※この作品はR-18です。

おいでよ カルデアの森   作:一火

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感想数の多さがR18の中で3番目になりました!嬉しい、ウレシイ……。
















《前回のあらすじ》
•BBちゃん、アルテラちゃんに番組を乗っ取られる。
•全部答えるまで帰しま10ッ!でBBちゃん、靴下とリボンだけを残してマスターに剥かれる。
•BBちゃん、SE.RA.PHにいるマスターに助言を与えようとすると抱き着かれお腹をスリスリされる。
•礼拝堂でマスターとメルトリリスが出会う。
•マスターとメルト、双戦舞でザクシャインラブしながら、エネミーを屠る。
•メルト、本来のスペックを取り戻す。抱き締められる。ニヨニヨする。
•リップを正気に戻す為、そのおっぱいの呼吸を乱すッ!
•メルト、センチネルから解放される為(建前)、マスターの寝床に忍び込む。




DEAD OR ALIVE ECSTASY 2(メルトリリス)

 礼拝堂二階の宿泊室……マスターとメルト、一組の男女しかいない密室。

 刃のハイヒールをガクガクと揺らしながら、マスターの前でメルトは劇場の主役のように堂々たる姿で仁王立ちをしていた(本人の中では)。

 

 さて、色っぽく(本人の中では)大人の魅力を醸しつつ(本人の中では)リードしてあげるような誘い方は出来たと思っているメルトの次の行動は…………。

 

(ど  う  し  よ  う)

 

 まさかのノープラン。

 

 顔は湯気が出るぐらいに真っ赤っか、貞淑な下半身はガクブルと緊張で震えまくっている。

 正直なところ。たった一人でこの部屋まで来て、マスターに同衾を匂わせる誘い文句を噛まずに言えただけでもメルトは物凄く頑張ったといえる。

 

 誘う事しか考えてなくて、結局ショートしてしまった彼女を一体誰が笑う事が出来ようか。

 

「……ふむ」

 

 そして、そんなメルトを見かねてベッドに座り込んでいるマスターが取った行動は。

 

「おいで」

 

 菩薩の如き慈愛に満ちた顔で両手を拡げ、メルトを迎え入れる事だった。

「おいで」そのたった3文字の言葉だが、色んな意味で限界が来ていたメルトにとっては救いの声だった。

 

 ――ガバッ!

 

「……~~~~ッッ!不愉快だわ!心底不愉快だわっ!!まったく!まったくぅ!!」

 

 憎まれ口を叩きつつも彼女は敏捷A+を存分に生かしたスピードでマスターの胸に飛び込んだ。

 彼の上半身をぎゅっと抱き締めているメルトは不愉快と言いながらもその足は嬉しそうにバタつかせていた。膝の棘が彼に刺さらないように注意を払っている辺り、マスターに対する気遣いの細かさが表れている。

 

「何よその顔は……私を子供扱いしてるわけ?本当に身の程を知らないマスターね。私は兵器よ?それもとびっきり凶悪な。私の性能だってもう何度も見ているでしょう?これも只の戯れ、別に貴方に心を許しているとかそういうのじゃないんだから」

 

 顔をマスターの胸板に押し付け、スリスリと左右に動かしながら言っている台詞だと心底、説得力が溶け切ってしまっている。

 

 彼の体温を、感触を、鼓動を、その全てをもっとこの身に刻み込もうとメルトはより力を入れてマスターを抱きしめる。

 二人で手を握りながら、戦っていた時もそう……神経障害を抱えている自分が誰かの温もりをハッキリと感じ取る事がメルトにとっては嬉しくて仕方なかった。それが好意を抱いている男なら、なおさらだ。

 

 メルトがこうして、マスターを感じ取る事が出来るのは彼の起源でもある『親愛』……情を交わした相手とより近い立場で寄り添っていく為にあらゆる障害を打破する性質が関わっているのだが、今のメルトにはその情報はどうでもいい事かもしれない。

 

 彼女にとってはこうして好きな男と普通の女の子のように一緒にいる。その事実だけで十分だったのだから。

 

(あぁ……うるさい。もう、バクバクうるさいわね、私の心臓……止まれ、止まりなさいよ……彼の鼓動が聞こえないじゃない……)

 

「ちょっと顔が苦しそうだよメルト……どうかした?」

 

「べ、べちゅに何でもないよ……」

 

「何でもないでちゅか」

 

「…………………………さっきから胸が死ぬ程、ドキドキして苦しいのよ!ほら、笑いなさいよ!自分から誘っておいてこんな初心な反応をする哀れで滑稽なアルターエゴを笑えばいいじゃない!」

 

「尊い」

 

「微笑ましそうな顔してんじゃないわよ!……もう、こら、頭撫で、撫でる……そのまま撫でなさいよ……ばか……」

 

 情緒不安定だったメルトを可愛がるようにその青紫の髪へ指を通すように撫で続けるマスター。

 噛みついていたメルトもだんだん大人しくなり、目を閉じて、彼にされるがままとなる。飼われた猫の如く、マスターの懐でその心地よさに酔っていた。

 

 

「そのドキドキ、鎮めてあげよっか?」

 

「……ふっ、貴方に出来るのかしら?」

 

 彼女の頭をしばらく撫で続けていたマスターは今度はその頬に両手を添えて、メルトの顔を持ち上げた。

 見上げるメルト、眼前へと迫るマスターの顔。彼女にはこれから何をされるのかはわかり切っていた。

 絶賛沸騰中の顔から、せめてもの意趣返しとメルトはマスターへと提案する。

 

「いいわよ。わ、私に……き、きしゅするならせめて、ムードが出るような……そうね。私をときめかせるような台詞の一つでも吐いてごらんなさいよ」

 

 このままキスするのも全然構わないのだが、むしろバッチこいなのだが……それでもメルトは加虐趣味を持つ自分としてはこのままやられっぱなしではなく、彼の困った顔を見てみたいという想いもあった。彼に似合わない気障ったらしい歯の浮くような台詞の一つでも聞いて笑ってやろうと目論見もあるのかもしれない。

 

「わかった。良いよ」

 

「あぅ」

 

 息が掛かるまでに接近したマスターの唇に釘付けになり、その口から吐かれる台詞をメルトは一字一句聞き逃さないように耳を立てる。

 

「メルトリリス……俺にとってのプリマドンナ。ありがとう、俺と出会ってくれて。俺の話を聞いてくれて。俺の手を握ってくれて。俺を抱き締めてくれて。君は前に俺に助けられたって言ったけど、本当に助けられたのはこっち……。君が一人ぼっちでこの電子の海を彷徨っていた俺のサーヴァントとなってくれた事にどれだけ救われた事か……。メルト、君の健気な姿に恋している。今からその証明を口から出る言葉ではなく、文字通り口(・)そ(・)の(・)も(・)の(・)でさせて欲しい」

 

「…………好き」

 

 メルト嬢(城)陥落。いやもう既に白旗寸前のボロボロの城だったが。

 彼女の間髪入れずに出た堕ち宣言を聞いたマスターは合格をもらったと思い、ついにその唇を重ねた。

 

「……ちょ、まちなさ、今のはちがっ……あっ、んっ、んぅぅっ……ちゅぅ……」

 

 物理的にその口を塞がれたメルト。

 両頬をマスターの手にサンドされて、顔を背ける事が出来ない彼女は、ファーストキスの味を存分に覚え込まされている。

 

(あぁ……あぁっ、ああぁぁっ……何よこれ……手を繋いだ時と比較にならない。たかだかキス程度って馬鹿にしてたけど、だめ……こんなの絶対駄目……。柔らかくて、暖かい……マスターの唇が気持ち良くておかしくなるぅ……あぁ、待ってマスター、今舌なんて入れられたらっ……!)

