哪吒(武迂目乱 頭に 刺突)
ブーディカ(突っ込み待ちなのかな?)
グダお(だが、そこが愛おしい)
0話にてアタランテ・オルタ更新。(当作品では別キャラとして扱います)
純愛ラブロマンスラーマきゅん……じゃなくラータ回の続き、いっくよー。
《女子力アップの為の第一歩。おしゃれ&デート》
「どどどどどどうだ、まままままますたぁ?余にはどっちの方が似合うと思う?この白いワンピースか?それともこここここのスケスケのネグリジェか?」
赤のパーカーに紺のミニスカートと少年っぽさと少女っぽさが混ざり合ったキューティクルな服を着て、もうデート開始から赤面がデフォになったのでは?と思う程の真っ赤な笑顔でマスターと買い物デートを楽しんでいた。おぉ、緊張と羞恥心で服が揺れる揺れる。
特異点修復後に観測される歪み……微小の歪み。所謂、特異点もどき。幕間の物語だったり、イベントで便利に使われる事もあるその場所に二人はレイシフトした。座標は2000年代の新宿。アパレルショップで注目を浴びながら二人は買い物をしていた。そこにはシミュレーションと違って生きた人達がいる。『ラータ』という存在を世界に刻み込む為に二人はバカップルっぷりを絶賛披露中だった。
「う――ん。ラータには夏っぽい雰囲気が似合うからその白いワンピースの方がいいと思う。爽やかさもあるし。後はこの麦わら帽子もあると完璧かな。こう田舎に帰省して久々に再会した幼い頃は男だと思って接していたのに今はとても女の子らしくなってしまった幼なじみみたいな感じがして、ドストライクです」
「やけに長く具体的だな!?まぁ、君が良いならばこれをもらうとしよう……。む、これは少々値が張るな。余の手持ちだと……」
「何言ってんの。俺が全額出すんだから財布を確認する必要はないでしょ?」
「馬鹿を言うな!そこまでの施しをマスターから受けるわけにもいかないだろう!?」
「いいんだよ。君がより『ラータ』に近づく為にはこれも必要な事なんだからさ。それにこれは俺がしたくてしてるエゴでもあるからさ。この服を着てラータが俺に笑顔を見せてくれればそれだけで最高の報酬だよ」
「むぅ……わかった。なら心憂う事なくその貢物を頂くとしよう……。けど!ちゃんとお返しはするからなっ!」
「仰せのままにお姫様」
有無を言わさず服を会計へと持っていくマスターにぷぅっと若干頬を膨らませながらも彼の言葉に嬉しさを隠せないラータちゃん。そんな二人のストロベリーなやり取りも多くの一般人達の目に入っていた。
「おぉう、止めてくれ、その光景は独身の俺の心に刺さる」「あらあら、いいわねぇ~~。若いってのは」「妬ましさが一周回って悟りを開いた」「彼氏の方のイケメン度がヤバい」「彼女の方、激マブ過ぎんだろ」「ふふ、下品ですが、勃」「ワイトもそう思います」
これでいい。世界に『ラータ』という存在を認知させる為にはより多くの衆目に
当の本人達はそんな事も忘れているかのようにデートを心から楽しんでいるようだが。
頭を撫でられ、されるがままになるラータきゅんの乙女指数は急上昇していっている。
その後もファミレスに入り、よりラータの女子力を向上させる為に二人のイチャつきは加速する。
「大変お待たせいたしました。こちら『ツインアイス・ビッグクランチパフェ』になります」
「ささささささぁ……マスター、ああああああああ――んだぞ」
「うん。美味しい。はいじゃこっちもあ――ん」
「あ、あぁ――ん。んむんむ、甘いな……本当に。あっ、こらマスター、頬にクリームがついているぞ、全く仕方ないな」
延々とパフェを食べさせ合いっこをするカップル(♂×♂)。
結局、完食するまで二人は自分自身で食べ物を口に運ぶ事は無かった。
そしてデートから自室に帰ったラータは女の子らしくマスターが用意してくれたピンク色の日記帳に今日のデートの事を書き記す。
○月×日
今日は新宿という極東の地にて、マスターとデートした。白いワンピースを選んでもらった後にまさかランジェリーショップに連れてかれるとは思わなかったが……マスターは鋼の心臓なのか!?
