※この作品はR-18です。

おいでよ カルデアの森   作:一火

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第二部 2章『消えぬ精の快楽児』の実装待ってます。
オフェリア「いやぁっ!」











アガルタ編、完結。





テイルズオブセクステリア エピローグ(シェヘラザード編)

 カルデアとの通信が満足に取れないまま、アガルタから大怪我で帰ってきたマスター。

 

 彼を慕う者達からは号泣と安堵と心配と怒りが混ぜ合わさった阿鼻叫喚の声が。

 

 どうやら彼は自身の治療&極度の心配によって精神的に不安定になってしまった彼女達の慰安も込みで時間の流れを操るシュミレーションの中で2日程、籠っているようです。

 

 鋼鉄の看護師ナイチンゲールから始まり、デミサーヴァント、古今東西の王達、剣士、妖怪、怪物、幼女……etc。シミュレーションの中で1月以上の時を過ごしているマスターは何十人にも及ぶ女性と過ごしているのでしょう……性的にも。

 

「死んでしまいます……枯れ果ててしまいます……ブラック過ぎます。いえ……彼女達はホワイトに染められているかもしれませんが……」

 

 たった一人で英霊相手に情事を何十回も休み無しで行うなど、普通は腹上死してもおかしくないのですが……彼の体は一体何で出来ているのでしょうか。

 

 そもそも性行為によって回復するというのも信じ難い話なのですが……。

 話によれば、彼は何度もあのシミュレーションを使用していると……。普通はその中で過ごした分、年を取ってもおかしくない筈なのにマスターの外見は年相応です。セックスには若返りの効能でもあるのでしょうか。

 

 信じ難い噂には、関係を持った彼女達を相手にする為に時間を置き去りにしたとか……。実は親愛のアルターエゴ、渇愛のアルターエゴと複数人に分裂出来るとか……。まぁ、眉唾物ばかりですが。

 

 ですが、そんな噂話が湧いてしまう程には彼が生命力に溢れているという事実があります。現に私はそれを目の当たりにしています。

 

 なので、知らなければいけません。人類最後のマスター……彼の存在を。死にたくないという私の唯一の願望を果たす為にも――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「せ、精液ですか……?」

 

「はい。シェヘラザードさんがダユーさんや武則天ちゃん、ペンテシレイアさんに感じた霊基の強さの源は間違いなくマスターのそれです」

 

 私とは違う神代の魔術を行使する正統派キャスターでもあるメディア・リリィさんはそう語ります。

 ……何でしょう。とても大人しく純朴そうな方に見えるのですが、私の第六感が危険だと囁いています。今もマスターとの時間を終えたのか、ホクホク顔の女の子にしか見えないというのに……。

 

「確かに魔術師の体液はサーヴァントの魔力の糧にはなりますが……あれは……」

 

 そのレベルを――。

 

「『そのレベルを超えている』と言いたいんですよね?気持ちはわかります。ですが、現実に既に彼と関係を持った女性サーヴァントの半分以上が受肉をしています。聖杯も使わずに」

 

「じゅ、受肉……!?」

 

 信じ難い話を続けるメディア・リリィさんに私は思わず身を乗り出してしまいました。ですが、メガロスとフェニクスを簡単に消し去ったアマゾネスの女王の強さ……成長しない筈のサーヴァントによる限界突破を確かに見た私はあり得ないと切り捨てる事は出来ませんでした。

 

「正確に言えば、受肉とも言えないんですけどね。何せ生前よりもさらに強固な肉体になっているのですから。英霊の座から分かたれたコピーにしか過ぎない私達が彼との性交によって一つの個を持つ。これは受肉――というよりはもはや生命創造の類かもしれませんね……」

 

 安産祈願と書かれたお守りをうっとりした顔で眺めながらメディア・リリィさんは言葉を続けました。

 

「所詮、サーヴァントは英霊の影法師。死者であり、コピーでしか過ぎない。そんな私達を本気で求め、愛して、傍にいて欲しいと乞われてしまった。私達が一つの生命としてこの星に命を降ろすという結果を成してまで……。そこまでされちゃったら、女として応える以外の選択肢は無いでしょう。生涯を添い遂げたいと思ってしまう程に参ってしまっても仕方がないでしょう?」

 

 熱に浮かされたメディア・リリィの言葉が私に天啓をもたらす。

 サーヴァントに命を与える程の精液。一つの存在として確立させる程の生命力。

 

 それは私の願いを叶えるに足る物なのでは?

 

 彼女は言いました。只の受肉ではないと、生前すら凌駕した一つの存在を持つという事はそれはもう座に登録されているサーヴァントとは別物とも言える?

 

 彼との性交によって、肉を得て、今度は英霊のような大きい成果を残す事なく、平和に安穏に大人しく過ごせば……()()()()()私は座に戻される事なく一つの真っ当な命として終える事が出来る。それでもう英霊召喚という無限の死に怯える事は無くなるのでは?

 

「…………」

 

「どうしました?シェヘラザードさん?」

 

「いえ……」

 

 そこまで考えて、私は自己嫌悪に浸りました。

 いくら何でもこれはないと。先のアガルタでも多大な迷惑をかけたというのに。死にたくないから彼と肉体関係を持つなんてそんな浅ましい真似、どうして出来ましょうか。「お前の(精液)目当てだったんだよ」とか女が吐いていい台詞では無いでしょう。

 

 ……それならば、バレないように彼の精液だけ隠れて接種すればいいのでは?……言ってる事は痴女丸出しですが、背に腹は代えられませんし、魔力供給が目的という事をそれとなく匂わせて、マスターから頂ければ――。

 

「あ、ちなみに精液だけを接種しても肉体を持つ事は多分出来ませんよ。心と体を通じ合わせて愛し合っている瞬間に得る事が大事ですから。愛無きセックスはメッ!ですよ」

 

