UA100万突破、話も今回で40話目となりました。皆さんの応援のおかげで御座います、ありがとうございます。閲覧・お気に入り・感想・評価本当にいつも感謝です。
誤字報告をして下さる方々にも助かっています。これでも何度も見直しているんですけどね、本当にお目目がフラウロスで申し訳なく思ってます。
さぁ、皆大好き聖処女の時間です。
今回は文字数が多くなったので、前編・後編として分けて投稿させてもらいました。
ジャンヌ回はオルタといい、リリィといい、筆がノってしまうのだ。
―――何も見えない。
黒い。暗い。昏い。
ひどく深い場所にいるような感覚だけが在った。
見えるものは存在していない?
分からない。自分が、目を開いているのかどうかさえ。
此処はどこなのだろう。
…………。
ただ何か既視感を覚える……この流れは。
シリアスを望み、結局残念風味になってしまったどこかの黒い復讐者と同じ流れを。
ああ、これは、もしかしてとてつもなく愉快な事態なのか。
「マスター、マスター!ご無事ですかっ……」
誰かが俺の手を握ってくれたような感触。鉄のような手触りの中に暖かさと柔らかさを感じる。
未だ瞳は暗闇を映したままだが、この声を間違える筈がない。
「大丈夫だよ、ジャンヌ」
「あぁっ、良かった……いえ、今の状況を考えれば良いとはいえませんが、それでもこの暗黒の中であなたの傍にいれたのは幸運でした」
安堵したような息を吐いたのが聞こえる。ジャンヌも俺と同様に何も見えない状態なのだろう。
それでもこうして俺を必死に見つけてくれたのだ。
感謝を込めて、握られた手に少し力を入れた。
「ありがとう」
「んっ……お礼を言うのはまだ早いですよ、マスター。まずは現状の打破をしなければなりませんから……」
くすぐったそうに声を漏らすジャンヌをかわいいと思いつつ彼女の言うとおりに現状把握に臨む。
さて、この突拍子の無さはいつものイベントクエスト……もしくは幕間の物語的なアレでしょうか。
『フフフ、さすがはマスター……勘が鋭い。そうです、これはお察しの通り幕間の物語という名の強化クエスト、「強化とかいいから石くれよ」なんて苦情は受け付けません!』
「っ!何者です!?」
ノイズのかかったボイスが響く。周囲に顔を動かしても今の俺達に声の主を目にする事は叶わなかった。
『ハッ!なんだかんだと聞かれても答えてあげるほど世の中は情けに満ちてはいないんですよ。そう……これは試練、人が成長を成し遂げるには欠かせない試練……ジャンヌ・ダルクの試練なのです!……あの黒い方にどんどん出番を喰われかけてしまっているあなたが最強ヒロインとして咲き誇る為のね!聖女賛歌を謳わせてください、喉が枯れ果てるほどにッ!』
「……いったい、何の話を……」
『自分でも気づいているのではないのですか?星5ルーラーとして召喚されてみたはいいものの、”ぶっちゃけ黒い方が強くね?ってか相性的にはどうあがいても勝てないよね”と揶揄され、その当の本人にも日々煽られる毎日。しかもあの突撃隣の爆弾娘はなんか私服とかドレスとか新しい立絵なんてちゃっかりもらっていますし、ってか最後のあれなんです?二人っきりで踊るとか!ヒロインですか?メインヒロイン気取りですか!?贋作イベで満足しておけばいいものの出たがりですか!そんなに出番が欲しいんですか!?何度も出てきて恥ずかしくないんですか!?ちょっとこっちに分けてくださいよ!同じルーラーでもマルタ様の方がなんか強そうだし、水着になったらクラスが調停者って割と意味わかめですけどね。天草はチョコクランチでサンタアイランド仮面だし、”盾役はマシュでよくね?”と言われるのは私はもうこりごりです!”コスト0だから軽いしねー”ってなんですか!私が物理的にも精神的にも重い女とでも言いたいのですか!?いいじゃないですか、無敵、回復、防御アップ!1ターンぐらい動けないぐらい可愛いものでしょうワン!「というか今回の聖杯戦争方式でぶっちゃけ”真名看破”っていらなくね?」とか言う奴は後で屋上裏な』