けど、その後、フェミレスとやらでマスターとパフェを食べさせ合いっこをしたのはむず痒くとも良い思い出となった。マスターったら何度余が上手く食べさせようとしても絶対に頬にクリームをつけるのだぞ?全く子供のように手のかかる人だと思いながら余は何度も口元を拭き取ってあげたのだが……。あぁ、うむ、あの時間は嫌いじゃなかった。お互いに上手く食べさせる事が出来なくて、何度やっても口の周りにクリームをつけて、それを笑いながら二人で拭き取りあって……本当に甘い時間だった。
・・・・・・・・・・・・
「ふふ、今日はもう寝るか。……その前に」
日記を閉じ、寝床につく前にカレンダーにマスターとの次のデートの日にしっかりとハートマークをつけておく。間違いが無いように何度も確認した後にラータはベッドに入り、瞼を下す。次のデートの日を楽しみにする少女のように。
「って女の子役に何だか馴染み過ぎじゃないか、余……。いや、良いのだ。これで良い……これもシータと出会う為なら…………むにゃ」
「すぅ…………次のデートはどんな服を着てくればマスターは喜んでくれるか……今日選んでくれたワンピースか?いやだが、いきなり披露するのも勿体無い気がする……彼が選んでくれたものならもっと特別な時に披露したい……」とブツブツ呟きながら、ラータは眠りに落ちていく。少しずつ、自分が雌に墜ちていっているとも気付かずに……。
こうして、デートを続けた数日後。
「今日は何だか距離が近いね」
「世界を、余自身を騙すというのならこれぐらい当然だろう?デートする男女というのは常にこの動きづらく突然の危機にも対処しづらい体勢で逢瀬に励むと書物で学んだからな」
前回のデートでマスターが選んでくれた白いワンピースに麦わら帽子を被り、清楚な少女の雰囲気を持つラータはマスターの右腕を抱き、公園を歩いていた。
彼氏に甘える恋人のような格好をしているラータは随分と歩きづらそうにしているがそれでもこれはシータと出会う為には必要な事だと自身に言い聞かせて、離れる事はしなかった。
(それにこれも存外に悪くない。マスターの温もりをより多くの肌で感じる事が出来るのはな……)
ラータは自身の胸板と腕に包まれているマスターの腕の感触を認識する。世界を救い、戦い、そして自分自身をいつも引っ張り続けている只一つの手を。
「さぁ、今日はどこに行くマスター?余は君とならどこへだって付いて行くぞ」
「いや、今日はどこも行かない。こうやって二人で並んで散歩をするだけだよ」
「?それだけでいいのか?」
「あぁ、こうやって平穏な時間を気ままに好きな人とゆったりと過ごせるのってとても素敵な事だと思うんだ」
「す、好きか……」
ギュッと先程よりも強くマスターの腕を抱き締めたラータの心には複雑な想いが襲来した。その好きはあくまで『ラーマ』の時としての自分に対する友愛の感情か。それとも――。
(フッ、何を余は馬鹿な事を考えているのか……)
マスターが自分に恋や愛など異性に向けるような感情を自分に持つわけが無いと半ば自嘲する。そもそもこの一連の全てもシータと出会う為の布石、余をラーマではないと世界に錯覚させる為の策でしかない。だからマスターが余に今、『ラータ』に向けてくれている笑顔も温もりも触れ合いも……。全て――。
(それでいい。これはシータと会う為の寸劇に過ぎぬ。だから今の余が感じているこの熱も感情も、特に意味は無い)
元々、その目的で始まった関係だった。マスターは本気で余とシータが出会えるように今の余を『女』として扱ってくれている。マスターは本気だろう。けどそれは余の願いを叶えようとしているからであって。余そのものに対してはきっと何も――。
彼女の中にあるのはラータになってからのマスターとの思い出、そのどれもが新鮮で疑いようがない程にマスターは自身を女性としてエスコートしてくれていた。それはシータと会いたいというラーマの願いを叶える為に手を抜かなかっただけで……けどそれは正しい事で、自分も不満なんて無くて……。
(それでいいと思っている筈なのに……なんで、なんで……こんなに頭の中がグチャグチャになってるんだ!?)