 

「んふぅっ!……んぅ、んちゅぅ、んじゅるぅ……!?んんぅっ!んぁぁっ……んぷぅっ……じゅるぅっ……!」

 

 かつては……激しく、苛烈な求愛行動による相手の歪んだ顔こそが自分の愛の証だと思っていた。

 そこに相手の心なんて必要ない。自分がただ与えたいだけ与えればいい、貴方からの献身はいらない。自分だけが一方的に注ぐ愛、それでいい。それだけでいい、どうか人形のようにピクリとも動かないでいて。

 

 だが、今のメルトはどうか?自身と口付けを交わしているマスターの顔を見る事なく、恥ずかしさの余り瞳を閉じて口内を蹂躙されているではないか。

 

 神経障害を抱えていた自分が今まで知らなかった未知の世界をメルトはこのディープキスから感じ取っている。

 瞳を閉じても、十分過ぎる程に堪能している。マスターの胸にしがみつきながら震えている痩身、蜜のように漏れ出す唾液、途切れ途切れに吐かれる濃艶な吐息。

 

「んふぅ、んんぅ……ちゅぅ、んぁ……はぁむぅっ……んんぅっ!んぅ、んちゅ、んちゅ……んちゅぅ……」

 

(気持ちいい、気持ちいい、キス、キス、きしゅぅ…………もっと、もっと、もっとぉ……)

 

 好き放題にされるがままだが、与えられるだけの立場に甘んじるつもりは無いメルトはたどたどしくも一生懸命でいじらしく、自分からもマスターの舌の動きに応えていた。

 

「んれぇぁ、れぁ……ちゅるぅ……んちゅぅ、ちゅるぁっ……はむぅ、んむぅ……んふぅ、ん、んちゅ……」

 

 卑猥な水音を立てて、何度も何度も重なる二人の唇。

 唇が離されても、今度は絡み合う舌が架け橋のようになって二人の交わりを断つ事はなかった。

 

「じゅるぅ、じゅぅぅ……んじゅるぅぅ……ぅはぁ……おいしぃ……」

 

 彼の唾液をたっぷりと自身の体内にドレインしたメルトは一旦キスを中断した。

 どこまでも自分を見てくれているマスターの顔が近くにある。それだけでもメルトの心は十二分に満たされていた。

 

「それで、キスのお味はどうでしたかお姫様?」

 

「……ま、まぁ、悪くなくってよ。うん、そうね。厳しめに見て120点って所かしら?」

 

 それは何点満点なのだろうか?メルトの緩みに緩んだ顔を見る限り100点オーバーな可能性は高いが。

 やはりあの恋愛脳(スイーツ)神が霊基に組み込まれているだけの事はある……。これは彼女がマスターの事をダーリンと呼ぶ日もそう遠くはないかもしれない。

 

 ニヨニヨと夢心地なメルトはおへそを何か熱くて硬いモノが押し上げている感触を得た。

 

「……あら?」

 

 男の生理現象。当然、メルトも知ってはいる。

 マスターのズボンの中にあるナニかが巨山を作って自己主張していた。メルトが見ずとも触れただけでその存在を認知してしまうほどに。

 

「……ふふ、ふふふふふ、なぁに?キスだけでこんなになってしまったの?少しは堪え性が無いのかしら?」

 

 自身の股間が大洪水中なのを棚に上げて、メルトはドS心たっぷりでマスターのテントを上下に何度も往復しながら撫でてあげた。

 

「うん。メルトのキスがあまりにも甘美で、その時の顔が俺の男心をくすぐりまくってくれたから、雄の部分が君ともっと深い所まで触れ合いたいって……ねぇ、メルト、脱がしてもらってもいいかな……?」

 

「はい、喜んで(駄目よ。もっと首を垂れるように頼み込まないと、こんな卑猥な物、私が解放するわけないじゃない)」

 

 メルト嬢(城)二度目の陥落。なんでこの城すぐ堕ちるん?

 もう本心緩々で口に出てしまったメルトはマスターのひたすらに健気で真摯にこっちを想ってくれている言葉と表情を見て、意地悪をする気すら失せてしまった。

 ここで焦らしても自分の方が先に我慢出来なくなってしまうのを本能的に察していたのかもしれない。

 

「んっ、んっ……は、早く、開きなさい……よっ……こ、のっ……!」

 

「メルト……」

 

「黙って。ここだけは譲れない。貴方の助けもいらない。私一人の力で絶対に乗り越えて見せるわ」

 

 指の感覚を失っているメルトにはズボンのファスナーを下げるのも一苦労だった。

 ドキドキで震える指を必死に律しながら、カチャカチャと袖の上からマスターのモノを出そうと試行錯誤していた。

 マスターは手伝う事はしない。この少女が股間の前で自分の大事な部分を取り出そうと一生懸命になっている姿を愛でる事こそ自身に課せられた使命な気がしたから。

 

「……!やった……やったわ!見なさい!ちゃんと、一人でも出来るのよ私は!…………って、あ…………」

 

 数分の激闘を経て、チャックを下ろす事が出来たメルトは喜びの表情を見えたが、その顔はすぐに変化した。

 解放され、飛び出したマスターのご立派な逸物。それがメルトの眼前に露わになったのだから。

 

「…………こ、これがマスターのアソコなわけね…………ふ、ふーん、へ――――、なるほどね…………」

 

 生まれて初めて見る男の性器、しかもそれが自身の顔よりも長い凶悪なモノなのだから、本来なら取り乱してもいい所なのだが、何故かメルトは目を逸らす事が出来なかった。

 

 打たれた鉄のように熱と硬さを感じさせる男根。大きく反り返っているそれは際限ない雄臭と威圧感を彼女に与えていた。

 

「…………本当に硬くて、熱いわ…………袖の上からでもこんなにはっきりわかるなんて、貴方のコレどうなってんのよ…………」

 

(テカテカと自己主張が激しい亀頭……雁首もしっかりと綺麗ね……うん、清潔感があるのはいい事だわ。この浮き出てる血管もグロテスクというイメージじゃなくて、淫靡さ……エロチズムの方を何故か感じるわ。根本から先っぽまで何て無駄のないフォルムなの…………)

 

 人形好きのモデラー魂に火がついてしまったのか、それともマスターの男根がメルトを魅了する程の造形美があったのかは定かではないが……興味深々と袖の上からマスターのペニスをペタペタと触れるメルト。

 

 刺激は控えめだが、萌え袖状態で自身の陰茎を弄っている女の子という視覚情報はマスターに興奮をもたらしていた。

 

「あ……ピクピクしてるわ、ね……ふふ、何よ。こんな大層なフォルムをしておきながら、案外可愛いじゃない…………う―――んと、こうすれば、キモチいいのかしら?」

 

 有り余った袖で隠された両手でマスターの肉棒を包み込んだメルトは慣れない手付きでたどたどしく上下に擦り始めた。

 

「ん……んしょ、んぅ、んしょ…………」

 

 布で擦られながらもその奥には確かにメルトの手の感触もある。

 おっかなびっくりでも目の前の男に気持ち良くなってもらいたい。そんな熱意がメルトの愛撫からマスターは感じた。

 そして、何度も言うがまだそういう性行為に不慣れな女の子が萌え袖で必死にペニスにご奉仕している姿は男なら誰でもくる物がある。

 ここにいるマスターも例外ではなく、メルトの袖コキからしっかりと快楽を受け取っていた。

 

「……んしょ、んぅ、んっ、ふぅ………………ちろっ……」

 

「あっ、メルト……」

 

 袖淫を続け、じっと剛直を見つめ続けていたメルトは何を思ったのか、その先端、亀頭の開かれた部分……鈴口へと舌を小さくほじくり始めた。

 

「…………れろっ、ん、ちゅ……ちろぉっ……そう、これが気持ちいいのね…………いいわ、貴方はそのまま快感に身を委ねて…………私、頑張りますから…………」

 

 初めての性行為、そんな少女が自分からフェラをするのに一体どれ程のハードルがあるのか。

 だが、この少女はそんなハードルを容易く跳び越え、マスターに微笑み、男性器により深く口を付ける。

 

 最初は亀頭部分へ恋人のようなキスを。唇で小さく控えめに吸い付かれる感触にマスターの腰が震える。

 舌先で鈴口をつんつんと突くメルト。自分の行為によって彼が反応を示してくれるのが嬉しくて堪らない彼女は口淫をより積極的に続ける。

 

「あむぅっ……んぅ、んむぅぅ、んぶぅ……んじゅぅ………ちゅ、ぅぅっ……!」

 

 口を目一杯開き、男性器の先端を咥える。

 生まれて初めてのフェラ。だが彼女はマスターに喜んで欲しい……もっと快感で震える様を見せて欲しい、その想いを胸に直感だけで口内を蠢かせていた。

 

(すごい……匂い…………もっと、もっと、もっと……嗅ぎたくて…………駄目、見ないでマスター……私、今凄くはしたない顔しているから…………見ないで、見ないで、見て、もっと見て……私を見て……)

 

「じゅぶぅっ、じゅるぅぅっ……!じゅぼ、じゅぼっ……んじゅぅ、ちゅ、じゅるぅ……!ちゅるぅぅ……!」

 

 マスターの男根に吸い付く事でドレイン能力により性知識を吸収しているのではと思うぐらいにメルトのフェラは積極的になっていった。

 ダボダボの袖で震える竿を包みながら、頬をすぼませてペニスに吸い付く。その奥にある性の素を絞り出す為に。

 

「じゅるぅぅ、ちゅるるぅっ……んじゅるぅっ!ちゅぅ、ちゅぱぁっ……あ、透明な汁が出てきてるわね……カウパー液だったかしら…………いいわ、いいわよ……もっと私にドレインさせなさい……んむぅっ…………」

 

 瞳を潤ませ、髪を揺らしながら、顔をさっきよりも激しく前後させる。

 それに合わせて、口内で止まる事なく這いずり回る続ける舌もメルトがどれだけ自分に悦んで欲しいのか、その想いの強さがマスターにも伝わってきた。

 

 一心不乱に奉仕をしているメルトの透き通る髪を撫でていた。

 あくまで彼女の邪魔はしないように控えめに……。

 

(んぁっ……)

 

 しかし、今のメルトにはそれだけで形容しがたい痺れが駆け巡った。

 もう自分だけが捧げる愛では満足出来なかったメルトは自身の口淫を褒めてくれるように優しく頭を撫でてくれるマスターの温もりと優しさにどんどん溶かされていくのを自覚した。

 

「んぶっ、んじゅぅっ……!ちゅぅぅ!ふぁひてぇ……ふぇいへき……ふぁひふぁはひぃ……!………じゅるるるるうぅぅっ……!ちゅぅぅぅぅっ……!」

 

 やがて、その口淫奉仕も終わりを告げる。

 亀頭の溝から決壊したダムの如く、溢れる白い洪水がメルトの口内に流れ込んでいった。

 

「んぶぅぅぅっ!!?……んじゅぅぅっ!んぐぐぅぅっ!むぐぅ……!!んむぅぅっ……!じゅぅ、じゅるぅぅ……!!」

 

(あぁっ……飲まされているっ……マスターの熱い精液がぁ……たくさん、とまらないっ……!こん、なの……溺れちゃう…………!)

