山の中に、一人の黄鬼が住んでいました。黄鬼は、人間どものお菓子をもっと食べたいと考えて、自分の家の前に、 「心のやさしい鬼のうちです。どなたでもおいでください。おいしいお菓子をよこせ。特に西洋あたりの見た事なくてかつ甘いと良し」と書いた立て札を立てました。
けれども、人間は当然の如く、誰一人遊びにきませんでした。黄鬼は悲しみ、お菓子をもらえないことをくやしがり、しまいには腹を立てて、立て札を引き抜いてしまいました。そこへ、友達の青鬼が訪ねて来ました。青鬼は、わけを聞いて、黄鬼のために次のようなことを考えてやりました。
ここにとても強くなれる酒がある。しかも強くなれるだけではない。これを飲めば。人間共が欲しがる素材やら石やらも生み出すらしい。そうすれば、人間たちも、それを求めてたくさんやって来る筈だと。黄鬼がやさしい鬼だということがわかるだろう、きっとお菓子をたくさんくれる筈だと言うのでした。しかし、「それでは吾ボコられるだけなのでは?」としぶる黄鬼を、青鬼は、無理やり引っ張って、羅生門へ出かけて行きました。
計画は成功して、人間たちは、こぞって黄鬼のところへ遊びにくるようになりました。「これぞ大軍師の究極陣地」「王の話をするとしよう」「此よりは地獄」「羅刹王すら屈した不滅の刃」「来たれ我が忠臣。我が手足、我が具足」「これは憎悪によって磨かれた我が魂の咆哮」「裁きの時だ。世界を裂くは我が乖離剣」「スイミングの時間です!」それはもう毎日毎日たくさんの人達が遊びに来ました。しかし、日がたつにつれて、気になってくることがありました。それは、あの日から訪ねて来なくなった、青鬼のことでした。
ある日、黄鬼は、廃人共の猛襲の隙を見つけて、青鬼の家を訪ねてみました。青鬼の家は、戸が、かたく、しまっていました。ふと、気がつくと、戸のわきには、貼り紙がしてありました。そして、それに、何か、字が書かれていました。
「黄鬼くん、人間たちと仲良くして、楽しく遊んで下さい。もし、うちが、このまま君と付き合っていると、君も悪い鬼だと思われるかもしれません。それで、うちは、旅に出るけれども、いつまでも君を忘れません。さようなら、体を大事にしてください。どこまでも君の友達、青鬼。」
黄鬼は、だまって、それを読みました。二度も三度も見間違いだと信じて何度も何度も読みました。戸に手をかけて顔を押し付け、しくしくと、なみだを流して泣きました。 そしてお菓子は結局もらえませんでした。
この小説におけるメドゥーサリリィの名称は便宜上アナとします。7章をまだ未プレイの方にはなんのこっちゃかもしれませんがご了承ください。
それと前書きと今回の話は一切関係がありません。
「由々しき事態だ」
基本1人1部屋。……仲の良い者達には1グループ1部屋と複数人で共有する場合もあるが、サーヴァント達に与えられるプライベートルームはその原則に則っている。
そんな私室の主は豊満な胸を抱えるように腕を組みながら、呼び出した二人のサーヴァント……というよりは自分自身達を前に、眉間に皺を寄せておもむろに口を開いた。
自分自身を複数人呼び出すという表現は中々に奇妙だが、このカルデアでは別段珍しくもない。無限の可能性を秘めたアルトリア顔&ジャンヌ顔、まだまだ弾はたくさんあるタマモナイン&サクラファイブ。それ以外にもオルタになったりリリィになったりプロトになったりするサーヴァントもいるわけで、英霊というのは「よう俺!」「こんにちは私!」みたいな感じでかくも忙しい身でもある。
話を戻すが、ある一室に集まっている彼女達も姿は変われど、
「これは、我々の存在異議を揺るがすと言ってもいい由々しき事態だ……」
先程の言葉をもう一度絞り出すように口にしているのは、今回他二人をここに集めた張本人、黒くきわどい衣装&蛇の髪がチャームポイントな悪いメドゥーサお姉さんことゴルゴーン。
実は現在集まっている彼女の部屋もゴルゴーンが高身長の為、窮屈にしていたのを見かねたマスターが改築した天井、幅、家具を過ごしやすいように広くかつ巨大に劇的ビフォーアフターしてたりする。
その時のゴルゴーンは「……ふん、貴様は私の依代だ。むしろこれぐらいの供物は当然ともいえるだろう、私がこの程度で顔を綻ばせると思ったか?莫迦め……」などと言っていたが、大蛇の尾はワンワンよろしく左右にビタンビタンと揺れていた。尻尾は口ほどに物を言う。
「はぁ……」
