カルデアコレクションにてシトナイ(最終再臨エチエチ過ぎて獣ムーヴからのウコチャヌプコロ待ったなし)と謎のヒロインXX更新。
謎のヒロインXXは謎のヒロインXと別キャラとして扱います。セイバー絶対殺すウーマンとくたびれた行き遅れ成熟した女の躰持て余しOL感でキャラ分け出来るので。
後、カルデアコレクションにて、一度でもメイン回をやったら名前の後に○をつける事にしました。撃墜マークです。
カルデアのマスターのマイルームにて、一組の男女がベッドで寛いでいた。
珍しくシミュレーションルームではなく、通常の時間が流れる現実の空間。
――男の方は純情無垢に親しみを、時に熱烈な淫蕩を。ビースト候補生ことカルデア最後のマスター。
――女の方は清楚無垢に欲望を、時に悪辣な淫蕩を。コノートの女王こと恋多き貴婦人メイヴ。
ベッドは何をする為の物?と聞かれたら平気な顔でスプリングでギシさせて異性をアンさせる為の場所ではと答えそうな二人。どちらもその性格上、経歴上、余人が見てしまえば、色恋沙汰からその先……性事情まで想像せずにはいられない。
普通の男女どころかあのマスターと女王メイヴが二人でベッドイン、何も起きないはずがなく……と想像力を掻き立てられるモノローグで官能小説まっしぐらなシチュエーション。
『ギャアアアアアアアッ!!』
しかしそんな桃色の予想を覆し、彼女が目にしているのは血腸ぶちまけるシーン。白いモコモコの熊型のフード付きのルームウェアを着ながら、チーズ味のポテチを片手にうつ伏せでゾンビ映画を鑑賞するメイヴ様の何と油断しきった体勢の事か。
下は邪魔ぁ!と言わんばかりに下半身はピンクのレースのドエロい下着丸出しだったが、後ろにいるマスターもその美尻ではなく、フィクションの中の屍達の方に集中していた。
甘い空気、エッチな空気未だゼロ!
「ねぇ、マスター。ゾンビ映画って最初の方は凄くワクワクするのに中盤以降からダレてしまうのが割と多い印象があるの、私」
「ある意味、ゾンビが現れてから日常が壊れるあたりピークだからね、一概に全部がそうだとは言えないけど」
「私、最初は怪物と戦っていたのに途中から、それが置いてけぼりになって人間同士の争いにシフトする展開きらーい」
「けど、極限状態で精神的におかしくなったイカレと戦うのは嫌いじゃない」
「たかだか人食い程度で潰れちゃうなんて現代の人間は脆いのね、間引いてあげようかしら?」
「英雄王みたいな事を言わないで欲しい」
「愛犬可愛さでバリケード壊すおばあちゃんもいるから、何を仕出かすかわからない点で言えば、最終的に恐ろしいのはやっぱり人間って結論に落ち着くのよね……」
「ババアインパクト」
「足の速いゾンビの方が緊迫感はあるわね。走っている車の窓ガラスに頭から突っ込んでくるシーンとかインパクトあるもの」
「そこまで来るとゾンビじゃなくて、クリーチャー的な別物になると思う。ワールド・ウォーZはそこらへん怖かったねぇー」
「もしゾンビに犯されたらどうなるのかしら?」
「何と薄い本的展開。ゾンビの強靭さと人間の優しさを持ったハーフなぁんてファンタジーな結末にはならないと思います。ていうか性器から感染してBADENDでは?」
「死後硬直でアソコ、滅茶苦茶硬そうよね……」
益体も無い話をダラダラと。キュートなお尻を見せ付けながら、足をバタつかせるメイヴちゃんはポテトチップスを一つまみ。箸なんてお上品な物はつかいません。指についた塩をアダルトチックに舐めまわすまでがメイヴちゃんクオリティ。
ぺろちんちょ、どっこいしょ。それでも二人はヤりません。
「ほほぉ、この状況でセックスですか。割と死亡フラグがたって……あっ、喰われた」
「情けないわねー。メイヴちゃんなら、男の上で腰振ったままゾンビの一匹や二匹ぐらい軽く殺すわよ」
