というわけでいつの日か酒と深夜テンションで書いた没ネタをお詫び投稿します。
今までのエイプリルフールネタって英霊編だったり、ラーマきゅん編だったり四月馬鹿詐欺ばっかりだったので偶にはガチのエイプリルフールネタを投稿しなきゃ。
好き放題書いてます。考えるんじゃなくて、感じてください。響け! アナーハタ!
PS:大奥イベの殺生院さん大好き。でもカーマちゃんの方がエチエチ度が高いんでそっちに溺れていいですか?(ダウナー系桜大好き侍)後、FGOクエスト常設してマジで時間がないの。
ノッブ「いやいや、あの乱世の奸雄が金髪ドリルでエッチが大好きとか、んなワケ!」
沖田「ははは、諸葛孔明がロリではわわとかあざと過ぎません? 狙いすぎでしょう」
武蔵「えぇ――、美髭公じゃなくて、美髪公? 何でもかんでも美少女化にするのはお姉さんどうかと思うなー」
茶々「茶々知ってる! これ、ブーメランって言うんだよネ!」
三つめの異聞帯。人智統合真国 SINでの戦いから一週間。親愛の獣君とカルデアの愉快な仲間達が束の間、休息を享受していた頃――。
これは第三異聞帯と第四異聞帯の狭間にもしかしたら、あったかもしれない帯。
安寧と調和が続く泰平の大地はこの星から引き剝がされた……白紙化された大地しかない筈の中国大陸に一つの微弱な反応を彷徨海は確認した。
空想樹を切除した異聞帯にまた、新たな異聞帯が出現するというあり得ざる事象が起きたのか、事態を確認する為にマスター達は再び中国大陸へと浮上する。
彼等が最初に目にしたのは一面の麦畑ではなく、どこまでも殺風景な乾いた大地であった。時折、黄砂が吹き荒れる広汎たる地平線。まるで黄色の布を被った野党3人組がいつもの絡みをしてきそうなフィールド。
「普通だね」
「普通ですね」
「…………」
人類悪と兼業中マスターと彼のサーヴァントとして付き従った蘭陵王は先程から隣で黙りこくったままの美女へと視線を向けた。
「何で項羽様がいないのよ!!」
ハイネック眼鏡から露出度の高い霊基第二姿に変貌してしまうぐらいに元クリプター、シン攻略前にマスターから
「項羽様が颯爽と敵を蹴散らし、原住民共に敬愛の瞳を向けられて、私が隣で『さすがです項羽様!』ってする展開はどこに行ったっていうのよ!あぁ、けどやっぱりあのお方には戦って欲しくないので安心している自分がいるぅぅぅっ」
「やっぱ、おもしれぇわこの人」
「申し訳ありませぬ。心を許した者の前では結構な頻度で感情が爆発してしまう御仁なもので」
異聞帯に訪れて早々肉体的にも爆発して再生をしている虞美人をもはや見慣れた感じでスルーするカルデアの頭脳陣、ホームズとダ・ヴィンチちゃんはさほど脅威を感じない異聞帯について意見を交わす。
『う――ん、けど確かにおっかしいねぇ?出番が無かったと張り切っていた燕青君や呂布、李書文達も一緒に浮上出来るようにした筈なんだけど……』
『……シャドウボーダーも浮上出来なかったという点を考えると……。ふむ、ダ・ヴィンチ女史、私とゴルドルフ司令官も含め、男性陣は一度別世界のカルデアに引き戻るとしよう。そこからもう一度シャドウボーダーの浮上を試みてくれたまえ』
『それはどういう?』
『何、ただの仮説の検証だ。実証されたなら今回のロストベルトにおいて、私はナビゲート出来ないという事になる。もし、そうなった時は後の事は君に任せたよ』
――――
「つまり?理由は不明だけどこの異聞帯において女性以外の闖入者は全て弾かれると?」
『まー、そうだね。ホームズやムニエル君を始めとした男性陣がボーダー内にいなくなった途端、私達はこの異聞帯に浮上出来たみたいだし』
「はぁ――……。アンタ達、本当にカルデアの参謀役?男性陣って……ここにもう例外が出てるじゃないのよ。アホ後輩と蘭陵王はどう説明をつけるわけ?」
