのだ。

 嬌声をあげ続けて、それ所では無かったスカディは気付くことはなかったが。

 

「……これ、わたしに、はいるのぉ?」

 

 幼女退行してしまったスカディにマスターは優しく答える。

 

「大丈夫。入るだけじゃなくて、もうこれじゃないと満足できないぐらいにしてあげるから」

 

「わぁ、こわぁい」

 

 自身の顔よりも長く、怒り狂ったかのように血管が浮き出ている剛直に怯えも少なからずあるはずなのに、何故か目が離せない。今まで鼻腔に入ったことのない雄の匂いに、呼吸をする度に陰部から分泌される愛液の量が増している。

 女を犯し、堕とし、番いとする獣の逸物。初めて見るそれに自分はどうしようもないくらいに魅了されてしまっているのだと。

 それでも何とかギリギリの瀬戸際で正気を取り戻したスカディは逃げるようにうつ伏せになり、マスターの肉棒を視界から外した。

 

「そ、そのだな。まだ面と向き合っての睦事は、ハードルが高くてな……」

 

 まるで幼子が注射を刺される瞬間にそこから目を離すような微笑ましさがあった。

 注射というにはあまりに可愛くないサイズではあるが、スカディの可愛らしい抵抗をマスターは特に止めさせるつもりはなかった。

 ──寝バック、それもまたヨシと。

 

 ただ、興奮状態の男性器を目の当たりにしたショックで今までの快楽で蕩けきっていた体が若干こわばっているのはよろしくない。

 マスターは挿入前に──むっちりとした彼女の尻肉を弧を描くように撫でつつ、空いた指で大陰唇をほぐし、指を湿らせた汁を潤滑油に膣へと指を進ませていく。

 

「んひぃっ♡」

 

 みっちりと閉じていた筈の淫裂は、マスターの指をいとも簡単に受け入れてしまった。ナカをかき混ぜ、膣壁を小刻みにくすぐってあげれば、いとも簡単に声が溢れ出てしまう彼女の体はこれ以上ないほどに扱いやすい楽器であった。

 

(ゆ、指だけで、こんな醜態を……まずい、一度を呼吸を整え……んぉっ♡これ、マスターの匂いっ♡あ、頭に入ってくるぅ♡)

 

 ドジっ娘ぽややん女神様の誤算、うつ伏せでガッツリ顔をうずめてしまったのはスカディが来室するまでマスターが使っていた枕。肉棒ほど濃い匂いではないが、手淫されながら恋してやまない男の残り香をダイレクトに嗅いでしまった彼女の全身の感度は跳ね上がってしまう。

 

「んっ、んんぅつ♡んはぁっ♡ますたぁ、ますたぁっ♡これはまずいっ……♡ゆび、ゆびが気持ちよすぎへぇっ……あっ、あっ、なかグチュグチュって、だめぇっ♡ひんぃっ♡へんになるっ、へんになるっ、腰なくなっちゃぅっ、んひゃあああぁっ♡」

 

 徐々にお尻も上がっていき、情けなく下半身は震え、漏れ出す愛液はシーツに幾つもの染みをつくっていた。

 マスターの二本指によって器用に掻き混ぜられている膣からはグチョグチョとはしたない音を奏でていた。

 

「イキそうになったら、ちゃんとイクって言うんだよ」

 

 言葉の意味も理解せず、ただ「イク」という言葉をマスターに乞われるがまま何度も何度も口にする度に自身の体の興奮がより一層高まっていくような気がした。

 

「ん゛ぅっ♡んぁっ♡はぁっ、ぁっ♡い、くっ?いくっ、いくっ♡いくいくイくぅっ──♡」

 

 ぶしゃぁぁぁっ──とガクガクと震えている股からダムが決壊したかのように潮が勢いよく噴き出してきた。

 

「あぁっ──♡はぁっ──♡はあっ──♡(これが、絶頂♡これが、セッ……クス♡本当に体が、なくなると思ったぞ……♡)」

 