「一般ピープルとスーパーケルトウーマンを比べちゃ駄目でしょ。それにしても、ホラーとかアクションとかラブコメとか案外ゾンビジャンルって幅広いよねー。最近じゃ、アイドルゾンビとかあるし、SAGAってすげー」
「まぁ、英霊がアイドルやるぐらいだし。けど、アイドル……アイドルねぇ、メイヴちゃんなら簡単に天下取ってしまうわね、きっと。グループ名は『チャリオット・ハイエース』とかいいかしら。あまねくファンの愛を攫っていてしまうメイヴちゃん!どう?プロデューサーとかやってみないかしらマスター」
「残念。既にエリちゃん率いる『カルデレラガールズ』のプロデューサーなのだ」
「えぇ――。いいじゃない――、私がアイドルの頂点に立つ様を舞台袖から見たいでしょ――。そもそも百股してるマスターが掛け持ちとか気にする?」
「まままままだ百いっとらんし」
話はあらぬ方向に脱線。二人共特に意味があって会話をしているわけではない。だが気の置けぬ友人同士の雑談などこんなものだろう。もはや脊髄反射だけで行われている言葉の応酬。それでも二人の間には気まずさなんてものは微塵も無かった。ダラダラとダベっているだけなのに無性に居心地の良さを感じてしまう。
人理が修復される前に召喚されたメイヴちゃん。カルデアの中では古参とも新参とも言わない中堅。マスターとの付き合いもそこそこ長いのに実はまだ一度たりとも肉体関係を持っていない。
彼女を知る者なら、ハハハこやつめと笑うか、綺麗なメイヴ?メイヴ・リリィ……!?と戦慄するのどっちか。
だが、今までもマイルームから出て来た二人からは性的な匂いは一切しなかった事がそれが事実であると物語っている。そもそもこのスーパーケルトビッチが情事において嘘をつく理由も隠す意味も無いであろう。
ゾンビ映画に飽きたメイヴちゃんはごろんと仰向けに転がり、マスターから借りたラブコメ漫画を捲り始める。自然とその上半身は胡坐をかいていたマスターの膝の上になるのだが、不思議な事にまっこと不思議な事に甘いムードは漂ってこない。
「はぁ!?キムチ!?もう何よ!それどんな聞き間違いよ!こういうラブコメ漫画って男も女も肝心な所で精神疾患を疑うぐらいに鈍感になるわよね。いつまで経っても、うじうじうじうじ、迷惑がかかるからとか、彼女がいるからとか、今の関係が壊れるからとか、好きな癖になんで諦める理由ばっかり考えているのかしら?」
「身も蓋も無い事を言えば、恋愛小説とかラブコメ漫画って結ばれるのがゴールだから、商業誌である以上、そのゴールまであらゆる手を使って引き伸ばしにかかるのは定石なんじゃない?」
「愛や恋がビジネスで売り買いされるのね……悲しい時代になったわ」
「僕勉とか好きだけど、理系推し」
「マシュっぽいからでしょ」
「まぁ、皆好きだけどね!」
「知ってた」
「最近の主人公が乙女っぽくて何か可愛い」
「ホモかな」
「ホモちゃうわ」
「私は妹派よ。血の繋がった兄だろうが何だろうが好意を示していく積極的な姿勢は嫌いじゃないわ」
漫画を読んでいる以上、唾液が付着した指でページを捲るなんて事はしない。親しき仲にも礼儀あり、訓練されたコノート国民なら大金はたいて購入しそうなメイヴちゃんの唾液だが、マスターの所有物を汚すなんて彼と
そう、ずっ友。親友。心の友。マスター・マイ・フレンド。
何も言わず、目の前に差し出されたメイヴちゃんの指をごく自然にウェットティッシュで拭いてあげるマスター。そして、またページを捲り、ポテチをつまみ、汚れたら拭いてもらい、それを繰り返す。マスターが見やすいように本の角度を実は少し上げている所もミソ。「もう少しゆっくり捲って」なんて言葉も挟まず、黙々と同じスピードで漫画を読んでいる二人にはまるで竹馬の友が如き気安さがあった。