『現段階では判断材料不足だからマスター君に関しては何も言えないけど、蘭陵王
顔は見えなくとも声だけで厭らしい表情を浮かべているとわかるダ・ヴィンチちゃんの声に何故か蘭陵王は仮面の上からわかるぐらいに顔を紅く染め、内股になっていた。
「あっ(察し)ふーん……そう、女の子になっちゃったのね」
「お、お待ちになってください虞美人殿!私の性別は依然、変わらずです!」
「そっちの方が大問題よ!親友が一週間で仇敵に男のまま雌にされているとか……長い年月生きてきて初めての衝撃なんだけど!!」
「成程つまり性別というよりは心が乙女ならば、この異聞帯では女の子だと判断されると……。まぁ、俺的には蘭ちゃんのすべすべな肢体と乱れっぷりはついていようが完全に女の子判定だけど」
「うわーんマスター!止めて下さ――い!!」
「聞きたくなーい!!後輩(♂)と親友(♂)の濡れ場なんて聞きたくなーい!……っもしや項羽様もいない絶好の機会として私の体も狙っているわけじゃないでしょうね!?嵌めてくれたわねビースト!まさか異聞帯を使ってまで私に手を出そうとするなんて思ってもいなかったわ!」
「いや、さすがに人妻に手は出さないって」
カーミラ、マリーアントワネット、ブーディカ、巴御前、千代女、紫式部、シータ(ラーマと3P)……etc。
「マスター、説得力が」
「まるでねぇや」
「ヤってみなさいよ!項羽様との安息の地をくれたお前に恩はあっても。そこまで許すつもりはないわ!抱かれるぐらいな舌を噛み切って死を選んでやるわ!世界とお前への呪詛を残してね!」
不老不死の貴女にとっては結局いつもやってる事ではというツッコミは置いといて勝手に独りでに感情を昂らせた虞美人は自らの身を守るように両肩を抱き締めていた。私は他の人妻共と違って絶対に親愛のチンポに堕ちたりしないという誇らしい鉄の意志を感じた。
『あ――盛り上がってる所、悪いんだけど……』
ダ・ヴィンチちゃんの声に虞美人が顔を上げれば、蘭陵王の白馬に「ま、マスター……そこは掴んではぁっ……んぅっ」とイチャイチャしながら二人乗りをしている彼等の遠く離れた姿が。
安定のスルー。放置されたぐっちゃんパイセンにかける言葉がさすがの天才にも見つからなかった。
そして温和さや淑女さの欠片も無い顔になっている虞美人に声をかける命知らず達が彼女の背後から……。
「おい、姉ちゃん。命が欲しかったら身ぐるみ剥いでここに置いてきな」
「アニキ、アニキ……!すっげぇ美人ですよコイツ!」
「殺すのは勿体無いんだな」
「あ゛ん?」
その世界は後漢末期。三国志の始まり――。怪力無双の武将達も智謀張り巡らせる軍師達も民を統べる指導者達も強く、賢く、権力を持つ者は全て
帝都たる洛陽に突如として生えた巨大な白樹は終わりなく宙を貫いていた。
異常現象に加え、積み重なる重税、満たされる事のない飢え、いくら働こうとも生活は豊かにならず、盗賊共が平穏を脅かす。群雄割拠のきっかけとなる世の乱れに無垢なる民達は救世主を求めた。
その声に応えるように世には相反する二つの噂がまことしやかに囁かれていた。
女の占い師曰く、天から降り立った御使いが洛陽に巣食う悪しき大樹を斬り落とし、天下に平穏を与えんと。
男の道化師曰く、帝を守護せんとする大樹を破き、天下を阿鼻叫喚に叩き込む妖術使いが堕ちてくると。
こんな荒唐無稽な噂が信じられているのだ。もはや帝に、漢に世を統べる力は無く、この時代は末期を迎えていた。
▲▲▲
「はぇ――、君が董卓……。今まで一番のギャップかも。ほっぺがぷにぷに」
「へぅ、へぅ……」
「ちょっと月にいきなり何してくれてるワケ!?牢屋に叩き込むわよ!?」
マスター達が出会ったのは彼等の世界で語り継がれていた悪逆の限りを尽くしていた魔王の面影すらない異聞帯の『董卓』。
「もっきゅ、もっきゅ、もっきゅ」