一息に言いたい事を言ったのか『ぜーはーっ……』と呼吸を整えている黒幕(暫定)さん。
ジャンヌは頭が痛くなりそうな相手の電波が混じったメタメタしい叫びを黙って聞くしかなかった……というか俺もうこの声の主、なんとなくだけどわかってしまったかも。
「………………あなたは私達に何を望んでいるのですか」
空気を入れ替える為にジャンヌが話を進ませてくれる。
『あなたを素敵で無敵で不敵な最強ヒロインへ。マスターに常に『ジャンヌさいかわ結婚しよう』と言われるような有能サーヴァントに。もう二度と使えないなんて言わせませんッ!!』
「ねぇ」
声高に宣言しているが、俺はやっぱり
「俺は一度でもジャンヌを使えないなんて思ったことはないよ。こうしてカルデアにやってきてくれて戦闘でもそれ以外の生活面でも何度でも支えてもらっているし、現に今だってこうやって暗闇の中で彼女に手を握ってもらって傍にいてくれてる事に一体俺がどれだけ救われていると思う?俺は今のジャンヌのままでもいつだって『ジャンヌさいかわ結婚しよう』って言い続けれるよ」
「マスター……」
『…………やば、ちょっと濡れちゃいました』
ん?
『……んんっ!ゴホンッ!ゴホンッ!えぇ、えぇ!確かにあなたはそう言ってくれると思っていましたよ!それでもッ!女には引けない時もあるのです!はい、というわけであなた達にはこの暗闇を抜けて、私の所までたどり着いてもらいます、数多の試練を超えたジャンヌは間違いなく十分なヒロイン力を身に着けていることでしょう!』
「あなたは私に強くなって欲しいのですか!?それともヒロイン力とやらをつけてほしいんですか!?」
ジャンヌのツッコミも尤もである。このままではこの幕間の物語も報酬が石とかになりそうだね。
『強さ=ヒロイン力です!異論は聞きませんっ!さぁ、ちゃっちゃと進んで下さい、時間は有限ですからね!』
言いたい事は言ったのか、それ以降ノイズのかかった音が聞こえる事はなかった。
いきなりな理不尽な状況、まぁ、こういう騒動の巻き込まれ方は慣れっこです。
「……行きましょうか、マスター」
きっと顔が見えれば彼女は間違いなく疲れ切った顔をしていただろう。
足元さえ見えない暗闇をジャンヌに手を引かれながら進んでいく。
俺の眼は依然として最初と変わらないまま。聖女の声と握ってくれてる手だけが頼りだった。
俺を導いてくれているジャンヌは進んでいる。まるでこの闇の中でも行先がわかっているかのように。
「ジャンヌも俺と同じで真っ暗の世界しか見えないよね?もしかして啓示のスキル?」
「はい、具体的な根拠はありませんが、進む先はこちらで合っています。あの滅茶苦茶な声の主が言っていた試練とやらに付き合うのは考えものですが…………ふふっ」
「どうしたの?」
急に笑い声を漏らしたジャンヌが気になった俺の質問に彼女はこう答えた。
「いえ、あのマスターがこうして私を頼ってくれている現状が嬉しくなってしまい……いつもなら多くのサーヴァントが周りにいますし、ごめんなさい……不謹慎ですよね」
「ふむ、ジャンヌって割と独占欲強い?」
「なななんでそんな話になるんですか!?」
焦ったような声をあげる彼女の顔を見ることが叶わない事を残念に思いながらも手を引かれていく。
少しか、それとも大分経ったのか、時間感覚もわからないまま進んでいた俺達はとある場所で足を止めることになった。
「扉ですね」
「扉だね」
今までは延々と暗闇が続いていたというのに不自然なぐらいその扉ははっきりと見えていた。
『A』と書かれた扉……うむ、一見すると怪しいことこの上ないが……。
「恐らく、この扉の先を進んでいけということでしょう。どうか心の準備をマスター。もしかしたら戦闘になる可能性もあります」
ジャンヌの忠告をしっかりと耳に入れ、扉を開けた俺達は部屋の中へと進んでいく。
いままでの道程とは異なり、視界も晴れて部屋の全貌ははっきりと見る事は出来た。
特に飾り気が無いただの部屋……その空間には真ん中にこの場所には不似合いなソファが一つ、ポツンと置いてあっただけ。
――バタンッッ
「「!?」」
