※この作品はR-18です。

おいでよ カルデアの森   作:一火

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久々に高評価が連続で入ったので、嬉しさのあまり連日投稿。

Plus Ultra!!(更に 更新を!!)













テイルズオブセクステリアⅢ(アガルタ編その2)

 戦いの刹那。瞬時に見える敵の隙を正確に突く。撫でるように放たれる官能の拳はこれまさしく一撃必倒。

 

「あぁっん!!」

「やはぁぁんぅ!!」

「アタシいま体温何度あるのかなーッ!?」

 

 極めたセクハラ術は相手に触られたという意識さえも置き去りにし、快楽と昇天という結果だけを残す。『百式官能』は救済の御業であると古事記にもそう書いてある。

 

 ゴウランガ!セクハラめいたインストラクションによって一人の男に群がったアマゾネスクローンが甲高い悲鳴を上げ、消え去っていく光景が繰り広げられていた。ジッサイコワイ!

 

 

 剣、槍、斧、さまざまな武器を振るう女傑達の攻撃を避け、すれ違い様の『百式官能』。息をするように『百式官能』。気付けば『百式官能』。一振りで一体消滅するから大分、楽ですわ。無双ゲーをやっている気分になる。これはある意味、二の打ち要らずを名乗ってもいいのではないのでしょうか書文先生?まぁ、夜の槍に関しては2回じゃ、済まないんですけど。

 

「その男に近づくな!!奇妙な武術で消滅させられるぞ!矢だ!矢を放て!!」

 

 だけども、女海賊さん達と違って勇ましさが違うねアマゾネスさん達は。仲間がどんどん消滅させられているというのに、怯む事なく攻勢を止めないのはさすがは戦闘民族。

 自身目がけて振って来る矢の雨を『矢避けの加護(自己申告)』で逃れる。

 

 さて、部下の報告からアマゾネス達がいる密林に単身で飛び込んでみたはいいものの、まだ半分ぐらいはいるかな?女海賊さん達には後で合流地点に向かうように指示しているし、俺一人で問題はないだろうけど、どうせここまで来たのだからトップの顔ぐらいは見ておきたいのだが……。

 

 

「一人の男相手に随分と手こずっているようだな……」

 

「じょ……女王!!」

 

 騒ぎを駆けつけたのか密林の奥から少女が現れた。

 乱雑に切られた白髪の前髪、動きやすさだけを求め、衣服として最低限の機能しかないような露出度の高い格好。

 

 実に良い体をしている。随分と鍛え上げたな……。ハサ子さんのような鍛錬の末でついたというよりは闘争の果てに得た天然の腹筋。女の子の腹筋ソムリエである俺を思わず唸らせる代物だった。

 

 他とは違う存在感。彼女は間違いなくサーヴァント……!

 

「君がエルドラドのバーサーカーか……」

 

「いかにも。そういう貴様は性賊王『カール・D・ロジャー』だな」

 

「…………長いから、便宜上、カルデアでいいよ」

 

「む?そうか、ならばそう呼ばせてもらおう」

 

 毎回、性賊王とか呼ばれると気抜けるわ。

 

「退廃の都。イースの女共を落とした男がいると話には聞いてはいた。あのビラの類といい、どんな怜悧狡猾な男かと思っていたが、意外にも単身で私達に挑む勇者だったとはな」

 

 戦意を高め、嬉しそうにバーサーカーは笑う。

 

「よい。この世界の男共は弱く、脆く、話にならなかった。我が精鋭達を歯牙にもかけぬ貴様なら強き子種を吐き出すであろう」

 

 何ですか、逆レ案件ですか。そういうプレイも嫌いじゃないですけど。

 

「悪いけど、自分のモノをいつ吐き出すかは自分で決める。生憎、無駄打ちはしない主義なんだ」

 

「それを決めるのは女王たる私だ。拒絶するというのなら死に物狂いで抵抗してみせろ。どうか死んでくれるなよ」

 

 殺意の塊を二つ付けたモーニングスターを引き摺り、彼女は戦闘体勢に入る。まぁ、わかってはいたけど対話は無理か。やっぱりバトルパートですかね。

 