「かの騎士王を彷彿させる食べっぷり……この少女がこちらの世界の『呂布』ですか……」
「まぁ、俺達がいる世界の呂布もお馬さんだし?それと比べれば」
「恋……お馬さんだった?」
「自分を呂布だと思いこんでいるケンタウロスもどきの話は止めなさい」
呂布、張遼、華雄、たとえ女といえどもその名に恥じる事はない武力は董卓――月の道を切り開く確かな力となり。
「いやぁー、ほんま驚いたわぁ。男でこないに強いのウチ始めて会ったもんなぁ、蘭ちゃんもいい馬に乗っとるし――幽州の白馬なんちゃらにも負けておらへんな」
「いえ、私も神速の張遼と馬乗り達の憧れであった貴女と武を競えたのは望外の極みであります」
「かったいなー自分。恋人のあの御使いはんみたいにもっとはっちゃけてもええのに」
呂布に馴れ馴れしいとマスターに飛び蹴りを入れた陳宮だったがあっけなく受け止められ、肩車される。そのまま城壁を垂直で駆け上がっていくマスターに泣き叫ぶ陳宮。異分子であるマスター達は少しずつ彼女達に受け入れられつつあった。
「いやぁ――。こんな可愛い娘を伴侶にしてるなんてほんま羨ましくて妬けるわ~」
「待って下さい……こ、恋人というのは……その、誤解があるかもしれませんが私は女ではなく男であって……いえ、まぁ、主に心身共に雌にされたという点では女なのかもしれませぬが……」
「ふぁ?………………………………いやぁ――そっか。大丈夫!ウチはそういうのに偏見は無いで!別段珍しくも無い話やし!?そっかぁ、そっかぁ、そっかぁ――」
「ちょ、アンタ本気!?」
「それは駄目だ月ちゃん。君が覚悟を決めているのはよくわかった。けど、全てを敵に回すのには君は優し過ぎる」
「だからといって、貴方に全てを負わせるなんてッ――」
「いいから黙ってやらせておけばいいのよ、董仲穎。コイツ、現在進行形で世界を敵に回している大悪党なんだから。お前よりもよっぽど魔王役に相応しいわよ」
それは権謀渦巻く
▲▲▲
「世を救う御使い。世を乱す妖術使い。はたして貴方はどっちなのかしらね?」
「さぁ?それは君が好きに決めればいい。お得意の勘でさ」
一族の為、密かに牙を磨き続けている江東の麒麟児。小覇王こと異聞帯の『孫策』。
「武もあり、奇抜だけど知もある。御使いという名もあるのなら、貴方の種を孫家に入れるのも悪くないわね」
「正気ですか姉様!?」
「良かったじゃない後輩。お前の一番の得意分野よ。ていうかもう、この世界にいる女全員後輩の手で堕とせば異聞帯攻略完了じゃない?」
「面倒臭くなって最低の案を出すのは控えて下さい」
「アガルタの焼き直しかな?」
「ゲホッ、ゲホッ……悪いが私の体の事は黙っていてもらえるか?孫呉はこれからなのだ、余計な事でその歩みを遅らせるわけにもいかぬ」
「周瑜さんはこうおっしゃってますが?婦長さん」
「緊急治療です」
「おいっ待て!私の話を聞いていたのか!?ちょ、首が締まっ……」
「却下です。この世界に病気を治す事よりも優先すべき事項は存在しません。貴方がこの国家のせいで体を病んだというのなら、私が先にこの国を滅ぼします」
「落ちたな(物理的に)」
異聞帯にも関わらず、主要な人物は全て女性にも関わらず、彼女達の身に降り掛かるのはマスター達にとって既知感があるものばかりだった。まるで正しいものに戻すように世界が彼女達を殺しに来ていた。
「毒矢……?魏の奴らそこまで堕ちたか!?ちょっと■■!?無事!?」
「生憎とその程度の毒は効かない体でね」
「よくもまぁ、我以外が扱う無粋な毒をマスターの体に入れてくれたものよ。おい暗殺者、さっさと雑兵を始末せよ」
「待って下さい……。マスターの毒を今吸い出している所なので……じゅるぅ、ちゅむぅ、んふぅ、あっ」
「その必要が無いのは貴様が一番知っておるだろうが!どこで盛っているのだ貴様は!」
「いいわよ。もう私が始末している。……それよりも貴女達、一体どこから現れたの?」