「添い遂げる相手を一人しか選んじゃいけないなんて、マスターの国は窮屈よね。ん?そう考えるとマスターってば法律に反している犯罪者?」
「いざという時は重婚が許される国に高飛びするよ」
「そんな逃げるような真似しなくても、国を作ればいいじゃない!私みたく!…………何よこの展開……せっかく実家が反社会的組織ならもっとそこを有効活用しなさいよ!女の4、5人ぐらい囲ってみなさいよ!他人の結婚式ぶち壊しておいて、変な所で常識人ぶってんじゃないわよ!あ――もうっ!イライラする!」
「文句言いながらも、最後まで読むんだね」
「当然でしょ。内容を知らずに何に文句を言うのよ。ちゃんと全部読んだ上で扱き下ろすわよ私は」
「アンデルセン先生とシェイクスピア先生がニンマリしそう」
「あの口だけ悪魔共の話はしないで頂戴。はぁぁぁっ――……私なら振った側の男が急に泣き出したら、その場でペニス蹴り飛ばすわよ、まったく」
ぶつくさと不平不満を言いながらも、漫画を読み切ったメイヴちゃんは両腕をピンと伸ばす。マスターは何も言わず、その両腕を二の腕から揉んで、マッサージをしてあげていた。女王の顔が気持ち良さそうに蕩ける。しかし彼女には珍しくエロチックさを感じさせないゆるキャラのような表情だった。
「んああああああぁぁぁぁ~~~~……」
「メイヴちゃん、すっごい間抜けな声出てる。今の録音して兄貴に送っていい?」
「やめなさぁぁぁいぃぃ~~こぉろぉすぅわぁよぉぉぉぉぉぉ~~~~」
いつからこんな関係になったかは二人にもわからない。メイヴも最初はもしかしたらマスターを性的に狙っていたのかもしれない。何せ、人外の魔獣やサーヴァントが跋扈する戦場に突撃しかねないマスター()である。メイヴにとっての愛する対象……勇士としての資格は十分にある。
だが、気づけばこうなってた。肉体の接触面も現在進行形で多い。そして彼女も気を抜いているとはいえ、その黄金律(体)を十二分に生かしたセクシーな格好である。特に下半身。だが、二人の間にあるのは「メイヴちゃん、マニキュア昨日と変えた?」「当然でしょ。いい女はこまめな所でも毎日変化をつけるのよ」と女友達のような会話。
生前において、同性は全て敵であり、友という存在がいなかった彼女がカルデアに召喚されて初めて出来た友達がマスターだった。
「っていうか――。どのクーちゃんもどうして全然、私に靡いてくれないのかしら?」
「押して駄目なら引いてみろ。今度はお淑やかムーヴで謙虚に迫ってみたら?」
「あぁ、そういう草食系は私には合わないわ。いつだって私は自信に満ち溢れているし、それに相応しい努力と美貌を持っているもの。だからそれを隠すなんてみっともない真似はしないわ」
「俺だったら惚れた娘がいたら、あらゆる手段を尽くすけどね。好きな娘と添い遂げる……それだけよ、それだけが満足感よ……。矜持や倫理観など、どうでもよいのだァ――!!」
「マスターは吐き気を催す邪悪だからね。チーズ以下の匂いがプンプンするわ」
「言いやがったな!未だ同性の友達がいないスーパーケルトボッチが!息の根を止めてくれるわ!」
「吠えたわね!ここで返り討ちにしてくれるわ!勝った!人理修復完!」
何にせよ、メイヴにとってマスターとは波長があったのだ。男とは傅かせ、侍らせ、抱いて、抱かれて、愛し、愛される対象でしかなかったのに。彼に関してはこの瞬間のようにお互いの体をくすぐりあって、じゃれついていながらも、性的なアレを感じさせないぐらいには砕け、心地の良い関係だった。
「貴様ら、仲良すぎやしないか?」
そして、ようやくここで二人の様子を今の今まで黙って見ていた第三者から声がかかった。
『生涯現役』と書かれた紫のダサTで椅子にかけていたおっぱいケルト師匠ことスカサハが渋い顔をしていた。メイヴに対抗してか、下は黒のTバック一丁。なんかここの部屋の女性陣の下半身の防御力低すぎない?