「ちょくちょく、私の心を読むの止めてくれませんか……」

 

「え――?何のことでしょう?」

 

 ニコニコと笑う目の前の魔女が恐ろしくて死んでしまいます……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私に相談するよりもマスターの所まで直接行った方がいいと思いますよ。マスターにもシェヘラザードさんの事を呼んで来て欲しいと頼まれた所でしたので、丁度良かったです』

 

 

 とメディア・リリィさんの言葉を信じてシミュレーションルームに入ったはいいのですが……。

 

 南国の常夏リゾートを思わせる海の上にポツンと立っているコテージ。壁はなく柱によって屋根が支えられている風通しの良いその一室にある豪華なベッドの上にマスターがいました。

 

 いえ、マスターだけではなく……。

 

「んぁ、ちゅ、ちゅむぅ……ちゅぱっ、にゃはは……またピクッと反応したのう、我が夫様は誠に敏感よのう」

 

 彼の胸板にしなだれかかり、指先と舌で彼の乳首を弄り続ける不夜城のアサシンもとい……武則天。

 

「馬鹿を言え……今の反応は私の接吻だろう。どれ、もっと舌を出すがいいマスター」

 

 成長した体ではなく、いつもの姿に戻り、唾を垂らして、恋人のように熱く深いキスを交わし続けるエルドラドのバーサーカーもとい……ペンテシレイア。

 

「んむぅ、じゅぶぅっ……んぁっ、はぁ、あむぅっ……」

 

 上二人のやり取りには見向きもしないでひたすら彼の陰茎を巨乳で扱き、咥えるイースのライダーもといダユー。

 

 生まれたままの姿で男女4人が絡み合っていた。

 

 どう見ても4P中です。ありがとうございます。死んでしまいます。

 

 残像が出るぐらいに迅速なバックステップでフェードアウトしようと思ったのですが、「おぉ、来おったか鶏胸肉。丁度良い。貴様の宝具に振り回された意趣返しとは言わんが。そのまま妾の営みを見る事を許す。むしろ、目を逸らしたら拷問じゃ」と聖心皇帝のありがたい渾名とお言葉を授かり、正座で観戦させてもらっています。死にそうです。

 

 途中で裏切ったとは言え、そもそも先の特異点の発端は私の宝具が原因なので……他の二人はどうかはわかりませんが、武則天様にとっては情事を披露し、ビクついている私を見て愉しむのが目的なのかもしれません……。確かに最初の彼のイメージであれば閨でイキ殺されしまう想像をして震えていた所でしょうが……大丈夫です。彼は殺さないと約束をしてくれました。口約束ではありますが、彼の言葉は信用に値する物。それは言葉を操る語り部である私が保障出来ます。

 

 ……フェニクスの口車に乗ってしまった事はお願いですから忘れて下さい……。

 

「んぅ、ちゅ……んちゅ、まぁ……別に貴様に対しては、あんぅ、そこまで怒りも無いのじゃっ、がにゃふぅっ!……貴様の宝具が無ければ、んちゅ……妾がこやつと出会う事も、んっ、んみゅぅ、んぅやぁっ……これ!妾が喋っている最中だぞ!それを接吻で塞ぐとは不遜過ぎて……んむぅっ、んちゅ、ちゅ……もぅ」

 

 別の意味で死にそうです。勝手に二人の世界に入らないで欲しいのですが。誰かブラックコーヒーを持って来て下さい……。

 

「んぅ、あぁっ!はっ……あぁっ、そんなに私の腹筋が好きなのか?綺麗な物でも無いだろうに……んひゃあっんぅ!?強く、吸い付き過ぎだぁっ!」

 

「くっ、あっ、あぁっ……んぉぉおっ!ひっ、あぁっ!んほぉぁっ!しゅ、しゅごっ、ましゅたぁの指が二つの穴に入ってきたぁぁっ……!」

 

 まるで蜜に群がる女王蜂。アガルタを総ていた女王達も。彼の前では形無しでした。ローテーションを組むように腕、唇、胸、足、肉棒とそれぞれが彼の体と交わり続けます。

 対立していた三つの国が一人の男によって同盟を結んでいるような図。三国を傾け過ぎてむしろ一つにした。傾国の男過ぎやしないでしょうか……。

 

「いえ、そもそもどうしてこんな事になっているのでしょうか?」

 

「……んっ、んぁっ……そうじゃなぁっ?最初は魔神柱討伐記念みたいな感じで打ち上げ感覚で集まったんじゃがなぁっ……あっ、あぁはぁっ……!」

 

 挿入されながら喋らないで下さい。

 

「あっ、あぁっ!どうせなら酒の肴にと……誰が一番愛されているか、アガルタでのそれぞれの情事をMTGしていたら……いつの間にかこんな事になってなぁああっんぅ!胸ぇ……取れてしまうぞぉ、んひぃっ!!」

 

 胸を吸われながら、喋らないで下さい。

 

「ひぁあっ、あっ、あっ、あっ……んぉぁあっ、好きぃ、すきぃ、すきぃ……マスターの指ぃ、もっとおまんこの深くまで射し込んでぇぇ……!!」

 

 貴方は喘ぐ以外の事を喋って下さい。

 

 肉悦ぶ宴。一見、人畜無害そうな一人の青年に女傑達が啼かされ続けている姿を私は逃げる事も許されず、見せ付けられます。

 別に性行為に嫌悪感を抱く程、初心なつもりもありません。私もシャフリール王にかつては言葉と躰を捧げた身。

 

 ですが――。

 

「んふっ……あっ、あぁっ!んちゅ、ちゅぱぁっ……よい、よいぞぉ……我が夫様ぁ……もっと腰を振り、妾を孕ませるがよいぃ……んぁああっ!」

 

