※この作品はR-18です。

おいでよ カルデアの森   作:一火

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お気に入り5555記念で投稿しようと思ったら、何かいつの間にか数字が増えてたので……お気に入り5561記念ということでグダお英霊編インザ第二特異点編を投稿。
いつも感想、評価、お気に入り、誤字報告、ありがとローマ。



前回の特異点よりは真面目ですよ。当然じゃないですか。








皇帝オブザアイドル(第2章)

余の歌を聴けぇ~~~~!!」

 

――ロォォォォォオオオオオオマァァァァアアアアアア!!!

――ネロォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

大地……いや、この特異点そのものを揺らしているのではと錯覚する程の歓声、歓喜、熱量。

私の隣ではネロがステージを楽しそうに飛び跳ねている……その一挙一動にローマに生きる全ての民が声を張り上げる。

地面が見えない程の多くの人間が一つとなって何かに夢中になっている光景を私達が作り出しているというプレッシャーと嬉しさがエネルギーとなる。

 

「凄いです!先輩は、今の先輩は皇帝陛下に勝るとも劣らない輝きを見せています!私の中ではナンバーワン推しドルです!!」

 

 

拝啓、お父様、お母様。

私、藤丸立香はマスターを辞めてアイドルになりました。

 

 

……………

 

 

どうしてこうなったっ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふははは!見るがいい!人がローマのようだ!!」

 

「皇帝陛下!言っている意味がまるでわかりません!」

 

西暦60年、かつて全ての道はローマに通ずと言わしめる程の大繁栄を築いたローマ帝国に私達はレイシフトした。

そこで出会ったのは赤い男装?で闘う金髪の少女……帝政ローマ第5代皇帝、ネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス。暴君と呼ばれた彼女は、私達が抱いていたイメージと違い、咲き誇るように破顔しながら、自身の国を誇っていた。

 

この地にやって来てすぐ、多勢に無勢だった所を救ってくれたとして、ネロさんは私達を信用し、首都ローマへと招客してくれた。まぁ、この間みたくウチのグダおも海パン一丁じゃなくて、黒スーツ姿というまともな格好なので警戒される事はないだろうけども(所長はいつもの如く、ドスケベコスチューム。そろそろ見慣れてきた)。「あはは!2段階目の霊基再臨でも衣装を変えるこのサービス精神に震えてくれてもいいんだぜマスター!」とか楽しそうに叫んでいたが……。そしてその姿を見ていたマシュは「すみません、すみません。一度も霊基再臨出来ない駄目な後輩ですみません……」ってヘコんでいたし……。

ダ・ヴィンチちゃんも「ほう、”これが女同士の友情より、結局は男を取るのね……”的な奴かい」とか人聞きの悪い事言うの止めてくれないかなぁ!私だってマシュを育てたいよ!再臨させたいよ!けど、必要な素材がまるでわからないんだもん!!

その後、グダおが次の特異点を修復したら、再臨出来るよとか妙に確信めいた事言うからマシュも元気を取り戻してくれたから、いいけどさぁ……。

 

 

『……ネロ陛下に襲いかかっていた連合ローマ帝国なる軍団、もしさっきのカリギュラのような歴代のローマ皇帝が敵側に召喚されているならこちらにとっては非常に不利な展開になるね……特に数的な面でも……』

 

「いやいや、案外そうでもないよ。ドクター」

 

戦力差に対して現実的な見解を述べるロマンの言葉に、グダおは異を唱えた。

 

「何か良い策でもあるわけ?」

 

「おぉ!そちらの黒き拳闘士殿は軍師の役も担えるのか?」

 

所長の問い掛けにモチのロンとVサインをする黒スーツ。

黒き拳闘士……今のアイツの格好と連合ローマ兵との闘いを振り返れば、その名前もある意味ピッタリなのか?一応は素手で戦ってたし。

ただ、片足立ちで滑るように移動するとか。胡坐をかいて、左右に腕を振り下ろして衝撃波を飛ばすみたいな変態機動はどうかと思ったが、取り敢えずアイツがまともな武術家ではないという事はよくわかった。

 

ネロさんがいう軍師役っていうのもあながち間違いではないのかなー?

策自体のアレっぷりから目を瞑れば、『今です!』って絶妙なタイミングで何か仕出かしてくれるわけで……まぁ、私はこんな孔明はごめんだが。

 

 

「ネロちゃまには信じ難い所かもしれないが、敵の軍勢を率いている首領が歴代のローマ皇帝である事は事実。ならばその軍勢も一つのローマである事は認めなければいけない、たとえ歪んでいたとしてもね」

 

「むむぅっ」

 

「だが、敵がローマであり、その上で味方にネロちゃまがいる現状は幸運だったかもしれない。この戦いを手っ取り早く終わらせる策が実行出来るのだから」

 

バッとどこから出したのか白い扇を拡げて、グダ男はニヤリと笑った。いやホント胡散臭い孔明だなコイツ。

 

 

「ネロちゃまは可愛いよね?」

 

――は?

 

「うむ!至極当然の事実であるが、あえて言葉にする拳闘士殿は殊勝であるな!」

 

喜んでいるネロさん以外はその台詞にクエスチョンマークだった。

ん?なんだ?もしかしてここに来て、ネロさんを口説きに来てるのかな?所長よろしく喰ってやろうという魂胆なのかな?私の自害令呪が光輝く時が来たのかな?

 

「さてと、マスターの目の光が失ってきてるのでさっさと本題に入るとしようか。カモン!マイアイドル!」

 

そう言った彼は前回の特異点で見せた、銀の杯を取り出し、上に投げ、指をパチンと鳴らした。

 

 

 

「終わりの無いアンコールサンキュー!大喝采を浴びてアタシは声高に叫ぶわ!”何度も出て来ても恥ずかしくないのよ!!”ってね!」

 

赤白のストライプ模様に黒いリボンがついたシルクハットを被り、帽子と同じ柄のフランスの時とはまた一味違ったアイドルコスチュームを身に纏ったスーパーアイドルエリちゃんが登場した。

 

「歌は世界を救える……。この特異点に必要なのは救世主でもヒーローでもないわ、アイドルッッ!そう!貴女達はアイドルになるのよ!!」

 

…………はい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つまり、敵はローマ兵=ローマの華であるネロ厨、もしくはその可能性を秘めている。

 

→ならば、そんなネロがローマの地でアイドルをやれば、敵はその可愛さにイチコロになり武器を放り投げて、アイドル団扇を片手に戦闘を放棄するに違いない。

 

→この戦い我々の勝利だ。

 

ということらしい。どういうことなの……?