珍しく復讐者の自分が呼び出したのでやって来たが、何やら要領を得ない話をいきなりされて、首を横に傾げているのは黒いフードをすっぽりと被ったちっちゃいメドゥーサお姉さんことアナ。
「それは大変ですね」
取り敢えず、話を合わせておこうの精神で適当な相槌を打っているのがマスターとの眼鏡+制服プレイにドハマり中の本家メドゥーサお姉さん。服はいつもの黒いボンテージのような服だが、ここ最近は眼鏡をずっとかけっぱなし。その為えっちゃん共々マシュが同じ眼鏡キャラとして危機感を覚え始めているのは余談。
さて、そんな3人はさながら会議のように巨大なテーブルを囲んで座っているわけだが。
「なんだ、貴様ら。その気のない返事は……」
「いえ、何の話かも聞かされずにいきなり『由々しき事態だ』とか言われても、わたしとしてもチンプンカンプンなのですが」
「肝心の議題を話してくれませんと私達も反応は返せませんよ」
「議題だと?……我らを脅かす者など、このカルデアには此奴しかおらんだろ!」
ゴルゴーンが横にあったホワイトボードを勢い良く叩き回転させるとボードの裏側が3人の目に入った。そこには本日の議題になる者の写真がさながら容疑者のごとく貼ってあった。
「なぁっ!?」
「ぐはっ…‥!」
その容疑者の写真にはまぁ、当然のようにマスターが写っていた。何故か
いきなりR18な写真を見せられて、アナがフードを下ろすぐらいに食いつき、メドゥーサが思わず吐血しかけるといったリアクションが返ってくる。
というか、アングル的にこの写真を撮った
「な、んですか……あれですか?わたし達に惚気たいんですか?幸せムードを自慢したいんですか?さすがは復讐者、やる事が陰湿ですね」
アナは喧嘩は買いますと言わんばかりに不死殺しの刃ハルペーを構えた。
呼び出されていきなり他の女が撮ったと思われるマスターとの事後の写真を見せられたのだ、そりゃあ彼を慕っている女性サーヴァントは激怒する。むしろ
だが、そんな殺気もどこと吹く風。というよりもむしろ怒りたいのは私の方だと激昂するようにゴルゴーンはマスターの写真を尾で叩いていた。
「そう、私は復讐者で、怪物であり、魔獣の女王であるのだ……!にも関わらず、あの男は私を前にして、こうも無防備で健やかな顔を晒すっ!ましてや私の体を好き勝手蹂躙した際には『可愛い』や『綺麗』など、心にもないような言葉を並べ、まるで愛する女を相手にするかのように私と肌を合わせてくる!恐れなど一切抱かずに!このゴルゴーンに対して耐え難い侮辱だ……!」
(…………これは、惚気られているのでしょうか?それとも本気で怒っているのでしょうか)
(本人は後者のつもりで言ってると信じたい所ですね。まぁ……私達からすればどう見ても「ご馳走様でした」とかしか思えませんが、まったくどうしてこうアヴェンジャーのクラスは面倒くさい性格をしてるんですかね)
目の前の自分のアレっぷりに毒気を抜かれたアナは鎌をしまった。メドゥーサも生暖かい目でゴルゴーンを眺めている。
その二人の様子に自分の怒りが正しく伝わっていないと判断したゴルゴーンは何をトチ狂ったのかとんでもない事を口にした。
「……成程。よし、わかった。たしかにただ我武者羅に私が不満を露わにしても貴様らには正しく我が怒りが伝わらんようだ。ならば、私がつまびらかに奴がどれだけ!不敬で!不遜で!恐れ知らずな事をしているか聞かせてやろうではないか!詳細を語らねば、貴様らも共感はしないだろう?」
「え?」
「えぇ~~……」
これにはロリ&眼鏡メドゥーサも口をあんぐり。まさか、もう一人の自分の口からマスターとの艶話を聞かされる事になるとは思っていなかった。こんな事なら、適当に賛同のポーズでもとっておけばと後悔するも時すでに遅し、逃げる暇もなく女怪と逸般人マスターの濡場トークは始まり出した。
「重いぞ、降りろ……」
「やだぁ」
「貴様……」
カルデアの奴らが作り出した時間の概念を狂わせるシミュレーション……確か、何だ『精神と時の部屋』などと言っておったっか?
それを利用した私は魔獣の胎を彷彿とさせる「鮮血神殿」のような巨大な空間にマスターを呼び出した。
目的?ふん、決まっていよう。奴の魔力を残さず頂く為だ。あのカルデアのシステムとやらで与えられるしみったれた魔力では私は満足は出来ん……。
そして、あの男はそんな事も露知らずのこのことやって来た。これから自分に襲い掛かる災禍も想像出来ずにな!