「ラータ、大丈夫?」
「ふぇ?」
顔をマスターに覗き込まれて、ラータはやっと自分が涙を流している事に気付いた。
「落ち着いた?」
「あぁ、すまぬ。みっともない所を見せたマスター」
突如として涙が止まらず、情緒不安定になってしまった余を人がいない場所で落ち着かせる為にお誂え向きの場所を探したマスター。
公園から少し離れたホテル街の一角。お城のような若干派手なホテルの中に入り、ベッドに座り、マスターのハンカチを借り、目元を拭っていた余はようやく心を鎮める事が出来た。
奇しくもシータの召喚に失敗した時とは逆の立場、余が慰められる側だった。
好きな部屋のパネルをタッチすると機械から鍵が出てくる無人のホテル。現代の宿にはこんなものもあるのだな……と余はマスターに手を引かれていた時もそんな他愛のない事を考えながらこの部屋まで辿り着いた。
「…………何も聞かぬのか?」
「君から話さないなら俺は何も聞かないよ。聞かれたくないなら聞かないし。話したくなったら全力で聞き役に徹するさ」
「フッ、マスターは優しくて、残酷だ……」
「今頃気付いたの?」
でも今はその残酷な優しさに心を救われている。こうやって心配されて、マスターの注目をこの身に一心に浴びていると思うと先程の荒れていた感情が癒されていくのを感じる。我ながら現金な奴だと思うが。
「少し、手洗いに行ってくる」
涙で崩れた薄化粧を直す為、今の自分の顔を確認する為、余はバスルームへと向かった。
スキンケア・ファンデーション・リップクリーム、デオンやアストルフォに教えてもらった濃過ぎないナチュラルメイクとやらの状態を鏡の前で確認している。
「まるで女子だな……」
目尻を赤くして、鏡の前でにらめっこしている自分を誰がヴィシュヌの加護を受けた戦士だと思うか。
マスター(男)の反応に一喜一憂し、彼の心内が知りたくて知りたくて、感情を昂らせる。なる程、当初の予定通り、余は順調に『ラータ』になっているのかもしれない。
「だが体つきも少し……細くなったか……?」
そういえばと、『ラータ』としてマスターとデートを続けていたいつの日か、今まで『ラーマ』の時に着ていた服のサイズが若干大きく感じる時があった。
「余は……こんな体をしていたのか……?」
バスルームの外にいるマスターを意識して鍵をかける。
鏡の前で全身を写している余の躰は『ラーマ』の頃よりも肩幅が狭くなり、間違いなく線が細くなっていた。
ワンピースを脱ぎ、下着姿になる。
戦士の象徴たる腹筋も無くなり、ウェストに少しのくびれが出来上がっていた。筋肉質だった太腿も蹴りを入れられてしまえば折れてしまいそうになるぐらいに細く滑らかに。お尻も女らしく柔らかみのあるふっくら丸みを帯びていた(胸はまるで膨らんでいなかったが)。
「今の余の体はこうなっているのか……」
マスターとずぅっと女として『ラータ』として関わっていた影響か。確実に余の躰は女へと変化していた。か弱く、か細く、小さく、男に守られる華奢な体つきに。
決定的なナニかを確かめるように余はマスターに選んでもらった女性用の下着を降ろした。
「あ……。は、ハハ、随分と可愛らしくなったものだ……」
それでもまだ自分の体は医学上は男だったようだ。股間にぶら下がっている性器がそれを証明していた。
だが、小さくなった。『ラーマ』だった頃よりも格段に。まだ精通していない少年。あるいは大きめに肥大化した陰核とも表現出来そうだった。男だった頃はプライドが無くなりそうになるぐらいのサイズに変貌を遂げていた。
そこでやっと今、自分がどんな格好をしているのか気付く。
白いスポーツブラを付けて、パンツをずり下ろし、いやらしい様で鏡に映った体を確認する女々しい人間の姿。
外に出れば、マスターがいるというのに、こんな卑猥な格好で……。
「あっ……」
マスターが外にいると意識した途端、下腹部が急に熱くなるのを感じた。それに合わせて、小さな性器がビクンと動く。
「余は……誰だ……?お前は誰だ?」
鏡に映っている人間に問い掛ける。
先程、公園でどうして自分が泣いていたのかその理由を探すように。
「余は『ラータ』だ。『ラーマ』ではない。『ラータ』だ」
暗示をかけるように鏡に映った自分と額を合わせて何度も呟く。
「余は………………………………女だ」
その言葉が驚くほど、ストンと胸の中に落ちていった。
ホテルで、密室でマスターと二人っきりという意識が余にいや応なく本来は無い筈の雌の器官を疼かせてくれた。『女』になるとはこういう事なのか…………。この感覚は癖に、なってしまうな……。
女子会でのアストルフォの叫びを思い返す。
――オシャレ!恋!セックス!
慣れない雑誌を何度も読み、オシャレも化粧もした。そして今の余はきっとマスターに恋をしている。『ラータ』はどうしようもない程にマスターに恋い焦がれている。
ならば最後にする事は決まっていた。
シータと巡り会う為に、余を『ラーマ』ではない完全な『ラータ』にする為の最後の仕上げをここで行う。
『ラータ』となり、呪いを完全に消す為にマスターに抱かれる。
「いやこう言うべきだな……余は……『ラータ』はマスターに抱かれたい」
脱いだワンピースを着直し、バスルームから出た余は淀みない動作でマスターを押し倒した。
抵抗する事も出来ただろうに特に慌てる事なく、ただキョトンと余の方を見つめるマスターの顔が愛おしくて堪らない。
「逢瀬をしていた男女が宿屋で二人っきり。それの意味する事がわからない程、余は子供ではないぞ」
ベッドに倒れているマスターに馬乗りになって、ワンピースの裾を持ち上げる。爽やかさとは程遠い、純真なイメージの白いワンピースを汚すように男を誘う様。