 

「……むぅ、確かに余の美しさはローマの果てまで届き得る物を持っているという点は否定せぬが、さすがにそれが戦いを終わらせる程の物と言われれば……」

 

「このバカッ!!」

 

「あぁん!?」

 

エリちゃんの尻尾ビンタでネロさんが少女漫画チックに頬を抑えながら倒れた!?しかも何か薔薇まで舞ってるし!なんだこのエフェクト!?

 

「アタシの最大のライバルはそんな弱気な事は言わないわ!!貴女なら、『ローマに余の歌を聞かせるのはいいが――別に大陸の向こう、海の先まで余の美声を轟かせてしまっても構わんのだろう?』ぐらい言う筈よ!アタシ達の世界にいたネロはそれはもう凄かったんだから、アタシはマスターの手(意味深)を借りて音痴を直したけど……ネロったら、殺人的な音痴はそのままでサバコン1位を何週も取り続けるとかあったのよ。あんな『しゅぱっ、どーん!』みたいな歌で人気をもぎ取っていたのは複雑でしかなかったけどね!!」

 

「ネロちゃまはエリちゃんと違う路線で行こうと思ってね。猟奇的な音痴という名の砲台も正しい照準に導けばアラ不思議、ミリオンセラーもちょちいのちょいだったよ。むしろ『あの音痴っぷり』が逆に良いって中毒者が出る程に」

 

「そ、そうか……。余とした事が劣勢に次ぐ劣勢で少々気が滅入っていたのかもしれぬな。うむ、突然現れた余好みの派手な少女に拳闘士殿……そなた達が余を大きく買ってくれている気持ちは良く分かった。ならば皇帝として、その期待に応えなくてはならぬなっ!なってやろうではないか!『アイドル』とやらに!」

 

立ち上がったネロ様が意気軒昂に宣言する。どうやら彼女の耳は「音痴」という部分は聞こえない都合の良い作りをしているようだった。

 

しかし、歌で敵を降服させるか……いや、フランスで聞いたエリちゃんの歌を聴いた私達にとっては荒唐無稽な話にも思えない。案外イケルのかな?ただ、一つ気になるのが……。

 

「確か、さっき()()()って言ったよね?」

 

私の疑問にエリちゃんはネロさん……そして、()()()()へと指を指していった。……って私ぃ!?

 

「いやいやいや!!私はアイドルなんて無理だから!しかもそんな大勢の前でなんて!!そもそも平凡な私を入れるならマシュの方を入れるべきでしょ!!」

 

「残念だけど、マシュマロには熱狂的過ぎるファンからアイドルをガードする重要な役目を持ってもらうつもりだったから、今回は外れてもらったわ。アイドルのステージだって戦場と負けないぐらいに危険に満ちているんだから」

 

「”行き過ぎたお触りは禁止です!”って先輩をしっかりと警護する役目ですね!このマシュマ……じゃなくてマシュ・キリエライトしっかりとボディーガードの任を果たさせて頂きます!!」

 

「そもそも、マスターは自己評価が低すぎる。君の外見は平凡という枠では収まらないぞ?こう、心根の美しさと強さが滲み出てるような……」

 

あぁ―――――!!うるさいうるさい!!

 

『おぉ、立香ちゃんの顔が真っ赤っか』

 

ダ・ヴィンチちゃんうるさい!!

 

「私はもう、察してたわよ。また大勢の前で見世物になるって」

 

散々、フランスでグダおのおもちゃとなった所長は悟った顔をしていた。慣れって悲しい……。

 

「魔法少女も、戦隊ヒーローもスタンダードは5人。アイドルだってそこは変わらないわ。貴女達3人に私達プロアイドル『カルデレラガールズ』からもう一人、まぁ、今回の主役はネロ。食い過ぎないようにする良い塩梅だと思うわ」

 

どうやらグダおの宝具で登場するもう一人で本当にアイドルユニットを組むらしい。

通信越しに入る、ロマンの『ようし皆、録画に団扇にサイリウムの準備は出来ているね!まさかまた特異点でアイドルライブを見る事になるとは思わなかったけど……これは楽しくなってきたぞぅ!』の声が腹立たしい。他人事だと思ってぇ……!

 

「さて、と。アタシ達の方からは……ネロはこっちと被ってややこしくなるし却下。毒ロリ女帝も我が強いので却下。あのヒッキーはそもそもアタシが呼びかけても出てくるわけないし……最初っから選択肢は一つしか無かったわね。っていうかなんでアイツ、アタシと一緒に出てこないのよ」

 

 

 

「……そんな鬱陶しいハイテンションの貴女と一緒に登場なんて御免と思っているからに決まっているでしょ」

 

そうぼやいたエリちゃんの背後から露出度が高めの紅いビキニアーマーを纏った白髪の女性が現れた。

 

「随分な言い草ね。アタシ(カーミラ)

 

カーミラ!?

 

『カーミラってあのカーミラかい?フランスで立香君達と戦った悪の女幹部的なおっかないサーヴァント!?』

 

ロマンの驚く気持ちは良くわかる。確かに私達が戦った彼女とは違い仮面を外しているし、随分と雰囲気が変わっている。所長にも負けないエロチックな鎧を着ている彼女もアイドルなのかぁ……。グダおの世界のアイドルは随分と様変わりしているんだなぁ……。

 

「別世界とはいえ、世界を救う旅なら勇者の服を着ても問題は無いでしょう。それと今の私の名前はアイドル魔王勇者カミランよ……間違えないように。貴女と違って私は仕事とプライベートは分けるのだから」

 

「まぁ、この娘達には確かにアンタの宝具が必要ね。ならさっさとやっちゃってちょうだい」

 

「何故、私が貴女の言う事を聞く必要があるのかしら?確かに同じ仕事仲間ではあるけれど、上下関係は無いわよ」

 