本物には遠く及ばんが、それでも我が想像で作り出したこの仮初の「鮮血神殿」を前にすれば鈍い奴も察するだろう!自分がどこに来て、何を前にして、そしてこれから何をさせられるのかを!!
だが、私はそんなマスターの恐怖に歪む顔を想像したというのにあろう事か奴は目を輝かせながら「おぉ――」と我が神殿を見回しているではないか。
おかしいであろう、その反応は!全てを飲み込む怪物の果てであるゴルゴーンと一対一で斯様な場所で相対しているというのに何故そのような顔が出来る!
一瞬だけ、あぁ……ほんの一瞬だけだとも。困惑した私はどうやら目の前の男は何を要求されるのか理解していない事に気づいた。
……ふん、全く一応は私のマスターでありながら、何と察しの悪い奴よ。そう心の中で嘆息した私は童のように神殿を走り回っている奴に呼び出した用を語った。
――カルデアから与えられる魔力では満足できないから、今から肌を合わせ、貴様の魔力をたっぷりと最後まで絞り取ると。
――ここには私と貴様しかいない、助けを呼んでも無駄だと。
――当然、貴様に拒否権はない。むしろこれは我が依代として当然の義務でもあると。
ここまで言えば、さすがの奴も自覚するだろう。まんまと自分が獣の前に放り出された餌であることに。そして、私という魔物と体を重ね、交わるという恐怖に!!
さぁ、恐れろ!慄け!戦慄し、泣き叫ぶがいい!フハハハハハ!!
ん?その後の奴の行動?……………………跳んだ。飛んできたのだ。
後は冒頭の通りだ。私は飛んできたマスターを上半身で抱き止めた、細心の注意を払いながらな。大事な依代、怪我があっては困る…………なんだ貴様ら、何か言いたげだな。いいから話を続けろ?言われなくとも続けるわ。
「ゴルゴーンの肌、あったかいー……」
「んっ、ふぅ……こら、まさぐるなっ、気安いぞ」
マスターはまるで母に甘える童のように顔を胸に埋め、手足を自由に動かし、私の肌の感触を楽しんでいた。人間と変わらぬ素肌の部分だけではなく、蛇の鱗の部分もな。愛おしそうに奴は撫でていたよ。
「んぅ、あ、あっ……ふっ、くくぅ、そんな醜悪な部分も好みの範囲になるとは人理を救ったマスターは随分と趣味が悪いよう……あくぅんっ!?えぇい!胸に噛みつくな!こそばゆいわ!」
「俺の趣味が悪いと言った君が悪い。ゴルゴーンが自分自身の事をどう思っていようが、それは俺が抱いているゴルゴーンへのLOVEには一切影響が無いのだ。だって俺の瞳から見えるゴルゴーンの姿は俺だけの物だもん」
「そうか……ならば私の方が今、貴様の事をどう思っているのか、これでもわからんか?」
今まで攻勢に出ていたマスターに釘を刺すように私は髪と一体化している複数の蛇頭……『メデュシアナ』を奴へと差し向けた。
牙を剥き、舌を鳴らしている我が蛇髪……少しでも動かせば奴の体に喰い付き、噛み砕き、貪り尽す。ここまですれば奴も自らの思い上がりを戒めるだろうと脅しをかけた。
それでも奴は笑っていた。
いつも通りの笑顔で。そのメデュシアナにすら親愛を向けるような朗らかな表情で。
人間と化物の境目なんて自分には一切の問題にならないと語るように。
そしてあろうことか、奴はその蛇髪共を撫でてきたのだ。まるで愛玩動物を相手にするような繊細かつ情熱的な手付きで。
「よーしよしよし、よーしよしよし!いいこー、いいこ~」
「んくぅ……ぁあ!?……んっ、んぅ、んぁぁっ!……よせ、その手付き…………や、めぇ、はぁぅ……!」
いけなかったのがその蛇共は私の体の一部故、神経も繋がっていることだった。愛でられている感覚は当然、私の脳髄にまで伝わってきた。
マスターの撫で方は蛇髪共にとっても私にとっても毒であった。あぁ、文字通り骨抜きにされたと言ってもいい。髪だから元々、骨など無いがな。
何か言ったか?小さい私。「ムツゴロウ先生……」?何の話をしている?