「お前達は手を出すな。イースの海賊共に警戒をしておけ」

 

「あら?部下総出でかかってきても良かったのに」

 

「舐めるな。女王自身が出陣しておきながら、只の男一人相手に集団で叩きのめせというのか。不要だ。そのような不名誉も。貴様を組み伏せるのに必要なのは私自身の力で十分だ」

 

「君も王なら、部下も自身の力でしょうに。剣士が剣を使って、卑怯だ!なんて叫ばないでしょ」

 

「…………フッ、おかしな奴だ。だがこれは私自身の誇りの問題だ。久々の剛の者……複数ならいざ知らず、たった一人相手なら自らの力だけで戦い尽くしたいという欲望があるのだ……それにッ!」

 

 棘付きの鉄球の重さを感じさせない軽やかな動きで突進してくるバーサーカー。両手のかぎ爪が俺の肉を引き裂こうと振るわれる。

 

「この惨状を見れば、我が部下達が何人束になろうとも貴様には叶わぬとわかる!これは戦士の直感だ!貴様とまともに戦えるは私だけだと!!」

 

 あらゆる角度から振るわれる爪の連撃を『心眼(自称)』で凌ぐ。

 決め手にはならないと思ったのか、腰から抜いた剣が袈裟斬りで胴に迫る。白刃取りの如く、それを片方の膝と肘で掴み、硬直した隙を狙って肘鉄をお見舞いする。

 

 そこまで効いてはいないだろうが、一度距離を取ったバーサーカーは獰猛な顔のまま、唸りを上げてモーニングスターを振り回す。

 

「よいっ!実によい!!やはり思っていた通りの豪傑だ!どうせなら、部下共を仕留めた摩訶不思議な武術でも使うか?私に効くとは思えぬがなぁっ!!」

 

 いや、多分効くと思います。

 

 ただ、それでも『百式官能』を彼女に使うつもりは無かった。今ここで彼女が望んでいるのが全うな戦士としての戦いならば俺も全身全霊でそれに倣うとしよう。恐らくそれがこのエルドラドのバーサーカーの攻略の糸口になると俺は確信していた。

 他人を愛するのに必要なのは快楽だけではなく、狂気に至るまでの誠実さと渇望。

 

「潰れて死ねぇっ!!」

 

 周りにある木々をへし折る事さえ躊躇わず、バーサーカーはモーニングスターを振り回した。人工的な竜巻、近づく事を許さない暴威。だが……そこで敢えて突貫する!!

 

「死にたがりか!!」

 

『縮地(気合い)』で一息に距離を詰め、鉄球の台風の目の中に入り込む。バーサーカーが驚く間もなく、鉄球と彼女のちょうど中間あたりの距離で腕を上げ、鎖に手を差し込んだ。自滅を狙い、振り子の要領で鉄球を向かわせた。

 

「舐めるなぁ!!」

 

「っぶねぇ!」

 

 だがそれに臆する事なく、彼女は向かってきた鉄球を直線上にいる俺に蹴り返して来た。剛速球で飛んでくるモヤットボールを上半身を逸らし、何とか回避するが彼女の猛攻は終わらない。

 

「爆ぜよ!!」

 

 渾身の力で鎖を引き、俺の方に飛ばした鉄球を背後から潰すように引き戻す。それだけではない、もう一方の鉄球もまた前方から俺の方に向かってきた。

 

 刺々の鉄球が前後から襲いかかる。このまま大人しくしていれば、間違いなくミンチだろう。

 

「すぅ――……」

 

 呼吸を整える。『中国拳法(いいよぉ)』で培った太極拳、円の動き。セクハラ術『百式官能』にも有効活用させて頂いた滑らかで柔らかい動きで腕を回し、前後に迫って来た鉄球を受け流した。若干、棘が刺さったが少し血が出る程度なので問題ない。

 

「なっ……!?」

 

 そしてお返しとばかりに俺も反撃する。制御を失ったモーニングスターの合間をくぐり抜けるように一気にバーサーカーの懐まで接近する。大地を踏みしめ、『ヤコブの手足(殴ルーラー直伝)』で解禁した信仰心(拳)。