スカサハの問いに、何を言っているんだ?と似たような顔とタイミングで首を傾げるマスターとメイヴ。その息の合いようがスカサハの精神値をガリガリ削っていた。
「え――、別に普通でしょ。マスター、あれ取って」
「はいはい」
「ん」
「横着しない」
「女王だもの。んぐんぐ、ぷはぁー。どうぞ」
「ごくごく、この蜂蜜酒結構いけるね」
「私の経血入れればもっと」
「食べ物を粗末にするのはNG」
「チョー失礼」
飲み物を分け合い、極自然な流れで間接キスをし合っている二人。だがそれを特に気にしている様子もなく、むしろ気にする必要が無いぐらいにまるで熟年夫婦が如くわかり合っているような様を見せ付けられてスカサハは血を吐きたくなった。
「おい止めろ。そのツーカーな感じ止めろ。敗北感で死にそうだ」
「何、ワケ分かんないこと言ってんのよ。あんたがマスターと私が部屋で何してるかどうしても見たいって言うから入れてあげたんじゃない。私は死ぬほど嫌だったけど」
「大丈夫、師匠?おっぱい揉む?……いや、メイヴちゃん、無言で俺の胸板揉まないで欲しい」
「ほれほれ、ええのか?ここがええんか?」
「いやぁ、おやめになってぇ!」
「それだそれ!それを止めろと言っておるのだ!その友達以上恋人未満の最も楽しい瞬間を満喫しているイチャイチャを止めろと言っておるのだ!」
キャッキャッとベッドの上でじゃれつく二人に思わずスカサハは吠える。そもそも男を見たら、「セックスしたいorしたくない」のチョイスしか出てこない淫乱があんな邪気なく男と絡んでいる様子が彼女には信じ難い光景だった。
「貴様らは本当に肉体関係が無いのだな?」
「やだもう――、男女が一緒にいるだけでそういう事想像しちゃうの?欲求不満?」
「世界で一番、貴様にだけは言われたくなかった台詞だなっ……」
尋ねたスカサハだが、彼女自身も薄々は勘付いていた。過去にもマスターのマイルームから出て来たメイヴから事後を彷彿とさせる空気と匂いが一切無かったこと。それでもこの女英霊に対して吸引力の変わらないただ一つのダイソンであるマスターとスナック感覚で男のアソコをつまむメイヴがプラスされたらイコール、セックスしか無いと思うのは致し方無い。
だからこうして、直接眼にする事を選んだわけなのだが、まさかここまで精神的に削られる展開になるとはスカサハも夢にも思っていなかった。これならまだまぐわってくれてた方がマシかもしれないと。
「師匠ってば、俺がメイヴちゃんとは健全なお友達同士のお付き合いをしていますといくら言っても信じてくれないだもん」
「相手が
「ひどい女よね。自分の恋人の交友関係にも口出してくるのよ。あぁ、重い重い。今すぐ、縁を切る事をおすすめいひゃい、いひゃい、ふぁひふんのよ」
「隙あらば、煽ろうとしない。分かりづらいけど、こうやって俺を心配してくれるスカサハが好きなんだから俺は」
メイヴのほっぺを抓りながら、真剣な口調でそう語るマスター。他の者がやろうものなら、ブチ切れ必至だが、彼女はそれを咎める事はしない。頬を解放されても、ぷくりと光る可憐な唇を尖らせて未だ不満気ではあったが。
「…………ふ――――ん、そっ」
「甘い言葉を吐いても、私はそう簡単には絆されんぞ……。どれ、マスターそんな悪女の頬より私の尻の方が抓り甲斐があると思うが。どうだ?ん?ん?」
「ねぇ、マスター。本当にコレがいいの?」
「普段はキリリとしているのに偶に見せてくれる駄目な所が愛しいの」