 ぎゅっと縋るようにマスターの枕を抱きかかえ、スカディはゆっくりと呼吸を整えていた。

 もう彼女の中では「これでようやく私も経験済みの立派なレディだなっ」と達成感のようなものがあったが、ここまでが前戯であり──

 

「大分ほぐれてきたかな、これなら痛みはないよ。気持ちよさで死んじゃわないように気を確かにね」

 

「ほえ?」

 

 ここからが本番であるということを自身の膣口にあてがわられる堅く熱いモノの感触でようやく理解させられた。

 生まれたての小鹿のように震えている足腰では逃げることも抗うことも叶わない。ベッドの上でうつ伏せのままお尻を突き出しているスカディの体勢は図らずもヒルド頭淫乱が口に出した全裸土下座と同じ、いやそれよりも卑猥な格好であった。

 

「んお゛ぉっっ──♡」

 

 生まれて初めて男を受け入れるスカディの肉壺は丹念なペッティングのおかげか、ブレーキがかかることもなくマスターの男根を根元まで飲み込んだ。難なく肉体は処女を卒業したわけだが、彼女の精神はそれどころではなかった。

 

(っっ──♡指でされたときでも、頭がおかしくなりそうだったのに……よもや、それ以上があるとは──♡)

 

 挿入を完了したマスターはまだ腰を振り始めることはなかった。

 彼女の膣壁が男根を隙間なく包み込むように変形している心地良さに浸っている。女の園を自身専用のモノへと変貌するのを楽しんでいるようでもあった。

 

 衝撃、快楽、混乱、目まぐるしく変わる感情の荒波によって白目をむきかけたスカディの背中に全身をくっ付けるように覆い被さり、そして二人の体を掛け布団で上から隠す、ベッドの中から二人の顔だけが出ている状態、汗だくなまま密着しているお互いの体はまるで境目がなくなってしまったかのようだった。

 スカディの耳元でマスターが吐息をかけながら、囁く。

 

「あ、つい……♡ちかい、ぞマスター♡」

 

「ふぅ……ちょっとずつ、スカディのナカが俺の形になっているのわかる?」

 

「ひゃぁっ♡あっ、マスター、それだめっ♡耳もとで囁くの、やめよっ♡あんぅぅっ♡」

 

「今から10秒カウントしたら、動くからその間に心の準備は済ませておいてね、10──」

 

「10秒!?無理だ、そんな短い時間でなにをぉおんぅっ♡」

 

「6、5、4──」

 

「あっ♡あっ♡はっ♡はぁっ♡はぁんぅっ♡むり、むりぃ♡」

 

 繋がった状態のまま、催眠音声の如く耳元でカウントされてしまうだけで、スカディは全身をヒクつかせ、脳みそがトランス状態になり、頭が馬鹿になってしまう。

 囁かれる数字が小さくなる度に指の先まで駆け巡る快楽が高まり、喘ぎ交じりの呼吸が荒くなっていく。

「1」の時にはもう、これから自分がどうなってしまうのか期待しかないぐらいに頭は淫乱一色になっていた。

 

「はやく♡はやく♡はやく♡もう、動いて──♡」

 

「ゼ、ロ──」

 

「ん゛お゛ぁあ゛あ゛あ゛あっ♡あああぁっ♡あ゛ぁぁぁあ゛っっ♡んひぃい゛い゛い゛っ──♡」

 

 ばちゅんっ♡ばちゅんっ♡ばちゅんっ♡

 腰が動き始めれば、スカディは仰け反り、電極を脳みそに突っ込まれたかのような甲高い嬌声を叫んだ。

 

 まずは小刻みにトントンと一定のリズムで彼女の子宮がノックされる。

 初めたてのキスのように亀頭が子宮口へ何度も何度もバードキスをして、これからお前は男の精をたっぷりと飲み込むんだぞといった教育をヴァギナに行っているようだった。

 