 対面座位でその小さな躰を抱きすくめられながら、狭い膣を逞しい剛直で蹂躙されているであろう女帝も甘えるような声色でマスターと接吻し、交わり続けます。いつも結られていた髪も降ろし、違う印象を与えてきます。

 

「んぁ!あくぅっ!はっ、はぁっ!どうだ……この方が私の体が良く見えるか……?んあぁっ!!お前には……私のあらゆる姿を焼き付けて欲しい……おっ、おぁぁっ……この位置はぁぁ……よく届くぅぅっ……!!」

 

 騎乗位で鍛えた肉体をマスターに撫でられながら、腰を振り続けるペンテシレイアさんの結合部からも信じられないぐらいの愛液が噴出し続けます。それを恥ずかしがる事なく、愛おしそうに下にいる男へ視線を送っていました。

 

「あっ!あぁっ!ああぁっ!!す、すごぉ……!無理、無理よぉ!こんなの我慢できるわけがなひぃぃっ!!あっ、あっぁぁっ!!マスター様のおちんぽ素敵すぎてぇぇっ……!!あ゛あ゛あ゛ぁぁっ!!」

 

 四つん這いの愛玩動物のような体勢で豊かな乳房を揺らし、後ろから突かれ続けているダユーは誰よりも激しく声を荒げていました。私に見られている事も他の二人も眼中になく、ただマスターとの触れ合いのみを至上の悦びとするように犯されていました。

 

 

 一人が挿入されている間も他の二人は待ちきれないと彼の体で自分の躰を慰めていました。三者三様の嬌声、セックス。時間の感覚さえ忘れさられてしまう程に情事を見せ付けられていると私の奥からジュンッと熱い何かが込み上げてくるような気がしました。

 ……いえ、あり得ません。これは女達が一人の男にいいように支配されているという私が忌避している恐怖の図、そのものではありませんか。

 

 あぁ、なのに。なのにどうして。

 

 彼女達はあんなに幸せそうな顔をしているのでしょう。彼はあんな慈しむような瞳で彼女達を見れるのでしょう。

 

 どうして、私は目を逸らす事なく、マスターと彼女達の性交を凝視し続けているのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、ぁぁっ、んぁ……」

 

 数時間程経ったのでしょうか。結局、一番体力があったペンテシレイアさんのダウンでアガルタの女王達の乱交は終幕しました。

 正直、彼がいなかったら殺し合いをしていてもおかしくない面子をまとめて抱いてしまう手腕はお見事としか言いようがありませんでした。それぞれの性格を考慮して細心の配慮を払いながら、彼女達の好みに沿ったプレイを巧みに行っていく姿を見ていると途中からは私も恥ずかしさより感嘆さが増していきました。

 

「ふぅ……っとごめんね。最初は本当に只のお茶会みたいな感じだったんだけどさ。何故かいつの間にかこんな事に」

 

 年頃?の男女達が雰囲気の良い部屋で長時間……何も起きない筈もなく。

 

「まぁ、楽しかったし、嬉しかったから男冥利に尽きるんだけどね。メディア・リリィにも君を呼ぶように頼んだのはあの特異点メンバーで君も功労者だからさ……」

 

 はぁ、てっきりあの魔女に嵌められたと思いましたが……。いえ、この状況、些かマズいのでは?乱交の後のむせ返る性臭。そそり立つバベルの塔。これは「功労を与えよう。ほれ近う寄れ……」とずっこばっこに死ぬ程ハメられるパターンなのでは?

 

 いや、それでメディア・リリィさんの言う通り、サーヴァントの身から解放されるなら望む所でもありますし、別段この方に特に嫌悪を抱いているわけでもないですし……むしろ好ましく、コホン。

 

 ともかく、二桁単位の英霊相手にケロっとしている性豪の者にどう考えても私が太刀打ち出来るとは思えないですし。死にます。死にます。間違いなく、死んでしまいます。

 

 ここは死を避ける為のアラビアン式戦略的撤退術『控え面に咳をして、体調が優れないムーヴ』で逃げるしかありません。

 

 ひとまずは立ち上がって……。

 

「うっ……」

 

 数時間正座をし続けた弊害か。足が痺れ、もつれるように私は前に倒れそうになってしまいます。

 

 くっ……こんな事なら24時間耐久土下座の特訓でもしておくべきでした。

 

「あっ」

 

「おっと大丈夫?」

 

 硬く暖かい物に受け止められる感触。すぐに彼が駆け寄ってくれた事を理解しました。生々しい交尾の残り香、主張が激し過ぎない程に鍛えられた筋肉。

 

「はっ、わっ……」

 

 ――あっ喰われる。

 

 そう思った私は先程の乱交がフラッシュバックし、恐怖と恥ずかしさと女としての生理的な疼き、さらには自身の願い、そういったあらゆる葛藤がごちゃ混ぜになって……。

 

 意識を落としました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んっ……ここは?」

 

 目覚めて辺りを見回すと先程と似たようなコテージの中にいる事に気付きます。

 ソファで寝かされてた私はまずは自分の体と服をチェックしました。脱がされては……いないですね。

 

「自業自得感は否めないとはいえ、さすがにその反応は傷つく」

 

 椅子に座っていたマスターの苦笑気味な声で私は流れるように謝罪体勢へと移行しました。

 

「何と軽やかなジャンピング土下座!」

 

「ありがとうございます……そして申し訳御座いません……。助けて頂いたマスターに失礼極まりない態度……死ぬ以外でお詫び申し上げます。望むのなら躰も捧げますので……ですのでどうか命だけは……」

 

 只の善意で転びそうになった私を受け止めてくれたのに手前勝手な偏見で気絶し、挙句の果てにはお礼の前に自身の安否の確認をするという何と浅ましい女。これはあの魔神柱の事も言えません……。

 

「おもてをあげい」

 