「ふふ、ゴルゴーンは俺の事をどう思っているのかな……?」
「き、きさまぁ……」
散々、髪を好き放題に愛撫された私は蛇共々、息も絶え絶えになっていた。
「わざわざゴルゴーンから絞り取らなくても、俺の方から好きなだけ魔力を注ぎ込んであげるよ」
こんな筈ではなかった。
逃げ場を失ったマスターが私に襲われ、暴力的なまでの恐怖と快楽で顔を歪めながら魔力を存分に吐き出し、私はその様を間近で眺める筈だったのに。
これでは立場が逆転しているではないか。胸中に抱いたのはそんな想いだった。
だが、奴の本領発揮はそこからだった。
動物のように戯れたせいか、マスターは懐いてしまった蛇髪共に小声で何かを指示した。
「んぐぅっ!?……まてっ、貴様ら……一体な、にをぉっ!?」
そう、信じられない事だが蛇髪共が拘束具のように我が躰へ巻き付いてきたのだ。
メデュシアナはある程度自我を持っているが私の体の一部でもある故に支配下は私の方にある。
にも関わらず、蛇髪共は私の言う事を聞かず、肢体を封じてくる。まるで自分達の中におけるカーストはマスターの方が上だとでも言うかのように。
そう、先程の愛撫で同胞達はまんまと奴の魔の手に堕ちてしまったのだ。その時私は真の意味で理解した。他の女英霊共が「マスターの撫で方はもはや魔法の域に達している」という意味を。
「あ、ありえん……我が蛇達が、なぜっ……!」
「さぁ?ゴルゴーン自身がそうして欲しいって深層意識で願っているからかもしれないよ?」
「馬鹿を言えっ……あぅっ!?」
マスターの支配下となった蛇髪共によって手首は頭の上で縛られ、自由を失った脚は娼婦のようにはしたなく開かされていた。
胸を強調するように厭らしく胸部、そして胴体にも巻き付かれ、私は完全に身動きが取れない状態となっている。
私の上に跨っているマスターは私の顎に手を添え、ゆっくりと顔を近づけてきた。
まるで自分がマスターという魔物を前に為す術が無くなっている生贄のような錯覚にも陥った。いや事実、この状況を見る限りそれは間違っていなかった。まさに私の思惑とは全てがあべこべになっていたと言ってもいい。
「ふぅっ――……ふぅっ……――」
情けないがただの餌と化した私が出来る事は睨み付けることだけだった。
そんな私の態度にも臆することなく、子供をあやすような笑みを浮かべているマスターとの顔の距離は互いの息がかかるほどに迫り、少しでもどちらかが動けば唇が触れ合ってしまう程に近づいていた。
「大丈夫……
「んぅっ……」
奴の言葉に思わず生娘のように目を閉じてしまった私にやって来た感触は唇を覆う柔らかさ……そして。
「んむぅ、んぶぅ、んぐぅっ、ん、んぁっ……!んじゅぅ……じゅるぅぅ……れぇぁっ、はぁっ」
口内を蠢く、淫らな舌の動きだった。
一矢報いようと、応戦する私の舌は奴の舌技によって玩具のように捕らえられ、好き放題に弄ばれてしまう。
マスターに伸し掛かられ、全身を自身の髪で縛られ、そして口を吸われ続ける。
「んぅ――……んぅ!むじゅぅ……じゅむぅ!じゅ…………じゅぱぁ、あぁ、あふぅ、んんっ!んぐぅ……」
この怪物ゴルゴーンが只の人間に為す術なく食物のように貪られている。
だが、その時の私は情けない事に怒りに身を震わしているのではなく、快楽によって躰を震わせてしまっていたのだ。
「……んはぁっ――……はぁっ――……あぁっ、はぁ……」
「今凄く蕩けて可愛い顔してるよ。ゴルゴーン」
普段は封印しているとはいえ、その目に映った者を一瞬で石化する魔眼を恐れる事なく、奴は覗き込む。
……むしろ私の方が眼をそらしてしまった。奴の瞳に映った淫蕩に染まった自身の顔を恥ずかしさで見ていられなかったからかもしれない。
「そういえば、魔力を絞り取るとか言ってたよね。……よし、ならお望み通り、こってりと最後まで供給するよ」
そう言ったマスターは私の眼前に自らの逸物を曝け出した。巨躯を持つこの私ですら、圧倒されてしまう程に凶悪なモノを。
「……ゴルゴーンは何もしなくていいから。力を抜いてされるがままでいいよ……」
「なにを……する、つもりだ」
威嚇するように言ったつもりだが、声色に期待が含まれてしまっているのが自分でもわかった。