「お゛ぉっ♡お゛っ♡お゛ぉぉっ♡」

 

 掛け布団に包まれている為、二人の肢体がどうなっているか傍から窺うことはできないが、蠢いている布の皺と影によって、中が見えなくともどんな動きをしているのか想像力を搔き立て、布越しに重厚感ある肉がぶつかり合う音とぐちゅぐちゅと体液を掻き出す水音が聞こえてくるのがあまりにも卑猥であった。

 

 スカディの体から快楽を逃さないようにマスターは後ろからぴったりと密着したまま両手も恋人繋ぎでしっかりと拘束を行い、巧みに腰を打ち続けていた。

 

「ん゛ぅうっっ♡ん゛くぅ゛っ♡う゛ん゛ぅっ♡ん゛ん゛ぅううっ♡」

 

 自身のナカを熱く堅いモノが行き来する感触、子宮口を突かれる快感、カリで膣壁を掻かれるくすぐったさ。全身に浮かぶ汗と忌避していた筈の人の熱。スカディにとっては身を襲っている全てが3000年以上生きてなお経験したことのなかった未知の世界。

 

 口からあまりにもはしたない声が漏れ続けるものだから、枕に顔を埋めて嬌声を押し殺していたが、弱体耐性として備えていた原初のルーンはとっくに砕け散っており、アホの娘と化したスカディは先ほどの焼き直しでマスターの匂いを吸い込み再び仰け反ってしまう。学習能力がまるでない、これが神代の女神の姿か?

 もう顔中は涎と涙で蕩けきり、頭の周りには♡と?マークが飛びまくっているようだった。

 

「ん゛はあ゛ぁっ♡あ゛あぁ゛っ♡ああああぁっ♡んぁおぉ゛っっ♡」

 

 小刻みに素早く腰を動かした次は、長く膣襞をえぐるようにじっくりとねちっこいストローク、そしてしばらくするとまた小刻みな抽送に戻り、緩急つけた交尾のサイクルを繰り返す。

 

「あ゛っ♡あ゛ぁ゛ぁっ♡とけりゅっ♡とけひゃうぅっ♡とへてなくなちゃっぅっ♡」

 

 激しい性交によってシーツの中はどんどん蒸していき、スカデイはこのまま自分が液体になって寝具に染み込んでいってしまうような錯覚にさえ陥っていった。

「自分はこのままマスターのベッドと化して、一生マスターとおはようとおやすみを共にしてしまう寝具になるのだと……いや、それはそれで悪くないのでは?」と朦朧とした意識の中で知性の欠片もない事を考えてしまっていた。

 

「あついっ♡あついのは嫌な筈なのにぃっ♡お前の熱がもっと欲しくてっ♡あ゛っ♡あ゛ぁっ♡ん゛あ゛ぁっ」

 

 ベッドが軋む音はより一層激しさを増し、膣内でより膨らんでいく肉棒の動きはラストスパートへと移る。もうゆっくりとしたストロークは無く、子宮口に密着した状態のまま決して離さず、腰を震わせ続けていた。

 先ほどまで亀頭で突き、カリ首で膣襞を掻くといった肉の感触で犯していたが、今度は下腹部を振動そのもので犯していた。子宮全体を揺さぶられ、脳髄まで快楽信号が行き渡り、もうスカディは何度もイッている。彼女の頭はセックスの事でいっぱいだった。

 

「あっ゛あぁ♡お゛ぉっ♡んお゛っ♡はぁ゛っ♡はぁっ──♡らめっ♡やめっよぉっ♡その腰の動きかた、しゅごく、えっひだからぁっ、りゃめぇっ♡」

 

「何を今更っ、さっきからずっとエッチな事しかしてないよ。本当に初心で可愛い娘なんだから、スカディは」

 