 

「ハレルヤッ!!」

 

 本家の姐さんが全力解放すれば、大天使さえ撲殺出来る祈りの拳をバーサーカーの顔面、喉、水月と人体の急所にそれぞれ三連撃叩き込む。

 

「グアアアァッ!!」

 

「女王ッッ!!」

 

 吹き飛び、茂みの奥に消えていったバーサーカー。手応えはあった。モーニングスターも既に手放されているが、殴り飛ばされた瞬間の彼女の顔は戦意喪失をした表情ではなかった。「よくもやってくれたなっ!」とリベンジを誓う闘争心に満ちた顔だった。

 

 

 証拠にほら。

 

 

「ははは、ハハハハハッ!!きいたっ!効いたぞ!カルデアよ!!今の一撃……いや三撃か。私の息の根を止めるに足る容赦なき攻撃だった!」

 

 心配そうにアマゾネス達が見守る中、顔面から血を流し、獰猛に笑うバーサーカーからこちらに歩を進めていた。うん、ちょっとホラー。

 

「安心した!イースの女海賊を誑し込んでいる軟弱者だと噂が流れてはいたが、所詮は噂。貴様は戦場であれば相手が女であろうともその刃を躊躇なく降ろす戦士だと痛感した!!そうでなくてはな!!」

 

 殺し合いで好感度が上がる。そういう世界もあるのです。

 バーサーカーは歓喜しているのかもしれない、自分とは勝負にはならない者達ばかりがいるこの世界に。極限の戦いを臨める好敵手に。

 

「サーヴァントでもない人間の身でよくもまぁ、ここまで。召喚されてからこの時代の人間の弱さには辟易していたが、お前のような人間がいるのなら現代とやらもまだまだ捨てた物ではない」

 

「まだやるかい?」

 

「当然だ。……そして、決めたぞ。貴様は部下共には渡さぬ。私自ら、叩き伏せて、専属の家畜として傍で一生、飼い続けてやる。我が隣で私の強さだけをその瞳に焼き付け、子種だけを吐き出す名誉を与えてやろう」

 

 わーお。熱烈なプロポーズ。なんか、滅茶苦茶メンチ切っているセイバー・リリィの幻覚が見えたけど、ハウス。今回はスタンドバトルじゃねぇんだ。

 

「さぁ、命を燃やして来るがいい……!!」

 

「女王!!」

 

 第二ラウンドが始まろうとした瞬間、誰もが固唾を飲んで観戦するしか無かった空気を打ち破って一人のアマゾネスがバーサーカーの下へ駆けつけていた。心底、不機嫌そうに顔を歪めた彼女はその一人のアマゾネスの方へ視線だけ送った。

 

「何だ……?お前達には手を出すなと命じていた筈だが」

 

「ヤツです!近くの町でヤ(・)ツ(・)が現れました!!」

 

「何……?そうか、そう、か…………。ヤツが、■■■ウスが現れたか……ならば、ならば――ッッ!」

 

 アマゾネスの報告を聞いた瞬間、一瞬だが彼女の名残惜しそうな瞳が俺に向けられた気がした。

 だが直後、その一瞬が気のせいだと思ってしまうぐらいにエルドラドのバーサーカーは豹変した。眼の膜は黒く染まり、眼球は燃えるような深い更なる金色へと変貌する。

 

「汚辱は、雪辱は晴らさねばならぬっ――!!殺してやる……コロシテヤルッ、コロスッ、コロスッ!!■■■■■ッッ!!」

 

 声にならない雄叫びを上げる彼女にとって、『ヤツ』とは譲れない最優先事項なのだろう。なるほど、ここが彼女のバーサーカーたる所以か。

 

「アァ、刺して殺す潰して殺す殴って殺す燃やして殺すねじり切って殺す殺す殺す殺すコロスコロスコロス!!征くぞ!!」

 

 おいおい待てや。

 

「ガアアアアアアァッ!?」

 

「貴様!?女王に何を!」

 

「誰を見てんだよ、てめぇは」

 