「雑食ねぇ」
「美食家ですぅ。……ん?おっ」
そんなメイヴの呆れた目線を他所に振動したスマホをポケットから手に取ったマスターは外支度をして、部屋から出ようとしていた。
「あら?お出かけ?」
「うん。これから兄貴と釣りの時間なのでシミュレーションにこもってきまーす。フィッシュ!」
「クーちゃん!!私も行く!」
「メイヴちゃんが来るとクーちゃん逃げるから、だめ――。じゃあ、スカサハにメイヴちゃんも、俺はここでお暇するわ。部屋のロックはしなくてもいいから。好きに使ってもいいし、あと、ガチの殺し合いはご法度だからね!バイ!」
シュバババッと嵐のように消えていったマスター。彼は友情的な意味合いでも性的な意味合いでも色んなサーヴァントと四六時中、コミュニケーションを取っている。最近はいつ寝ているのだろうか?と心配になるぐらいに。
「ぶぅー、ぶぅー。なによ、私だけ除け者にしちゃってさ。いいもん、こうなったらマスターがやり途中のノベルゲーム先にクリアして、ネタバレメイヴボムを喰らわせてあげるんだから」
勝手知ったる他人の家、マスターの私室に何があるか全て熟知しているかのように棚から携帯ゲームを取り出したメイヴはマスターがいつも使っている枕を股に挟み、寝転がってピコピコと気晴らしに興じる。
スカサハとメイヴの間にあったマスターという緩衝材が無くなっても殺伐とした空気はそこには無かった。そもそもメイヴ自身がちゃんとマスターの言う事を守ろうとしている節がある。
「何を企んでいる?」
「は?何がよ?」
「欲しい物は何が何でも手に入れる。唯我独尊、我儘の擬人化、世界は自分が中心に回っていなければ気が済まない女が素直にマスターの言う事を聞いているのが信じられんと言っておるのだ」
「あら、サーヴァントはマスターに従順。そういうものでしょ?」
「心にもない事を」
琴線に触れる男がいれば、つまみ食いをせずにはいられないメイヴがマスターとあれだけ近くにいながら、未だ肉体関係を持っていない事がどうしてもスカサハには腑に落ちなかった。
メイヴから迫り、マスターがそれをのらりくらりと断るのならまだわかる。女英霊を大勢喰ったとはいえ、彼も見境が無いというわけではない。彼の心の中にある、彼だけの理によって関係を持つ異性を定めているのなら、マスターのタイプではないという女が出てきても別段不思議な事でもない。
だが、先程の二人の様子。マスターの女関係に関して寛容な方なスカサハが吐血する程の仲良しっぷり。即興の関係ではなく、マスターとメイヴはあれがデフォなのだ。気の置けないずっ友の関係。
だからこそ、スカサハは疑問に思った。性に奔放なケルトの中でもさらにビッチ。エクストリームビッチなメイヴがそんな生温い関係で満足する事はあるのだろうかと。
「…………ま、確かに勇士という資格は得ているわね、マスターは」
股に挟んだマスターの枕を太腿でスリスリしながら、メイヴは答える。
「竜種、ホムンクルス、魔獣、果てにはサーヴァントと殺し合えるぐらいに軟弱な人間を超えた戦闘力。どんな無茶ぶりでも応えてくれる寛容さ。小まめに話題を振って、時には余計な茶々を挟まず私の話に相槌をうってくれるコミュニケーション能力。些細な所でも奉仕してくれる気遣いに、私を飽きさせない行動をしてくれる破天荒さ。息を呑んでしまう程に魅力的な形をしたペニス。逆に何故、手を出さないの?と自問自答するレベル。えぇ、花丸満点。超タイプのドストライクよ」