 

 ―――繋いだ口だけは、離さない。

 苦しさに涙目になっても、メルトはマスターの精液を一滴残らず体内に取り込むまではバキュームを中止する事はなかった。

 

「んむぅぅぅっ……んぶぅ、んじゅぅ……んぐ、んぐっ、んぐぅっ……ごくぅ………」

 

 数分間かけて―――時には頬を膨らませて精液を溜め込みながら、それでもマスターからの欲望の証を一切吐き出すなくメルトは喉を鳴らし、吸飲していく。

 ドロドロと濁ったそれは何故かメルトの喉を通れば、通るほどに、彼女をやみつきにさせていった。

 マスターの白濁液によって酩酊感のようなものを得たメルト、男の味を覚え込まされ、酔わされていく初物の少女。

 

「ぷはぁぁっ……!!はぁっ―――……はぁ――…………あぁっ……………………信じられない量ね……私を溺死させるつもり?快楽に溺れさせるのは私の役目だというのに…………それで一つ聞きたいのだけれど……」

 

「とても気持ち良かったよ。メルト」

 

「――った………………そう、それならいいわ。まぁ、聞くまでもない事だったわね。ふふっ……」

 

 何てことは無い……そう振る舞う彼女が小さく「やった」と呟きガッツポーズをしたのをマスターが見逃す筈が無かった。

 もう自分の反応に、返答に一喜一憂してくれるメルトがマジで可愛すぎる。一段と増していく情欲を止めるつもりが無いマスターは彼女を抱き上げ、自身の膝の上へと乗せた。

 

 

「きゃっ……!?なによ……次は貴方が尽くしてくれるの?」

 

「うん。俺も与えられるだけの関係じゃ、満足出来ないからね」

 

「そう…………なら……好きにしなさい」

 

 マスターの上半身を背もたれに、寄りかかって身を預けているメルトにはもう期待はあっても不安は無かった。

 これから自分が何をされるのか……胸の上部分を覆っている黒衣に手をかけられ、ゆっくりと捲られる。

 

 マスターの手によれば、こんな防御性皆無な服は一瞬で裸に剥けるのだが、初めてのメルトに対してそこまで強引なプレイをいきなりする程鬼畜ではない。

 

 そして、それと並行してもう一方の右手で彼女の股間を覆っている銀のファウルカップも外す。

 今まで見えそうで見えなかったメルトの二つの秘部が露わになった。

 

「うぅ…………」

 

「胸の先、びんびんになってる」

 

「口に出さなくていいわよ…………」

 

「アソコもびしょびしょに……」

 

「もうっ!わかってる事口に出さなくていいって言ってるでしょ……ばかぁ…………」

 

 外した貞操帯の裏に溜まってた愛液をメルトの前で垂らしていくマスター、今までのキス、フェラで濡れてきた彼女の淫液が彼女自身のへそを流れ、陰部まで続いていく。

 

「んっ、ふぅ……」

 

 自分がどれだけ淫らなのか……その証明を体にかけられているメルトは背徳感のような物に体を震わす。

 股間のプロテクターを傍に置いたマスターはいよいよ彼女の躰に触れ始める。

 

 メルトは羞恥心で高熱を患っている程に顔を紅に染め上げていたが、マスターの手が自身の陰部に触れる瞬間から目を離す事が出来なかった。

 

 乳頭、女陰……同時に這って行くマスターのそれぞれの魔手。

 目線を忙しく動かすメルトはどちらに注視すればいいのかわからなくなっていた。

 

(あぁ、あぁっ……触れ、ちゃう……マスターの手が私のはしたない所に……隠す所も何もない、ありのままの私が触れられちゃう…………もう、指が……近づいて……)

 

 乳首、クリトリス……その二つの淫芽をマスターは本当に優しく指先で撫で上げた。

 

「ひううううぅっんんぅぅっ!!!」

 

 だが、メルトの反応は凄まじい物だった。

 摘まんだわけでも、激しくこねくり回したわけでもなく、只の一度撫でただけで電流を流されたようにブリッジし、股座から潮を吹き出していた。

 

 神経障害を抱えていたメルトにとって今までの戦いでマスターと手を握った感触、抱き締められた感触、髪を撫でられた感触……それは未知の感覚だった。

 もしかしたら――マスターの性質によって神経障害の壁を壊されたメルトには今までのマスターの触れ合いはある意味、長い長い焦らしプレイのような物の一つだったのかもしれない。

 

 手や、服の上、髪……その程度でのスキンシップに感情を大きく変化させていたメルトが女の象徴を直接淫らなやり方で弄られたらどうなるか?

 

「ひぁっ!あぁ!あっ、あぁっ……!はぁっ!な、によぉ……こ、れぇぇ……!ふひぁっ!!あひぃぃっ……!!」

 

(……やばい、これは思っていた以上にやばいわ……!この人の手だから、神経障害があっても感じない事は無いと思ってたけど……!ま、さか……このレベルなんて思わなかったわ……!!っていうか私でこんなになるならリップとか死んじゃうんじゃないかしらっ!?)

 

 乳輪の辺りを指先でなぞり続け、プクリと膨れ上がっている先端を爪先で優しく掻いてあげる。

 クリトリスはメルトの下腹部、ちょうど子宮の上にあたる場所で上下と動かしているマスターの手……人差し指と中指に挟まれて、そのスライドするような動きに擦られて興奮を得ていた。

 

「にゃ、にゃめぇ……!あぁっ、まってぇ……ますたぁ……!むねのさき、そんなコリコリしないでぇ……!ああぁっ!はふぅんんんぅっ!!下のおまめもだめぇ……!はしゃまないでくださいぃぃっ……!!」

 

 上下から来る凄まじい快楽。最初の頃の口調がつい出てしまうぐらいにはメルトの頭はぐちゃぐちゃになっていた。

 軽い絶頂で大きく揺れるメルトの鋼鉄のハイヒールがつけた床の傷がその激しさを物語っている。

 

「あぁ!あぁぁ――!ふぁぁっ!そんなぁぁっ、両手でおっぱいいじっちやぁぁ……!ひふぅぅ!!作りかえられちゃう、わたしの乳首、開発されちゃうぅぅっ!!あぁっ!あんぅ!んふぅっ!!」

 

 時には、股間にあった手を胸の方へ。

 両手でメルトの控えめな美乳を集中的に弄ぶ。特に充血した乳頭は何度も何度も念入りにこねくり回した。

 指腹で潰し、指先で弾き、挟めて、摘まんで、伸ばす。強弱緩急をつけられた飽きの無い責め方にメルトの嬌声は声高に響く。

 

「はあぁっ!!あぁ……!おっぱいぃ、いじり過ぎよぉっ……ばかぁぁっ!変な形にぃ、んひぅっ!……なったら、どう責任取るのよぉぉっ……あぁんんぅぅ!」

 

「じゃあ、今度は漏れっぱなしの下の方に行こうか」

 

「へぁ…‥!……あぁ……まって、まひなしゃい……!今、触られたらぁぁ…………ああああぁっ!!」

 

 絹のような肌触りのメルトの躰を這って行くマスターの二本の手が次に行き着いたのはメルトの淫唇。

 左の手の平で優しくクリトリスを押し潰したマスターは微量な振動を与える。

 

 さらには開いたファスナーから露出された熱い肉棒がメルトの美尻に触れているその感触がより性的接触を意識させる。

 

「ふぅっ、ソレぇ……お尻の下でぇ……ピクピクさせないでぇ……あぁっ!はひぃっ!!」

 

 もはや相手がマスターに限り神経過敏になってしまったメルトはそれだけで漏れ出す愛液の量をさらに増やしていた。

 そんな絶賛大洪水中な秘部に右手の指が入り込んでいく。

 

「あぁっ!あぁ、あぁ……あああぁ……!マスターのゆびぃ……私のナカにぃぃ……!!」

 

 グチュグチュ……ズブズブ……卑猥な水音を立て、メルトの淫部は面白いぐらい容易にマスターの指……中指と薬指、その二本を飲み込んでいく。

 未だに止まらないメルトの愛液の奔流。それを掻き混ぜ、羞恥と性感をさらに高めさせる為、マスターの指はメルトの膣内の入り口付近で器用に蠢いていた。

 