その下にあるマスターに選んでもらった白いレースのパンツを見せ付ける。
服も下着もマスターに見繕ってもらったもの。そしてマスターに恋をする事で男とはかけ離れてしまった体つき。あぁ、そうか……服も体も心も、何から何まで全て――余は初めから彼の色に染め上げられてしまったのだな。
「一つ聞きたい。マスターは余が…………『ラータ』の事が好きか?」
自分でもわかり切っていて、ずるい質問をしている自覚はある。逃げとでも言うべきか。シータと出会う為に余を『ラータ』にする為に今まで全力を尽くしてきてくれたマスターの答えは決まり切っているであろうに。
「好きだよ」
当然、その答えを言うしかないだろうな。
予想済みの答え。だからこそ、その次の言葉を不意打ち気味に無防備な状態で受けてしまった。
「目の前にいる『ラータ』も。
「あ――――」
心臓を突かれた気がした。『ラータ』の部分だけではない。さっき隠した、完全に殺した切ったと思っていた『ラーマ』の部分も。
ずるい……本当にずるいぞマスター、その言い方は。確かに今、この関係において余を『ラーマ』と示唆する言葉を出す事は出来ないが……。
それでも救われた。公園で流した涙は簡単に掬われてしまった。
今の言葉だけでも余の胸に刺さっていた棘は外されてしまった。
この女になれ切れていない出来損ないの中途半端な体でもマスターに愛してもらえる事が出来る確信を得てしまった。
ポスンとマスターの体に倒れ込む。彼の匂いと男らしい体つきを直に感じ、心臓の鼓動が加速する。
「言葉だけでは信じられないぞ…………」
ベッドの上で重なる二人。マスターの耳元で余は囁く。
「だから抱いて――」
口から出た言葉はかつての自分では絶対に出せないぐらいに女性的な声色だった。
「んぅ、ふぅ……」
先程とは体勢も逆転していた。
それなりに大きいベッドを軋ませて、余はマスターに押し倒されている。
前までの体ならまだしも華奢な体つきになった余の体を意識してくれているのか、全身に体重をかけるような事はしなかった。
四つん這いになったマスターの手足に囲まれている余はプニプニと唇を指で弄ばれていた。
「柔らかくて、張りがある。そして、柑橘類の匂いもする……。なんかいいクリームでも使ってるの?」
「あぁ、フランスの騎士から少々教えを乞うてな……んっ、んむっ、マスター……くすぐったいぞぉ……」
吐息がかかるぐらいの距離で彼の指と触れ合う時間も悪くは無かったが、どうせならここまで近づいているのだから焦らさないでさっさとキスをして欲しい。
余の心情を察してくれたのか、さっと優しく親指で唇を撫で上げたのを最後にマスターの顔がさらに距離を詰めてくる。
――ここが最終ライン、境界線だ。
余の中の小さな理性が語りかける。
――ここを超えてしまったらもう後戻りは出来ないぞ。
そんな脳内に響く警告のような物を一笑に付す。何を今更と。
マスターとなら地獄だろうとも付き合うと決めたのだ。それに後戻りする必要も無い。
これは『ラータ』という少女が好きな人と結ばれる只のありふれた恋の物語なのだから。
「んっ、ふぅ……」
唇を触れる瞬間、目を閉じる。それは恥ずかしさではなくよりマスターの感触を繊細に感じさせる為。
唇同士をただ接するだけの小鳥のようなキス。それだけでも余の――『ラータ』の心には今まで感じた事のない幸福感が支配していた。
「んむぅ、んちゅ、ちゅ……」
唾を鳴らし、ほんの少し彼の唾液をスパイスにキスの味を楽しむ。うっすらと目を開けると視界一面に映る彼の顔に頬が燃える程熱くなる。
「ちゅぅ……んちゅ、はぁ、はぁっ……はぁっ――……!」
キスの最中、呼吸が荒くなっていく。餌を前にした卑しい犬のように。こうやって女になって抱かれていく事で未知の体験が余を襲っていくのを感じた。
目の前の人に無茶苦茶にして欲しい。獣の如く、蹂躙して欲しい。
とても、優しくして欲しい。腫物のように、恋人のように繊細に扱って欲しい。
相反する二つの感情が支配する。あぁ、ただきっと今の余ならマスターに何をされても受け入れてしまうのは確かな事なのだろう。
「ちゅ、ちゅ……はぁぁ……ますたぁ……」
情欲に滲み、潤んだ瞳。だらしなく開いた口はマスターとの更なる激しい交わりを求めていた。
「欲しがりさんだね。ラータは。そんなに色っぽい様で俺を誘惑するなんて悪い子だ……」
色っぽい……色っぽい……。そうか今の余はマスターにそう見られているのか……。
『ラーマ』の時だったら侮辱にしか思えない言葉も、今の状態でマスターに告げられているなら心から喜ぶ事が出来る。マスターは余の痴態で興奮してくれているのだと。
「んむぅっ……!!んじゅぅ、じゅるぅ……んぱぁっ」
大きく開いた二つの口が貪り合うように交ざり合う。舌を絡め、唇で挟み込まれ、吸い付かれる。キス一つでこんなに淫らな動きが出来るのかと感心する暇がないぐらいに深い快感を与えられる。
必死でマスターの舌技に応えようとおぼつかない様子で動く余の舌はまるで初夜に挑む処女のようで。マスターはそんな余をエスコートするように……舌を絡め返してくれる。
美味しい。美味しい。マスターの舌が。マスターの唾液が。鼻腔をくすぐる匂い。その全てが。
僅かに残っていた余の男の部分を女に作り変える情熱的なキス。
「んじゅる、むぅ、んんぅ……んちゅ、ちゅむぅ……れろぉぁ……ますたぁ、ますたぁ、ますたぁ……」
「ちゅ、ちゅぅぅむぅ、ラータ……」
彼に付けられたその名前を呼ばれる度にまるでありもしない子宮が熱くなるようだった。いや、今の余は女だし、別に子宮があってもおかしくないだろう……?