「カミランお願いしてもいいかな?」

 

「ふ、プロデューサー(マスター)の頼みなら仕方ないわね……」

 

「うわ、めんどくさコイツ」

 

エリちゃんの冷たい視線を無視するようにグダおの頼みを受けた魔王勇者カミランさんは剣を下に突き立て、宝具を解放していく。

 

「少女達の幻想は……夢は……時計の針が過ぎても解ける事は無いわ。その歩みを止めない限り……魔法の輝きはいつだってこの箱に……『幻想の衣装箱(シンデレラ・メイデン)』!!」

 

かつて私達に見せた処女の生き血を吸う恐ろしい宝具とは正反対のイメージを抱かせる白いシンデレラ衣装を着た神々しい像がカミランの隣に現れた。

どこまでも眩しい輝きを放ちながら、その像は開いていた。その輝きは童話のシンデレラの姿を変身させた魔女の魔法を彷彿させる程に。

 

「アイドルにはまず、それぞれのキャラクターを固定させる衣装が必須。コスチュームが適当なアイドルなんてアイドルにあらずよ。そういうわけで、私の宝具で貴女達に最適なアイドル衣装を纏わせるからさっさと入りなさい」

 

確かにカーミラの宝具と魔王勇者カミランの宝具は全然雰囲気も違うが、それでも同一人物という事あってか、あの棘々しい鉄処女を思い出し、私の足は進みだすのを躊躇してしまった。

そんな事は露知らないネロさんは興味深そうに進んでいく。

 

「ほうほう!何とも奇妙な魔術を使うのだな異邦の旅人達は……。うむ、造りはわからぬがその魔術が余に衣装を献上するというのなら断る理由はなかろう!この輝きは余好みでもあるしな!」

 

「あ、待って下さい皇帝陛下!」

 

マシュの制止も虚しく、足取り軽やかに宝具の中へと入っていった。

扉は閉まり、輝きはさらに強さを増していく。私達の目が開けられない程に。

やがて、その光が収まった私達の目に映ったのは再び開いた像から出てきたネロさんの姿――――。

 

「お、おぉっ……おぉぉぉ!!」

 

ネロさんの頭と背中からはそれぞれ天使のような羽。彼女のイメージ色でもある赤いマント……そして手、足、肩、そこを防護するように白銀の鎧が付いているのはいいのだが……良いのだが……肝心の他の部分が全然守られていない!

本当に鎧部分が申し訳程度過ぎて、露出度が凄い事になっているんだけども!!胸とかアソコを隠している部分が本当にマズイ所だけは隠しますよってレベルの面積!!

 

当人の皇帝陛下は感激しているようだけれども!!

 

「あぁ、駄目ですってば、ネロさん!マント捲っちゃ!お尻……!お尻が見えちゃいます!!」

 

所長のドスケベコスに見慣れていた私達ですら顔を赤らめてしまうぐらいにアレな格好。本当にあれが最適なアイドル衣装なのか?

 

「まさに、ネロ・ヴィーナスって所かな」

 

「ヴィーナス……女神…………良い、良い……実に良い響きだ。心から感謝しよう……異邦の勇者殿、拳闘士殿。今まで数多の衣服を贈られた余だったが、ここまで余を震わせてくれる御衣は生まれて初めてかもしれぬ」

 

ツゥーと涙を流し、感謝の言葉を口に出すネロ様。彼女の琴線にはこれでもかってぐらいに触れたらしい……異国の文化って遠いネ。

 

「じゃあ、マスターも入ろうか」

 

「ちょ、ちょっと待って!?アレに入ったら私もネロさんみたいな格好になるんでしょ!まだ嫁入り前なのにあの姿でアイドルやるのは無理無理無理無理無理だって!」

 

「大丈夫大丈夫、痛いのは最初だけ。すぐに気持ち良くなるから」

 

「ヤメロ――!ハナセ――!」

 

グダおに背中をグイグイ押される私は先程とは別の理由でカミランさんの宝具に入るのを全身で拒否していた。

しかし、悲しいかな。サーヴァントの筋力に勝てる筈もなく、私は白像の中へと放り込まれた。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「可愛いですよ!先輩!」

 

『見た目的にはなんだか孫悟空っぽいね』

 

よかった……。割とまともな衣装で本当に良かった。

脇の露出とか、スカートの短さとか、なんで中華っぽい服なのかとか、気になる点もあるけど……もう色々と疲れたのでいいです。

無言で私の姿をカメラで連射しているグダおにも、「後でその写真いただけませんか?」ってねだっているマシュにも突っ込む気力はないです。

 

「ともあれ、準備は整ったわ。アイドルの卵から孵ったばかりのヒヨコ達!悠長にしている時間は無いわよ。アタシとカミラン、そしてプロデューサーの手で貴女達を一流アイドルへと育てあげるわ!」

 

「……あ、あれ私は?」

 

「所長のハロウィンプリンセス姿は大事なアイデンティティ。それを捨てるなんてとんでもない。ありのままの君が一番美しい」

 

「コレを個性にしたつもりはないわよ!!」

 

「そうね。プロデューサーの宝具で変化した貴女を私の宝具で変身させられるかどうか保障はないわけだし……。ただ、彼が自らの宝具を使ってまで貴女の体を作ったという点を考えると少し……いえ大分羨ましいわね。それだけ貴女はプロデューサーに気にかけられているアイドルという事になるのだから」

 

「ふ、ふ――ん、まぁ、そういう事なら、仕方ないわ、ね……え、えへへ」

 

所長ェ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ステージ自体はエリちゃんの宝具ですぐ作れるからいいとして、その事前準備及び特訓には人手が必要という事で今まで各地で戦っていた客将を呼び戻し、私達はガリア近くの遠征地へと集結した。

ライブをする為に。

 

……もう一度言おうライブをする為にだ。

 

ブリタニアの女王ブーディカさんはネロさんの姿を見て、絶句していたし。アサシンのサーヴァント荊軻さんは爆笑していた。

 

「■■■■■■■■■――!!!」(意訳:うぉおおおおおお!!貂蝉―――!!!)