 あらぬ方向へと駆け出そうとしたバーサーカーの首を掴み、その体を思いっ切り地面へと叩きつける。土砂をまき散らし、暴れる彼女を逃さないようにその細い首を抑え付けていた。

 

「さっきまで命を懸けて戦っていた相手はもう眼中無しか?侮辱してんじゃねぇぞ、てめぇ」

 

 俺らしからぬ乱暴な口調。だが、理性を失った今の彼女にはこれぐらいの方が丁度良い。

 

「離せ、離せ、ハナセェエエエ!!私は■■■■■を殺すゥゥッッ!!邪魔をすルのならば貴様もッッ!!」

 

「ヤツなんて知らんし、君の真名もわからんし、どんな因縁があるのかも知らねぇ。ただ、今君と戦っているのは俺だ。目移りをするな。俺を見ろ」

 

「黙れ、ダマレダマレダマレダマレ!!殺すッッ!!邪魔をする貴様も殺スッッ!!コロス、コロス、コロス、コロスウゥッッ!!■■■■■■■■■■■■!!!!」

 

「それでいい……やっとこっちを見てくれた。そうだ。君が譲れない望みを持っているなら、先に俺を殺してからにしろ。話はそれからだ」

 

 大地を揺るがす程の咆哮を合図に俺からの拘束を逃れたバーサーカーは標的を再びこちらへと戻した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 密林の木々はなぎ倒され、大地は抉れ、岩場は粉々に。まるでそこは嵐が通った後のような酷い有り様だった。もしかすれば、アマゾネス達も何人か巻き添えを喰らっているかもしれない。

 

「はぁ――ッ!はぁ――ッ!はぁ――ッ…………」

 

 どれだけの時間、殺し合っていたのだろうか。血と汗と泥が混ざり合った匂いが鼻腔を刺激する。

どうやら、いつの間にか陽が沈んていたらしい。目の前には肩で呼吸を整えるバーサーカーの姿が。ヤ(・)ツ(・)というスイッチによって極限まで狂化された彼女の膂力は最初の時とは段違いだった。俺も攻勢一方とはいかず、何発かイイモノをもらってしまったし。

 

 未だ、互いに二本足で立ってはいるが、それぞれ、体の到る所から血を流し、傷は負っている。

 

「…………女王、ヤツの行方を見失ってしまいました」

 

「ふぅ――……ふぅ――……、そう、か」

 

 やっと誰も近づく事が許されなかった俺達の戦いが落ち着いたのを見計らって、やってきたアマゾネスの報告に。バーサーカーの狂気が萎んでいったが目に見えてわかった。

 何というかバツの悪そうな顔で俺を見ている気もするが。

 

「…………興が削がれたな。貴様はどうする?」

 

「……そうさね。俺も今日はもう切り上げようと思ってた」

 

 何とも言えない微妙な空気が二人を覆っていた。先程まで殺し合いをしていたわけなのだから、和気藹々といくわけはないのだが……それでも二人の真っ当な闘争の間に余計な茶々を入れられたような感覚。

 

「ならば良い……。私も醜態を晒した。今日の所は見逃してやる。疾く去るがいい」

 

「あぁ、じゃあお言葉に甘えて。またね、バーサーカー」

 

「…………ペンテシレイアだ」

 

「女王!?」

 

「私が名を告げるのに相応しいと判断した者に授けただけだ。何か問題があるか?」

 

「い、いえ……」

 

 驚く部下を無視し、告げるその名は彼女の真名だった。どういう意図があってその名を俺に告げたのかは正確にはわからないが貰った物は受け取るとしよう。

 

 

「二日後に不夜城で会おう。ペンテシレイア」

 

「ふん……やはりあのビラは我らをおびき寄せる為の撒き餌だったか」

 

「けど、初めから気付いていたでしょ?そして君は気付いていても絶対にやって来る」

 

「そうだ。たとえ罠があろうとも踏み潰すだけ。だが今日貴様と会って確信した。そういったつまらない搦め手は用意していないだろうとな」

 

「今度は邪魔を入れず」

 

「二人きりで」

 

「「存分に戦り合おう」」

 