 芝居がかった彼の口調から顔を上げる。短パン半袖と簡素な服装に着替えて私を見る彼は先程、あれだけ淫蕩な宴を行った張本人とは思えないぐらいに無邪気で優しそうな顔をしていました。

 

「地底世界で言った殺さないって言葉まだ信じられない?」

 

「うっ……。すみません、これはもう長年染みついてしまった癖のようなもので……」

 

「特に怒ってないし、殺す事なんて絶対にしない。さっきも言ったでしょ、自業自得感って。タイミングも悪かったからね――。逆にこっちが謝るべきかもしれないや」

 

 彼は私の手を取り、そのまま立ち上がらせるように促した。

 

「叶えたい願いがあったにも関わらず、こっちに付いてくれたんだから、相応の見返りは渡すよ」

 

「いえ、それも褒められるような事ではなく。あの魔神柱と一緒にいても私の目的は果たせないとわかっただけで……」

 

 それに自分は死にたくないという願望を捨てたわけではない。只、マスターについて行った方が自分は死なずに済むのではと思った故の行動であり……ふふ、これはフェニクスに『尻軽女』と罵られても仕方ないかもしれません。

 

「え?」

 

 そんな自嘲気味の私にポンと胸元に渡されるぬいぐるみ。目の前にいる彼をデフォルメ化したような二頭身サイズのぬいぐるみでした。ん?何か魔術的な仕掛けが施されているような……。

 

「アガルタで助けてもらったプレゼント。ジェロニモ先生の呪術。メディアさん、メディア・リリィの魔術にニトクリスさんのエジプト魔術を組み込んで、ヴラドおじ様直伝で作り上げた『スケープゴートグダおくんver』。これがあれば、死ぬ目や呪いにあってもそれが肩代わりする事が出来る優れもの」

 

「……脱げば、いいのでしょうか」

 

「なんでさ」

 

 私が求めていた物をドンピシャにくれるマスターに差し出せる物はもうこれぐらしか無いのですが……。それとも後はお話ですかね……。

 

「ちょっと雑談でもしようか」

 

「私の読み聞かせではなく?」

 

 これはまた異なことを……。語り部たる私に物語ではなく、普通の会話を求めたのは貴方が始めてですよマスター。不思議な人です、本当に……。

 

「うん。それにシェヘラザードも俺に何か聞きたい事がありそうだったしさ」

 

 やはり見透かされていましたか……。

 先程、乱交した所とは別のコテージなのでしょう。アガルタの女王達の姿が無い二人っきりの部屋で水面に沈む夕陽を眺めながら、私達は他愛の無い会話をしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この間、雨の中でロンドンにレイシフトした時に排水口の溝からメッフィーが『はぁい、マスタァァー』って出てきた時はビックリしたよ」

 

 基本的に彼がカルデアの事を話し、私が相槌を返す。時には私が生前の事も語ったりしますが、千夜一夜物語の事は避けて、自分が住んでいた故郷や妹の事。気づけば、私も緊張が解れ、笑みが零れていました。

 ベッドで隣同士で男女が語り合えば嫌がおうにも性的な方面の事は意識してしまいそうになる所なのですが、これもマスターの巧みな話術のせいなのでしょうか。今の所は全年齢向けのシーンとなっています。

 

 ふふ……まるで立場が逆ですね。語り部である私が言葉で説き解されてしまうとは。

 

「そして何故かそのまま『「キング・アーサー 英雄転生」は観た?』って映画を勧められたから、アルトリアの皆と円卓勢で上映会したんだけどさ」

 

 こうやって隣で楽しそうに私に語り掛けている姿はさっきのような蠱惑的な様子で彼女達と性の営みを行っていた人と同一人物とはとても思えません。

 

 いえ、これは騙っている、隠しているというよりはどちらも彼なのでしょう。年相応にはしゃぐ子供らしい所も。血まみれになって英霊と戦う所も、常軌を逸した絶倫で女傑達を喰っていく所も……。善だけの人間がいなければ、悪だけの人間もいない。人はあらゆる角度から見れば、その姿をいくらだって変えていくのならここにいる優しそうな彼も淫らな彼も同じマスターなのでしょう。

 

 私にとって恐怖の象徴でしかなかった凶王が後の創作によって改心し、3人の子を持つ良き夫になったと書かれているように……。もしかすれば、彼の王もそういう面はあったのかもしれません。まぁ、私が知る由もありませんし、どうでもいい事ですが。

 

「うん……カルデアの視聴覚室が大破と血眼になってメッフィーを探すモードレッドっていう愉快な結果にはなってしまったね。あぁ、マーリンだけは大爆笑していたよ」

 

「そのような自分達がモデルとなった創作物を英霊達本人が見るというのはやはり複雑な気分なのでは?」

 

「いやぁ……あの映画はそれ以前の出来だったと思うよ」

 

 平和な会話。

 

 毒にも薬にもならない言葉のキャッチボール。

 

 殺されない為にあらゆる言葉を尽くしてきた私にとってとても新鮮で心地良い時間でもありました。

 

 言葉を交わすのは本来こうあるのが正しいのです。言葉一つ一つに細心の注意を払い、命を懸けている方がおかしいのですから。これは私の職業病とも言えてしまいますが。

 

 肩の力が抜けて、ようやく普通にマスターと会話が出来るようになった私は前から気になっていた事を彼に問い掛けました。

 

「貴方は死についてどう思っていますか?」

 

「どうとは?」

 

「アガルタでフェニクスが問い掛けた質問と似たような物です。死ぬのを怖いと思った事はありますか?」

 

 彼はあの時、言いました。『死にたくないんじゃなくて、彼女達と共に生きていきたいだけ』と。私にもその違いはわかりませんでした。彼が愛する人達と共に生きるというのなら、永遠を……不老不死を望むのが普通ではと。

 

「勿論、死ぬのは怖いさ。けど、俺にとって人生は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だと思ってる」

 