「やぁっ♡あっ♡耳元へかわいいって、ささひゃくのぉ゛♡禁止っ♡もう頭の中、お前だへになっちゃうかりゃぁっ♡」

 

「いいよ、なって。俺も今、スカディの事しか考えてないから」

 

「あ゛っ、はぁっ、ますたぁっ♡んっ?んむっっ!んぐぅっ──♡んふぅっぅ゛っ──♡んむぅっ────♡」

 

 性交に関しては右も左も分からない精神的幼女のあごを上げさせて、唾液が端から零れるくらい情熱的な口づけを交わした瞬間、下の口に濃厚な男の精を注ぎ込む鬼畜的な所業、だが全身を痙攣させながら射精を受け入れるスカディの表情は幸せそうにも見えた。

 その証拠に彼女は気を失う瞬間まで、甘えるようにマスターの口内で舌をたどたどしく動かし続けていたのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 初めてを後ろからというのは、些かハードルが高かったのかもしれん、終始私は翻弄され、文字通りされるがままであったしな。

 まぁ途轍もなく気持ち良かったし、文句などある筈ないのだが、こうして恋人、いや夫婦になったのだから……もっとこう……イチャイチャしたい気分なのだ。

 

 あの衝撃的な性交から目が覚めた私は正面から抱き合うことをマスターに所望した。

 胸の谷間に水溜まりが出来るほどに全身汗だくなのは少々恥ずかしかったが、気にしないことにした。

 目の前にいるマスターも汗だくだったのがお揃いのような気がして、悪い気はしなかったというのもある。既に醜態はこれ以上ないほどに晒しているわけで、それなら余計なことはせず、あるがままにマスターともっと交じり合いたくなったのだ。

 

「はい、スカディ……ぎゅ──」

 

「むふふ、ぎゅ──♡ますたぁ、ちゅーして、ちゅー♡」

 

「はいはい、甘えん坊さんだね。スカディは……んっ」

 

「んっ、んちゅ♡ちゅぱぁっ、あっ、すきっ♡これすきぃっ♡んっ♡ちゅぅっ♡」

 

 さきほど、イキ続けた弊害か頭の中がふわふわする。普段なら絶対に出さないような媚びた声色でマスターに甘える。

 正面から腕を背中に回し、唇を交わす。マスターの涎を啜り、自らの涎もまた吸われる。お互いの汗が交じり合い一つになったような感覚。もう一生マスターの吐息だけ呼吸できそうになるぐらいに夢中になっていた。

 

「スカディの体はどこも柔らかくて、スベスベで、凄くエッチだね。ずっとこうしていたいぐらいに」

 

 は?マスターの体の方がエッチだが?引き締まった体に黄金比のようにバランスの取れた筋肉、けれどもこちらを威圧するほど強大ではなく、滴る汗玉からの光沢など、喉を鳴らすほどスケベである自覚があるのか?そもそもさっきから私の下腹部を押し付けている堅いソレが一番エッチであろうが、ふざけているのか?

 

「じゃあ、もっとぎゅーってして♡ぐちょぐちょにしてっ♡いっぱいちゅーしてっ♡ちゅ、んっ、んちゅっ♡」

 

 一言申したい気持ちになったが、やはり口からは頭の悪いほどに甘ったるい言葉しか出てこない。だってマスターとのちゅう♡が気持ち良いだもん、仕方ないであろう。

 

 あっ♡今度はマスターの唇が私の体に這っていく……喉から、鎖骨、胸元へ舌先で表面に浮かんだ汗を丁寧に舐めとられていく。

 

「舐めると美味しいね、スカディの体は。汗いっぱいなのに甘くてアイスみたいだ、こことか、特にね──はむぅっ……」

 

「ひぅっんぅ♡あぁっ♡胸のさきっぽだめぇっ……あっ♡あんぅっ♡ふぅっ♡私のおっぱい、マスターにたべりゃれてぇぇ……んひあぁぅぅっ♡」

 