それに気を取られている内に俺達が入ってきた扉は閉まってしまった。
「……っ開く気配はありません。どうやら閉じ込められてしまったようですね……」
「けどジャンヌの啓示はここに入るべきだって訴えていたんでしょ?」
「はい……ですが、私のそのスキルはあくまで遠い目標を達成する為の最適の道を選ぶというものなので、その道中に危険がないとは限らないんです」
ドアを調べたジャンヌは申し訳なさそうにこちらを振り返った。
「大丈夫大丈夫、俺等二人がいれば大抵のことはなんとかなるさ。虎穴に入らずんば虎をボコボコに出来ずって言うじゃん?これがさっきのやつが言っていた試練とやらならきっと必要な事なんでしょ?」
というわけでここで足踏みをしていても仕方ないので、俺達が入ってきた方の対になっている出口らしき扉に近づいていく。開いているとは思わないが、何かヒントらしきものはあるかもしれないし。
ジャンヌの「そのような故事でしたでしょうか……?」という呟きはスルー。
「ま、当然開くわけもないか……しかし、ここで一体何をさせるつもりなのか……ん、ジャンヌ?」
この部屋に入ってからも手は繋いだままだったので、出口らしき扉を調べている最中もジャンヌは傍にいた。
その彼女は何故か、扉の上の方を見たままプルプルと震えていたのだが……。
彼女の視線の先を追うとそこには看板があり、文字が書かれていた。
【ラブラブベロちゅーをしないと出られない部屋】
……これは使い古されたネタというべきというか……なんというか……。
「こんな脳内ピンク色な試練あってたまりますか!!」
激おこプンプン丸なジャンヌは空いている手の方で旗を握り、あのノイズ音の主に怒りをぶつけるように扉を殴りつけまくるがビクともしない。
「…………うぅ――」
気は済んだのか、怒りと恥ずかしさで顔を真っ赤にしている彼女はおぼつかない瞳でこちらの様子を伺っていた。
「どうする、ジャンヌ?わざわざこれの言う事を馬鹿正直に聞く必要もないと思うけど」
「……………わ、わたしは…………と思います」
縋り付くように握った手にさらに力を込められる。ちゃんと聞こえなかった俺はもう一度とジャンヌに聞き返した。
「……わたしは、するべきだと思います……」
「それは、啓示のスキル?それともジャンヌ自身の願望?」
「……ど、どっちもですっ!!」
高まり過ぎた羞恥心からか涙目で叫ぶ彼女に『ジャンヌさいかわ結婚しよう』と思う俺だった。
「あぁー、うぅー、そんなに見ないで下さい……」
この時の為に用意していたと言わんばかりに真ん中に置いてあったソファに座り、俺達は向かい合っていた。
肩が触れ合うぐらいの距離で覗き込むと恥ずかしげに目線を逸らしていたジャンヌだったが、決意を固めたのか眼を瞑りこちらにゆっくりと唇を向けていた。
「……さ、さぁ、私は逃げも隠れもしませんから、どどどうぞ、お好きにして下さい」
こんな金髪美少女ルーラーにそんな事言われた日にはじゃあ喜んでと最後までいってしまいそうになるが、そこは堪える。
「いや、ジャンヌ……俺からはしないよ。君からするんだ」
「へ?」
俺の言葉にパチクリと目を開くジャンヌ、ふふふ……とても困惑しているようだな。
「よく考えてみなジャンヌ、あの黒幕はこれはジャンヌ・ダルクの試練だって言ってた。なら仮に君が受け身のまま……俺にされるがままになってもそれは自らの力で試練を突破出来たと言えるかい?」
「それは、たしかに……」
俺の尤もらしい理屈に納得してしまうジャンヌ。
あの声の主がそんな事を考えているのかどうかは実際の所は不明だが……まぁ、俺がこれを提案したのはただ単に不慣れながらも自分からそういう行為に及ぶジャンヌのあたふたする様を至近距離で見たいというだけなんです。
「うん、俺は一切何をされても抵抗しないからさ」
「マスターは、私が、何をしても、抵抗しない……」
「俺の唇は好き放題触っていいし、ねぶってもいい、今だけは君の物だよ」
「マスターの唇を……私が……触っても、舐めても、何をしても自由……ゴクッ」