「あああぁぁっ……!はああああぁ……!!き、ちゃう……!なにかきちゃう……!ますたぁっ……!ますたぁぁっ……!!」

 

 今まで軽い絶頂は繰り返していたものの、これからやってくる大きいエクスタシーを予感したのか。

 縋る物を探していたメルトの両手は後ろで自分の女性器を愛撫しているマスターの首へと伸びる。

 

「あぁぁっ!はああぁぅ!!と、まらないのぉ……!アソコから、お水が溢れるのがああぁ……!!ふひぅぅっ!!今、クリトリスつまんじゃあ、駄目ぇぇ……!!」

 

(……マスターの指の動き方がはっきりとわかる……!私の膣内で、私を女にしようって…‥‥小刻みに動いている……!もっと、もっとこの瞬間を感じていたいのにぃ……もう、私の躰の方が……音を上げて………)

 

 バンザイするように両手をマスターの首の後ろで結んでいるメルトの躰が脳を焼き尽くすような刺激でガクンガクンと揺れ始め……。

 

「ひあぁっ……!はぁっ!あぁぁ!い、くぅ……いくぅっ、イクわぁぁ……!い、クぅぅ、イク、イク、イくぅっ!イぃっ――――…………」

 

 腰を大きく浮かせたメルトの股間から噴水のように潮が上がっていた。

 

「い、くぅああああぁ――――――!!!」

 

 プシャー!と絶頂に相応しい卑音と共にジョロジョロと生温かい音もマスターの耳に入る。

 胸を弄られ、さらには女陰もあれ程好き放題弄られたのだ。そこから出るありとあらゆる液が全て漏れてしまっても仕方ないだろう。

 

「ひぃぁ…………あ、ぁぁ…………はぁ……………………へぇぁ……」

 

 もう半分意識を失いかけているのか、潮、尿、愛液、あらゆる女の水を垂れ流しマスターのズボンを濡らしているメルトの顔は満足気にも見えた。まぁ、おそらく今の自分がどういう状況なのかは理解してはいないのだろう。ただ、言葉にできない解放感と多幸感が今の彼女の身を包んでいる事は確かだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ……うぇぇ…………ぐすぅ、ぐすっ…………」

 

「気にする事ないと思うけどなぁ、俺は嬉しかったし。メルトがそこまでキモチよくなってくれて」

 

 メルト、涙を流すッ…………!

 現在のメルトは全裸でベッドの上に仰向けに寝そべっているマスターの上でぐずっていた。

 泣いているメルトも来ている服のようなものはあくまで肩と腕を隠している黒い衣装だけ。露出度は全裸とほぼ変わらない。

 

「変態よ……私は……粗相して、マスターのズボンを濡らしておきながら、それで快感を経て、あまつさえ、満足気な顔をさらして…………!初めてなのよ……!私、初めてなのよ!……もう変態のアルターエゴに改名しようかしら…………フフフフフフ……」

 

「性行為においては人類皆変態みたいなもんだと思うけどね」

 

「フォローになってないぃぃ!……あなたがぁ、あなたがぁ……あんなに私の躰を容赦なく責め立てるからぁぁ……!」

 

「あ、ごめん…………良くなかった…………?」

 

「良かったわよ!凄くキモチ良かったわよ!もう一回お願いしたいぐらいよ!………………って違う、違う違う違うわ。そういう話じゃないわ…………」

 

 マスターの落ち込んだ顔を見てすぐにフォローを入れるまでのメルトの反応……コンマ数秒。

 この娘、もう既にマスターにズブズブとオチ切っている。

 

「……ふぅ――――……理解したわ。こと性行為においては貴方の方が経験値的に分があるという事を。そんな貴方に一方的にされるというのは私の勝ち目が薄い」

 

「なら?」

 

「最初のキスは貴方のターン。次のフェラは私。その次の愛撫はまた貴方のターン……なら今度は私の番って事よ。貴方は動かなくていいわ。そのまま寝そべってなさい。要は貴方に好き勝手させなきゃいい話なんだから」

 

 散々、涙でマスターの胸元を濡らしていたメルトは体を起き上がらせて、いきり立つ剛直の前で股を開いた。

 鋼鉄で凶器的な脚。だけど、その下半身は濡れそぼった割れ目も相まって、淫靡で芸術的な光景だった。

 

「メルト……無理、してない?」

 

「ハッ……するに決まってるんでしょ。一つイイ事を教えてあげるわ。女の子は好きな男の前ではいくらでも強がるし、無理をするの」

 

 膝の棘がベッドに突き刺さる事も気にせず、メルトは腰を下ろし、今か今かと待ち侘びているマスターの肉棒の標準を合わせる。

 

「んっ………けどね、マスター。貴方はあの時、死にかけていた私を。ただの兵器として消えるしか無かった私の手を取ってくれた…………私をただの女の子にしてくれました。そのお返しってわけではありませんけど…………今度は私自ら、『初めて』を手にしたいんです…………あの時、差し伸べられた貴方の手を取る事しか出来なかった私が自分から…………だから、だからマスター…………貴方は」

 

 ただ待つだけの女じゃない、助けられるだけの女でも、与えられるだけの女でもない。守りたいものは、欲しいものは自分自身の手で――――恋する女の子なら当然の事だった。

 メルトは人形になるつもりも人形に恋するつもりもないのだから。

 

「うん、わかった…………頑張って、メルト」

 

「はい……!マスター…………あぁっ……!」

 

 マスターが入れていた指とは格段に違う大きさを持つ亀頭がメルトの淫唇とキスをする。

 触れるだけでは終わらない。そこからズブズブと本当に緩やかに、けれど確かに埋まっていく。

 

「あ……あぁ…………んぐぅ……!ふふっ、結構キツイわ、ね…………まだ入り口な、んてぇ……んぐぅぅ!」

 

 狭い膣内、それを怒張が進んでいく最中でメルトの顔が大きく歪む。

 処女膜、マスターの肉棒の先端がそこまで辿り着いたのだろう…………だが、メルトはそのまま躊躇する事なく、むしろ良いきっかけとして、腰を一気に――――――。

 

「な、めんじゃないわよ……そんな薄い壁でぇっ、私達の邪魔をす、るなぁっ…………っぅぅぅぅぁあああ――――…………!!」

 

 プチプチッと何かを貫いた音を立て、結合部に血が流れる。

 完全に奥まで入り切った瞬間、その血と一緒に透明な愛液まで吹き出した

 背筋を伸ばし、痙攣していたメルトは呼吸を整えると照れたようにマスターへ顔を向けた。

 

「はぁ―――……あぁ、はぁぁ……ふふ、信じられない、わね…………処女膜やぶられた痛みで、イッたわよ、私……ドMだったのかしら、ね……」

 

 自嘲するような呟きだったが、その表情には自己嫌悪など欠片も無かった。

 喜び…………ただ単純に好きな人に自分の初めてを捧げる事が出来た嬉しさ。ありふれていながら、成就させるのが難しい乙女の願いをメルトは自身の力で手にした。

 そんな恋する乙女の顔には今この瞬間が嬉しく溜まらないという誰もが足を止めてしまいそうになる美少女の笑顔があった。

 

 今の顔を見て、この娘が化け物だと、凶器だと、思う者は誰一人としていない。そう確信させるぐらいに眩しい笑顔だった。

 

「マスター……」

 

「メルト…………」

 

「マスター、マスター…………」

 

 お互いに呼び合う。声をかければ、自分の名前が愛しい人の口から漏れる。

 そんな事でも嬉しく堪らないメルトは歓喜の涙を流し、腰をゆったりとなだらかに動かし始める。

 

「あぁっ!はぁ!はぁぁっ……!ますたぁ、ますたぁ!ますたぁっ……!」

 

 未だ膣内にはほのかな痛みがある。けど今はその痛みすらも心地良い。彼の名前を呼びながら、熱に浮かされるように腰を振り続けるメルト。

 マスターの腰を挟むようにベッドにつかれた彼女の膝。そこから出た棘がベッドに突き刺さっている事で挿入されているのも合わさり、マスターの腰を逃がさないように拘束しているような絵が出来上がっている。

 間違ってもこのマスターが愛する人との性行為で逃げ出す事は世界が滅んでも有り得ない。それでも加虐心を持っているメルトは恋人のように交わるのもいいが、こんな風に逃げ場を消して絞り尽くすような体勢も嫌いではなかった。

 

「ああぁぁ……!す、ごいわぁぁっ……!こ、んなに熱くてぇ……大きいのぉ……ひあああぁ!!あぁっ!あんぅ!!奥にコツコツってぇぇ……!」

 

「メ、ルトッ……!」

 

 メルトの騎乗スキル『B』。このスキルは通常の騎乗スキルとは違い、普通に乗り物を使いこなす為のスキルではない。では一体何を乗りこなすスキルなのか、それはご想像にお任せする。

 まぁ、現在進行形でメルトがマスターの気持ちいい所を学習し、腰の振り方を多彩に変えていっているのを見ると容易に察する事は出来るが。

 

(嬉しい……うれしいっ……!マスターが、マスターが、私の体で気持ち良さそうにして、くれてる……興奮して、くれてる…………!)