「べ、ベタ褒めだな。まて、最後の方に聞き捨てならないことを」
「でも――」
スカサハの言葉を遮り、彼女は言葉を吐き続ける。それは誰かに語っているというよりは自身に言い聞かせているような口調だった。
「あの子、絶対、
もし仮にメイヴとマスターが男女の関係になったとしたら、マスターは全身全霊をもって愛し、生涯を尽くす。彼の番いが何人いようが関係無い。如何なる手段を用いて、その悪魔的に絶大な愛を捧げ、全てと添い遂げるのがマスターの在り方。だが、そんな相手はメイヴだけではない。彼の愛を独占出来ないのがメイヴにとっては我慢出来ない事だった。
「それだった……たった一つ。そこだけが私とソリが合わない致命的な所だった。まぁ、けどあの子といるのは居心地がいいし、楽しいから『友達でいましょう』みたいなノリで今日まで過ごしているわけ。御納得いただけたかしら?」
「
「えぇ、私もあり得ないと思ってたわ!あぁ、けどマスターとなら、そういう関係でもやっていけそう。私の友達処女を奪ってくれた
やけにそこの部分を強調し、嬉しそうに語るメイヴにスカサハは怪訝そうに眉を顰めた。メイヴの言い分はおおよそ納得出来るものだったが、話を聞いて尚、まだ大事な所で消化不良な部分が残っている……そんな感覚がスカサハにはあった。
「はぁーあ、やっぱりマスターがいなくなると暇ね。これ以上ここにいても目の前の女から死臭移されそうだし、さっさと退散するわ。気晴らしに男漁りでもしようかしらね――」
結局、一人でゲームをするのも飽きたのか、メイヴはゲームを元の場所にキチンと戻し、乱れたベッドのシーツも直し、さらにさらに食べかすも捨て、クローゼットから取り出したデニムのショートパンツを穿いて、「マスターの私物でオナニーに浸るようなみっともない事したら鉄戦車で轢くから」と彼女らしからぬ几帳面さを披露しつつ、スカサハに釘を刺して、部屋から姿を消した。
「……意識しているのか、それとも無意識なのか。私には貴様がまだ何か隠しているように思えるぞ。メイヴよ」
「むぅ――むぅっ……」
男性英霊、カルデアのスタッフ……比較的人の出入りが激しい食堂で男漁りをする筈だったメイヴはそちらに目を向ける事はなく、何故か仏頂面で椅子に座り、スマホを操作していた。
ひたすらマスターに向けてLINEを送信しているメイヴの脳裏に浮かんだのはマスターとの出会いからこれまでの事。
――私はメイヴ、女王メイヴよ。私に相応しい勇士はどこかし……あら、平々凡々な魔術師かと思いきや……。へぇ、へぇへぇ、うふふ、結構イイじゃないあ・な・た♡
――ふ――ん、もういきなり二人っきりで部屋にお誘いしちゃうのね。マスターってば手が早いわ。まぁ、私の魅力なら仕方の無い事だけど!それに話の早い男は嫌いじゃないし。
――え?ジュースにお菓子……クッション?はぁ、ご丁寧にどうも。見たい映画?それともゲームする?って違うでしょ――!!馬鹿にしてんの!?うら若き男と女が密室で二人!そんなのヤる事一つしかないでしょ!ってかこのポテチ、チーズ味じゃない!?喧嘩なら買うわよ?
――は?英霊とか関係ない?メイヴちゃんならこうやって普段から苦手な物を食べて自分の死因を克服出来ると思った?具体的にはいついかなる時に飛んでくるチーズを蹴り飛ばすぐらいに?……いいわよ、やってやろうじゃないの、この野郎!!