 隣で足をバタつかせて、照れ臭そうに彼は言葉を続けます。

 良く生きる……それは死なない事とイコールにはならないという事なのでしょうか。

 

「自分の終わりはこんな所じゃない。お前なんかに俺の最期はあげられないっていう反抗心もあったしね、ゲーティアに抗ったのも、死にたくないというよりは今日という一日を彼女達と生きていたいっていう想いもあったし、それに最近はさ、ちょっと目標もできちゃったね」

 

「目標ですか……。それを達成すればいつ死んでもいいと?」

 

 私には理解出来る代物ではなさそうです。死よりも勝る目標など……今の私には想像もつきません。

 

「うん。将来設計かなー。俺と一緒に歩んでくれた娘達と家族を作って――、そして彼女達よりは絶対に先には死なない。彼女達を残して寂しくさせるなんて事はしない――」

 

 その言葉はサーヴァントに向けられる言葉ではなく、一人の人間。一つの個人として愛し、尊重したものでした。

 

「独りぼっちが嫌な俺にずぅっと付いてきてくれた彼女達を看取る。そして最後に残った俺は息子、娘、孫、ひ孫に見守れながら、家の縁側でゆっくりと息を引き取る……。そんな家族としての人生を全うする事が今の俺の夢でもあり、到達点かな」

 

 彼の言霊は私に想像させられてしまいました。日の当たる平和な場所でしわくちゃのお爺さんになって満足そうに家族に囲まれながら、息を引き取っていく彼の姿を。

 

 それも紛うことなき死。私が忌避すべき物。ですが、何故かその絵はとても暖かくて、恐怖の欠片も無くて、少し羨望を抱いてしまうものでした。

 

「……私にはわかりません。創作では書かれていても、今の私には子供を作る喜びなんて――」

 

「俺もわかんないよ。だから想像するの。どう死ぬかじゃなくて、どう生きていきたいのか。ほら、俺って欲張りだからさ、そういった証がたくさん欲しいんだと思う」

 

 多くの女性と関係を持ち続ける彼の在り方は一般的な善悪で言えば、悪でありますが。好悪で言えば……。きっと、今の私は――。

 

「だから、こうしてカルデアに来たんだから、シェヘラザードにもそういう暖かい世界にいて欲しいなって」

 

 子供らしく真っ直ぐに私の心配をしてくれるこの()を好ましく思っていたのでしょう。

 

「あっ」

 

 気づけば、私は彼をベッドに押し倒していました。

 臆病な私らしからぬ、大胆な行動。女性の本能だけではなく母性さえも刺激されてしまった彼の在り方にまるで魔術に掛けられたかのようでした。

 

「あっ、あの……こ、これは違うのです。も、申し訳ございません……す、すぐによけますので……」

 

 自分でもどうしてこんな事をしているのか理解できず、どもりながら、彼の上からよけようとします。普通、男女で立場が逆では?

 

「いいよ……。何も抵抗しないから、君の好きにして――」

 

 そうやって色っぽく息を吐きながら、私の手を自身の胸に誘ってくるマスターに私の中で何かが切れてしまいました。端麗な美女に誘惑される童貞のように私は彼の体に喰らい付いてしまったのです。

 

 地底世界で私が結実させようとした物語。女性が強く、男性が虐げられていた世界。それは私の男というものの恐怖心から生まれたもの。

 

 本当にそれだけ――?

 

 立場が上な男に嬲られるのではなく、本当はこうやって好ましい男を自由に組み伏せてみたい願望があったのでは――?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっ、あぁっ……ごめんなさい、ごめんなさい……」

 

 言葉とは裏腹に体は勝手に欲望にまみれた行動をしていた。

 魔力を込めた指先でマスターの薄い衣服を引き裂き、裸に剥く。飾りの多い、自身の服も脱ぎ払い、隔てる物が無い状態でマスターの肢体を抱き締める。彼の未成熟……だが男としては完成されているという矛盾した肢体の感触、その体温を全身で感じ取っていた。

 

「あっ、あぁっ……ごめんさい、私、どうして……でも、でも、あんな事、言われたら止めれなくて……」

 

「わかってる。悪いのは全部、俺。だから君は何をしても許される」

 

「あぁ、あぁっ!ずるいっ……本当にずるい人――」

 

 豊満な肢体で腰を動かし、自慰に耽る私にそうやって欲望を助長させる言葉を投げかけるマスターにさらに盛ってしまった。言葉を操る語り部が言葉によって興奮させられているのです。

 

 彼に圧し掛かり、巨峰の形が歪む事を気にする事もなく、唇を近づける。

 

 マスターの手は主導権を譲るように控えめに私の太腿を撫で続けていました。

 

「はぁっ、あぁっ……キスを……してもいいでしょうか?」

 

 無言で首を縦に振る彼の口と重ね合わせる。

 今の私の頭の中には彼との性交によっての受肉等、もう頭に無かった。本能のまま、感情のまま、目の前の男と繋がり合いたいという欲望のみ。

 

 それは死にたくないという以外で初めて生まれた願望とも言えた。

 

「んぅっ、はむぅっ……ちゅっ、んちゅ、ちゅむぅっ……んぁあっ、もっと舌を出して下さい……」

 

 男にされるのではなく、自分からする接吻がこんなに甘美だったと知らなかった。支配するように男の唇を舐め、吸い付くすのがこんなに気持ち良い物だと知らなかった。

 

「れろぉっ……んじゅぅ、じゅるぅ……んむぅぅ、ちゅ、んちゅ」

 

 ぷっくりと肉厚な唇が何度も合わせられ、舌を甘く噛む。

 自身の口技によって反応してくれているのが嬉しい。マスターの吐息が私の脳髄を揺らしてくる。

 

 もっと狂ってしまいます。

 

 もっと夢中になってしまいます。

 

 もっとおかしくなってしまいます。

 