 

「もっと、もっと、もっとぉ……はぁんぅぅ!!…………はぁ、はあぁっ!……その顔を、私にぃ……見、せてぇ……んああっぁ!」

 

 発情期を迎えた雌と化したメルトは上半身を伏せて、至近距離までマスターの顔に近づく。

 彼の快楽に漏れ出す息遣いを取り込み、気を良くしたメルトはさらにテンポを上げて、腰を打ち付ける。

 

 だが、騎乗スキルBがあっても彼女が相手取る乗り物はある界隈では神秘を抱えた性遺物……またある界隈ではEX宝具と言われるマスターの性器である。

 神獣クラスのソレをいくらマスターから動いていないとはいえ、初夜を迎えたばかりのメルトが完全に乗りこなせるのかと聞かれれば、答えはNOであろう。

 

「ふぅあああぁ!?あぁぁっ……!!はひぃぃっ……!!」

 

(マスターは動いていない……なら、私の膣内の動きに呼応して、この人の男根が震えただけ……少し震えただけで、この快感なんてっ!…………ん?これってあれかしら?もしかして、私とマスターは心だけじゃなくて体の相性も抜群という事かし)

 

「んひぅぅううううっ!!」

 

 スイーツ方面に思考がぶれたメルトを正気に戻すように再び無意識に震えるマスターの陰茎。

 メルトのストロークによって震えているのだから、一度、腰の動きを止めればいい話なのだが……完全にナカに入っているマスターの感触、そして――――。

 

「……頑張れ、メルト。頑張れ」

 

「ましゅたぁ…………しゅきぃ、だいしゅきぃ……あふぅぅんぅっ……!!」

 

 目の前で快感に顔を蕩かせながら、こっちを応援するマスターにメロメロになっているメルトにはその発想すら無い。彼の言葉を受けて、汗だくになりつつもより激しく腰を振り続ける。

 げに恐ろしきは恋は盲目という言葉か。それともこのサバを誑かす事においては右に出る者はいない魔性のマスターか。

 

 パンパン、グチュグチュ……何を行っているのか見なくとも想像出来る淫猥な音が宿泊室で奏でられている。

 自分から腰を動かすつもりは無かったマスターだが……こうして性交をしている時、一つだけしたい事があった。

 

「はぁっ、はぁ……ま、すたぁっ……!?あぁっ、手を…………」

 

 メルトの袖の中に手を通し、その中にある彼女の素手をギュッと握る。

 漆黒の袖の中で指を絡め合っている二人の手。

 

「あぁぁっ……!はううううぅっ……!!はぁっ!あはぁ……!ず、るい人、今、こんな事されたらぁ……あんぅっ!ますます離れられなくなるじゃない、ですかぁ……!貴方の傍にぃ、んあぁ、あぁ!……ずっとぉ、いたくなってしまうじゃない……ですかぁ……!」

 

 まるで袖口という性感帯に挿入されたように全身を悶えさせるメルト。セックスの最中に手を握り合っているだけ。別段珍しい事でもない。

 だが、メルトにとっては手を繋ぐという行為はマスターと初めて会った時からそれぐらい特別な行為だった。

 

(こんな、こんな……簡単な事だったのね。恋した人と一つになるのは……蕩かして、溶かして、自分の中へ取り込む必要も無い。ありふれた男女のように笑い合って、抱き合って、泣いて、怒って、手を繋いで、体を交わせる…………これだけ、これだけで……こんなにも心が満たされる…………)

 

「はああぁっ……!!あぁんぅぅ!んふぁあぁっ!!……私がどこに出して欲しいか……なんて言葉にしなくてもんぁぁっ……わかるわよね……マスター……!」

 

 コクリと首を縦に動かしたマスター。口の端を不敵に吊り上げるメルト。

 心も体も一つになっている二人に言葉は不要。

 マスターの肉棒を包み込んでいるメルトの膣襞全てが、マスターとメルトの二人に最高の瞬間をもたらそうと収縮する。

 

 ペニス全てを撫で上げるメルトの膣内の感触にやがてマスターの子種がせり上がり――――。

 

「く、るぅ……くるっ……くるのねぇ……!あぁぁっ!あひぃぃ!んんふあぁっ……!!いいわ、きなひゃいぃ……!残さず、だ、して……あぁぁんぅぅ!!くだ、さいぃぃっ――――…………!」

 

 腰を一切動かさないマスターは何も力を入れる必要は無い。

 メルトの蜜壷に包まれた快楽に身を任せ、ただ男の種を吐き出すだけ。

 爆発的な勢いで放出された子種は行く先を求めて、メルトの子宮口へと殺到する。

 

「んんんぅぅう――――――――………!!!!」

 

 自身の体内に流れ込むマスターの愛の証。

 精液が膣内を通り、どんどん子宮へ入っていく間にメルトは何回絶頂を迎えたのか自分でもわからなくなっていた。

 ただ――――自分が完全にこの人の女にされた。サーヴァントの枠を超えて、一人の女にさせられてしまった事だけは確信した。

 

「あ、あぁっ、ひんぅっ……ぴゅ――…………ってぇ、ぴゅ――ってぇ…………まだ出続けているぅ……ぅぁあっ…………うれしい、本当にうれしいわ…………もう、こんなにもらったら簡単にレベルマックスになっちゃうわよ…………はぁ――――…………」

 

 白濁と純潔の血が混ざった結合部は未だ離れず。

 手を握ったまま、メルトはマスターの体を枕にして体全てを預ける。

 男女の関係は別に体だけの関係ではない。だが、心と体の二つが繋がればここまで気持ち良いものなのかと。

 マスターとのセックスを味わい尽くしたメルトは余韻に浸る。「メルトの番は終わったから、次は攻守交代。俺の番かな?」とマスターの目が光っている事に気付かず……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 《ポートピア・サイエリア:礼拝堂の外》

 

 

 

『あぁぁ……ダメェッ!後ろから、そんなに何度も突かないでぇぇ……!!んほあぁぁっ……!!あひぃぃっ……!蹂躙されちゃうぅぅ…………!ますたぁのおちんぽに、バックからずんずんって、蹂躙されちゃってるぅぅっ!!ああぁぁぁっ――――!!』

 

 ――――パンパンパンパンッ!……パンッ!パンッ……!

 

「うぅ~~~~……外にいても聞こえてるよぉ……メルト……」

 

『いいわぁぁっ……!もっと、もっとぉ、つ、よくしなさい……ふぅんぅぅっ!!あぉぁおぉっ!!……壊れるぐらいに、つよ、くぅっぅっ…………!ああぁぁっ……ますたぁ、ますたぁ、ますたぁ、またぁイッちゃうぅぅ、イッひゃいましゅぅぅっ……!!んひぃ――――…………!!』

 

 こうして、マスターにたっぷり、こってりドロドロの愛を吐き出されたメルトはセンチネルから解放されました。めでたしめでたし…………。さぁ!最終決戦だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………くっ」

 

 セラフィックスの心臓部、天球シミュレーター室。システム・アニムスフィア。

 アニムスフィア家のかつての闇、セラフィックスの人間でもこの部屋の存在を知っているのはごく僅かしかいない。

 壁に埋め込まれたように並ぶ数多のコフィン。

 そんな科学的な空間に不似合いなモノが陣取っていた。

 

 部屋の中心に生えている大樹の如く、もはや抜け殻にも等しい肉の柱――――。

 そして、それに捕縛されているメルトの姿が。

 

 ある者(・)が操る魔神柱の触手に捕まり、まるでどこかの月の世界のSGのような姿で魔神柱に取り込まれかけているメルトリリス。

 

 下半身と袖の先は肉柱の樹に埋まり、顔と上半身はかろうじで動かせるものの脱出までは届かない。

 悔しさに顔を歪ませ、メルトは目の前の女を睨む。

 

「その格好、お似合いでしてよ……メルトリリス」

 

「死ね」

 

 メルトの殺気もどこ吹く風。

 色っぽく溜息を吐くのは尼装束に身を包む一人の女だった。

 尼姿をしていながら、どこまでも「女」を匂わせ、感じさせる……何気ない仕草一つ一つに性別問わず色香をまき散らし、欲情を煽らせるのは彼女の素質。

 

 きっかけは別であれど、このセラフィックスにおける黒幕となったその女の名は「殺生院キアラ」。

 

「……はっ、最後の最後まで舞台裏に引っ込んでいるとは思ったら、こんなに早く姿を現して、一体どういう風の吹き回しかしら?」

 

「えぇ……そうですね。私も我が事ながら、我慢を覚えるべきだと自省をしているのですが……だってほら、あなた方があまりにも微笑ましく、いじらしいものだからつい――――――この手で摘んでしまいたくなってしまって…………」

 

 あぁ……と艶に塗れた吐息を吐き出し、身震いするキアラ。

 

「わかっています、わかっていますとも、あなた達二人が仲睦まじくやって来るのを期待に濡らしてここで待つべきだったというのは…………けど、それとは同じくらいにもし、もしも……二人の内、どちらかが、私に溺れて、溶かされて、壊されてしまったのをもう一方が見てしまったら、一体どんな顔を浮かべてくれるのかと…………考えただけで、想像するだけで、私はっ……!あっ、はぁぁんぅぅっ…………!」

 

「こ、の!救いようの無い……淫売女!!」

 

「良い目、良い啖呵です。折れたおもちゃを玩んでも何も滾りません。どうか気丈に振る舞ったまま少しでも長く抵抗して下さい」

 

 ある意味どこまでもキアラはわかりやすい。

 身動きの取れないメルトに何をするのかも。

 自身に反旗を翻したこの玩具をどう快楽に堕としていくのかキアラの頭の中には百通り以上の肉欲まみれの調教法が浮かんでいる。

 

 ―――まずは彼女に絡みついているこの魔神柱で遊ぶかと、彼女が決めたその瞬間。

 

 ―――ドゴオオオオンッッ!!!