それに気づいているのか、気づいていないのか、マスターは我が局部を隠している黒き衣をいともたやすく剥いでしまった。
元々、露出が高い衣装故に当然と言えば当然なのだが、こうも簡単に生まれたままの姿にさせられ、なおかつ抵抗出来ない格好をさせられてしまうと再び羞恥の感情が昂ってくる。
「…………んっ、くっ……髪も絡みついて、これは中々にっ……」
奴はその肉棒を我が胸の谷間に埋め込もうとしてきた。
そして私の胸の周りを締め付けていた髪も勝手に動き出し、邪魔にならぬよう奴の性器が通れるだけの道を作ったのだ。
結果的にマスターの男根は我が髪と胸部によって挟み込まれる形となった。生きている髪に局部を巻き付かれるという未知の快感に奴も声を漏らしていた。屈辱的な状況でありながら、その様子に私は少しだけ気を良くした。
ん?実はメデュシアナを操作しているのは本当は私なのではと?馬鹿を言うな、何故私がわざわざ自身の髪を使って売女の如くマスターを誘わなければならぬ。悔しくも奴の性技で蛇達は堕とされたと最初に言った通りだ…………私が実は途中から自分で操っていたなどという事はない。絶対に無い。無いったら無い。
「髪コキとパイズリのセットって相当な贅沢だよな……」
くだらん事を言いながらも、奴は乳房に挟まれたペニスを前後へ動かし始めた。
胸の中で熱く、擦られる感触。眼前まで迫ってくる亀頭。両手足を縛られている私はマスターの言う通り、何もしなかった。いや何も出来なかった。強いていうなら、はしたなく口を開き、息を漏らす事ぐらいしか出来なかった。
「あっ、ふぅ……んあぁっ!くぅ、あぁっ、我が胸をぉ……弄ぶなぁぁっ!あんぅ!!」
腰を動かしながら奴は私の豊胸に指を沈みこませ、何度も動かし、上下左右前後へと形を歪ませていった。
しかも、マスターの手だけではない。髪が円を描くように私の左右の乳に巻き付き、それぞれ絞り上げてきたのだ。
まさかここまで我が体の一部が反旗を翻る程にマスターの支配下に陥っているとは……と私の驚愕を他所にぎゅう、ぎゅう、と緩急を付けて絡みついてくるその動きは確かに性的快感を与えてくるもの。胸の中心部分も興奮で怒張してしまっていた。
「ふふっ、随分とっ……高レベルな自慰だね」
「あぁっ!だ……だまれぇっ、貴様がやらせているのだろうがぁっ……!あぁっ……!あふぅ!ひあぁっ、んくぅ!」
私の言葉に目を丸くしているマスターの態度のなんと白々しい事か。よっぽど私自らがこの蛇髪共を動かしているという事にしたいらしい。ふん、支配下が私に移れば、すぐにでもこのような拘束を解き、奴に牙を剥くというのに。何やら生温かい目になった奴は「……あぁ、ウン。そういう事にしておくよ」と宣いおった。
そういう事ではなく、事実そうなのだ!という私の反論も軽く流し、奴は我が乳房をいじくり続けた。
「あうぅ!んんぅ!……くぅんぅ!あぁっ!先をいじるのをぉ……とめぇっ、んはぁっ!その指の動かし方ぁ……やめぇろぉっ!はぅぅっ!!!」
何本もの生きた髪の束によって締め上げられている胸……そのの先端を奴は指先で素早く、何度も弾き続けた。痺れるような快楽が私の頭を何度も焼き尽くす。
谷間を行き来する硬い男性器の熱さと、乳首から襲いかかる鋭い快感で、私の胸は完全にマスターの性玩具となっていた。
……だが胸だけではなかった。途中からは蛇髪共は私の股の間にも這ってきたのだ。既に剥き出しになっている女の溝のサイズに丁度いい太さになると……そこをを擦り上げ、食い込ませてくる。まさか自分の髪に女陰を陵辱されるという目に合わせてくるとは奴のこと情事に関しての容赦の無さに私は思わず心のどこかで恐怖してしまった。
「おやおや、ゴルゴーンも何だかんだ言いながら自分からアソコを弄るなんて、随分と好き者じゃないか」
「ち、がうぅっ……あぁ、あんぅぅ!私ではないぃっ……!あっ、んんぅ!!あひぃっ!これは貴様が、きさまがぁっ……あ、あんぅ!あぁっ!あああぁっ!!」
よっぽど私を自身の髪で自慰に耽る変態に仕立て上げたいマスターの言葉を認めるわけにはいかない。
必死に否定の声をあげようとしたが、奴の陰茎の擦り上げ、指による乳首責め、そして、蜜肉を締められている衝撃がその声を喘ぎと変えていってしまう。