俺の言葉に操られるように眼を細めながら、指先で俺の唇の形を確認してくるジャンヌ。俺のことを考えてくれたのか籠手を外して素手で触れてきた……んっ、少しくすぐったい。
「あぁ、マスターの唇……。そうですよね、これは試練なんですよね……私が、わたしが……しないといけないんですよね……わたしがあなたの……」
熱に浮かされたように唇を何度も両手の親指で触れてくるジャンヌは顔をどんどん近づけてくる。
彼女の熱くて甘い香りのする吐息が鼻孔をくすぐってきた。
「はぁ、はぁっ、はい……わたし、頑張りますね……あなたの期待に応えてみせますから、はぁ、マスター……んっ……」
俺の両頬に手を添えたジャンヌと唇が重なる。
その瞬間、彼女の唇が少しだけ震えた気がした。
あのドアには「ベロちゅー」しろと書いていたがまさかいきなり舌を入れてくる事はしなかったようだ。
「んぅ……んんっ、ふぅ……はぁ、はぁ……あぁ……」
少し湿った柔らかいジャンヌのリップ、ほんの少しの啄ばむようなキスをした彼女は一度唇を離して、呼吸を整えていた。
「あの……マスター、苦しくなかったですか……?私のキス……変な所はありませんでしたか?」
「全然、苦しくなかったよ。むしろすぐに離れちゃって少し名残惜しくなっちゃったぐらい。君の好きにしていいんだよジャンヌ、俺に遠慮することはないからさ」
「”私の好きに”…………はいっ、ではもう一度……失礼します、マスター……」
今度は手をそれぞれ俺の後頭部と背中に当てたジャンヌは先程よりはやや積極的に唇を交わしてきた。
「はむぅ……んちゅ、ちゅ、んむっ、ちゅぅ……」
最初は下唇を甘噛みしてきたジャンヌは顔の向きを縦、横……と何度も変えつつ色んな向きから俺の唇を噛んできた。
調停者として、聖処女として、いつも戦っているジャンヌがこうしてキスに夢中になっているのを間近で眺めていると興奮がどんどん高まってくる。
既に最後まで再臨が済んでいる白聖女の姿は二の腕から腋にかけての肌の露出が眩しく、俺の胸板で潰れている聖パイが非常に眼福だった。
「んちゅぅ、ちゅ……んっ、あの、マスター……そんなに見られると恥かしいというか、目を閉じて欲しいというか……」
「あぁ、ごめんごめん。ジャンヌが頑張っている姿を一コマも見逃したくなくてさ、けどジャンヌも目を閉じた風に見せかけて、薄目で俺のこと見ながらキスしているよね?」
「いやっ、それは、その……わ、私はいいんですっ!そもそもあなたが好きにしていいと言ったのですからっ、そ、そんな意地悪を言うマスターには……ここここうしますっ!んちゅっ……!」
勢い良くキスをしてきたジャンヌは舌先で俺の唇のをこじ開けると隙間からその舌を捻じ込んできた。
ただまぁ、そこからどうすればいいのかわからなくなって固まっているのが何とも締まらないというべきか……今回は俺からはしないって言っちゃったし、助け舟は出さないよ。ここからジャンヌがどう動き出すのか興味もあるし。
「…………んっ、ちゅっ………ちろっ…………」
たどたどしく舌を動かし、おっかなびっくりといった様子で俺の舌を突いてくるジャンヌ。
目をぎゅっと閉じたと思ったら、薄く開いて、俺の顔が間近にあるのが恥ずかしいのか、また再び目を閉じるの繰り返し、なんだこの生物。可愛すぎか。
頑張ってディープキスをしようとしているジャンヌだったが、やはりまだまだ舌の動きは控えめだった。
だが技術は乏しくても熱意はあるのだろう、力が入ったジャンヌはキスをしながらどんどん俺の方へと体重を預けていった。
「んむぅ、んちゅ……んふぅ…………」
――ギシッ……
ソファの上で完全に俺を押し倒した状態になってもこの聖女は止まることはなかった。
覆い被さられ、一見すると逆レイプに見えてしまっているこの現状に気付いているのだろうか……いや気づいてないんだろうなぁ……。
「んんぅ、んっ……はむぅ、ちゅっ…………ちゅぅ、ちゅぱぁっ……!はぁっ、はぁ……ますたぁ、私、頑張りますから……んむぅ、ちゅぅ…………」
息が苦しくなり、呼吸を整えたジャンヌは再度唇を交わしてくる。