 

「「……!!」」

 

 破壊と轟音。天体室の扉を突き破って、破片と共にキアラとメルトの間に一人の男が飛び込んできた。

 天体室に拳一つで侵入するという破天荒極まりない行動を取る者は現在のセラフィックスには彼しかいない。

 

「えぇっ……えぇ、えぇっ!わかっています、わかっていましたとも!貴方は絶対に現れると!自分の愛すべき娘が危険に陥っていれば……!絶妙なタイミングで助けに来る!必ず!」

 

 自身の楽しみを邪魔されたにも関わらず、キアラは気を悪くする所か、全身を震わせ、達しながらその男の到着を喜んでいた。もしかすれば、来るだろうと確信もしていたのかもしれない。

 

「待っていましたわよぉ―――!カルデアのマスタァァ―――!!」

 

「お前は後!!」

 

「………………………」

 

 ビッとキアラに指を指したマスターはそのまま迷う事なく、メルトの方へと駆け出す。

 まずはもっとこう自分に色々反応をして欲しかったキアラは先ほど叫んだ口を開いたままで固まっていた。

 

「…………フフッ、つれない人。やはり、私の思い通りにはなってくれないのですね……」

 

「マスター…………ごめん。ヘマした……わ」

 

「全然良いよ。無事で良かった」

 

 デーモンから心臓を、ワイバーンからは竜の牙を、キメラからは角を、エネミーからドロップ素材を無理矢理もぎ取る事を目指し、鍛え上げた彼の握力は、メルトを捕えている魔神柱の拘束を引きちぎり、最高の報酬であるメルトを助け出していた。

 残骸と化した肉柱の中心で抱き合う二人、しかしロマンチックな雰囲気はそう長く続かなかった。

 

「無視は、寂しいですわ…………」

 

「うぉっと、いきなりか!空気が読めないなぁ……!」

 

 新たに生え出す魔神柱、キアラと一体化した哀れな骸達は道具となり、触手となり、二人に襲い掛かる。

 捕縛されていた時に体力をドレインされてしまったのか、動けないメルト抱き上げ、攻撃をかいくぐり、後方に下がったマスターはメルトを置いて、そのまま単身キアラの方へと挑む。

 

「私も、自身の出自とか、どうしてこんな事をしたとか、目的とか、色々話したかった所なのですけれど…………御免なさい。やっぱり我慢が効かないはしたない女のようです。今すぐ貴方と肉体言語で語り合いたくて仕方ないんです……っ!フフフ、フフフフフフ…………!」

 

 気付けば、相対しているキアラの姿も変わっていた。

 尼姿で隠されていた肌は惜しげもなく露出し、性的興奮を増長させる魔性の魅力がさっきとは比べ物にならない程に膨れ上がっていた。

 何より、頭に生えた二本の禍々しい角。もはや彼女が完全に人外のナニかに遂げた証拠。

 

「この世に人は我一人…………それでは皆々様、済度の日取りでございます」

 

 彼女の周りで蠢く、奴隷と化した魔神柱。そしてキアラ自身が今まで取り込み、怨霊と化してしまった多くのサーヴァント・人間達の魂、その集合体ともいえる巨大な髑髏が現れる。

 

 ここまで禍々しい姿を晒しておきながら、なお彼女には救世主、ないし聖母のような雰囲気が消える事はない。数多の生物をたらし込む桃色の蜜。

 

 それは自身の快楽故に全てを破滅に堕とし込む人畜無害。究極的な自己愛の塊。強制絶頂快楽天。

 

 ―――その名はビーストⅢ/R。七つの人類悪の一人、『愛欲』の理を持つ獣である。

 

「貴方が大事にしている後ろの虫に手を出すなんて、つまらない事はしませんわ…………。だって貴方が私に溺れ切った時にオーディエンスがいないと寂しいですもの…………。二人でたっぷり楽しみましょう。ああぁ、けど貴方が散ってしまった時、どんな顔を見せてくれるのでしょうねぇ……後ろのアルターエゴ、そして貴方自身も……」

 

「まぁ陵辱系の薄い本向けの性格をしていらっしゃる。ピュアボーイの俺には些か刺激が強いぜ」

 

「またまた御冗談を」

 

 カードは切られた。

 百式官能像VS魔性菩薩。

 人類史上最低最悪の性杯戦争はいまここで最終局面を向かえる。

 

「『百式官能 九十九の掌』」

 

「あぁっ!そんな……いきなり、たくさんのモノで私を嬲ってくれるなんてぇぇっ……!!あはぁぁんぅっ!もっとぉ!!」

 

 愛の欠片も無い、それは徹頭徹尾敵を排除する為に使われる研ぎ澄まされた快楽の攻撃。

 通常の女サーヴァントなら昇天してもおかしくない愛撫の群れをキアラは全て受け止め、悦ぶ。

 

「与えられるだけでは忍びないです……どうか私の愛も受け取って下さい……『四念回峰行』!!」

 

「『欲情破顔拳』」

 

「あぁんぅ、もうっ……!いけずな人……」

 

 だが、マスターはキアラのその性手をいなし、拒絶し、カウンターを返す。

 まるでお前のはノーサンキューだと、主張するように。

 

「私と貴方なら、体の相性は抜群だというのに……何故、嫌がるのです」

 

「悪いけど、全人類をバイブにしか見ていない人はお断り」

 

「キモチ良いのならどちらも一緒でしょう?」

 

「ち、が、う、の、だっ!」

 

 性質は似ていても、この二人が本当の意味で交わる事はない。

 片や快楽を得る為、全てを自分の為だけに利用する性欲魔神。

 片や他人を気持ちよくさせ、喜ばせ、嬉しくなっている姿から快楽を得る逸般人。

 自己と他者、どこまでも平行線である主義を持つ二人がぶつかり合うのは必然だった。

 

「『三重の達し』!」

 

「んあぁ――ッッ!!そんなぁ、はげしいぃぃっ!!」

 

 マスターの撃撫を避ける事なく、悦ぶ快楽天。

 自分に気に入られようと悦ばせようとするこびへつらうような愛撫は星の数ほど受けたけれども、自身を排除する為の快楽は本当に珍しい。

 

(だからこそ……本当に惜しい)

 

 武術、法術、魔神柱の群れ、使える物全てを駆使してマスターを追い込んでいくキアラは思考する。

 

(こうしてヤり合っていればわかります……私が抱える快楽への渇望、その量と。貴方の内に宿る愛の量。その絶対量は変わらないと)

 

(私はその量をこの星全てに向けて使います…………なのに貴方は溢れんばかりのその愛をたかだか数十の女英霊(虫)共に使うだけで満足してしまっている……そこが本当に惜しい)

 

(羽化の途中とはいえ、この身は人類悪。人間、ましてや知性体では私に勝てる道理はありません)

 

 万色悠滞、獣の権能、ロゴスイーター、これらのスキルをふんだんに駆使していながら未だ自分になびく事のないマスターにキアラは心の底から感心していた。

 

(本当に、本当に、もったいない…………。貴方様が道を間違える事がなければ(踏み外してくれれば)、獣と化した私の片割れになる。そんな未来もあり得たかもしれませんのに…………)

 

「ガフッ……!」

 

「あぁっ……!そん、な!!」

 

 見守っていたメルトの悲痛な声。均衡状態に見えた二人の性戦も唐突に崩れた。

 今まで、あらゆる色撃を捌いていたマスターの腹部にキアラの抜き手が見事に刺さっていた。

 一度、触れてしまえば……もう逆転の目はない。この人外筆頭マスターも快楽天に蕩かされるだけの運命が待っている。キアラは目の前の男との別れに名残惜しさを感じていた。

 

「皮肉も、嘲りもなく、万感の思いを込めて言いましょう。人の身でありながら、よくぞここまで私を相手して持ち堪えました。お礼に愛すべき人の前で私の躰に溺れる悦びを味合わせてあげます」

 

「あぁっ!やだ、やだ……!やめて、やめて、お願い、マスター!!ますたぁぁっ!!」

 