 大きく開かれたマスターの口は私の左乳房の先端に乳輪ごとかぶりついた。齧るのではなく、唇全体で卑猥な音を立てながら吸い上げられていく。腰を浮かせた私はそのまま乳がマスターに吸い込まれて、食べられてしまう感覚にも陥った。

 今の私は氷菓子だった。マスターにねぶられる度に全身がトロトロになって溶けていき、啜られ、吸われ、口に収まっていく。

 

「はぁっ♡あぁっ♡マスターっ♡あんぁっ♡はっ、あつぃい、あついのだぁっ♡ますたあっっ♡あぁっ♡もっと、もっとぉっ♡」

 

 あぁ、自分を溶かし、蕩かし、犯す、この熱が堪らなく心地良い。

 

 ベッドの中で相も変わらず、抱き合っているため、体温はどんどん上がっていく。だが、この閉じた空間で熱に浮かれたように裸で求め合うのは堪らなくイイ。かつての自分ならあり得ない感情──。

 なるほど確かにこれは『恋の病』だ。今も胸の高鳴りは止んでいない、だがこの動悸は切なく苦しい痛みではなく、暖かいものだ。

 熱きものが好きになったわけでもなく、人の熱は依然苦手である。ただ例外ができただけの事。

マスター好いた男から与えられる熱はたまらなく愛しくなってしまった。いっそ溶かしてほしいと願うほどに。熱いのに暖かい、狂おしいほどに、愛おしい。恋というのは、愛というのは誠に不思議なものだ。

 

「マスタぁ……」

 

「うん、いいよ」

 

 股座を開き、秘所を押し付けるだけで彼は察してくれた。吐き出された白濁液と噴出した愛液でグショグショにみっともなくなっている筈の我が陰部を嫌がる素振りなど見せず、陰茎をあてがってくれた。初めに見せてくれた時より、いやそれ以上に勃起している巨根が、私の体に興奮してくれているということを証明してくれて、どうしようもなく嬉しくなってしまう。

 

「あぁあっっ──♡入ってくるぅっ──♡」

 

 ぬちゅ、ちゅぶっと卑猥な音が断続的に耳に入ってくる。

 一度目は後ろからだった。だが、今は真剣で、どこか親愛に満ちた表情のマスターを間近にしたまま挿入されている。

 これは……マズい、非常にマズいな。マスターの顔が良すぎる。え、私これほどまでにチョロかったか。

 いやだが、冷静に考えてみると、顔も良くて、性格も良くて、体も良くて、強くて、エッチが滅茶苦茶な上手な男とか他にいないだろう、加えて自らの国を救ってもらった恩義もある。これほどまでの良物件に抱かれて冷静でいられるか?うむ、私はチョロくない。

 

「あ゛ぁっ──♡んぁっ♡はあ゛ぁっ──♡きもちぃっ♡」

 

「よしよし、今度は優しく動いてあげるからね」

 

「ひゃぁっ♡あっ、頭もっ♡ナカもっ、なでなでされるとぉっ♡お゛ぉっ♡んあ゛ぉっ♡馬鹿になりゅっ♡」

 

 両手両足で抱き着く私の頭を髪を指で梳くように優しく撫でてくれた。膣内で蠢動している肉棒も加えて、上から優しく暖かい快楽、下から鋭く熱い快楽、毛色の違う快楽信号に挟まれて、脳内がマスターとのセッ……クスで埋め尽くされる。

 私に許されるのは幼子の如くマスターにしがみつき、享楽に耽ることだけ。

 

「んぁあ゛っ♡お゛っ♡あ゛っ♡ひぃい゛んぅっ──♡あっ、あっ、また、またくるぅっ♡さっきのがぁっ……あっ、い゛っ──♡」

 