 

「ひぃっ!何!?何でこのバーサーカーこんな興奮してるの!?」

 

「どうやら所長が貂蝉に見えるみたいですね。さすがはバーサーカー、性格はどう考えても似ても似つかないというのに、いや……露出度に関して言えば似てなくもないかな?よっ!所長ってば傾国の美女!!」

 

「嬉しくないぃっ!」

 

 

 

 

 

「おぉ、素晴らしい!!私には感じる!君の魂に刻まれた叛逆者としての勇気が!!熱意が!!誇りがっ!!これまで、君がどれだけの圧政者に抗ってきたのか、言葉にせずともわかる!!ハハハハハハハッッ!!まさしく僥倖!これ程の戦士と共に愛を高らかに叫べるとはっ!!」

 

「アイッドル!!」

「愛ッ!ドル!!」

 

「叛逆者?」

 

「一夫多妻って法律(圧政者)に真っ正面から喧嘩売ってるって事じゃないかしら?」

 

「なるほど」

 

呆れた私と所長の視線の先には互いに拳をぶつけ合い、笑い合うマッスルと黒スーツ。その衝撃波で味方の兵士が吹き飛んでいる。

ウチのサーヴァントってやっぱりクラス:バーサーカーなんじゃ……。

 

 

呂布とスパルタクスといったバーサーカー組の手綱?も何とか握れそうなので一応は一安心。

何だかんだで皆、このふざけた案を受け入れてくれるようだったし。これもネロさんの人望かあるいはグダおのスキル『かりちゅま:A』のおかげか。ただ、もう私としてはマジでこの特異点でアイドルになるんだなぁ……って逃げ場を失っていく感じなのだが。

しかし、人理を救う為には私の羞恥心なんて安い。世界を救う為に私達は早速アイドルの特訓を開始した。うん……自分で言っててもまるで意味がわからないわ。

 

 

こうして私達、『新生カルデレラガールズ』は――――。

 

 

 

 

「違う!ネロちゃま、もっとこう、可愛さと美しさと気高さとアホっぽさを織り交ぜた感じで歌うんだ!!」

 

「難しい事を注文するな拳闘士殿は!!」

 

「今はプロデューサーと呼べぃ!!」

 

――厳しい練習に耐え。

 

 

 

 

「はい!そこの連続フリックが遅れているわよ子ジカ!!MASTERクラスをフルコン出来ないようじゃ、スーパーアイドルなんて夢のまた夢よ!」

 

「何で私音ゲーしてるの!?」

 

――挫けそうになる心を奮い立たせて。

 

 

 

 

「いいかしら?貴女は今の自分の格好に恥ずかしさを覚えているかもしれないけれど、その羞恥心はアイドルにとって大きな武器になるわ。赤面、照れ顔、ギャップ……これを上手く使えば、一流アイドルも簡単よ。さぁ、私に続きなさい。『カミラン星からやって来たアイドル魔王勇者カミラン〇じゅうはっさいですっ!!キャハッ☆彡』」

 

「…………か、カルデアからやってきたアイドルプリンセスオルガマリーじゅ、じゅうはっさいですぅっ!きゃ、きゃ、はっ……うぅ、うぅ~~~~~~……」

 

「そう!その今にも死にそうな羞恥心の極みを忘れないようにするのよ!!」

 

――アイドルとしての階段を一歩ずつ登っていき。

 

 

 

 

「悩み事か、リッカよ……」

 

「ネロさん……」

 

「ネロでよい。今や余達は同じ夢に向かって歩む仲間(アイドル)であろう?上下関係は無い筈だ」

 

(そんな姿で黄昏られても目のやり場に困ります……)

 

――友情を育み、ライブ当日を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歌が聴こえる。

 

エリザベートが今回のライブ用に改良したローマの首都を彷彿とさせる、赤と金が混ざった城をバックに巨大なステージが荒野に出来上がっていた。

 

「我らが舞いを見よ!万雷の歌唱を聞け!インペリウムの誉れをここに!」

 

メインボーカルである、ネロヴィーナスを中心に5人のアイドルが歌い続けていた。

 

エリザベート・バートリー、アイドル魔王勇者カミラン、藤丸立香、オルガマリー・アニムスフィア。

宝具の力か、それともアイドルとして特訓された5人の力によるものか、その歌はローマ全土へと響き渡っていた。

 

「これは……」

「陛下の声だ……なんとお美しい……」

「一体、どこから?」

「あっちから聴こえるぞ!行ってみよう!!」

 

各地にいるローマ市民、ネロの下で戦っていた兵士達の耳にもその不思議な歌声は届いていた。彼等は今が戦争中だという事も忘れて、歌の方へと走り出した。

もっと、もっと、もっと近くへと。そして、その影響を受けているのは味方だけではない。

 

 

 

 

 

 

「――おぉ、聴こえる。我が愛しき姪の――歌声が。狂気に囚われた余を救い出してくれるのか――。……今は、今は……ささやかでもいい、この心地良い宝に浸らせてくれ……」

 

バーサーカーとしての、あるいは月の女神からの寵愛による狂気は鳴りを潜めたのか。その瞳にかつての名君としての光を取り戻したカリギュラは妹の子がいるライブ会場へと足を進めていった。

 

 

 

 

 

 

「伝令!カリギュラ陛下とその兵士達が武器を下ろし、ガリア近く敵軍の遠征地へと向かっています!」

 

「だろうな。あの様な歌声を聞かされては奴も正気に戻ざるを得ないだろう。お前達も本当は今すぐにでも向かいたいのだろう?我らが愛しき子の晴れ舞台へと」

 

「で、ですが……」

 

「良い。確かに私はささやかながら聖杯に託す願いもあったが、ここまで美しき声をローマ全土へと響かされてしまえば、剣を下ろすしかあるまい。ふはは、まさかこの私が扇動されるとはな!見たい!もっと聴きたい!ならば後は向かうだけよ!!」

 

「報告!ネロ陛下を始めとした歌い手達の商物が近くで販売されていると!既に何点かは売り切れも出ている模様です!!」

 

「何ぃ!!なんと商売上手な事か!私にも一枚と言わず、三枚程噛ませるがいい!!」

 

そのふくよかな巨体からは想像出来ない程の軽やかなスピードで連合ローマ帝国の皇帝の一人であるカエサルも歩を進めた。そして――。

 

 

 

 