 後方にいるアルターエゴの悲痛な声がキアラの性感帯を刺激する。愛すべき男が自分を見る事もなく、私の肉に夢中になった姿を見れば、どれだけ顔を歪めてくれるのか、それを想像しただけでもキアラは数度達してしまった。一目置いていた男とはいえ、やはりこれが自分の性質。気持ち良くなる為なら、あらゆる物を壊してしまう。

 

 

 

 

 

「……そうか――――」

 

「……?何でしょう。辞世の句を読む猶予ぐらいは与えますが」

 

 自身に貫かれている者の呟きがキアラの耳に入った。

 

(え…………?笑って……)

 

 

 

 

 

「――――――――私(・)が(・)そ(・)の(・)人(・)類(・)最(・)後(・)の(・)マ(・)ス(・)タ(・)ー(・)に(・)見(・)え(・)る(・)か(・)い(・)」

 

「は?」

 

 ―――瞬間、キアラの視界全てを覆う程の量の花びらが舞った。

 

「何です……!何がっ!?……一体何が起きた、というのですっ……!!」

 

 急変する事態に困惑するキアラ、花びらが舞い散ったその奥には先程、自らの手で貫いている男の姿は無かった。

 フワフワとこちらをおちょくるように杖を抱え、浮いている一人の女の姿しか無かった。

 

「良い夢は見れたかい?第三の獣、ラプチャーとやら……。ふふん、マイロードの愛をたっぷりと受け取り、心身ともに強化されかつ雌になってしまったこの私からすれば、獣未満の蛹を騙すなんて実に容易いのさ」

 

 白い癖のある長髪に誰かをリスペクトするようなアホ毛、魔術師らしい装飾が施された白い装束に身を包み、控えめな胸の膨らみを持つ女性。その名は――――。

 

「は――い、というわけで皆の頼りになるマーリンお姉さんの登場だ」

 

「……サーヴァントッ!馬鹿な、あり得ません!!カルデアからのサーヴァントは全て、弾き飛ばした筈……!」

 

「そうだね。では驚愕している君にはこの言葉を授けよう。『一体、いつからカルデアからサーヴァントが来ていないと錯覚していた……?』」

 

「……!最初から、私はずっと幻惑を見せられていた、そう言いたいのですか……!」

 

「君がもし、彼と二人のアルターエゴ君達のヤり取りを覗いていたのなら、『微笑ましく、いじらしい』なんて感想は間違っても出ないから、ね」

 

 杖をクルクルと回し、楽しそうにネタばらしをしていくロクデナシTSキャスターは楽しそうだった。

 マーリンの大規模な誤魔化しの魔術が解かされたが、場所は変わらず天体室である。

 さらにモニターから追い打ちの如く、二つの電影が映し出された。

 

『ちょぉ――っと待ちなさいっ!何自分だけの手柄みたく得意げに語っているんですか、この倒錯的変態キャスター!!貴女達二人を手引きしたのは誰の手腕だと思ってるんですか!!』

 

『全部、全部、アルテラさんのおかげじゃないか……!』

 

『はい!そこの自堕落セイバーは黙っていて下さい!』

 

「BB……成程、完全にこちら側についたとは微塵も思っていませんでしたが……こうもわかりやすくカルデア側に与するとは……」

 

『そこら辺は複雑な事情があるので割愛します!というよりも私達の事より貴女は自身の事をもっと見るべきだと思います。相変わらず、視野が狭いのは治らないんですね、エロ菩薩さん』

 

「…………!私の権能が、霊基が弱っている……!?」

 

 夢の中とはいえ、あの時マスターと戦っていた全能感が半分以上失われていた事にキアラは今更ながら気づく。

 

『私の演算能力、アルテラさんのハッキング力、マーリンさんの幻覚により、貴女がいい気分に浸っている間にセンパイが集めたサクラメントから作成したメルトちゃんデスwhip、化粧落とし、スーパー賢者カプセル、 抗エロス剤、賢者カプセルEX、人理倫理剣その他諸々たくさん注入させて頂きましたからね!ここからは健全、全年齢対象タイムとなります!!』

 

「くっ!幻覚に惑わされ、無抵抗の女に薬を打ち込むなんて…………!なんて素晴ら、卑劣極まりない事を!!恥を知りなさい!」

 

『今世紀最大のおまいうですね』

 

 BBが最初にカルデアに接触し、アルテラに番組を乗っ取られるという茶番……既にその時からアルテラ及びマーリンの二人は秘密裏にBBに近づき、この瞬間までの筋書きを思い描いていた。

 アルテラちゃん、マーリンちゃん、どちらも人をだまくらかし、おちょくるのにはうってつけの人材。

 

「まぁ、マイロードが君とマンツーマンで闘っても負ける事は無いだろうけど……そもそもの話、決着が付かないんだよね。というかまずその前に先にこの星が滅びる。あらゆる快楽を与える矛(マスター)とあらゆる快楽を受け止める盾(殺生院キアラ)がぶつかり合ったらどうなると思う?答えは『台無し』だよ」

 

『性交で星が滅びるとか、同情しかありません……』

 

 星を滅ぼしてでもキモチ良い事をしたい女とキモチ良い事は好きだけど星を滅ぼしてまではしたくない男ではヤり合い続け、直接的な決着がつかなくとも結果的にはキアラの一人勝ちになってしまうだろう。

 だからこそ、このビーストに引導を渡すのは別の者でなければならない。

 

 そこで、キアラは気付く。私が貫いたマスターが……悲痛な声を上げていたメルトリリスが……いない。あれが全て幻覚なら、本物の二人はどこにいるのだと。

 マスターは、メルトリリスは、パッションリップは一体どこに――――?

 

 

『合体技は良い文明』

 

 キアラの背後、遠く距離を取った場所に3人はいた。

 メルトとリップは見た目が変わり、白い純白のドレス姿へと再臨していた。一体どんな種火を注がれたのかはまぁ、想像の通りである。

 そして振り返ったキアラの瞳に映ったのは、開かれたリップの巨大な手に乗っているマスターとメルトの姿。

 

 さらにマスターはリップを真似するかのように、メルトを手に乗せ、抱きかかえていた。

 剥き出しの彼女の脚の刃が自身の手を貫いているのを気にする事なく。

 

「マスター……一つ良いかしら、貴方、本当にイカれているわっ!!」

 

「メルトの膜を破っておきながら、手の平に風穴を空くのを怖がってられるかって話!!」

 

「馬鹿!ばかっ!バカッ!おばかさんっ!!」

 

 恥ずかしさと申し訳無さで激昂しているメルトも今この瞬間ですら、その貫いているマスターの手から血と魔力をドレインしていた。

 決着は一瞬、時間を与えれば与える程にあの快楽天が有利になってしまう。

 

「リップ、全力でやっちゃっていいよ!」

 

「はいっ!マスターさんが私の手で潰れないって、壊れないって……マスターさん自身が証明してくれましたから!私を信じてくれる貴方の為に、何も恐れず、全力で行きます!!」

 

 リップの宝具『死が二人を別離とも(ブリュンヒルデ・ロマンシア)』。

 彼女の手を発射台として凄まじい勢いで発射されるメルトとマスター。

 

 光の速度を超えるその衝撃は本来なら霊基がボロボロになってもおかしくないのだが、マスターの白濁によって存分に霊基を強化されたメルトには何の支障も無かった。

 マスター自身は?彼は大丈夫です。問題ありません。マスターですから、他に言う事はありません。

 

「……標的確認、方位角固定……!見様見真似『どぅりんだな』!!」

 

 そして、その速度はさらに加速する。光速で投げ出される極限の状態からメルトに刺された腕を思いっきり振りかぶるマスター。

 アテナの槍そのものと化したメルトがマスターの強肩から放たれ、突き刺していたその手から飛び立つ。

 

 リップ、マスター、二人の二段カタパルトによって時間すらも置き去りに、速さの概念すらも超越した合体宝具。

 一人の男によって、女にされた二人の少女達の宝具。

 

『ノンヴァージンレイザー・パラディオン』

 

 愛と恋と快楽、全てを貪欲に手に入れたメルトの自慢の脚から繰り出される一撃がキアラへと着弾する。

 

「殺生院――――!!!」

 

「ぐううううううっっ!!!!?…………な、んですか、なんですかっ!?このふざけた威力は……!!私の霊基が……!肉体が……!溶けてっ……!!」

 

「そりゃあ、ついさっきまでマイロードとハッスルしていた少女の一撃だからね。彼の愛の素を燃料にフルスロットルだもん。最終決戦前のベッドシーンは負けフラグとか彼にしてみれば『そんな事知ったこっちゃねぇ!いいからセックスだ!』って所だろうし」

 

「……っ!コイツの次は貴方よ!!花の魔術師!」

 

「そんな!そんなああぁっ………!!私が見ていない所で、そんな羨ましい事をおおおおおおおおおおぉ……!!!」

 