 指の先まで全身が痙攣し、精神が体から吐き出されてしまうような感覚、私のナカにあるマスターのモノの動きが、後ろから挿入された時と一緒だと気付く。

 また私に熱く滾った精子を吐き出してくれるのだろう、先ほどまでゆっくりであったストロークが少しずつ早くなっていく。

 だらしなく舌は出て、肺から全ての空気を出してしまうほどに余裕はなく、軽い絶頂は数え切れないぐらいに訪れて、いつ気を失ってもおかしくない。それでも全神経、魔力、神性を駆使して意識を保つ。

 

「お゛ぁっ♡んあぉ゛っ♡溶かして、くれぇっ♡マスターぁっ♡わ、たしをあなたの、精液でぇっ♡体の中かりゃぁっ♡女王じゃないぃっ、あなただけの花嫁にしてぇぇっ──♡」

 

 今度はちゃんとマスターの顔を見ながら──正面から、この男の子種を受け止めたいのだ。

 己が彼の花嫁になったという実感をもって、果てていきたいのだ。

 

「あ゛んぅっ♡くるっ♡何かがくりゅぅっ♡はぁあっ♡あ゛んぅ゛んぅっっ♡ひぁ゛あ゛あっ♡んむぅう゛う゛──♡」

 

 肉棒の天辺が膣奥へ熱いキスを行い、子宮へ白き炎が注ぎ込まれていく。

 喘ぎ交じりの熱が籠った息を吐きだしていた口は彼の唇に塞がれて、お前は俺の花嫁だとプロポーズされているようだった。

 脚を彼の腰に絡め、後頭部へ手を重ねるように抱きしめ、下腹部を押し付け、合わさった口の中で不細工に舌を動かし、中へ出されている実感に酔いしれる。

 抱かれ始めてから、いつもの自分なら絶対に出来ないような行動、言動、反応ばかりだった。

 きっと後で一人になった時、思い出して恥ずかしさのあまりのたうち回ってしまうかもしれない。

 

「ん゛ぅっ♡んむぅ゛っ──♡んちゅぅっ──♡ちゅっ♡ん゛んぅ゛っ♡」

 

 それでもどうか──この熱が決して冷めないで欲しいと願い、私はいつまでもマスターの体温をその身に刻み込んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──スカディがマスターに初めてを頂かれた日から数日後、北欧、氷雪の城にて

 

『斯くして、獣の猛き炎は花嫁が纏った女王という氷を溶かし、二人は末永く結ばれましたとさ……』

 

 幸せそうな表情で男に抱き潰されているスカディが描写されている最後のページにはそんなナレーションが記載されていた。

 何とも言えぬ表情でスカディから渡された本を閉じた少女の名はシトナイ。

『恋の病』で緊急搬送された時に義母に付き添い、一度はそのふざけた病名の恥ずかしさのせいで姿を消していた彼女だったが、今は何かに耐えるよう小刻みに震えていた。

 

「どうであった?」

 

「『どうであった?』え、私の聞き間違いかな?カルデアから帰ってきたと思ったら何日も私室に籠って、それで出てきてから有無を言わせず、義母の情事を読まされた私に感想を求めたの?」

 

 後半からはページのほとんどが肌色成分だった薄い本(全215P)にはマスターとの出会いから初体験が女王スカディ本人の手によって多少脚色はあるが描かれていた。スカサハ・スカディ先生による生もの同人のデビュー作品である。いや、このページ数はもはや薄い本とは言えないが。

 頭が痛いと額を指で抑えているシトナイの頬が紅潮しているのは怒りか、はたまた別の理由か。とりあえず事実としては無駄にクオリティが高かったせいか、最後までしっかりと読んでしまったということ。

 

「いったいどこで、こんな技術を習得したのさ」

 

「原初のルーンでな」

 

「ルーンって言えば何でも許されるわけじゃないからね」

 

 だが事実マスター粒子を注入されてから、原初のルーンで出来る事が増えてしまったのだから仕方ない。

 現在のスカディのステータスを確認すれば『原初のルーン(−)』から『原初のルーン(性火せいか)(EX)』に変化してしまっているだろう。

 