 下腹部に感じる熱い感触。彼から少し離れれば、別のコテージで乱交していた時に見た怒張がありました。私が今まで見てきた中で一番大きく雄々しい怒張。自分にここまで興奮してくれた事実にどこか誇らしくなり、嬉しくなってしまいます。

 

 いつもの私なら、こんな凶悪なモノを見てしまったら、死んでしまいます……と逃げてもおかしくないのに、今は愛おしささえ、湧いてしまいます。

 

「んっ、はぁっ……生々しい匂いぃ、なんて濃い男の香り……」

 

 体の向きを変え、お互いの局部が眼前に来るような姿勢を取るシックスナインの体勢。

 舐めるだけでは足りない、自分のも舐めて欲しいと媚びるように女陰を彼に見せ付けます。

 

「どうして欲しいの?」

 

「私が貴方のを舐めるので、貴方は私のを舐めて下さい、いいと言うまで……口を離してはいけません」

 

「むぐっ」

 

 そうやって私は下半身を躊躇無く彼の顔面に押し付けました。失礼極まりない言葉と態度を取っても彼は何も言わず受け止めてくれました。その包容力に甘えたくなってしまいます。

 

 男を支配しているこの感じ、そして従順に蜜壺の中へと舌を這わせてくれるマスターにすぐにはしたない雌声が漏れてしまいました。

 

「あぁっ、ああぁ――……!!ひやぁぁっ!!なか、ぬちゅぬちゅ、舐められてぇるぅ……!!」

 

 息苦しいだろうに、ひたすら私の膣を愛撫してくれるマスターに愛着が止まりません。無駄に大きい私のお尻も慈しむように撫でられて、溢れる愛液が彼の口内へととめどなく流れ込むのを感じてしまいます。

 

「はっ!あんぅぁっ!……お尻のぉ……その責め方ぁ……んひぃっ!素敵ですぅっ……あっ、あむぅっ、んじゅるぅ」

 

 クンニされるだけでは満足出来ない私は雄の象徴にはしたなく口を付けます。

 鼻腔から脳をくすぐる匂い。口いっぱいに拡がる陰茎の味が私の口淫をより激しくさせていきます。

 

 先走りをもっと出させようと鈴口を舌でくすぐるとくぐもった声が私のお尻から聞こえてきました。

 どうすれば、彼はもっと私の下で気持ち良くなってくれるのだろう。頭の中はそれでいっぱいになっています。

 

 あぁ、ありましたね。私の武器が言葉だけではない、普段は肩もこりますし、当たり判定も増えるので邪魔くさいと思ってた乳房が。

 

「んっ、んっ、ふぅ……ちゅ、ちゅむぅっ……」

 

 たゆんと胸の谷間で肉棒を包み込むとその分身が悦びを表すように震えてくれています。

 彼に恥部を舐められ続け、達してしまいそうになるのを堪えながら私の乳でも納まり切らないペニスを上下に扱きます。亀頭は激しく吸い付いたまま。

 

「ちゅむぅ、ちゅ、んちゅ、らして下さい……沢山、あなたの欲望を……」

 

 悩ましく腰をくねらせて、娼婦のように彼の剛直を扱き続けます。

 熱が上がり、二人の体の動きはどんどん激しくなり、お互いの下腹部の性感を極限まで高め合っていきました。

 

 私も、彼もむずむずする性器を解放させんと愛液を飛ばし合う――。

 

「んんんぶぅぅっ!!んぐぅっ……!んむぅっ……!!んじゅぅ、じゅるぅぅっ……」

 

 入ってくる……。入って来るぅっ……。濃厚な雄の塊がぁ……私の喉を犯し、胃の中へと滝のように……。

 

 あぁ、けどこれはいい。無理矢理注がれているのではなく、私の意思で彼の射精を促し、精液を飲み干す。何と表現すればいいのでしょうかこの満たされた気持ちは。

 

「んっ、んむぅっ、んぱぁっ!あぁっ……はぁっ……!」

 

 口の端から垂れる白濁を拭き取り、未だ私の尻に敷かれている彼の方に視線を送ります。

 口内射精で達してしまった私の愛液を飲む為に喉を鳴らし続ける彼の何とイジらしい事か。

 

 わかってしまいました。どうして数多の女英雄達が彼との情事に溺れてしまうのか……。絶倫とかテクニックとかそれだけではなく、マスターは巧みに変えていっているです。私達それぞれのツボを……性癖を突く振る舞いを。しかもそれを本気でやられてしまった日にはその健気さにもう参るしか無いでしょう。

 

 臀部の拘束から解放し、再びお互い向き合います。

 私の腕の下にいるマスター。何も抵抗しないと誓った我が王。あぁ、あぁ、そのような純粋な瞳を私に向けないで下さい。

 

「……次はどうすればいい?」

 

「わかっている癖に。意地悪なお方……。お互い、こんな所でおさまりはつかないでしょう?」

 

 彼に対する恐怖心も性交に対する恐怖心も粉々に消し飛ばされてしまった。

 ダユーではないが、私自身もこれ以上の我慢は無理だった。

 

「はぁっ……あぁっ。もう、あんなに私の口に出して、まだ昂っているなんて、いけないアソコです」

 

「ごめん。シェヘラザードの体が気持ち良くてさ……駄目だ、勃起が止まらないよ……」

 

「そうやって私を惑わせる台詞を吐くのですね……」

 

 子供のように無力な表情で私の劣情を煽るイケナイ彼に肉布団のように覆い被さり、性器を擦り付け合わせます。

 素股の要領でお互いの性器を刺激し合い、来るべき時の準備を行います。

 

 本番を行う前に私は彼に問いを投げかけます。

 

「マスター……。貴方は私を守ってくれますか。貴方が先程語ってくれたその未来に私も入れてくれますか?」

 