 逃げる事も押し返す事も出来ない。抵抗すらも馬鹿馬鹿しいと一蹴されるぐらいに致命的な一撃を受けたキアラにはもはや、口を動かす事しか出来なかった。マスターとメイクラブを楽しんでいたメルトに恨み言のように吐き出す。

 

「どうして、何故、何でっ!私だけが、こんな目にぃ……!…………貴女達のマスターも、私と、そう大差無い存在でしょう……!?なのに、この違いはっ……!?」

 

「マスターと貴女が大差無い?ハッ……。どこまでも節穴な女ね、殺生院キアラ。独りだけで気持ち良くなりたい女と、皆で気持ち良くなりたいマスター、一体どこが同じだというのよ。彼は見てくれているわ私達を……一挙手一投足どこまでも。それに比べて貴女の目が向くのは結局の所、自分自身だけでしょ?」

 

 論ずるに値しないとキアラの慟哭を切り捨てるプリマドンナ。

 星そのものを使った自慰。そんな者で満足している女と自身のマスターを一緒くたにされるなんて片腹痛い。

 メルトにはキアラがありふれた女の幸せすら掴めないから、そんな虚しいオナニーに逃げている哀れな女にしか見えなかった。

 

「そんなものに付き合わされる奴も迷惑よ。乳臭い女……。一人きりの陶酔なんて、ベッド(墓場)の中で貪っていなさい」

 

「ぐぅっ!!…………がぁっ!あ、あ、あ、あぁぁぁぁァァァァァァァッッッ!!!!」

 

 もう意味のある言葉すら吐き出す事も出来ない。全身が砕かれる衝撃を感じて、キアラは叫び声を上げ続ける。

 メルトリリスという女神が化した勝利の槍は、そのままビーストⅢ/Rの核を打ち抜いた。

 

 こうして誰よりも淫乱で、本当の意味で男を知らない女は。誰よりも貞淑で、真の意味で男を知った女に敗れたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………はぁ―――あんなに凄まじい一撃を受けたのに、少しもキモチ良くありません、どう、してか……この身にあるのはどうしようもない敗北感と、痛みだけ……」

 

「まだ喋る元気があるとか、どんだけしぶといのよ貴方」

 

 肉体の7割は既に消え去り、後は完全な消滅を待つだけの愛欲の獣。

 横たわっている彼女は宝具の影響で消耗した体力を癒す為、マスターの膝の上で存分にイチャついているメルトに視線を向ける。

 

「君の敗因は。本気度が足りなかった……ただそれだけだよ。マスター君に対して、一目置いておきながら、それでも自分よりは下であるという慢心を拭いきれなかった。だから、野良の女性サーヴァントを全て排除しておきながら、二人のアルターエゴをお遊びで残すという迂闊さを見せて、この結果になったんだよ」

 

(まぁ、彼そのものに注視し過ぎて、彼の影響力を舐めていた所もあるけど、そこは言わなくてもいいかな)

 

「本気……。真面目では無かった。移り気だったのですね、私は……。カルデアのマスター様……もし、私が一介のサーヴァントとして、貴方の所に召喚されたら、貴方様は他の方達と同じように、私を愛して頂けるのですか…………?」

 

 消える前につい、そんな言葉が口に出る。

 ゼパルと同期し、今までの特異点におけるマスターの戦いを見たキアラは尋ねる。あそこまで守備範囲が広い彼なら私もと……。そこから与えられる快楽は今までと違う物なのかと……。

 

「え―――と、うん…………君はちょっとタイプじゃないから…‥ごめんなさい」

 

「――――――――――――――カハッ。…………あれだけ、年上から幼女まで、ましてや性別も良くわからない者を受け入れていた貴方が、タイプじゃない、タイプじゃない……タイプじゃない……………ぁぁ、これが失恋なの、ですか、ね……‥‥フフフフフフフフフフフフ」

 

 意味深な笑みを浮かべて、キアラは消滅した。

 止めはマスターの一言だったのは間違いない。

 

「どうせなら、ゼパる前の貴女に会ってみたかったよ」

 

「フラグ臭い事言うのは止めなさい。アイツが召喚されるとか冗談じゃないわよ」

 

『このセンパイとキアラさんがいるカルデアとかどんな暗黒魔境ですかね。想像したくもありません』

 

 最後の最後ので締まらなかったが、それでもこの特異点。電子の海と化したセラフィックスの危機を取り除く事は出来た。

 ゼパなんとかさんが余計な事をしたおかげで狂乱の渦にぶち込まれたこの特異点もいずれ修復される。

 人類を滅ぼし得る快楽天も、セラフィックスにいた人達を覆っていた絶望も消え去った。

 

『めでたしめでたしみたいな雰囲気の所、申し訳ありませんが。まだ終わりではありませんよ?私はムーンセルから派遣されたBBですから、当然もう一人リップとメルトのようにサルベージされた『私』がいます。私は超絶優等生で、献身的な後輩ですから貴方達を助けましたけど、そっちはきっと……』

 

『ん、こいつか?』

 

 モニター奥のアルテラちゃんがパンパンと手を叩くとある物体が、マスター達の前に放り出された。

 

「んんんんんんむぅぅっ!!んふぅぅっ!!んぐぅぅっ!!!」

 

 三色の縄で全身を縛られ、リップとそっくりの拘束具で目を隠され、ギャグボールを咥えらさせられているBB/GOの姿が。レオタードをずらした股間の部分には三色バイブが突き刺さっていた。ビクンビクンと震え続けている少女、ブブブブブブブブブと鳴り続ける機械音。どうしようもない空気がその場を包む。

 

『って何してくれてるんですかぁ!?』

 

『いや、人類を管理するとかなんとか勤勉な事を言うから全自宅警備員を代表する私としては野放しにしておけないと思ってな。マルスの力を惜しげもなく使ってしまったな……』

 

『格好、私そっくりなんですから!こっちにもダメージが来るんです!あぁ、もう見てられないんで、さっさとこの霊基を回収しますよ!』

 

『待て待て、しこたまアレな薬も注入したから今の状態でこいつを吸収するとお前も…………』

 

『あひぃぃいいんぅっ!!!』

 

 モニターからBBの姿が消え、艶っぽい声だけが聴こえた。

 

「よしっ!帰ろっか!!」

 

「本当に締まらないわね!私のシリアスな活躍返しなさいよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




マーリン「いやぁ、なんかごめんね。大活躍で?君達は皆、弾き飛ばされてお留守番だったのにさ。まぁ、最高峰のキャスターだし?グランドクラスの力もあるし?サーヴァントとしてこれぐらいはマイロードの為にして当然みたいな?」

アルトリア顔‘s『イラッ……』

セイバー・リリィ「ごめんさい、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…………マスターの危機に何も出来なかった無能な剣で、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…………」

謎のヒロインX「おいぃ!リリィがカムラっているのですが!?どうしてくれるんですか!」

ヒロインXオルタ「取り敢えず、マスターさんを呼びましょう」









鏡花水月マーリン大勝利ドヤ顔ダブルピース。私が天に立つ……!


最初の『BBチャンネル』が『あるてらちゃんねる』に乗っ取られた時にマーリン・アルテラ・BB結託。あまり大勢で来ると隠蔽が難しくなるので最少かつ最大のこの二人がカルデアからやって来た(この段階でマスターは何も知らない)
↓
後は本編の通り。
キアラにはリップとメルトの二人がマスターとR18な行為をしている部分を隠し、最後のキアラとマスターの一対一は幻覚。他は大体現実と一緒。最低最悪のマンツーマンに関しては今までマスターを千里眼で覗いていたマーリンによる幻覚なので再現率は最後の決着の仕方を除けば、9割9分。限りなく本物のマスターが取る行為に近い。

本編でもマーリンちゃんが語っていた通り、マスターとキアラがぶつかってもマスターが蕩かされる事はないが、先に地球が音を上げて滅びるので、どちらにせよその時点で人理を守る使命を持つマスターの負けとなってしまう。星が滅びる大性交とか、頭おかしいよ。劇物と劇物を混ぜてはいけない。



マスターがマーリンとアルテラの二人が来ていた事を知ったのはメルトを抱いた後。
夢の中で今回の作戦を知らされる。(自分達の情事を覗かれた事を知ったメルトはこの戦いの後でBB、マーリン、アルテラの3人を抹消する事を決意)
↓
その後、リップも抱く。
↓
後はモニター役兼ナビゲーターでもあった超級の演算能力を持つBBとアルテラの二人が作成したアイテムを夢心地なキアラにサーーッ(迫真)と使う。弱体化されたキアラにこれ以上無いタイミングで『ノンヴァージンレイザー・パラディオン』を放つ。
↓
事件解決後、マスターの精液を心・体・霊基に刻み込まれ、存在が固定化されたリップとメルトは特殊的な事件だったとしても、彼を忘れる事なくSE.RA.PHで出会った二人のままカルデアにて召喚される。このマスターが一度でも抱いた女をさよなら、ぽいするわけないじゃないですか。









次回、後日談兼BB、リップ回でCCCイベ編は完結とさせていただきます。
メルトのエロ回が長くなったから、こんな文字数に……(歓喜の悲鳴)




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