――そもそもねぇ!私をチーズで死んだ女ワロスとか何かと馬鹿にする輩がいるけど、投石機で飛んでくる乾燥したチーズなんて砲丸と変わらないんだから!あんなもん頭に直撃したら誰でも死ぬっての!もぐもぐ、もぐもぐっ、このチーズフォンデュ・ウィンナー美味しいぃ!おかわり(怒り)!!
もし自分が男体化したら、こうなるのかもしれない――なんて数多の女英霊と肉体関係を結ぶ彼に対してメイヴは強い親近感を最初は覚えていた。結局、それはすぐに間違いだと気付いたが。
(だって、私はあそこまで個人に対して尽くすつもりないもの。語らいも抱擁もセックスも全てはまず己から。私が楽しくて、私が気持ち良くないと意味無いじゃない)
自分が恋し、愛した男達は大勢いる。だが、彼らに自分の人生を捧げるなんてつもりはさらさら無かった。他にイイ男がいれば追いかけるし、自分のモノにならない男がいれば、どんな手段を使ってでも屈服させる。今まで関係を結んだ男達を女々しく振り返るような殊勝な心構えは女王メイヴには存在しない。
男達の方が自分に全てを捧げるのを当然とした上でのこの考え方こそ、混沌・悪の属性を持つ淫蕩の女王たる所以。
メイヴは縛り付け、支配する側。なら、マスターは?
サーヴァントとマスターの主従関係。ベッドでは歴戦の女傑達があっけなく卑猥に啼かされている。ではマスターもメイヴと同じく支配する側。過半数がそう考えるかもしれない。女英霊達を傅かせ、侍らせている主。
けれどもメイヴにはそんなマスターの後ろに女達の鎖で縛られている獣の姿が浮かんでいた。もう二度と寂しくならないように彼女達と生涯を添い遂げると
男女の駆け引きなんて無かった。甘い雰囲気も、疼くような交わりも。
だが楽しかった。彼といる時間はどうしようもない程に。意味もない言葉の投げ合いも。馬鹿みたいなお喋りも。子供のようなじゃれあいも。サマーレースを滅茶苦茶にした駄女神を牢の中で二人がかりでこってり濃厚にお仕置きした時も。
――あひぃぃぃぃっっ!!んあ゛あ゛あ゛ぁぁっ!!ごめなひゃい、ごめんなひゃひぃぃっ……!!私は後先考えない頭うっかりの駄女神ですぅぅっ!!だからもうぅっ、バイブしながら、アナルつかないでぇぇぇっ!!んほぁああああぁっ……!!
(そのケは無かった私でもドキリとした乱れっぷりだったわ。いい気味だったわよあの金星の女神とやらは、フフフ。あぁ、それにしてもあの時のマスターの本当にいいブツだったわ……)
彼女がその時、一度だけ眼にしたマスターのペニス。目隠しされて、バイブ付きの木馬に跨らされて、尻穴を突かれ続けるイシュタル。それだけ性が充満する空間にいてもメイヴはマスターと体を重ねる事は無かった。ただ、うっかり女神を性的に苛めただけ。
当然、事が終わった後のメイヴの性欲の昂りようは凄まじく、それを慰めるのに一苦労したようだが。
そう、性に奔放であるメイヴがそんな状況であってもなおマスターと肉体関係を結ぶ事は無かった。そこまで来るとある意味マスターがメイヴの心内の何か大事な領域を占めている気さえしてくる。
マスターとマイルームで遊ぶ時間は多くはないが、支配と略奪の世界で生きてきたメイヴにとって彼との時間は新鮮だった。
男女の友情を鼻で笑い、性が違えば、求め求められ愛し合い溶け合う関係に発展させる彼女が知らなかった世界。
あぁ――こういう男女の関係もあるんだな、と。
ポチポチとマスターにやり方を教えてもらったスマホのタップを軽快に行っていくメイヴ。
▲▲▲
メイヴ
【ひま(・×・)】
マスター
【そう……】
メイヴ
【は?スカサハに絡まれて意気消沈中の私に構いなさいよヽ(`Д´)ノ】