 

 

「ネロよ……愛しき子よ。お前の(ローマ)は全てのローマを包み込むか……。ならば(ローマ)も駆けつけよう。お前の(ローマ)はローマのどこへいようとも聴こえてくる……あぁ、だが(ローマ)は新しきローマをこの瞳に焼き付けなくてはならない」

 

「待て!神祖ロムルス!!貴様、一体どこへ行くつもりだ!!」

 

「ネロと共に舞う娘達よ……お前達もまさしくローマなのだ……」

 

「ええい!姿を消すな!!何故だ!?何故、マスターたる私の言う事を聞かぬっ!?」

 

混乱する緑色の紳士服の男を置いて、建国王ロムルスは皇帝特権EXで身を消した。何処へ向かったのかは言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

「ありゃりゃ、見事に兵士達はあの歌に誘われるようにいなくなっちゃったね先生」

 

「……成程な、敵のほぼ全てがローマ兵で構成されている故に実行出来る奇策と言えるか…………いや、悪いが私はこれを奇策とすら認められんぞ。世界の命運が掛かっている戦いでこんな案を考え、実行した奴はよほど狂っているとしか思えん」

 

「どうしよっかね。さすがにこの状態で戦争を吹っ掛ける程、僕も恥知らずじゃないしね。うん。僕達もあのライブ会場とやらに向かおうか」

 

「お前がそうしたいのならば、私は従うだけだ」

 

「先生に法被を着て、ほら……何だっけ?あのオタ芸とかやって欲しいな」

 

「死んでもやらんぞ」

 

ローマ皇帝ではない、かの幼き征服王も。それに従う軍師も。もはや戦意はなく、宴の地へと。

 

 

 

 

 

 

「ふむ、不思議な事もあるものですな。歌声が聴こえてから、あの男との契約が切れ、只の野良サーヴァントに近い状態になるとは……。私にとっては歓迎すべき事ですが」

 

「レオニダス王、歌声の発端である舞台前で、筋骨隆々の大男二人が何とも力強い舞いを魅せていますが如何いたしますか?」

 

「我らも混ざるに決まっているでしょう!!」

 

このローマの地には闘うべき敵はほぼ完全に消え去った。あるのは今を生きるローマ一のアイドル達が歌い踊る姿を一目見ようと集まるファンの群れだけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くぅび~しめ~た~、お獅子のおくび~♪」

「たっちあが~れ、コロッセオ~♪ガシャン♪ガシャン♪」

 

音程も、歌詞も酷いとしか言いようがないのに、誰もがその歌声に酔いしれていた。夢中になっていた。

ネロの声そのもの美しさが、ヴィーナスとしての姿が、そして傍らでサポートするように共に歌い踊っている四人のアイドル達によってその酷さがむしろ魅力の一つとなっているように。

 

 

 

「はいはい、押さない。押さないっ!順番を守らない奴は私の戦車で轢き回すからね!」

 

「ネロ法被三つに、ネロ鉢巻も三つ、マルス式3色サイリウムと立香ちゃんブロマイドね。毎度アリ!!」

 

黒スーツのサーヴァントと赤髪の勝利の女王はグッズ売り場にて殺到するローマ兵達を捌いていた。

彼曰く、プロデューサーの仕事はライブが始まるまでであり、そこからはもうアイドルのみの領域。自分が出る幕は無いと。彼女達の歌と姿が聴こえる所にさえいれればいいらしい。

それはそれとしてQPはいくらあっても困る事はないので商魂逞しく稼いでいたのだが。

 

「……なんか、ごめんねブーディカさん。わざわざ手伝ってもらっちゃって」

 

「んー?全然良いよ。私も暇してたし…………それともこの私に気使っちゃってる?」

 

「それもある」

 

「全く、子供が変な気回さなくていいの。どんな方法であれ、流される血が少なく済むならそれに越した事はないの。確かに大勢のローマ兵が目の前で歓喜している姿を見せ付けられているのは私も思う所が無いわけでもないよ。そういう血濡れた復讐に狂った私は確かにいるんだろうね。けど、今の私はこれ。守る為に戦ってきたんだから、ライダーのブーディカはこれでいいの」

 

「サーヴァントは全盛期で召喚されるから見た目的にはあれだけど、俺ももう子供って年じゃないんだけどね」

 

「私からすれば、全然子供だよ君は。だっ~て、こんなにも構ってあげたくなる顔してるんだから、よーしよしこの頑張り屋さんめ!」

 

親戚のお姉さんようにグダおの頭をがっちりホールドしたブーディカはその髪を撫で回した。

世界が変わってもこのお母さんのバブみは変わらないようだ。抗えないこの母性、この顔を包み込むおっぱいの柔らかさはブリテン一ィィィとグダおは叫びたくなる。

 

 

「ふむ、逢瀬を邪魔して非常にすまなく思っているが、やはり目の前の客をスルーされるのは些か堪えるぞ」

 

「おっとごめんなさいね、で……どれをお買い上げだい?……うわっ、すっごいお腹。っていうか逢瀬じゃないからね」

 

胸に埋まるようにグダおの頭を抱いていたブーディカは離れて、店先に立っていた男の容貌に驚く。

 

「カエサルじゃないですか」

 

「ほう、私の事を知っているか名も知らぬ黒きサーヴァントよ。まぁいい、ネロ人形なる者がここで販売していると聞いたが……」

 

「あー、ネロちゃまのフィギュアならさっき完売したよ。法被と鉢巻とサイリウムセットならあるけど」

 

「いくら我が愛しき愛しき子顔が写っているからとはいえ、この美男子たる私にその様な物を……」

 

「けど、ほら」

 

「む?」

 

グダおが指を指した先、多くの観客を掻き分けるように視線を向けると、ステージの最前列の席で彼が先程売りつけようとした物をフル装備し、熱狂している男の姿が。

 

「ウォオオオオオオオオオ!!ネロ!ネロ!ネロ!ネロ!ネロ!ネロ!我が妹の子よ、お前の在り様は芸術の神ミューズよりも!月の女神ディアーナよりも!美しいぃいいい!!ネロォオオオオオオオオオオ!!」

 

「…………思いのほか似合っているな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「愛ッ!愛ッ!愛ッ!愛ッ!愛ッ!愛ッ!愛ッ!愛ッ!愛ッ!愛ッ!ハハハハハハ!!まさしく歓喜である!圧政に抗い、凱歌を叫ぶ同士達がこれ程いようとはっ!さぁ、我らと共に愛を叫ぶ時は今である!我が筋肉も嘶いているぞぉ!!愛ッドルッ!愛ッドルッ!愛ッドルッ!愛ッドルッ!愛ッドルッ!愛ッドルッ!愛ッドルッ!」

 

「■■■、■■■■、■■■■、■■■■■■■■――!!!」(意訳:貂蝉ッ!貂蝉ッ!貂蝉ッ!貂蝉ッ!貂蝉ッ!)