異聞たる三国大戦争の地に別世界、数多の歴史から乙女達が親愛の獣によって招かれる。
「いえーい!燃え尽きるほどレッドグリフ!こんな大炎上戦争にわしを呼ばないとか!あちちちちち!?……えっ、ちょっと待ってこの船沈んでない?わし召喚される所間違った?取りあえず、親指上げながら水面に沈めばおK?」
「抗ってみなさい孫伯符。まがりなりにも項羽様の「覇王」の名を継いでいるのなら、運命に抗ってみなさい」
「ヒナコ……貴女」
それは歴史の修正力。襲いかかる因果と戦い続ける小覇王、『孫策』の物語。
▲▲▲
「桃園ブラザーズではなく、桃園シスターズとはなぁ」
「お願いします。私達に力を貸して欲しいんです!誰も泣かずに済む、皆が笑顔でいられる世の中にしたいんです」
「えぇ――、うっそでしょ。この栄養が全部胸にいってそうな頭お花畑が劉玄徳ぅ?」
「ぐびじ……コホン、ヒナコ殿。もう少しおぶらぁとに」
未だ芽吹く事の無き王の才。この乱世で最も弱く儚い姉妹達が抱く理想は多くの者が夢物語だと鼻で笑い、実現困難な道。桃園の三姉妹達は担ぐ神輿は御使いか、あるいは悍ましき悪魔か。
「えぇ……まったくご主人様は本当に……。桃香様に朱里に雛里に鈴々に星にと……ふふふふ、少々どころの話でなく女癖が悪過ぎるのでは?その性根、今ここで文字通り叩き斬ってあげましょう」
「今よ、関雲長!私ごとやりなさい!」
「やだ羽交い締め?パイセンってば、俺が詰れる時だけここぞとばかりにノるんだから」
ピコン。
【実は一番怒っているのはそこでなく、どうして桃香様の次に付き合いが長い自分には一切手を出してこないのかという怒りと寂しさと悲しみが混ざった複雑な嫉妬心を持て余しているが馬鹿正直にそんな事を言えるワケもなく。軍の規律を守るというもっともらしい事を言って、心の靄を晴らそうとしている愛紗なのであった】
「おやおや、青筋立てている顔でそんな愛い事を想っていたとは……。全く、便利な術であるな」
「何をニヤニヤしている星?……まさか式部殿!また貴女か!」
「はうわ!?申し訳ありません!申し訳ありません!私の『泰山解説祭』が申し訳ありません!」
「はわわ、それで御使い様と蘭陵王さんはどちらが受けなのでしょうか?」
「マスター。稀代の軍師、諸葛孔明からの第一声がこれとは眩暈がしてきたのですが」
「俺は基本的に愛を与える方が好きだから?当然、蘭ちゃんを責める側だよねぇ」
「お戯れをマスター」
ピコン
【軍師達の言葉に応えなくなったのか太腿を撫でる主の手。そしてそれを払い除けようとする動きだけは見せるが妖艶かつ愛情に満ちた彼の手に触れられてしまうとどうしてもよがり狂う程に啼かされ、喘がされた夜の事を思い出してしまい、拒絶の意が弱まってしまう。ここに幼子達の目がなければ、主の愛欲に溺れるのも吝かではないが……。このような陽が昇る時間から淫行に耽るのは彼の忠臣として相応しい姿とは言えないのでは、だが彼の恋人という側面ではやはり応えるべきという相反する二側面に揺れてしまう蘭陵王なのであった】
「だから『泰山解説祭』ぃぃ!!」
「すみません!美味しい場面に遭遇してつい暴発してしまいましたぁ!」
「はわわわわわわわわわわぁぁあぁぁっ!!!!やっぱり生ものは破壊力が違うね!雛里ちゃん!」
「うん朱里ちゃん!この熱量を忘れない内に刑部さんとしぃたさんの所に行こう!式部先生も一緒に!次の新作の発想がもりもり湧いてきた!あわわわわわわわわわぁぁっ!」
「ふっ、またこの世界の文明の発展に力を貸してしまった……」
「あれが『伏竜鳳雛』……いえ、ここは異聞帯、ここは異聞帯、ここは異聞帯」
決して楽ではなく、民達の為に理想の為に邁進する苦しい戦いではあったが劉備――桃香が望んだ笑顔が確かにあった。彼女は感謝していた……何の力も無い自分に力を貸してくれる仲間達に自分を導いてくれるご主人様に。