「……さて、と……そろそろ、一発目出すよ……!」
胸部に挟まれているマスターの男根がピクピクと大きく震え出した事から、その時が来たと私は察した。
目の前で突き出されてる鈴口から垂れている先走りがどんどん増えている。確かに最初の目的はここから出る魔力を頂く事だったが、ここまでの辱しめを受けた私は反発心から口を閉じ、奴の精液を飲んでなるものかと顔を背けた。…………いや、背けようとしたのだ。その筈だった。
「……うっ……くぅ!」
「……んんっ!!んむっ…………はむぅっ!んじゅるるぅっ!!んんぐぅぅっ!!……んちゅぅううぅ、じゅるるぅ!……んぁっ……あむぅぅぅ、れろぉぉっ、ちゅるぅぅ……!?」
何故、私は自分の谷間から飛び出ている亀頭に必死に貪りついているのか。そこから溢れ出している白濁をはしたなく音を立てて吸い出し続けているのか。気付いた時には手遅れだった……。
そう、奴は自身の精液に魅了の魔術をかけていたのだっ……!この冷酷無慈悲な魔獣ゴルゴーンに効く程の魅了をなっ!!でなければ、私が愛おしそうに、かつ慈しみ合う恋人のように奴の性器に口を付けるわけが無い。
くくくっ……貴様らもマスターの鬼畜っぷりに言葉もないようだな。しかもそのように頭まで抑えて、恐怖で頭痛でもしたか?いいから話を続けろ?というかもう終わらしてもいい?阿呆。本番はここからだ。こんな所で終わらせては消化不良もいい所だ。なに?実は話すのが楽しくなってないかだと?…………………………楽しくなどなっておらん。全くもって全然なっておらん。この笑みはあれだ。怒りが大き過ぎて一周した事による攻撃的な笑みだ。惚気?何を言っているのかまるで意味がわからん。
「……うっ、必死に吸っちゃて……。けど口からだけじゃ物足りなさそうにも見えるよ」
「はむぅ……んむぅ、んちゅ、誰が……んじゅぅ、必死になど……ちゅるっ……これは貴様が私におかしな術をかけたせいだ…………んじゅるぅぅっ…………んんんんぅ!!?んはぁっ!?や、めぇ……どこを開いておるぅっ……!」
私の態度に何故奴が微笑ましい顔を向けているのかはわからなかった。まぁ、そもそもその後に私に降りかかった災難が考える余裕を与えなかったわけだが。
「……一応言っておくけど、俺は最初の『ゴルゴーンを動けないように縛って』って事以外は
未だ拘束されている私は両足は大きく開かれたままだった。だが何を血迷ったのかそこを縛り付けていた蛇髪共は今度は細い毛を何本も伸ばし、私の秘裂を左右から開き出したのだ。
「……や、やめぇっ!んはぁっ……あ、あぁ……み、見るなあぁぁっ……」
体中に巻き付いているメデュシアナに脚を開脚させられ、そこからさらに髪先を伸ばし、マスターの目の前で秘部を曝け出している状況。
自身の指で陰部を広げるよりも何百倍も羞恥心を煽る格好だった。
今の私の姿は自身の髪の毛を操作し、マスターに自らの雌園を好き勝手にして欲しいと誘う痴女以外の何者でもなかった。
そして奴はよっぽど今の姿を私からしたということにさせたいらしい。全くどこまで恥辱の限りを私に受けさせるつもりなのか……。
だが、無力にも今の私には無防備な媚肉に迫りくるマスターの肉棒をただ見届ける事しか出来なかった。
怒りのあまり、私は熱い吐息を漏らし、ゴクリと生唾を飲んだ……この屈辱を忘れないようにする為にもマスターの行動を一挙手一投足この目に、奴の体から与えられる快感を余す事なく脳髄に刻み込むと復讐者たる私の矜持がそう決意させる。
「んんんぅあああ――――……!!」
にちゅりと生々しい音を立て、奴の分身が私の中に侵入してくる。
まだ交わりは始まったばかりだというのにその陰茎が前進する度に私の口からは悦楽の鳴き声が止まらず、縛られながらも全身を痙攣させていた。
「くぅっ、はぁあ!……なんて、巨大なぁっ……!この私がぁ……ふぅっ!んんぅぅ!!人間などにぃぁぁあああっ!」
怪物たる私の膣内を十分に満たすペニスのサイズは女としての性を満足させてしまう……いや、満足させ過ぎてしまう程のモノ。
だが、マスターの方が奥に届いただけで満足するワケもなく当然、そこから前後へと抽送をするワケであり……。