その蕩けた瞳、圧し掛かられた彼女の柔らかさと重み、水音を響かせるキスの感触。
ジャンヌは一生懸命に俺の口を貪っていた。
――まぁ、実は割と前から扉の鍵が開いた音がしたのだったが、黙っておくことにしよう。
こんなに頑張っているジャンヌの努力を止めるのも忍びない。
取り敢えずは彼女がどこで気付くのか楽しみにしながら俺はされるがままでいるのであった。
「………………」
「……何も言わないで下さい」
「………………」
「……何か言って下さい……」
どっちやねん。
あれからしばらく……割としばらく、彼女は俺とのキスを無我夢中で楽しんでいた。
扉が既に開いていることに気付いた彼女の顔はこう見るだけで種火3杯はいけるぐらいの萌えがあった。
俺が散々キスされた後に「楽しかった?」って聞いた時の彼女の「うわああああああ!」って羞恥の叫びも実に良かったですハイ。
とまぁ、そんなこんなで『A』の扉の間を抜けたら、最初と同じように暗闇の通路が続いていた。
俺の手を握って先導してくれるジャンヌの顔は見えないが容易に想像出来た。
視覚が封じられてるからこそ、きっと彼女は自分が先程何をしたのかより鮮明に思い出してしまうのだろう。
何となくだが、この真っ暗な通路もそういう用途で造られているんじゃないかとそんな気がしてきた。エロいことしないと出られない部屋、それを頭の中で反芻させる道……うん、これを造ったであろう黒幕さんとは仲良くなれるかもしれない。
「次は、どうかまともな試練をお願いしたい所です……」
そんな彼女の切実な呟きと共に開けられた『B』と書かれた扉の間に入っていく二人。
けど、俺は『A』とか『B』とか書かれた扉といい、今入った部屋の中心に露骨に鎮座しているベッドといい、間違いなくまともな試練なんて来ないと確信していた。
さて、次の扉を開ける条件は……。
【マスターと同衾し、性的にスッキリさせないと出られない部屋】
「ですよね!知ってましたよチクショウ!」
キャラ崩壊しかけている彼女は叫んだ後に紅潮した顔を覆い隠して「私、ルーラーなのに……調停者なのに……」とブツブツ呟いていた。
黒幕もこの試練で最強ヒロインになれると本気で思っているのだろうか……どう考えてもエロチックなヒロインしか出来ないと思うのじゃが。
あからさま過ぎる部屋の脱出条件にどうしたもんかと悩んでいると、いつの間にかジャンヌにベッドの方へ引っ張られている事に気づく。
ジャンヌさん……。
「……もしかして意外とノリノリだったりするの?」
「ご、誤解なさらないでください、これはいち早くこの危険な場所から脱出する為に必要だからしているのであって決して今の状況を私が役得だと思っていることは、な、無いですから。全然ノリノリじゃないですから」
「そっか」
「……それと一つ確認したいのですが、マスターはさっきと同様に抵抗はしないんですよね?わ、私が好きにささわってもいいんですよね……?」
やっぱりノリノリじゃないですかーやだー。
「ふふ、こうやって胸元で抱き締めるとまるで子供を相手にしているような気分です。いえ、マスターの年齢を考えると子供という表現はあながち間違ってはいませんが」
聖処女様にベッドに連れ込まれた俺はその見事な聖パイに顔を埋めていた。
なんかこうしているだけで性的にスッキリできそうです。ただ胸元の鎖とか籠手とかが少し硬い……。
「あっ……鎧、邪魔ですよね……これはもう、私が全部脱ぐべきでしょうか……?」
「いや大丈夫、ジャンヌはそのままで動かないでいて」
ほい、タッチタッチ。
「え?……えっ、えぇぇっ!!?」
俺が手際よく鎧の部分だけ触っていくとそこが光の粒子となって消えていった。
うん、これで堅苦しい武装は無くなって存分に柔らかい感触を堪能できますね。
「マ、マスター?一体……なにを?」
「そうだね、話せば長くなるけど……」
己の肉体とセクハラ術に限界を感じ悩みぬいた結果、俺がたどり着いた結果は感謝であった
自分自身を育ててくれた彼女達との情事へ限りなく大きな恩を自分なりに返そうと思いたったのが
一日一万回 感謝の脱衣術!!