「ねぇ、ご主人様……。私、最初から間違っていたのかな?曹操さんが言うように私が言う夢は子供が描く絵空事で、私がやっている事はただの偽善のなのかな?耳障りの良い言葉で皆を騙していただけなのかな?」
「君がやっている事はその都度、目の前で苦しんでいる人間を助けているだけだ。君が誰かを助けている間に苦しんでいる人は当然いるだろう。全ての人間を救うなんて事はきっと君には出来ない」
「…………」
「でもそれでいいんだ桃香」
「へ?」
「目の前にいる他者の苦しみをまるで自分のように共感出来て、手を差し伸ばさずにはいられない。当たり前のように溢れる優しさを分け与えてくれる事が出来るから、今君の後ろにはこんなにも付いてきてくる人がいる。全てを救うなんて事は誰にも出来やしないんだから」
「ご、主人、様……」
「どんなに助けようとも全ての人間は救えないなんて諦めと同じ憐みを持ったら、君はきっと人間じゃない悍ましい化け物になってしまう。だから、桃香。今、君の中にあるものを数えよう。まだ見ぬ君が救うべき人達じゃなくて、君が助けてあげた人達の事を。君には今、何が残っているかな?」
「私……あっ、う、うわああぁあぁぁぁあっ…………」
「やっと、泣き顔を見せてくれたね」
それは残酷な戦乱の世を何度も目にして……それでも理想を捨て切れなかった一人の女の子、『劉備』の物語。
▲▲▲
「どうやら陳留は百合の国らしい。主である曹操は気に入った女の子はとっかえひっかえ……というわけで女装して潜入したいと思います……蘭ちゃんは――今のままでいいか」
「え――嫌よ。そんな気色悪い所に行くわけないでしょ。私の貞操に何かあったらどうしてくれるのよ?」
「爆発すればいいんじゃね?」
「それもそうね」
(そこで納得するのですか……)
マスター達が訪れたのは誰よりもこの国の未来を憂いてる王。三国の姫達の誰よりも強い覇の意志を秘めた曹孟徳が統べる陳留。
「そうか……。君も曹操様に仕官しようと。何か考えがあるみたいだね、言わずともわかるさ(黒髪ツインテール美の女神スタイル)」
「あ、い、いけません。私には曹操様と……心に決めたお方が」
壁ダァンで逃げ場を失った荀彧――桂花に手っ取り早く曹操と謁見する方法を聞き出そうとする女殺しの獣。彼女の瞳は蕩け、息は甘く荒い物に変貌を遂げる。
「そのキュートなフードで隠そうとしても無駄さ。溢れんばかりの王佐の才が俺に教えてくれているよ。君が智謀に長けた人だってことは」
「あ、あ、あ――、そんな、駄目よ桂花……。こんな腰の軽い女のような真似、許されるわけが、あぁ、でも流されちゃうっ」
(顔を隠そうとした所で頭巾を外し、顎くいっからの急接近。さすがはマスター)
(息を吸うように女を落とすわね。やっぱ人類悪だわあの後輩)
「結構。かるであだろうが、天の国だろうが、有能な者は私は受け入れるわ。それで蘭陵王、一つ聞きたいのだけれど……あれは何をしているのかしら?」
――いやぁ――!!放せ!放しなさい!!妊娠するでしょ!馬鹿!!
――はっはっは、面白い事言うね桂花ちゃん。肌が触れただけじゃ子供は出来ないよ?いいかい子作りというのはおしべとめしべが。
――本気で言ってるわけないでしょ馬鹿!死ね!精液撒き散らして死んじゃえ!!ていうか真名で呼ぶんじゃないわよ!殺すわよ!!
――おやおや寂しい事をおっしゃる。あんなに熱く語り合った仲だというのに……。録音もしているから聞いてみる?『あっ、荀彧だななんてそんな寂しい、桂花とお呼び下さい……。御使い様ぁ♡』。
――あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁっぁあああああっっ!この荀文若、生涯最悪の過ち!!死ぬ、死んでやる!お前を殺して死んでやるわ!!