「ああぁあぁぁっ!ああぁんぅ!!駄目だぁっ!……やぁっ!やめてく、れぇぇっ!んひぃっ……!う、ごかないで、くれぇぇっ……!んおぁぁああっ……!くるっひゃうっ!くるっへひまうぅぅっ!!」
「……くぅっ……!そんな事言われてもっ、ねっ!この状態だとちょっとそれは……難しいかなっ!」
「ああぁえぇっ!?」
気付けば、私を縛っていたメデュシアナが今度はまぐわっているマスターと私の二人をまとめて……より近い距離で性交するようにと言わんばかりに巻き付いていたのだ。今度は私の体だけではない、マスターの背中まで髪を這わせて、拘束していた。
まるで私が自身の髪を使ってマスターから離れたくないように縋っていると思われかねない姿だった。
「あ!あんんぅ!ち、ちがぁっ……!ちがぅうぅっ……!こ、れは、私ではないっ!……私がぁっ、やってるわけじゃなひぃぃっ!」
「……もうっ、それはどっちでもいいからっ……今はその綺麗な顔をもっと見せてくれないかな?」
「き、
「うん。可愛くて、とっても綺麗だ。月並みな言葉だけどね……ほらっ、その顔をもっと見せて」
蛇髪でまとめて縛られている以上、私達の顔は互いの吐息が相手にかかるぐらいに至近距離である。
そんな距離から今の自分の顔を見られるのは恥ずかしさで死んでしまいそうだった。
「よ、せっ……や、やめてくれぇっ……今の私の顔をまじまじと見つめないでくれぇぇっ……んんあぁっ!」
髪の拘束から何とか手を動かしたマスターはそんな懇願も聞こえないように私の頬を両手で挟み、顔を自分の方へと向けるようにする。
「あ、あぁ……あぁ!あぁっ!あああぁぁぁっ!!あくぁあぁああっ!!」
挿入された状態で奴の瞳を見た瞬間に私は石になってしまった。
動けない。マスターから目が離せない。目の前の男の口から「綺麗」、「可愛い」、「好き」などの言葉が出る度にどんどん子宮が下りてきてしまいそうだった。
マスターの胸板に擦られる乳首、膣襞を幾度も雁首で抉られる感触、耳元で何度も囁かれる普段なら鼻で笑うような甘ったるい言葉……その全てが私を絶頂の崖へと追い詰めてくる。
「ちかいっ、ちかいぃっ……!あひぃっ!あァァっ……!顔もぉ!アソコもぉっっ……!ちかすぎるぅぅっ……!んんふぅあぁっ!!イクのもちかくなぁぁってぇ……ああぁぁっ!」
最初の魔力を戴くという目的はその時の私の頭からはすでに抜け落ちていた。生娘のように顔を熱くさせて、マスターの顔を凝視しながらその時を待っていたのかもしれない。
「……お望みのっ、魔力の元……最奥までだす、よっ!」
「あ、あ、ああ、あぁあっっ!はああぁっ!!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あっ~~~…………!!!」
繭のように私達を包んだ蛇髪共はマスターの射精の瞬間に縛り付ける力をさらに入れてきた。
これ以上ない程の近さで奴の欲望を吐き出された私の顔は誰にも見せられないような酷い有様だったに違いない。
「おっ、おぉっ……あおぁっ!……んんふぅっ!いったい、いつまで、出す気なのだっ……あふぅっ……」
長い長い射精。その間、私は一体何度絶頂した事か……自分でもわからぬ。
ただ一つわかったのは、私の胎内に出したマスターの濃密な魔力はこれ以上無いくらいに美味だったということだ。
「いや、何が『美味だったということだ』ですか?え、え、お話は終わり?」
「あぁ、貴様らにも私がマスターから受けた屈辱と陵辱の限り……そしてその怒りの大きさが伝わっただろう?」
困惑気味のアナにドヤ顔で話を締めくくったゴルゴーン。だが当の二人は屈辱とか陵辱とか怒りとかまるで意味がわからなかった。ただの普通にうらやまおいそこ代われ案件である。
(わたしには二人は幸せなセックスをして終了オチにしか思えなかったのですが……?)
(蛇髪を途中から操作していたのも間違いなく
メドゥーサ戦慄ッ……!
ゴルゴーンが最初に語ったマスターが自分に対して不敬云々の話があくまで建前っ……!本当の目的を隠すカモフラージュっ……!
自身とマスターとの情事を私達に語る事による釘刺しっ!あるいは宣戦布告!まずケリをつけるのは自分自身から、故に私達を呼び出したっ!だとしたらっ……!
(くっ!この女……なんて強かっ……!蛇……蛇めっ!)