気を整え 拝み 祈り 構えて 脱がす
一連の動作を一回こなすのに当初は5~6秒
一万着を脱がし終えるまでに初日は18時間以上費やした
脱がし、犯し終われば倒れるように寝る。 起きてまたをそれを繰り返す日々
1年が過ぎたころ異変に気付く
ー万回脱がし終えても日が暮れていない
齢20にも満たない身で完全に羽化する
感謝の脱衣術一万回 一時間切る!!
かわりに 祈る時間が増えた
気付いた時には 俺の手は 脱がすという動作そのものを置き去りにしていた
「ということなんです」
「まるで意味がわからないのですが」
これ以上ないくらいにわかりやすく説明したのだが、どうやらジャンヌは納得してくれなかったようだった。
「しかも、コレのいい所って自分が望む部分だけを脱衣させる事も出来るっていう所ね。ほらっ、よいしょっと」
百式官能 壱乃掌!と俺が目にも止まらぬスピードで彼女の胸に触れると見事に
一瞬何が起きたかわからなかったジャンヌの顔は見る見る真っ赤に染まっていく。
「ひゃわぁっ!?いきなり何しているんですか!あなたはっ!?」
「俺もあまりこの技は使いたくなかったからジャンヌの気持ちはよくわかる。確かにこの技は服を簡単に脱がせるが、これは風情がない。たとえ手間がかかったとしてもまともな方法でちゃんと脱がすべきだ……それが真っ当な男女の関係、そう言いたいんだろ?」
「違いますっ!」
「とまぁ、あんまり俺から色々やってもあれなので、ここからは一つ目の部屋の時と同様に君の好きにしてちょうだい」
そう言った俺はジャンヌのおっぱいを枕にして、背中へ手を回した。あとは全てジャンヌに委ねるのだ。
うわー、スベスベするし柔らかいしあったかいし、なんだこの高級枕、素晴らし過ぎるぞ。言い値で買いたいわ。
「え、えぇ……ここで私にバトンタッチするのですか、んん、むむ……ど、どうすればいいのでしょうか、これは……えーと、とりあえず……」
体を少しズラしたジャンヌは胸の先端を俺の口元に近づけてきた。
これは咥えろという事なのかしら?
「たしか、マリーが『マスターは大小年齢関わらず、おっぱいを飲ませてあげれば万事OKよ』と言っていたので、おそらくこれで大丈夫のはず……んくぅっ!」
王妃様は聖女様に何を吹き込んでいるんでしょうね。しかも年齢関わらずとか人聞きの悪いことを…………いや、合ってるわ。だって仕方ないじゃない。男はいくつでもおっぱいに甘えたいものなんですぅ。例え、相手がジャックとかアリスでもっ!!