 再戦を約束し、ペンテシレイアに背後を向けて、その場を後にした。

 

 さってと……合流地点は教えてあるけど、予想以上に時間かかっちゃったからなー。イースの皆と武則天ちゃんを待たせちゃってるよなーきっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その背を見えなくなるまで見送る。

 

 ――誰を見てんだよ、てめぇは。

 

 ――侮辱してんじゃねぇぞ。

 

 ――今君と戦っているのは俺だ。目移りをするな。俺を見ろ。

 

 

 身を焦がすような狂化の中で何故か覚えている言葉、そしてただただ私に向けられた純粋な瞳。どんな殺意を向けられようとも臆する事が無かった私がたじろいてしまったあの男の想い。

 

「ふふ、可笑しな男だ」

 

「いかがされましたか、女王?」

 

「何だ?」

 

「いえ、その……笑っていましたので」

 

「笑っていた?そうか、私は笑っていたのか……ふふ、ふふふ、ふははははは!」

 

 声を上げて笑い、我が家、エルドラドの地への帰路につく。

 部下からヤツの報告を聞くまでは久々に心地よい闘争に浸る事が出来た。気色の悪いイースや不夜城の雑兵共でもなく、張り合いの無いレジスタンスの鼠共でも、自身を忘れてしまう程の狂気に支配されてしまうアレとの戦いでも味わえない……久しく縁の無かったまともな闘争。

 

 また、あの戦いの続きをしたいと心から望んでいる。今でもあの男の事を考えている。あの程度では物足りぬ本能が叫んでいる――!

 

 あぁ、まるで恋い焦がれるおと……。いや、無い、それはあり得ぬ……。私にそんな事はあってはならない。

 

「はやく、二日後にならぬか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜も更けて、よい子は寝静まった時間。合流地点でもあるイースの支配下にある港町の一つに停まってある船へと帰ってくると――。

 

「それで?散々、妾の胎に子種を吐いておきながら、妾を放ったらかしにして他の女と乳繰り合っていた事に対する弁明は?」

 

 夜遊びしていた旦那の帰りを待つ鬼嫁の如く、船首の上でぷく――っと頬を膨らませ、仁王立ちしていたロリ嫁がいました。

 

「乳繰り合っていたわけじゃないんだけどね。飴ちゃんいる?」

 

「妾の目は誤魔化せぬぞ!するのじゃ……貴様の体から他の女の匂いがプンプンとな!後、飴はもらう!」

 

 いやー、血の匂いしかしないんですが。けど、まさかこんな時間まで起きて外で待っててくれるとは思わなかった。あんまり遅くまで起きてると大きくなれないよ?

 

「なんじゃ、その眼は?妾が逃げずにここにいたのが不思議か?愚か者。貴様には妾の後継者を認知してもらう役目があるのじゃ。絶対に責任は取ってもらうからの。ヤリ捨ては串刺しの刑じゃ」

 

 あ――癒される。一仕事終えた後の幼女のボイスは癒されるの――。

 

「そもそもあんなゴリラ女共の群れに一人で突っ込むとか正気の沙汰じゃないわ!何故、妾を呼ばなかった!ええい!何じゃ、そのみすぼらしい格好!妾が治してやるからさっさと部屋に入らんか!!」

 

 合間合間のデレを微笑ましく思いながら、武則天ちゃんに手を引っ張られて部屋へと戻された。

 この後、滅茶苦茶治療した(健全)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぅわ――!?マスター!?いかがなさったのですかその傷は!!あわわわわ、治療薬!治療薬!……違う、これはローション!!」

 

 夜が明けた頃、アマゾネスの親玉、ペンテシレイアと接触するという当初の目的を果たした俺はイースへと帰ってきた。「全く、何故妾がこのような下女のような真似を……」とぶつくさ言いながらも傷を負ったところにしっかりと包帯を巻いてくれた良妻ふーやーちゃんを連れて、屋敷に戻ると飼い犬のように玄関で待機していたダユーちゃんが一変、俺が傷を負っている所を見て、酷く狼狽していた。

 