「主殿が男とわかり自殺を決行しようとする荀彧殿とそれを止めながらもその醜態さえも愛でている主殿の図です」
「止めなさい……」
「御意」
金髪ドリルの身長と胸部が若干貧しいが王としてのカリスマは圧倒的な曹孟徳こと華琳はマスター達を受け入れた。彼が御使いだろうが、妖術使いだろうが、どちらでも彼女にとってはさほど問題ではない。清濁呑みこんで扱うだろう。
「なんやこれぇ――!?天の国ではこんな絡繰りがあるんかい!!な、なぁ、ちょっとばっかし弄ってもええかな!?」
「却下に決まっているでしょう。それと絡繰りではなく、メイガス・エイジス・エリザベート・チャンネル略してメカエリチャンと呼びなさい。胸部装甲が気に食わない女」
「めいが……?よくわからんけど、滅茶苦茶凄い事ようわかった。なぁ、何が出来るん?出来るん?その絡繰りで何が出来るん?」
「パイロット候補……」
「オーダーを与えようメカエリチャン。宝具解放を許可する」
「いいでしょう、テイクオフ。……スカートフレア! チャームサイト! ソニックシャワー! ラング展開。『
「ぴゃああああああああああああああぁぁっ!!」
「大変なの!あまりの興奮で真桜ちゃんが女の子が見せてはいけない顔になっているの!」
「隊長大変です!めかえりちゃん殿の攻撃が城の屋根を一部削り取ってしまったようで華琳様が血管を切れさせる程の激怒っぷりでこちらに向かっているようです!」
「ようし華流出亜隊、退散!」
楽進(凪)、李典(真桜)、于禁(沙和)の3人を曹操から直属の部下として与えられたマスター。都の警護隊、
覇王と親愛の獣は月光の下で語らう。
「貴方は王ではないわね……。尋常ならざる力と人とは思えない視点を持っている……。稀に私でも圧倒される程の覇気も……。けど、それでも何故か貴方を王とは思えないの」
「そりゃあ、色んな王様を今まで見てきたけど……。やっぱり自分はそんな柄じゃない。国よりも背負いたい物があるからね」
「へぇ……。じゃあ、貴方は一体、何になりたいのかしら?」
「一家を支える大黒柱かな」
「ぷっ、はは、あははははは!そう、そうなの!これほど漢を振り回した貴方が!それだけの力を持った貴方が!国よりも家族を背負いたいって……よっぽど重いのかしら?貴方の家族は」
「重いというか、たくさんいるからね。だから俺は自分と彼女達の為に絶対に折れない柱になりたいのさ」
「そう……。そんなに太い柱なら、私も少しぐらいは寄り掛かっても――いいかしら?」
それは小さな背中で国を背負い、覇王たらんとする少女、『曹操』の物語。
▲▲▲
何度も繰り返される乙女達の三国志演戯。その裏で暗躍する
「ンンンン、外史!外史!大変結構!人の葉は言の葉、やがてそれは世界を育てる大樹となる。人の数ほど物語があるというのなら、あぁ――――増えすぎたものは伐採しなければなりませぬよなぁ?」
「貴方がたの世界でいう剪定事象ですか……。もはやこの際名称はどうでもいいでしょう。我らは目的を同じにしている。そう捉えて構わないのですね?」
「おい于吉、本気でコイツを信用するのか」
「仕方がないでしょう左慈。やっと御使いなんて物が存在しない外史が出来上がったと思えば、今度は世界の外側からの来訪者と来ました。しかも不運極まる事に今度の御使いは我らだけではどうにもならない怪物中の怪物。ならば彼と相対した事がある経験者に力を借りるのは道理」
「ちっ……」
「ン、ふふふふふふふふ、嫌われてしまったようですね。まぁ、そんな貴方様に朗報を、憎して止まない御使いという存在。その決着の場は拙僧が下拵えしてあげますとも」
「何故邪魔をする!何故この世界を認める!カルデア!人類最後のマスター!!この世界は根本から狂っている!人形共の茶番劇だ!間違っている!誤っている!壊れている!貴様らと我らはもはや目的を同じとしている筈だ!!そうやって今までも正しくない世界を滅ぼしてきたのだろう!?なのに、何故――」