逆らい難い魅力をもったピンク色の点をちゅうちゅう吸うと、ジャンヌは声を漏らして震え出した。
ブーディカママや頼光母さんのように母乳は出ないが、口の中で転がし続けて硬くなっていく彼女の乳首はどれだけ舐っても飽きが来る事はなさそうだった。
「んふぅ、ひぁ、くすぐったくてぇ……ピリピリし、てぇ……にゃあぁっ!」
本来なら吸っていないもう片方の胸にも手を出していきたい所だったのだが俺があんまりハッスルするとジャンヌから責める余裕も無くなってしまうので大人しくしておく。
ジャンヌはここからどうしてくるのかな?
「はぁ、あんぅ……んくっ、よしよし……私のお胸、おいしいですか……?ふふっ、やや児みたいでなんだか可愛らしいですよマスター、んあぁっ」
喘ぎながらも、乳を吸われながらも、背中をトントンと叩き甘やかしてくれるジャンヌ。
……さすがは救国の聖女、包容力がハンパねぇぜ。
だがこんな美少女と同衾授乳プレイをしている現状で俺のアソコがやや児にはなってくれる筈もなく、ズボンの下からでもわかる程に自己主張激しく彼女の太ももに擦りつけていた。
「あっ……そう、ですよね……スッキリさせないとこの部屋からは出られませんから……」
その存在に気付いたジャンヌは意を決したようにベルトを外し、俺の愚息を露出させた。
ベッドの中ということもあり、彼女の目には映らないが、その手触りだけでも十分驚いていたようだった。
「あっ、凄い……あつくて、ピクピクしてます……えーと、これは握ってあげればいいんでしょうか……」
感触を確かめるようにニギニギと掴み、それに反応を返す肉棒に感嘆の声をあげるジャンヌ。
「はふぅ、私が触ってあげる度に震えて何だか可愛らしいですね……」
実際に現物を目の前にしたら可愛らしいとは言えないサイズなのだが……まぁ、だんだんジャンヌも楽しんでいるようにも見えるし、ここは何も言わずにそっとしておこう。
「んんっ?何だかヌルヌルしたものが出てたような……このまま続けてもいいのでしょうか……?」
「っぷはぁっ……うん、その汁は俺がキモチよくなっている証だからそのまま続けていいよ、ジャンヌ」
「そうですか……私の拙い手でマスターが気持ち良くなってくれて本当に良かった……あ、ごめんなさいっ、口を離させてしまって、私も頑張りますのでマスターも気にせず私の乳に齧り付いてください……ど、どうせなら両方同時でも一向に構いませんから……」
お言葉に甘えてと、再び彼女の胸に喰らい付く。
嬌声を響かせながら、先走りを潤滑剤にして剛直への奉仕を再開するジャンヌ。
さてさて、確かに彼女自身が言うように決して性技に長けているとはいえないジャンヌの手コキで俺は達することは出来るのか?その問いには俺はイエスと返そう。
何も性的なテクニックに秀でている事だけがエロの全てではない。
あの巌窟王に人間城塞と言われたジャンヌがベッドの中で俺に抱き締められながら息を漏らし、乳を吸われ、必死に気持ちよくなってもらおうと男根を扱いているこのシチュエーションで抜けない男なんている筈がないだろう。
性技の拙さなんて今は大して重要ではない。いやむしろおぼつかない手付きで頑張っている方がある意味では興奮すると言えるかもしれない。
というか彼氏面王は「女にしては心身ともに堅すぎる」とか言ってたけど、そんな事全然ないよ。めっちゃ柔らかいよ!超いい匂いするよ!