マスター
【今、兄貴と蜜月の時を過ごしているので邪魔しないでどうぞ】
メイヴ
【クーちゃんを殺した後にあなたも殺すわ】
マスター
【こわい、ゆるして】
メイヴ
【ゆるさない、絶対に】
マスター
【水が滴るピチピチの写真送ってあげるから】
メイヴ
【はよ】
マスター
__
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`V
メイヴ
【誰が魚の写真を送れと言った】
マスター
【クーちゃんの写真とは一言
も言ってない】
マスター
【いい体してるだろ?】
メイヴ
【どうやら死にたいようね】
マスター
【ごめんて】
メイヴ
【性意を見せなさい】
メイヴ
【誠意】
マスター
【持って帰ったら焼いて食べる?】
メイヴ
【たべりゅ、けど刺身の方がいいわ•(。・`∀´・。)】
マスター
【今度、わさび醤油用意しておくね】
メイヴ
【( ˘͈ ᵕ ˘͈ )♡】
▲▲▲
「何を気色悪い顔をしている。飯がまずくなりそうだ」
文字と共にどんどん下にスクロールしていく画面を眺めていたメイヴの心を天から地に落とすバリトンボイスが聞こえた。
忌々しげに目線を上げれば、声と外見がそぐわない青髪の童話作家様がランチメニューのサンドイッチセットをトレイに乗せて、メイヴの前の席に腰かけていた。
「それならどうぞ別の所へ。まだ席はいくらでもあいてるわ。……それとも私を口説きに来たのかしら?残念、あなたみたいなペンよりも重い物を持てそうにないモヤシ男はノーサンキューなの」
「自信と自意識過剰をはき違えるとここまで滑稽になるとはな。まぁ、だが、人間は汚いもの、見たくないもの、おぞましいものに限ってついつい出歯亀精神で見に行ってしまうものだ。ふむ、今の俺の心情もそんな感じだ」
「マスターに仕える同じサーヴァントだから殺されないだろうなんて、馬鹿な事考えてないわよね」
アンデルセンのあまりの物言いに本気の殺意を募らせて、メイヴはテーブルの下から鞭を取り出した。
キャスターとライダーの相性に加えて、カルデア戦闘能力ワースト争いに名乗り出る彼のスペックならば、一叩きであっけなく消滅するだろう。
そんな事を当然承知しているアンデルセンは席を立つ事も口を閉ざす事もない。小気味よくサンドイッチを咀嚼し、コーヒーを喉に流し込む。
「なに、ここまであからさまだとさすがの俺でも口に出すのかどうかもはばかられてしまってな。お前、わざとやってたりしないか?」
「は?意味がわからないんですど」
彼の真意が不明ないきなりの物言いにメイヴが眉を顰める。
「ま、どちらにせよ口は出すのだがな。人間を品評し、扱き下ろしてこその俺だ。周りの奴らが空気を読んで黙っていたかどうかなんて俺の知った事ではない。そもそも周りに合わせて作家などやってられるか馬鹿め」
戦闘能力は皆無でも他人の心底を暴く事に関してはカルデアで随一の能力を持つアンデルセンの蒼眼に射抜かれた瞬間、メイヴはとてつもなく嫌な予感に冷や汗を流した。
それは彼女が決して、表に出す事の無かった
「ビッチな癖に夢見る乙女。面倒臭い事極まりないな。まだどっちかに振り切ってくれた方が好感が持てる。さて、恋多きコノートの女王。お前の価値を散々に扱き下ろしてやろう」
スキルが二回も強化され、宝具も強化され、モーション改修もされて、霊衣解放もマシュに次いで二番目にされて、イベント出演も何かと多くて、水着イベにも二回も出て、なおかつ本人も水着鯖になって、運営に優遇されているメイヴちゃんサイコー!
ロマンティックが止まらない中編に続く。