 

「これが漢太(オタ)芸というものですかぁぁっ!……それにぃっ!ふんぬぃいいいい!なんという益荒男達ぃ!ですが、私の計算し尽された筋肉も負けてはいませんぞぉぉっ!!テェルモピュライィィッッ!!! エノモォォォタイアァァァアアアアッッ!!!」

 

何という暑苦しさ。上半身を曝け出した3人の大男達が自慢の筋肉を晒し出しながらサイリウムを振り回し、一糸乱れぬ舞いを魅せていた。2人のバーサーカーに、バーサーカーっぽいランサー。言葉は通じずとも3人はわかり合っていた…………筋肉で。

それに追従するように周りのローマ兵も法被を着て、渾身の漢太芸を披露していた。舞台にいるアイドル達に想いを届けようと。

筋肉、筋肉、筋肉、筋肉…………とてもむさ苦しいです……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉっ!見ろよ!あの空を飛んでいるネロ陛下の神々しさ!!我らが皇帝陛下は天使いや……女神だったのか!!」

 

「確かに陛下の美しさは素晴らしい。だが私は黒き翼で陛下と共に空を翔けているエリちゃんなる少女の歌声に注目したい。陛下とはまた違ったベクトルでの歌声、まさに翼の色と同じく正反対……それでありながらハモリの部分は別格のシンフォニーを奏でている。彼女もまさしくローマであると」

 

「良い着眼点をしているな兄弟。だが上ばっかりに気を取られて下が疎かになるのは減点だ。俺はあのアイドル魔王勇者カミラン様のむっちむちな鎧にギリギリセーフかと見せかけてやっぱり、ちょっとアウトな感じに興奮している。正直に言おう。踏まれたいと」

 

「それを言うなら、恥ずかしさで震えながらも踊り続けているあのオルガマリーというアイドルという娘の健気さにも注目してやるべきだ!俺はさっき、オルガマリーちゃんのブロマイドをコンプしてきた!!見ろ!この『SSR:涙目ガクブルオルガマリーちゃん』を!!」

 

「青い、青い。どいつもこいつも見た目の派手さだけに惑わされおって、儂はリッカちゃんというアイドルを推すぞ。ネロ陛下の可愛さが天高くどこまでも舞い上がっているのは認めよう。だが、高嶺の花よりも足元の蒲公英。あの孫娘にしたくなる純真さに何故、誰も気づかぬ」

 

「……そうだな、俺もあの娘の見えそうで見えないスカートの裾が気になって仕方なかったんだ。この気持ちは正しくローマなんだな」

 

「あぁ、ローマだとも」

 

「うん、すごいローマだ」

 

「ローマ……」

 

 

多くの兵士達がネロに魅了されていたのは事実。

だが、惹かれていたのはネロにだけではない。

『プロデュース:A+』のスキルを持つグダお……そしてかつて彼の手によって名実共にサーヴァント界のプロアイドルとなったエリザベートとカーミラ、この3人に特訓された藤丸立香とオルガマリーも常識では計り知れないアイドル力を手に入れた。

ローマに生きる兵士達が、民達が、皇帝たちが……ネロ以外の4人のアイドルにもローマを感じていた。

眼が離せない、耳から入るこの歌声が自分達を高揚させ、癒し、萌えさせ、歓喜させる。

これ程までにローマなアイドル達を前に、どうして武器を取れようか。戦えようか。血を流す事が出来ようか。

我らの手は彼女達を支え、応援する為にあるのだ。振るうは剣でも槍でもない。このアイドル達の顔が映った団扇と光る棒である。

我らの声は戦争の鬨の声をあげる為ではない、彼女達の名を叫び、応援する為にあるのだ。

もはや、ここに存在するローマの人間達は誰一人として戦争を望まず、ただアイドルの歌声に導かれるままにこのステージへと集結した。

 

 

その結果、残るのは自身の力だと何一つ疑っていなかった戦力を見事に引き剥がされた哀れな道化だけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一体何が起きている!?何故、召喚者たる私の制御が効かない!我が魔術の拘束が解ける!?」

 

連合首都にて一人ぼっちとなったレフ・ライノールは混乱していた。

自分が召喚したサーヴァントだけでない、そのサーヴァントに従っていたローマの者共が誰一人として自身の言う事を聞かず、あの歌が聴こえる方へと歩み出してしまったのだから。

 

「あの鬱陶しい雑音が聞こえてから、奴らの様子がおかしくなった!!」

 

今もなお自身の神経を逆撫でさせる音が、腹立たしくてしょうがない。そんな怒りの中、レフの頭にふと思い浮かんだのが冬木の特異点で有無を言わさず襲いかかってきたあの黒髪のサーヴァント。

 

「やつか……?不敬にもこの私に傷を負わせたあのバーサーカーめがこのふざけた状況を作り出したのか……!?」

 

グダおの正しいクラスはバーサーカーではないのだが、ただ……あんな素材寄越せ!と叫びながら一心不乱に自身の(素材)を削り取りに来るサーヴァントを見れば誰だってバーサーカーだと思うだろう。

 

「…………ふん、それがどうした。全てを見据える我が王はあの黒髪の英霊については何もおっしゃらなかった……。ならば奴の事は口に出す必要もない些事だということだろう!!クハハ、クハハハハハハッ!むしろ目障りな有象無象が一つに纏まったのはむしろ好都合だ。まとめて掃除出来るのだからな!!」

 