「んぱぁっ……。あぁ、ますたぁ、駄目だ。もう体が熱くて、痒くて、疼いて……もうキスだけじゃ……」
ディープキスを一度中断し、お互いを結ぶ銀色のアーチが途切れるのを見送り、体をもじもじと体を左右に揺らし、マスターをさらなる交わりへと誘う。全く自分でも驚くほどに女としての仕草に馴染んでいるものだ。いや、こういうのは冷静になってはいけないのだ。細かい事は考えずに突っ走る!例え、後で自己嫌悪や恥ずかしさで悶絶しようとも!恋する乙女は走り続けなければならないのだ!
「えっろいなぁ、ラータは」と微笑むマスターは余の上半身を起き上がらせて背中に手を伸ばし、ワンピースのファスナーを降ろしていく。
ゆっくりと静かに、肩からそのワンピースをずり降ろされていくだけ、余の心臓ははち切れそうだった。
こうやってシータの服を脱がした事はある。只、女の側になって脱がされるのは未知の経験だった。
「あっ、はぁ……あぅ、んぁ……はぁ……」
スカートも含めて、衣類を剥かれていく間も露わになっていく肌の上をマスターの手が滑っていく。太腿、臍、鎖骨と敏感な部分をくすぐられる度に甘い女の声が抑えきれない。
作り変えられていく。今もこうしてマスターに余は作り変えられているのだ。
「……はぁ、はぁ、はぁ……どうだ、マスター……?余の下着は、何か変な所はないか……?」
押し倒した時は見せる事が出来なかったスポーツブラも含めて、上下の下着全てを見られている。
自分で言うのも何だが女らしくなった今の肉体なら女性物の下着もそこまでおかしく見えないだろう……と信じたい。せっかく彼がこの間、選んでくれた下着なのだ。どうせなら良く映って欲しい。
「綺麗だ。健康的で、とてもラータに似合ってる。着てくれて、超うれしい」
「あう……」
彼の心からの賞賛にまた雌の部分が疼く。駄目だ。言葉だけでは我慢出来ない。もっと触って欲しい。もっと舐めて欲しい。もっと愛して欲しい。
そっとたくし上げられる白いスポーツブラ。膨らみがほとんど無い胸の中心部には女と化していく自分を象徴するように卑しくも興奮していた桜色の突起があった。
ブラは完全に脱がされていない。慈愛に満ちた表情でマスターは余のそこを指で突いた。
「んひゃぅ……!」
ビクリと電流が走ったかのような反応を見せる余の反応に満足気に更なる愛撫を続ける。
「乳首だけで、こんなに感じちゃって。いつからラータはここまでエッチになっちゃったのかな――」
「んぅ、あっんんぅっ……。それ、は……っ!マスターの手がうまいからぁ……あひんぅっ……!」
楽し気に、愛おし気にマスターの指は余の乳輪を周回し、時折乳首を軽く引っ掻いていく。焦らされていく愛撫の中で不意に訪れる鋭い刺激。今の余はマスターの腕の中、乳首を苛められ、か弱く喘ぎ続ける只の小娘になっていた。
「白のブラの下にこんな美味しそうなさくらんぼを隠してさぁ……」
「んあああぁっ……!!」
ちゅぅっと唇に吸い付かれた瞬間、雷に打たれたように頭が真っ白になる。
その後、自分が達してしまった事に気付き、羞恥心に支配されそうになるがマスターの責めは余にそんな時間を与える事は無いと言うように依然として続いていた。
乳首を摘ままれながら、もう一方を舌先で転がされる。指による反永続的な快感と生温かくリアルな感触が堪らなく余の脳髄を犯していく。
感じる度に、喘ぐ度に、悶える度に、自分がより『ラータ』に『女』になっていくのを自覚していく。
「はぁっ、駄目ぇ……だぁ……。んぅぁっ、あんぅ、ちくび、きもちよすぎてぇ……」
「何が駄目なの?ここがこんなになってる事?」
一度、余の乳頭の熱烈なキスを中断したマスターはパンツに隠されていた余の股間部を撫でていた。
もうその感触で彼も察しているだろう。余の中にある『ラーマ』の時の名残、男としてあった時の証が。
信頼はしている。マスターに体の全てを預けるとも誓った。それでも暴かれる自身の性器を見て気味悪がられないか。引かれてしまわないか。一抹の不安があった。
「大丈夫、
ただ、そんな不安もすぐに吹き飛ぶ事になるのだが。
「あんぅっぅ!!」