「正しい世界、正しくない世界、そんなもの神様にだって決める事は出来ないだろうさ。なぁ、左慈そんなお題目はいいんだよ。『俺はこの世界が心底気に食わない』そう叫んでくれた方がまだ印象がいいぞ」
「き、さま――」
「もちろん俺はこの世界が嫌いじゃないから全力で抗わせてもらうが」
「あぁ、そうだ!何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も繰り返されるこの世界の管理を任されて気が狂いそうだった!俺は心底!この世界が嫌いだよ!!カルデアのマスター!!」
「ほら、入ったぜ。お前の射程距離内に。出しな、左慈。自分が一番信用する
「どうも初めましてこんにちはお久しぶりです。人間の皆々様方。拙僧の名は『羅漢中』。この異聞なる三国志演戯を書き綴る者。以後お見知りおきを」
「嘘つけ、ぜってぇキャスターリンボだろてめぇ」
「下総の借りを返しにきましたぞ。親愛の獣殿ぉ。ンンンン、貴方の要望通り、こうして、今度は本体で」
「いいから手を伸ばしなさい後輩!このままだとお前がこちらに帰ってこれなくなる!!」
回を重ねる事にシャドウボーダーからの通信が切れる。呼び出せる彼女達の数が減っていっている。カルデアが存在する世界線からの縁がどんどん薄まっていく。それはやがて――。
「ここは下総のようにミッシングベルトではなく、かといってロストベルトでもなし。ンンンン、陣営を変え、人物を変え、進行を変え、生き死にを変え、ここは三国志という概念の中でグルグル回っているエンドレスベルト。いつまでも綴られている終わりなき創作地獄。尾を咥えているウロボロスのように!」
だが、単独顕現を持っているビーストたる彼ならここから脱出する事は容易。しかし、それは。
「出来ませぬ!出来ませぬとも!出来ませぬよなぁ!ここの乙女達と縁を交わってしまった貴方様にそのような悪行を!主人公たる貴方がいなくなれば、この世界がどうなるか予想出来ますかな?彼女達は完全に別の物語へと移行する。ンンンン――!即ち、貴方が知る、貴方を知る彼女達、死そのものを意味しているのですよ」
ここは異聞帯のように失われているに非ず、ロストベルトよりは強固だが、正史よりは脆弱。続く未来が用意されていないのではなく、未来から過去に戻ってしまう世界を今までと同様に彼が『白式官能』で自分達の世界に強奪してしまった時、どうなるかは誰にもわからない。
「この世界。貴方がいた世界。両方の彼女達……選べないでしょう。捨てれないでしょう。諦められないでしょう。それでこそ、天秤の中心に立つ零のビースト。片方に傾く事のない親愛の獣!下総で流石に学びましたよ拙僧も貴方とは……あぁ、ンフフフフフ、馬鹿正直に向かい合うのはもう止めだと」
高らかに肉食悪鬼、悪霊の王。『羅漢中』――蘆屋道満は勝利の嘲笑を大陸中に響かせる。
「拙僧がもう手を出す事は無いでしょう。どうかどうかこの世界から出る事なく終わりなき乙女達の淫瀾に浸って下さいな。理を超えた獣の退治方法は打ち滅ぼすのではなく、封印する。定番でしょうな」
「なぁ、マシュ。俺はやっぱりどんなに多くの人を愛しても代わりがいるから大丈夫だなんて思えないんだ。誰か一人でも欠けちゃったらきっと俺は
人類最後のマスター、親愛の獣史上、最大の窮地が訪れる。
「勝った!勝った!勝った!完全に封じたぞ!親愛の獣!ビースト0/デアー!!貴様がもはや転廻する三国志から脱出する術は無し!この巻物からはその要因が一切排除されている!三国志が滅びる事はなく!巻かれ続けるこのエンドレスベルトはンンンン、もはや強固さだけなら、
「召喚に応じ、推参した。私の名はライネス……いや、ここは敬愛すべき愚兄が世話になっているカルデアの流儀に沿ってこう答えよう。サーヴァント、ライダー、『司馬仲達』。この三国志を
劇場版『おいでよ カルデアの森』
『乙女転廻演戯 三国識』
近日公開。
恋姫夢想、嫌いじゃないんだ。