 ここに来て縋るようにこの台詞を吐くのはずるいと自分でも自覚はあるが、やはりこれが私。そう簡単に変える事は出来ないのです。

 生前は死なない為に物語に縋り、サーヴァントになってからは男に縋る。はぁ、どうしてこんな女が英霊になったのでしょうか。

 

「肩の力を抜いて、シェヘラザード」

 

「あっ……」

 

 しょうこりもなく自己嫌悪に浸り、こわばっていた私の首に手を回し、耳元で囁く彼の声が心地良い。

 

「俺の未来予想図にはもう君がちゃんといるよ。だから、これからもたくさん大事にさせて欲しいな」

 

「――――っ……!」

 

 だからどうして、こう貴方は私の琴線に触れる台詞ばかり送ってくれるのでしょか……。もう、涙が止まらないじゃないですか……。

 受肉とか、サーヴァントを超えた霊基とかもうどうでもいいです。今、この人と繋がり合いたい。交わりたい。子を孕んで、家族になりたい。

 

 死んでいたと思った女の性が燃え上がり、彼の肉棒を迷う事なく、膣内へと挿入させます。

 

「んんぅぅぁあああっ!!」

 

 貫かれた痛みはなく、肉体の悦びと心の喜びが数回のオーガズムへと私を導いてくれます。

 背筋をピンと伸ばし、はしたなく仰け反っている私の手を握り、彼は私が落ち着くまで待ってくれていました。

 

「ゆっくりで、君のペースでいいから」

 

 そう言って騎乗位の変形型の体位で開かれた彼の両脚の間で腰を振り出しました。

 乳房の先端を彼の顔の前まで持っていき、吸うように促すと甘い痺れが体中を走ります。

 

「ちゅっ、ちゅむぅっ」

 

「あっ!はぁぁっ……!!ひぁあっ!おっぱいぃ、きもちよくてぇぇ……あぁっ、また、イ、くぅっ……!」

 

 ここまでの安心感を私は知りません。彼とセックスをしていると死への不安が浄化されていくような感覚に支配されてしまうのです。それはまるで麻薬のような中毒性と核シェルターのような安心感があって。

 

 もっと浸りたいと……隙間が無くなり、一つに溶け合うように肌と肌を合わせます。

 

「はっ、はぁっ……あぁぁっ!いぃ、いいっ……!気持ちイイっ!んぉぁあっ!!」

 

 蒸れた駄肉がパチンパチンと音を鳴らし、彼とセックスをしている事を改めて実感させてくれます。

 彼はまだ、私が意識を持てる程の強さで胸を吸ってくれて、その絶妙な力加減に犯されている私はマスターを捕食するようにその全身で彼に覆い被さります。

 

「はあぁっ!!ああぁんぅぅ!ふぅぁあっ!!はひぃ、あぁくぅぅっ!!」

 

 私の体で埋められてしまったせいで彼の様子を窺う事は出来ません。上下から来るこの甘美なる快楽だけが二人の繋がりの証。

 狂ったように私は腰を振り、よがり続けていました。

 

 もう、自分の意思で止める事も、そもそも止めるつもりもありませんでした。彼のペニスが私の子宮口を何度もノックしていく衝撃に酔いしれるように私は痴態を晒し続けます。

 

「あぁっ!!あああぁっ!死んでしまいますっ……キモチ良すぎてぇ……死んでしまいますぅっ……!!はっ、あぁっ……んああああぁっ!!」

 

 あまりの快楽の奔流に私の口から止めどなく出る叫び。

 

「はぁっ、あぁっ!!んっぁぁあっ!!死んじゃう、死んじゃうっ……!本当に死んじゃうぅぅっ……!!んひぁあやああぁっ!!マスターのおちんぽに殺されてしまいますぅぅっ!!」

 

 死を避けなければならないのに、死から逃げなければならないのに、自分はそうやって生きて来た筈なのに……私の体は止まってくれません。

 気持ち良すぎて、彼の体に夢中になり過ぎて、錯乱したかのように性交を続行する私に乳房から顔を出したマスターが語り掛けてくれました。

 

「大丈夫。死なないから、ちゃんと俺の方を見て」

 

「あぁっ、あっ、あっ、んぁあぁっ……は、はいっ、見ます……ちゃんと見てますっ……」

 

「うん。良い子良い子。落ち着いて……ゆっくりと二人で達しよう」

 

「んっ、んっ、んふぅっ……はぁっ、あぁっ、はいぃっ……んぁっ」

 

 襲いかかったのは私の方なのに、慈愛に満ちた顔で混乱を鎮めるように私の頭を撫でてくれるマスターに絶対の安心感が心に宿ります。

 

 あぁ、あぁ、気持ちが良い。心地が良い。死ぬ程気持ちがイイ。この(セックス)は全然怖くない。

 

 上下に重なった男女はお互いの腰をぶつけ合います。全身をスプリングさせ、尻肉を叩き付ける事により、雁首が膣を削岩機のように抉り、語り部たる私の口から言葉にならない淫語が紡がれていきます。

 

「あんぅっ!!あっ、あぁっ!んぁぁあっ!ひぅぅっ!!だめぇ、子宮がどんどん降りてぇぇ……おちんぽにキスをしてしまいますぅっ……!!王、私の王……!どうか、離さないで……私を包み込んで……!あぁっ――」

 

 優しさだけじゃない、強さだけじゃない、快楽だけじゃない、そのあらゆる物をもって私を絡め取ってくれた夜の王に千夜を語った女が溺れてしまいます。

 膣の中で一際大きくなっている肉棒が私を孕ませようと子種を吐きだす瞬間。

 

「んぁああっ!!あ、あぁ……っぁ!……たくさん、たくさん出して下さい……私と貴方が離れ離れにならないような……証をたくさんぅぅぅぅぅっ!!」

 

「あぁ、あげるよ……たくさん、これからもずっと――」

 