「何そういうプレイ?娘の私を巻き込まないでもらえる?」

 

 スカディがマスターとの至福の一夜を過ごしてから、確かに胸を裂くような切ない痛みは治まったが、今度は胸を焦がすような熱が灯ったのだ。何かぶつけたい、発散したい、そういった欲望が止まらない……自分でも言語化できない持て余してしまう感情。

 マスターに日を置かずに同衾を願うのは、はしたない女と思われそうでNG。

 ナイチンゲールを頼るとまた面倒な事になる(結果的に今回の件は感謝しているようだが)。

 そんな彼女がカルデアをさまよっている時に出会ったのが、贋作英霊こと愛しのお姉様ジャンヌ・オルタと執筆活動に明け暮れているブリュンヒルデ・オルタ。

 

「曰く、マスターの女達は己と彼のまぐわいを書物にしたため、お互いに共有し、高め合っていると」

 

「やばぁ」

 

 その話を聞いて、スカディは天啓を得た。北欧へ帰り、マスターへの想いも愛も恋も憂いも涙も血も熱も全てをインクとして、紙に込め続けた。

 まさしくラブイズハリケーン、今のスカディは正気では無かった。ランナーズハイか如く眼もキマっている。これはまたカルデア医療室コースですかねぇと初恋が実って浮かれポンチになっていた義母を前にシトナイは悟りの境地にあった。

 

「で、どうであった。荒削りな所があるのは認めるが我ながら結構な大作が出来たと思うのだが」

 

「あ────うん。ここで口頭で伝えちゃうには勿体ないレベルの作品だったから、後でメールで送っていい?お義母さんも感想は見返せる方が嬉しいでしょ」

 

「おぉ、そうかそうか……そこまでか、これは他の者達からの感想も楽しみだ」

 

「……………………ちなみに私以外には誰に送ったの、この本」

 

「我が友メイヴに、ワルキューレ153騎、それとオフェリアである。安心するがいい、これ以上は他の者に読ませる気は今の所はない」

 

 正気に戻った瞬間♪終わったわ♪

 

 シトナイは未来の義母を想い、心で泣いた。これが恋の病を荒療治で治した後遺症とでも言うのか。わくわくと携帯端末を手にしている義母にかける言葉が見つからなかった。

 

 だが、感想はちゃんと送ろう。あれだけ楽しみにしているのだから、それが例え死体蹴りになったとしても。

 どんな形であれ、始めての創作品に感想を貰えるのはきっとドキドキで嬉しいことだろうから。出来るだけ早くと、義母が熱に浮かれている内にシトナイはその場を後にした…………取り敢えず後でカルデアのマスターは一発殴ろうと心に誓って。

 

 

 後にオスロ・フィヨルド全域にて、それはそれは盛大で情けない女神様の泣き声が聞こえたそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──同じく数日後、メイヴの部屋にて

 

「結構、気に入ってたんだね。スカディのこと」

 

「まぁ……お堅い真面目ちゃんかと思ったら、光る所があってね。やることなすこと可愛らしいし、顔がスカサハだから余計にギャップでやられたわよ」

 

「てっきり、「私も入れてよ」って混ざってくると思ってた」

 

「ふぅ……それも考えなかったといえば嘘になるわ」

 

 白トレーナーにミニスカコーデ、簡素なルームウェアで惜しみなくマスターにパンツを見せつけながら、ベッドの上に横たわっているメイヴは先ほどまでページを捲っていた本を見せつける。

 スカディが発破をかけてくれた友へのお礼として、メイヴにくれた本の名は『異聞カルデア寝物語(原作・作画:スカサハ・スカディ)』。

 

「でもこれを見て、私が行かなくて正解だったと確信したわよ」

 

「何かご不満だった?」

 

「不満がないからこそよ。私がこんなスカディを目の前にして正気を保ってられると思う?」

 