パンツを引っ張り、引きずり出される縮小化した余の性器。それでもバスルームで見た時よりは興奮で肥大化していた。マスターに散々性的に弄られたのだ。反応しないわけが無い。
彼の手に握られてすっぽり隠れてしまう大きさ。陰茎をマスターの温もりで包まれた瞬間、極上の心地良さが余を蕩かしていった。
「はひぃっ、んひゃぁっ……。あぁ、あぁっ!まって、まってぇ……!そんな手ぇしこしこ、動かしちゃ、らめぇぇっ!おかしくなっちゃう、本当に余ぉ……戻れなくなっちゃうからぁ……!完全に女になっちゃうからぁ…………!」
「ラータは女でしょう?何も不安に思う事はないからさ。ほら、雌になっちゃいな……んちゅぅ……」
乳首の責めは継続したまま、シュッシュッと余が気持ち良くなれる力加減を熟知しているかのようにマスターの右手は性器を扱き続ける。
左手は指先で右乳首をくすぐり続け、口は左乳首を吸い続ける。そしてニギニギと余の陰茎の感触を確かめながら、雌の悦びを教え続ける手淫。性感帯の3点責めにもう余の理性は焼き切れていた。
「ひぃぁっ!あっ、あっ、んぅぁっ……!!ちくびもぉ……おちんちんもぉぉ……へぇぁ……あっ、あっ、んぁっぁっ……!」
無理無理無理無理無理無理、むりぃ……むりだぁっ……!こんなの耐えられるわけがない。
マスターに女として抱かれるのがこんなに気持ち良いなんて知らなかった。他の女性達が溺れるワケだ。惹かれるわけだ。愛撫の全てにマスターが自身を雌として想い焦がれているであろう強い感情を感じる。
ベッドのシーツを握りしめ、もはや焦点さえ合ってないであろう瞳で全身の筋を張り、ガクガクと震え続ける自分の顔はきっとはしたない雌の顔をしているに違いない。
今の余にそれを確かめる術は無いが……。
「あぁっ……!ますたぁ、ますたぁ……もう出るぅ、でちゃぅ……!」
何が出るのかは言うまでも無い。マスターの手に包まれている余の性器はもう暴発寸前だった。かつての男だった部分も新しく女と化した部分も全て差別なく平等に愛撫される悦楽は余を射精へと導いていく。
「ちゅぱぁっ……いいよ。出して。何一つ隠す事なく俺の前で女の子として射精しちゃいなよ」
「あぁ、あぁ……でる、でるぅ……ごめん、ごめんぅ……ますたぁ、はぁぁっ!あぁんぅぅ!!でちゃぅ……あ、あ、でる、でる、はぁ――…………!」
何に対して謝っているのか自分でもわからなくなった余にも遂に限界が訪れた。
先程よりもさらに大きい絶頂。雌イキした瞬間に股間を熱く溜まった物全てを吐き出したような解放感が包んだ。
「ああああああああああぁっ……!!ひぃあぁっ……!とまらなぁぁっ……あっ、あっんぁぁっ……!」
ビュルルルッと、潮吹きのように吐き出された余の白濁液がマスターの手と自身の腹部を汚していくのがわかった。女の絶頂は男の絶頂よりも何倍も気持ちが良いと花の魔術師は語っていたが、今それを身をもって理解した。
この快楽はヤバい。余が男しての絶頂を知っている故か、それともマスターが特別上手いのか、ズブズブと沼に嵌ってしまうような中毒性が今の快楽にはあった。
エクスタシーでチカチカしていた瞳に映った手にかかった余の愛液を舐めとるマスターの淫靡な様に、次なる交わりへの渇望が止まらなかった。
「綺麗だなぁ。ラータの体は色っぽくて、エロい」
「もうわかったから……あんまり褒めないでくれ……。今でさえ恥ずかしさでどうにかなってしまいそうになっているのだから……」
下着も完全に脱がされ、束ねていた髪も解かれた。ありのまま、隠す物が何一つない生まれたまま――という言い方は少し語弊があるか……。生まれ変わったままの無防備な姿をマスターの前に披露していた。
「んふぅっぁっ……!ぉぁっ……。あんまり、そこの穴をいじるのはぁぁぁぁ……!」
「だぁーめ。これからここに挿れるんだから、入念に準備は必要でしょ?」
ベッドに寝そべった状態でだらしなくマスターに開かされた足。これから彼と交わる不浄の穴。
皺を伸ばすように丹念にねちっこく弄る彼の手淫にもう参っていた。それでいて、延々と余を褒め続けるのだから勘弁して欲しい。いや、嬉しいぞ?嬉しいのだがな!