この世界を狂わせている要因でもある聖杯を手にレフは新たな英霊を召喚しようとする。

レフにはアイドルがわからぬ。けれども自身を虚仮にするものには人一倍敏感であった。その様な物は何一つとして塵すら残さない怒りを込めて、召喚の術式を行おうとしたのだが……。

 

 

 

それを阻む暗殺者がいた。

 

 

 

「全く、あのプロデューサーとかいうサーヴァントめ……まさかこの私にこんな美味しい役目をくれるとは気が利き過ぎているぞ」

 

「ガァッ……!?」

 

「実に刺し甲斐のある背中だ……『不還匕首(ただ、あやめるのみ)』」

 

どこかの弟子にぶっ刺される優雅のような顔芸を炸裂させたレフは自身が宝具によって刺された事を理解した。

暗殺者……荊軻の気配遮断Bがあるとはいえ、宝具をくらうまで一切存在に気付かなかったのはネロ達の歌による効果も大きいかもしれない。

 

「この糞サーヴァントがあぁぁぁっ!!」

 

腐っても魔神柱の一角、サーヴァントの宝具を直撃させても、その身を滅ぼすには届かない。

だが荊軻の優先順位は元々、その男の手にある聖杯を奪う事。宝具と化した匕首を無防備に受けたレフ・ライノールから杯をかっぱらうのはそこまで難しい事ではなかった。

まぁ、一緒に暗殺も出来れば言う事なしだったのは彼女も思っていただろうが。

 

「始皇帝如きすら、殺せなかった貴様が私を暗殺出来ると思ったかっ!!よほど、生前の焼き直しをしたいようだなぁぁ!!」

 

「ふむ、それを言われると耳が痛いな」

 

激昂し、襲いかかるレフ・ライノール。元々、真っ正面から戦うタイプではない荊軻が魔神柱と1対1で勝てる可能性はほぼ皆無。

だが、それでも白装束の暗殺者は笑っていた。その笑顔は始皇帝の暗殺を失敗し、その臣下に捕らえられた時の悟ったような笑いではなかった。

 

 

「だが御生憎、()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

―――へいよーあるてらっくす

 

 

「は?」

 

空から巨人が降ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは凄まじいな……」

 

白と青が混ざり合った肌、ある意味裸にも見えてしまう体には特徴的な紋様が浮かんでいる。

頭から兎のような耳を生やし、全長100m近くにも及ぶ光の巨人はその手でレフ・ライノールを押しつぶしていた。

その有無を言わさない破壊の権化に聖杯を手にしたまま荊軻は驚愕の溜息を出すしか無かった。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()的な場所で。

 

「真打ちは最後に登場する……新生カルデレラガールズ幻の六人目。動かない働かないネット配信系引きこもりアイドルアルテラちゃんここに健全だ」

 

確かに荊軻もこれには驚くしかないだろう。なにせ巻き込まれない為に避難したとはいえ、神秘的な巨人の首の後ろ側に扉があって、そこから入ったら6畳の一人部屋の真ん中でジンジャエール、スナック菓子フル装備でコントローラーを握り締めている褐色白Tシャツの少女の姿があったのだから。

 

「ググッ、ガゥァッ……きさま……!まさか、『セファール』か!?ば、馬鹿なありえん!!何故だ!!、何故貴様がこのタイミングで現れる!!?」

 

「ふむ、さすがは200万回殺され続けただけの事はある。ゴキブリ並の生命力だな……。そして並行世界の遠い私の話をされてもマジ困惑。さらに言えば、私が乗っているこのモビルスーツも『セファール』などではなく『帰ってきたアルテラマン――文明が静止する日』というイカした名前がある。私の実働時間は3分だと知れ」

 

自らの体を圧迫しているアルテラマンの腕を押しのけるように醜悪な肉柱……魔神柱としての真の姿を現したレフ・ライノール。だが、彼の頭には疑問符しか無かった。何故、ヴェルバーの尖兵がここに来て、この星の為に戦うのか?

まぁ、前提条件からして色々と間違っているのだが。

まさか彼も目の前の巨人がGCコントローラーで動いているとは夢にも思っていないだろう。

 

「ロボットは男のロマンであり文明。……私は女の子だがそれはそれとしてだ。私は考えたのだよ。どうすれば引きこもったまま外の世界で好き放題出来るかを。その夢の果てに出来上がったのが、この私の自室を頭部内に再現した移動方巨人要塞アルテラマン。マイスイートルームにいたまま、我がハズバンド()の為にも戦えるというハイスペックロボット……私を褒めにやってきたマスターとコックピット内でギシアンしても外に漏れ出る事はない完全防音。ただ、声だけスピーカーで外部に漏らして、羞恥プレイも良い文明だがな」

 

レフは目の前の異星人が何を言っているのか一切理解出来なかった。ただ、一つだけ本能で理解していたのがこのままでは確実にヤバイという生物としての恐怖。

 

そして、その本能は正しい。おちゃらけていても、残念になっていても、色ボケしていても目の前にいるのは超級サーヴァント。彼はそれを身を持って知る事となる。

 

「おっと、そうこうしている内に後30秒で3分経ってしまうな……ではさっさと手短に終わらせるとしよう。サービス残業は悪い文明だからな」

 

「……ま、待てっ!待ってくれ!!」

 

口を大きく開けた巨人――アルテラマンの中心部分に光の球が収束していく。

余りにも大きい魔力の奔流にレフ……魔神柱フラウロスは戦う事すら忘れて必死で制止の言葉を吐き出すが、そんなもので彼女が止まる筈がない。

そもそも彼女を止められるのは遠い向こう側でアイドルグッズを嬉々として売りつけているあの黒スーツのサーヴァントしかいないわけであり。その時点でもうこの魔神柱の運命は決まっていた。

 

 

 

「『魔神柱総辞職ビーム』」

 

「ゲェァッ――――――――――………!!!」

 

アルテラマンの口から放出されたそれは竜の咆哮のように、吐き出された火炎のように……だが破壊力だけは次元の違う光の筋となって蠢く肉柱へ迫り、モニター越しに見て頂いて荊軻が目を開けてられない程の眩しさとエネルギーの大爆発を引き起こした。

 

魔神柱フラウロスはこの特異点から肉片の一つすら残さず消え去った。

 