「みっともなく慌てるな。既に治療は妾が施したわ。優秀ゆえな、この程度の傷なら問題ないのじゃ。何じゃ、その恨めしい目は?」

 

「マスターへの貴重な点数稼ぎが……おのれ、不夜城のアサシン、余計な真似を」

 

「似合わずに女らしく嫉妬か。貴様も随分と変わったの……」

 

「あなたこそ、どういう風の吹き回しかしら?敵対するトップに塩を送るような真似……。何を企んでいるの」

 

「さて、な。送ったのは塩ではなく毒かもしれんぞ?くふふ……」

 

 送られた所で俺には毒が効かないので別にいいんですけどね。こら、ふーやーちゃん。挑発するように俺の腕を抱き締めない。ちっぱいが当たってるのよ。

 

「今まで欲するものは奪ってきた私だけど……今ここで愛するものを守る為にあなたの命を奪ってもいいのよ?」

 

「ほっほー。良い面構えをするようになったのぉ。一丁前にこやつの正妻気取りか?貴様を沈めて、妾の国にこやつを拉致るのも手かもしれんな」

 

 自業自得感は否めないとはいえ、傷に響くのでいきなりここで修羅場るのは勘弁願いたい。ま、けどこういう所のフォローも敵のトップをホイホイ愚息で堕としてしまった俺の役目でもあるのか。取りあえず、割と最低だけど、キスで黙らしておきましょう。

 

「んむぅ!?」

「んにゃんぅ!?」

 

「ダユー。武則天ちゃんはアマゾネスとやり合って傷を負った俺の治療をしただけ、そこに悪意はないから突っかからないように。後、お留守番ありがとう」

 

「は、はい……。えへ、えへへへへへ……」

 

「お、おのれ……。この色ボケ海賊はともかく、妾を接吻程度で誤魔化せるとでも思うたか……」

 

 誤魔化せてるんだよなぁ。

 腰が抜けて、地べたに座り込んでいる二人を抱えて、部屋に戻り、ベッドの上に放り投げてから(エロい事はまだしてませんよ?)。数分後、唐突にドアがノックされた。

 

「……失礼します」

 

 どうぞと声をかけて、入って来たのは焦点の合わない瞳で変哲の無い白封筒を持った女海賊Aさんだった。俺をダユーと快く引き寄せてくれた案内人。彼女には確か、引き続きビラ配り兼斥候をお願いしていたのだが……。そんな彼女は虚ろな瞳のまま、俺に封筒を届けた。

 

「おい。こやつ、どう見ても様子がおかしいが……」

 

「暗示の魔術とかその類かな。ま、危険は無いから大丈夫だよ」

 

 俺から封筒をもらった女海賊Aさんは役目を終えたように正気に戻った。彼女に暗示の魔術をかけた誰かさんの目的はあくまで俺にその中身の手紙を渡してもらう事だけなのだろう。

 

「あ、あれ……?私、何をして……?はぅわ!?ひっ、きゃ、キャプテンンンンンッッ!?ど、どうしてここに!?」

 

 よほど最初の邂逅がトラウマになっていたのか。俺を見た瞬間に「しっ、失礼しますっ!!」と首がもげる勢いで頭を下げ、部屋から飛び出してしまった。

 

「マスターに対して、何という態度……。あの娘、シめておきますか?」

 

「いや、面白いからあのままでいいや」

 

「尋常じゃないぐらい怯えておったぞ。貴様、あの娘に、何をしたのじゃ?」

 

 そんな大した事してないんですけどね。最初の邂逅の時に目の前で仲間をセクハラ術で昇天させて、そしてダユーの所まで連れていってもらう時も鼻歌まじりで他のお仲間を昇天させただけで。

 

 渡された手紙の内容を確認しようと俺はベッドへ横になった。とても自然な形でダユーが膝を入れて、膝枕の形になったが。むっちり太もも……ベネ!