「あの後、何度も奴は私に膣内出しを強要してな。髪を撫で、口づけをしながら……まるで人間の恋人にするように何度も何度もな。このゴルゴーンに対してあのような仕打ち!許せぬっ……あぁ、許せぬ!全くもって許せぬわっ!フハハハハハッ!!」
「喜ぶのか、怒るのかどっちかにして下さい」
だが実際問題アナの言葉に「喜ぶわけがなかろう!!」と笑顔で返しているゴルゴーンはメドゥーサが想像しているような理由で彼女達を呼び出しているワケではない。
全てではないが、怒りの感情も確かにある……だが、大半は喜色の感情。そう、言うなれば今のゴルゴーンは『はぁ~~、仕事辛くて今日2時間しか寝て無くて辛いわ~』『いやー、この間ヤンキーに囲まれてやばくてさー、まぁ、全員ぶっ飛ばしたんだけどこっちも死にかけてさぁ~』的な自身に降りかかった不幸や災難を武勇伝のように聞いてもいないのに周囲に語る者の心情に近い。
『かぁ―――!うちのマスター、不敬だわー超不敬だわ――、怪物たる私にあんな事やこんな事するなんて不敬過ぎるわ――、怒りのあまり激おこぷんぷん丸だわ――、うちのマスター不敬過ぎて辛いわぁ――!かぁ――!かぁっ――!』みたいな感じか。
外面は憤怒の表情に見えなくもなかったが、情事の詳細を話している最中のゴルゴーンの尾は左右に大きく揺れ動き続けていた。深層意識ではマスターとのプレイを誰かに自慢したくて仕方なかったのだろう。アヴェンジャークラス実にめんどい。
「……ふぅ、さて‥‥…私だけが話すのも些か不公平か。どれ、貴様らも私に聞かせるがよい。あるのだろう?マスターに対しての不平不満、あるいは私のよう汚辱の極みが?」
「いえ、特にあの人に対して不満はありませんよ?……それに、と……とても良くしてもらってますし」
(言葉の表面通りに捉えてはいけません小さい私っ……これは大きい私が私達に対して売った喧嘩、女の勝負です!)
(んん?いつからそんな話になったんですか?)
(彼女は自分のプレイの内容、そしてそれを話すという行為自体で既に私達に敗北感を与えにきているのです!見なさい……あの大きい私の顔を『ほう。私はマスターとの愛し合いに関して、何も憚る事なく話せたというのに貴様らは話せぬか……貴様らの愛はその程度なのか』とほくそ笑むような表情を!)
※あくまで彼女にはそう見えるだけです。
(ま、まさか……今日ここに私達を呼び出したのも!)
(不敬、怒り云々は隠れ蓑……。自分こそが一番マスターに愛されている『メドゥーサ』だという自負を隠しながら私達に戦争を仕掛けに来たのです!)
(くっ、サーヴァントになっても。その本質は変わらず、魔獣らしい卑劣なやり口ですっ……!)
(彼女のプレイの内容は中々に高レベル。自身の髪を使った拘束プレイ……!しかもそれを自分からするのではなくあくまでマスターからさせるという所がミソっ!そして口では憎まれ口を叩きながらも、マスターの嗜虐心を高めさせる振る舞い……もしっ、もし仮にこれだけの事を無意識でやっていたとしたら、天然の誘い受け!ジャンヌ・オルタのような強敵へと育つ可能性が大!)
(ここで調子づかせてはいけない、出る杭は打つということですね?)
小声で話すメドゥーサとアナ。決定的にすれ違っている3人の思惑。ツッコミ不在の恐怖。
色ボケっているメドゥーサとアナはゴルゴーンの挑発(二人が勝手にそう思っているだけ)から逃げるという選択肢は無くなった。
(自分より小さい娘に負けるのはいい……けど!自分より大きい女には負けられないっ……!)
(やや後ろ向きな決意ですが……熱意だけは伝わります。ここはわたしが先陣を切りましょう。鎌ではなく、言葉で目の前の壁を粉砕してみせますっ!)
「そうですね。ではわたしの方から語らせてもらいます……」
メドゥーサが女神として近しい姿になったメドゥーサ リリィことアナ。アナという名前は今は何故かこのカルデアでは女になっている変態花の魔術師から送られた名だが、存外気に入っていたりはする。
この戦いは絶対に負けられない。目の前で嘲笑うように立ちはだかっているあり得た自分の可能性……。
彼女は小さい体を奮い立たせるように前へ出た。
(マスター……姉様達……私に勇気を!)
少女は戦いへと挑む。たとえどれだけ敵が強大でも、戦力差が絶望的でも、勝ち目が無かったとしても彼女に……彼女達に引くという選択肢はハナから無い。逃げてはいけない戦い。男だろうが、女だろうが、誰にも等しくやってくる……それが今、この瞬間なのだ。
まぁ、やっている事は猥談以外の何ものでもないのだが。
邪ンヌ「やるわね……」
黒アイリ「出番よこせ」
微笑ましいガールズトーク回(笑)
最近、複数プレイが多かったからたまにはこういうのもいいかなと思いました。アヴェンジャークラスはあれだよ、自分がマスターの事をとやかく言うのはいいけど、他の奴が貶すとキレる系の面倒臭い性格なんだよ。
メドゥーサとアナのターンでもある下の段は今週中、あるいは作者がアガルタをクリアしてから投稿すると思います。
リアルの生活がマシになって今話からまた感想返しをする事が出来そうです(今まで溜まってたものを全て返信するのはちょっと無理そうなのでご勘弁を、許して)。どれくらいマシになったかというとイクラのログインボーナスが銀種火になったぐらいのレベル。