「んんぉあああああああっ――…………!!!」

 

 射精の瞬間――。絶頂の大きさに彼を押し潰してしまうぐらいに全体重をかけても苦しそうな表情を浮かべる事なく、私を抱き締め返すだけ。

 射精しながら、まだまだピストン運動を続行するマスターに私は子宮をたぷたぷにさせながら中イキを繰り返していました。

 

「あぁっ!あひぃっ!!やぁっ……!んぁあっ!す、すごっ……射精しながらぁ……動いてぇぇっ……あっ、はあぁっ!!」

 

「……結構、絞ってくるね……」

 

「おっ、んぉっ……はぁっ……あんぅ!イく、あっ、あっ、イッてるぅ、まだイッてるぅぅっ……!」

 

 惜しむように余韻を楽しむ私達は射精した後もしばらくそのまま性器を抜かず、交じり合っていました。私が意識を手放す時まで――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「起きた?」

 

 今日はよく気絶する日です。

 覚醒し、目に入ったのは我が王の顔。そして後頭部の硬い感触。

 すぐに膝枕をされている事に気が付きました。どちらかと言えば、私がする立場な筈なのですが……。つくづく男女のポジションが逆では?とツッコミたくなるシチュエーションばかりすね……。

 

「また……お見苦しい所を」

 

「それだけ、自分に心許してくれてるのかなって感じて嬉しいけどね……。よーしよしシェヘラザードちゃんは頑張り屋さんのイイ子~、イイ子~」

 

「あっ、あっ、あっ。駄目です。いけません、そのように頭を撫でては……」

 

 マスターの包容力に幼児退行してしまいそう。これがバブみという奴ですか……。あぁ、ダメサーヴァントになってしまいますっ……。

 

 横になりながら、お腹を撫でます。彼に散々注がれてしまった胎を。願わくば、私も他の方達と同じように肉体を授かれるように……。

 

「一つ、願いが出来ました」

 

「死なない事以外に?どんな願い?」

 

「それは……まだ秘密です」

 

 マスターはそこから深く追求はせず、私の髪を梳くようにひたすら撫で続けていました。とてもとても穏やかな時間。私は人知れず願っていました。どうか、貴方の最期もこのような穏やかな時間でありますように。

 

 我が王よ。貴方はこうおっしゃりました。皆より、長生きして彼女達を看取ると。

 ですが、私は貴方より長生きをしたいです。貴方の生を終わりまで見届け、その全てを物語として紡いでいきたい。物語を死を避ける為の道具としてではなくて、誰かを楽しませるものとして。

 

 そうですね……最初は私達の子供に聞かせてあげたいです。人数は3人がベストですね……多過ぎず、少な過ぎず。そうやって私も家族に囲まれながら、安らかに貴方の後を追っていければ……。

 

 私も死なない為ではなく、この生を良く生きる為に使いたい――。この王の元なら、それを成し得る事が出来るという確信が心の内に灯火の如く宿っていました。

 

 

 

 

 




千女夜王物語(アルフ・イムラァ・ライラ・マリク)
ランク:――
種別:――
使用者:シェヘラザード
世界を壊そうとする程に死を恐れる一人の女がいました。悲しき女の心は愛多き夜王によって溶かされました。王との間に3人の子をもうけた女の顔には昔のような死に対する絶望感も忌避感も消えていました。王の家族に囲まれながら、傍に控える女は王の最期を見届けるまで幸せそうに過ごしていました。

―――という、お話だったのです。


『千女夜王物語』はマスターが天寿を全うし、彼の物語をシェヘラザードが語り終えた時に完成する。故に彼が■■■と化す第七宝具にこの宝具が組み込まれる事はない。















《ロンドンにての一幕》

「俺の聖晶石がドブに!」

排水口の溝まで走るマスター。

「はぁい、マスター。『キングアーサー・英雄転生』観た?」

(無言で首を横に振る)

「おやおやぁ、笑えるのにぃ。よろしければお貸ししますよぉぉっ」

「お前がそんな意気揚々と貸して来るDVD見るワケないだろ。『実写版デビルマン』と同じで腐臭がするんだよ」

「いえいえ、ワタクシの中では本家を超えている部分もあると感じましたよ。アーサー王とマーリンによって岩に閉じ込められたモルガンとモードレッドがそのまま岩ごといきなり宇宙へ飛ばされる冒頭、そして1500年後に地球に戻ってきて、何故かタイにいる円卓の子孫に復讐するという物語! どうですかぁ!?」

「面白そう! 『ズートピア』観るわ」

「お待ちになってぇぇぇっ!」

さっと光り輝く石を差し出す道化。

「俺の聖晶石!」

「返す代わりにアマゾンで買って下さい。買いなさい」」

(コイツ、マスターを脅迫してやがるっ……)

「おぉ……そんなに嫌そうな顔しないでも、うわっ、素で引いててメッフィーショック。ですが、今回は結構、笑えたんですよ。特に終盤の15分はワタクシ顎が外れる勢いで爆笑してましたから、なんですかねぇぇ、メカエリチャンを思い出しまたよ。あぁ、これが異聞帯ぃぃ!? みたいな?」

「マジで面白い?」

「えぇ、大丈夫大丈夫ぅ……メッフィーを信じてぇ」(瞳を潤ませながら)

溝の中に手を伸ばすマスター。

「マスターもきっとクソ映画の魅力に嵌るから……ワタクシと同じ沼に落ちるといいですよぉ!! 『微睡む爆弾(チクタク・ボム)』!!」


アーサー王達と円卓は憤死した。クソ映画に対する練度が足りなかったのだ。
そして冒頭の宇宙に吹き飛ばされるシーンで「実質ヒロインX」と言ったマーリンはカリバーンられた。









また、真面目な話書いちゃったなー。ここ最近、ギャグ書いてないなー。




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