そして、ようやく前戯は終わったのかおもむろに服を脱ぐマスター。見せ付けられていく彼の肉体に『ラータ』としての雌が歓喜を上げていく。その声は彼の怒張を見た瞬間に最高潮へと達する。
余の先程の雌の男根とは比べ物にならないぐらいの剛直。表面に浮かぶ血管がその興奮の度合いを余に教えてくれるようだった。そして何よりも――。
「うれしい…………」
自身の躰で、反応で、マスターがここまで興奮してくれた事が嬉しくてニヤつきが止まらない。みっともない顔を見せないように二の腕で口元を隠すがもう彼には気付かれているかもしれない。それでも頬を緩めるのを止める事は出来なかった。
これが、好きな男を性的に悦ばす事が出来た女の喜びという奴なのか……?
だが終わりではない。こんな所で終わりではない。マスターにはもっと余の躰で気持ち良くなって欲しい。その欲望を余す事なく余の中へと吐き出して欲しい。余をもっともっと雌にして欲しい。だから――。
「――――きて」
菊門を指で出来るだけ広げ、切なげにたった二文字の言葉でマスターを誘った。
「あぁ……いくよ。『
「ん゛ん゛ぅぅぅぁぁぁあっ!!」
ズブリ、ズブリと引き裂かれていくような、そして体の奥底に残った僅かな男の部分も殺されていくような感触。マスターの肉棒をアナルという本来は性交の為に使用する穴でない箇所を使って受け入れ、彼に純潔を捧げる。
痛みはある……けど、それを上回る嬉しさとその痛みさえも快楽に書き換えてしまう程の衝撃。
熱く硬い生きた剣が余の雌の道を貫いていく。ナカで動き、進むたびに口の端から涎が垂れ、情けない声が止められない。
「んぉぁあっ……!!んひぃぃっ!!おぉぁっ!!あぉぉっ……!!んほぉぁっ……!!」
こんな声が自分の口から出るのかと……半ば驚きながらも彼のペニスを一心不乱に飲み込む。
挿入され、余が完全に雌に近づいていくのを自覚しながらも思い出すのは『ラーマ』の時にいつも隣にいたシータ。
なるほど、これが抱かれる悦びという奴なのか。シータがあんなにキモチ良さそうに喘いでいてくれた気持ちがようやくわかった気がする。自身の大事な躰を全て曝け出し、雌になって愛しい雄に犯されるのはここまでの快楽があるのかと。
「んっ、ふぅ……キツくて最高だよ。ラータ、ここからもっと動いていくから気絶しないように頑張ってね」
そして始まる。
マスターとの本格的な性交が。
余の身も心も……1ミリも余す事なく全てを雌にする蹂躙劇が。
「ん゛ひぃぃぃっっ……!!」
熱く厚いカリ首が余の腸壁を何度も報復していくのを感じた瞬間に走る雷のような衝撃。
まるで全神経に電極を刺されたように躰を痙攣させ続けた。
「あぅぅんんぅ!!あ゛あ゛あ゛ぁぁぁっ…………!!これぇぇっ……!!すごすぎるぅ……!余のおしりのなかでぇ……なんどもぉぉぉっ……ほぁぁっ!!」
パンパンと臀部を叩きつける音がお前は雌だと教え込んでいるようで、結合部から聞こえる生々しい交わりの音も、マスターの息遣いも、余自身の嬌声も、耳に入る音全てに凌辱されている。
マスターの腰が前後し、肉棒を叩き込まれる度に余の中の霊基がどんどん作り変えられていくような錯覚に陥る。
あぁ、余は女だ。娘だ。雌だ。
好き、好き、好き、マスターのおちんちんが好き。大好き、アソコの穴にズボズボされるのがすきぃ。
脳内も桃色一色となり、淫靡なる宴に沈み込んでいく。
「んぉぁっ……!あっ、あっ、あっ、
自分でも何故、彼女の名前を出したのかわからない。『ラータ』として成る為なら今は彼女の事は口にするべきではないのに。けど、マスターに男根を突っ込まれながら愛すべき妻の名前を口にすると快楽がさらに増幅して――――。
まるでマスターとシータの二人に犯されているようで余の興奮をさらに煽ってくれたその口を止める事は出来なかった。
「おほぉっ……んぉ!……ひぁあっ……しーたぁ、しーたぁ、しーたぁぁっ……!んふぁあぁっ!!」
そんな余を咎めるどこらか、より愛おしそうにあるいは蠱惑的に口元を歪めたマスターは。激しい交尾によって揺れ続けている余の幼き陰嚢と肉棒に手を出してきた。
「んほぁぁあぁっ!!?……ん゛ひぃぃぃっ!!あぁぁくぅぅっんん!!だめ、だめぇ!!マスター、まってぇ……!!おひりズボズボしながら、おちんちん、いじらないでぇぇ……!!」
手の平で玉袋をグリグリと押し込み、器用に指を伸ばして、再び勃起している余の性器を挟み込んで扱き始めたマスターの淫手。
雌穴に挿入されているだけで頭がどうにかなりそうだったのに。男だった時の名残も犯される余の理性が耐えきれる筈もなく。そのまま無惨にも雌ペニスから射精の連射を始めてしまった。