いや、多分、彼もそういう意味では言ってはいないと思うんだけどさ。
「はふぅ、んんっ、あっ、あっ、あぁ!……マスター、ますたぁっ!」
胸を口淫されても、彼女の手は止まる事はない。嬌声をあげても、彼女の奉仕は止まる事はない。
むしろ、興奮しているのか、少しずつ扱く手の速度は上がり、握る手も力が入ってきている。
完全にフル勃起状態で硬くなっている肉棒にとってはその力強さも快感のスパイスとなっていた。
「ひぅっ、あぁんぅ!わ、たしも胸吸われ過ぎてぇ……どんどん変な気分にぃ、あぁっ、キちゃいますぅ、何か凄いのがきちゃうぅっ、んあぁぁっ!」
胸にしゃぶりつく水音、ジャンヌの手と陰茎の摩擦音、軋むベッドにお互いの獣欲滾らせた吐息と声……淫らな試練はようやく終わりを迎えた。
「あぁっ!あぁ!あんぅっ!?ひゃぁっ!……熱いナニかが私の手にかかってぇ、んんぅ……ふぁっ、ベトベトしてま、す……あぁ……マスターのキモチ良さそうな顔……コレをたくさん出すのがスッキリするということなんですね……」
胸から一度口を離し、ジャンヌの手にフィニッシュをぶちまけた快楽の余韻に耽っている俺の顔を精液がかかっていない方の手で彼女は愛おしさを込めるように撫でていた。
二人の顔の距離は今すぐキスをしてもおかしくないぐらいに近い。
何はともあれ、これで部屋の脱出条件は見事クリアしたわけなので後始末してここから出ることにぃっ……?
「……あ、のジャンヌさん?」
「はぁっ、はぁ……んちゅ、ちゅぱぁっ、白くて、苦いのに……どうしてこんなに惹かれてしまうのでしょうか……あなたのものだからでしょうか?もっと、もっと出して、舐めれば……わかるかもしれません……もう一回、後一回だけ……」
手にかかった精液を舐め取ると唾液と射精の残りでドロドロになった手でまた我がペニスを包み込むジャンヌ。
熱に浮かされたその顔はまだまだジャンヌは満足していない事を示していた。
…………ウン!ならもう少し彼女の好きにさせてみようかなっ!!ドアはもう開いているだろうけど、すぐに出なきゃいけないってワケでもないしネ!
「…………殺してください」
『B』の扉の間を抜け、またまた暗闇の通路を手を引かれ歩く。あっ、当然握っている手は彼女が手コキしていなかった方の手ですよ。
しかし、『A』の扉の間を抜けた時の焼き直しというか……今のジャンヌの顔色が見えなくても容易に想像出来るな。
結局、あの後も3回ぐらい射精されちゃったし、その度に手についた精液を確認して「はぁっ、マスターの何度出しても濃いままで、イイ味してます……」って舐め取るジャンヌがどピンクというかえっちぃというか、いやはやさすがは性女ですね。HAHAHAHAHA。
「……違うんです違うんです違うんです。あれはそう、ここから激しい戦闘がある危険性を考慮してカルデアからのサポートを望めないこの現状で出来る限り魔力を供給しようと考えた結果なんです。私は決してINRANではありません」
認めたくないのかブツブツと呟いているジャンヌのフォローをした方がいいのかもしれない。
こういうサーヴァントのアフターケアをするのもマスターの務めだからね。
「何度も舐めるぐらい俺の精液おいしかったみたいだね」
「うわああああああああああああん!!」
おうバッドコミュニケーション。どうやら俺の選択肢はよろしくなかったようです。
恥ずかしさの極致に達し走り出すジャンヌ、だがここで手を離して俺を見捨てないのはやはり彼女の優しさが表れているのだろう。
まぁ、俺の手を引いている以上……逃げたいのかどうしたいのかわけがわからない状態にもなっているが。
「ほら、ジャンヌ!扉が見えたよ!次は『C』って書かれているよ!次はどんな試練なんだろうね!」
「うぅっ……なんですか、その露骨な話題の逸らし方は……。後、なんでそんなワクワクしているんですか…‥」
「けどジャンヌだって今まで二つも最終的にノリノリだったし、実は楽しみに」
「ああああっ!もう!ハイッ!入りますよぉ!さっさと試練を終わらせて、ふざけた黒幕の眼を旗で突きますよマスター!」
さぁ、『C』の部屋に入った俺達二人に待ち構えていたものは……。
テッテレテッテテーン♪
ジャンヌは二つの試練を乗り越えて……マスターのアソコを指揮する後天性の才能……カリスマ(性)Cを手に入れた!
ABC続いてしまう、そんなんじゃダメになってしまう後編は明日投稿します。