 

「どやぁ」

 

「いらっ」

 

 頬を引き攣らせた武則天ちゃんが瞬時に俺の膝に頭を乗せた。今度は俺が膝枕をする状態。

 

「ふふん」

 

「いらっ」

 

 君達、ドヤり顔でナチュラルに煽り合うのやめーや。ベッドの上で贅沢にも膝枕繋ぎで横になりながら、手紙を開く。

 手紙は真っ白……ではなく、こ(・)の(・)前(・)と(・)同(・)じ(・)く(・)特殊な魔術文字によって特定の人以外が見ない限りは文字が浮き出ない仕様だった。

 

「あの、よろしいのですか?そんな不用心に開いて、罠では……」

 

「大丈夫。これもらうのは初めてじゃないし」

 

 ダユーと一夜を過ごしてから、武則天ちゃんを捕まえるまでの数日の間。俺は何度か同様の手紙を既にもらっていた。これは直接的に協力を申し出るというよりは自身の内情を詳らかに書き記した物。どうやらこの手紙の主は俺と直接的に関わる事が出来ない事情があるらしい。

 

「なんぞ、また悪だくみか?」

 

「いつの話かノッブにね、『合戦とはそれまでに積んだ事の帰結。合戦が始まるまで何をするかが戦じゃ』って教えてもらってさ」

 

「誰じゃいノッブって」

 

「うーん。若干、武則天ちゃんとキャラが被ってる娘?」

 

「キャラちゃうわ!妾の迸る女帝オーラによる素じゃ、これは!」

 

 優雅に美女に膝枕をしてもらいながら、幼女の頭を撫でる。

 さぁて、フィナーレまでもう少し。はやく二日後に……いや、明日にならないかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 割とどうでもいい事だけど、今の俺の姿が悪役にしか見えない件について。

 

 

 

 

 

 

 





ここに来てからエロばっかだったので、偶には爽やかな感じで好感度を上げてみようと思いました by グダお







•ビ■ス■■/■■ー


真名:■■ ■■
理:■■



ステータス
筋力:A
耐久:A+
敏捷:B
魔力:EX
幸運:A
宝具:EX

クラス別スキル
獣の権能:C
単独降臨:A(現在使用不可)
それは時空どころか、世界、宇宙の壁さえ超えてしまう在り方。いつ如何なる時も気を抜く事なかれ、獣と成った彼はふとした時に隣に――――。



保有スキル
ネガ・ライフ:EX
彼の生き方そのもの。あるいは人理が焼却されようとサーヴァント達と通じ、体を交わし合い、受肉させる程の尽きる事無き生命力そのもの。彼は愛すべき者達と共に生きる為ならどんな無謀も通す。愛すべき者達と楽しんで生きる為ならどんな無茶だって行っていく。その為には人の身は少々脆弱過ぎたのかもしれない。
これは目の前にある壁や試練やシリアスを破壊する為に無限に成長していく最悪の星の開拓者スキル。絶対にボス系には持たせたらダメな奴。


魅了(零):A+(現在使用不可)
ビーストとなった彼のスキル。
他者にいきなり好意を与えるのではなく、負の感情を零にする。敵意や害意、嫌悪感を抱きづらいスキル。人畜無害、人当たりの良さの極致。絆ゼロスタート。隣人の如き平凡な雰囲気に惑わされ、不用意に近づいたら最後、もし彼のお目に適ってしまったら、そこからギュイーンと絆Pが溜まり、人たらし、たぶらかし、口説き、愛撫、ズブズブと最後まで絡め取られてしまう。これに対抗し、彼に敵意を抱くには、それを凌駕する程の大望と意志……それこそ世界に匹敵する想いを抱かないといけない。


授かりの智慧:A+
召喚した数多の英霊達から師事し、学び、我が物とした知恵。スカサハやケイローンが教育者として長けた英霊ならば、このスキルは生徒として、教えられる者として長けた者が持つスキル。ペンテシレイア戦の時のような『矢避けの加護(自己申告)』『縮地(気合い)』『中国拳法(いいよぉ』等々、呪いや元来の性質による特殊なスキル以外ならランクはどうあれ再現可能。
もしかしたら、ベッドの上でも『人体理解(性)』とか『愛の肉棒』とか『戦闘続行(射精)』とか『性礼詠唱(言葉責め)』とか使ってるかもしれないね。ビーストだもん、仕方ないよネ。

――――――。








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