「あ──」

 

 マスターはここで得心した表情を見せた。

 メイヴがどうして、スカディの初夜に参加しなかったのか。

 

「あなたも私も、こと情事に関してはペダルガン踏みのタイプでしょ?はい、お互いブレーキが利かないセックス熟練者。ベッドの上には、いたいけでサイコーに可愛い処女が一人。導き出される答えは?」

 

「玉突き事故、スカディがぶち壊れちゃうか」

 

「突くのは玉じゃないけどね。1日じゃ終わらせないわよ。BBのシミュレーター使って、少なくとも1ヶ月コースはイクわ」

 

「Oh、ケルトチック」

 

「あなたも人のこと言えないでしょうに」

 

 何せマスターもメイヴも互いを親友と呼んで憚らない相性の良さ。特にそのコンビネーションは寝所でより一層発揮される。

 

「スカサハの顔であんな乙女の表情見せられたんだもの、私だって気ぐらい遣うわよ。無理させて『メイヴの馬鹿、嫌い!』って言われたら普通に死ねるわよ私」

 

「あのメイヴちゃんが自身の欲望より、優先させる可愛さ……スカディってば恐ろしい娘」

 

「でもいつか、スカディの娘と母娘丼する時は私も呼んで、親友からの一生のお願いよ」

 

「段階を飛ばしすぎている。気が早いってレベルじゃない」

 

「憧れは止められないの」

 

 ブレーキが壊れていると自覚がありつつ、平常運転なメイヴ。

 そんな彼女が目の敵にしているスカサハと同一の容姿を持つスカディと親交を深めているのに不思議な気持ちになったマスターはつい口からこんな言葉を漏らしてしまった。

 

「いつかメイヴちゃんにもそっくりな娘と出会ってたりして」

 

「ハッ!あり得ないわねっ!」

 

 寝転んでいた姿勢から体操選手よろしく綺麗に回転し、ベッドの上へ着地&眼の横でダブル裏ピースをキめるメイヴ。まさに誰もが目を奪われていく黄金比のプロポーション。

 

「私は完璧で究極のクイーンであって、金輪際現れない唯一無二なの。もし、そんなのがいたら幼女化して、アタランテと一緒にオギャバブランドを開園してやってもいいわよ!」

 




【『カルデア寝物語』に関する追記事項】
 始まりはサーヴァント達とマスターの睦事を万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチが漫画として描き出したこと(当の本人はまだ抱かれていない)
 依頼を受け、執筆し、完成した品は依頼者の元にしか渡らないものだった。
 だが、いつからかマスターのハーレム内でシェアが始まり、やがて自ら筆を取り始める者達も現れ、謂わば彼女達だけによる即売会が始まった。
 好奇心からか、参考にする為か、純粋な性欲か、あるいはマウントを取る為か、様々な理由で彼女達の濡れ場は円環の理に導かれ、強大なネットワークを築き上げる。

 歴史書は時を超え過去を伝え、漫画は海を超え国が違う人々を感動させ、同人誌は理性を超え触れた者を熱狂させる。
 いつの世も書き物というのが余人に影響を与えるならば、人知を超えた彼女達と彼の交わりが記されたこの書物が概念となり、宝具となるのもおかしな話ではない。
 『カルデア寝物語』とはカルデアのマスタービースト0/デアーと女達の色事をコミカライズした全ての作品を指す。(※便宜上、作画がダ・ヴィンチではない場合は「異聞」とつく)

 『カルデア寝物語』この名を冠する書物を手にする時は心するといい。深淵をのぞく時あなたがその深淵に取り込まれない保証は無いのだから――。







 投稿空いた間も多くの感想ありがとうございました。返せてはいませんが、全て目を通しています(ありがてぇ&申し訳ねぇ)。


Q:何故、今更になって投稿?
A:転職ガチャSSRを引いたから

Q:次回は?
A:需要があれば。

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