「あひぃぃんぅぅぅ!!だめぇ、だめぇ!!とまって、とまって、とまってぇ……!!ますたぁぁ……!!ミルク出るのぉ、とまらなぁぁっ……!!イッてる!イッてるからぁぁ……!!」
「ん~~……?駄目だよ。だって雄の部分でメスイキしているだけ、まだ雌の方はイッてないでしょ?ラータを完全に女にするにはちゃんと二つの部分でメスイキさせてあげないとさ……」
「そんなぁぁぁぁぁあぁ……!!あぁぁぁあぁっ……!くひぃあぁぁっ……!また勃起してぇ、さっき出したばっかりなのにぃぃぃ……んおぉぉっぁっ!!」
無情にもマスターは手を緩める事はしなかった。
巧みに余の性器を刺激し、何度も射精を促す。腰の動きも止める事はせず、前立腺をガンガンと剛直で刺激された余はもう自分がどこにいるのかもわからなくなっていた。
「ますたぁ、しーたぁ、ますたぁっ、しーたぁっ、ますたぁぁっ……!しーたぁぁっ……!あ、あ、ああああああぁ…………」
支離滅裂に最愛の二人の名前を呼び続ける。『ラーマ』の時に愛した人。『ラータ』の時に愛してくれている人。容赦なく送られ続ける快楽でグチャグチャになった余の顔はきっと酷い事になっているだろう。
そして、腸道の中で抽送し続けたマスターの男根が余を生まれ変わらせてくれる希望を吐き出してくれる予感がした。
――どっちに出して欲しい?とマスターは優しく尋ねた。それが余には「俺の前ではどっちになりたい?」と聞こえた気がした。
答えるまでもなかった。選ぶ必要もなかった。始めから選択肢は一つしか無いのだから。
「んぅうっぁ!!あっ、あっ……はぁっ。なるぅ……女の子になるぅ……マスターの前でだけならぁぁ……余はメスにぃぃ、なりゅからぁぁぁぁ……だからぁっ、んぉ、ぉぁっ……ナカに出してぇぇぇぇぇぇぇぇっ…………!!」
葛藤とか理性とか道徳とか、そういうまどろこっしい物を全て書き捨てた裸のままの感情の叫び。
今の余の中にあったのは愛する男の子種をこの身で受け止めたいという女の欲望だけ。
吐き出して、射精して、受精して、孕みたいという女の原初の願い。
「……っ!いいよ。身も心も、女の子になっちゃえ……!」
あぁ、あぁっ、あぁっ!!くる、くる、くる!マスターの精子がぁ……!余の中にぃ……!!
「んひやぁあああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁっ……!!」
それは余がストローク中もずっと股間からだらしなく垂れ流していたミルクとは比べ物にならない程の密度で。
余は全力で達し、全力で嬌声を上げ、マスターに言外にこう叫んでいた。
――余は女だぞ。貴方に雌にされてしまった。
「んぉぉぉぁっ!ほぁぁっ!ああああぁっ……!つくりかえられりゅぅぅ……ますたぁの……せいしでぇ……あぁ、余のナカがいっぱいになって溢れてぇぇぇ……。あぁ、こんなの妊娠しちゃう…………」
痴態でそれを表現する。言葉と体でマスターが性的に興奮してくれるような女になるべくイキ続ける。
雌チンポからはミルクをまき散らし、体が折れそうなぐらいに仰け反り、全身を何度もビクつかせる。ステージとなっているベッドが壊れてしまうのではと心配になってしまう程ののセックスのゴール
マスターの精子が、魔力が余の細胞全てを新しく生まれ変えらせてくれる感覚。
最後の力を振り絞り、余の子宮口までペニスをキスさせてくれるマスターを抱き締め、口の方でもキスをする。
「あいしてる……マスター……。余を、『ラータ』を妻にしてくれぇ…………んちゅ……」
きっとそれは叶わぬ願いなのだろう。いずれ、シータと巡り会った余は『ラーマ』に戻る。
だが、余が『ラータ』として、雌として、マスターの
たぷたぷと注がれる白濁の感触に溺れながら、余はそんな言い訳染みた祈りを捧げて、ゆっくりと意識を落とした。
そしてラーマの霊基は再構成される。幾人もの性癖や欲望を暴き、交わってきたマスターの影響力。近づけば近づく程、蜘蛛の糸のように獲物を絡め取る変革力に。
影法師に過ぎないサーヴァントに肉を付け、妊娠させる程の精子。いつかの世界で『
女に『ラータ』になる決意をし、雌としてその白濁を叩き込まれたラーマの肉体は今、大きく変貌を遂げる。
それは英霊の座がラーマではないと誤認識する程に。
喜べ
「
ダ・ヴィンチ著作、『カルデア寝物語:ラーマ編』から抜粋。
次回、ラーマ編最終話。『
2話完結とは誰も言っていない。このヒロイン力なら3話分使う価値がある。