かくして、ネロを始めとするアイドル達がライブ活動をしている間に聖杯は回収され、特異点を乱していた大本は打破されたのだった。

 

「またつまらぬ文明を破壊してしまった……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うむ!余達の独壇場だったな!独! 壇! 場! だった! なっ!」

 

「当然よ!アタシ達が手ずから鍛えてあげたんですもの、これぐらいの超絶大反響は無くっちゃね!!」

 

「喉が渇いたわ。プロデューサー(マスター)、私はドリンク()を所望よ……さぁ、首を出して頂戴」

 

「おいコラ、アイドルはプライベートと仕事を分けるんじゃなかったかしら」

 

アンコールに何度も応え、最後の曲を終えた私達はライブで火照った体を控室という名のテントで休ませていた。

ガードマンには呂布とスパルタクス、そしていつの間にか混じっていたレオニダスさん。マッスル達が熱狂的なファンがここまで押し寄せてこないように外で警護にあたってくれていた。

 

「ねぇねぇ、グダお。あんなに大勢の人達が私の名前を呼んで応援してくれたのよ!!凄いわよね?私凄い事したのよね!?」

 

「えぇ、所長の素晴らしさはきっとローマ全土あらゆる人に届いたと思います。胸を張って誇って下さい」

 

「先輩、先輩!後輩の務めとして先輩のブロマイドちゃんとコンプリートさせて頂きました!見て下さい!この『SSR:髪ゴムを咥えながら髪を結い上げるリッカちゃん』の輝きを!!」

 

「…………あぁ、うん。良かったねマシュ」

 

疲れた……滅茶苦茶疲れた。

興奮した様子でリッカちゃんプロマイドを見せてくれるマシュを宥めながら、私はぐったりしていた。

 

確かに慣れないアイドル活動とはいえ、色々と楽しかった。けど終わった後の疲労感は凄まじい……一種の燃え尽き症候群だろうか。

 

 

「お疲れ様マスター。最高に輝いていたよ」

 

ただ、まぁ、こうして褒められるのは悪くない。

グダおから渡されたコップを受け取る。あっ、首元に噛まれた後が……結局カミランさんに吸わせてあげたのね……。後ろで「次、アタシ!アタシ!労わって!!」ってすんごいアピールしているエリちゃんがいますが……。

 

それに、このコップやけに重いというか……金色で眩しいというか……。

 

「っ!?せ、先輩それ聖杯です!?」

 

WHY!どうして!?何故!?

 

『おー、今までライブに夢中で気付かなかったけど。喜びたまえ、立香君達、その特異点の人理定礎は見事に修復さているよ』

 

ダ・ヴィンチちゃんの通信が私達をさらなる驚愕へと叩き込んだ。

え!人理修復?この特異点もうクリア!?いや、アイドル特訓は凄まじく大変だったから楽だったわけじゃないけど!

マジでこのライブで世界を救っちゃったわけ!?

 

「可憐な歌姫達によって万能の願望機が天から降り、世界は救われた……。ふふ、実に()()のある話ではないか……」

 

盃を傾け、酒で喉を潤している荊軻姐さんは意味深に笑っていた。

 

 

「そう浪漫(ローマ)である」

 

「神祖!?」

 

さらにさらに突如として現れるバーサーカー組にも劣らない筋肉を持った大男が現れた。Yのポーズで……もうさっきから何なんですかね!仰天の波状攻撃でお腹がいっぱいなんですけど!

 

「ネロよ。当代の皇帝よ……お前の(ローマ)、しかと感じさせてもらった」

 

一般人の私でも感じるカリスマ力を持ったその男は周り(グダお以外)が驚愕しているのも一切気にせず、言葉を発していた。

 

「そうか……連合ローマ帝国を名乗っていた軍勢と戦っていた時から予感はしていたが……まさか貴方様が」

 

「よい。お前のライブ(ローマ)は我らのローマを下したのだ。血も流さずにな……それはとてつもなく浪漫(ローマ)ある決着だ。誇るがいいネロよ。お前は真のアイドル(ローマ)としてこのローマに生きる全てに根を下ろしたのだ……我が大樹(ローマ)のように」

 

「も、勿体無きお言葉です……」

 

あのネロがここまで畏まっている所を見る当たり、物凄い英霊なのだろう。

ローマ、ローマ、言ってて話の半分も理解出来ないが。

 

「そして、ネロを含める娘達をここまで導いた獣を宿し者よ……」

 

手を下ろし、Yの字ポーズを止めた神祖と呼ばれた男の視線は私のサーヴァントグダおに向けられる。

獣?確かにあんだけ奥さんがいるのなら性的に獣かもしれないけど。

 

「その獣は世界を滅ぼし得るものではなく……。少なくともお前はその選択肢を取らなかったのだろう。獣でありながら救いの声に応えた者よ。その矛盾した在り方、実にローマである」

 

「ローマ……」

 

だからローマってなんだよ!?お前(グダお)もわかったような感じで相槌打ってるんじゃない!

 

「カルデアのマスターよ……そこの男を手放さぬようにな。たとえ、お前の理から大きく外れていたとしても、その在り方は決して悪ではない」

 

まぁ、確かにグダおを召喚してからいくら聖晶石を使っても概念礼装しか出てこないし、マスターの私に初っ端からどエロい夢を見させてくるし、第一特異点では竜の魔女をセクハラして消滅させるし、奥さんをたくさん召喚してくるし、所長を喰うし…………言われなくても怪しさとヤバさしかないサーヴァントだが……。

 

「うん。元からそのつもりだよ。だって私が召喚したサーヴァントだもん。なら何があっても、どんな無茶振りされようとも、彼がどれだけ埒外な英霊だったとしても……私がちゃんと最後まで面倒みます!!私が拾ってきたようなものだし!!サーヴァントとマスターってそういうもんでしょ?」

 

悪ではないというのは首を傾げるけどね!少なくとも女にとっては悪だよ、コイツは!!お前だよ!「やだ……ウチのマスター、イケメン過ぎ……!」って乙女ポーズしているお前のことだよ!!

 

「うむ、実に良き返事(ローマ)だ……」

 

あなたもとりあえず、ローマって言っておけばいいと思ってません?

 

さらばだ(ローマ)!!」

 

あっ!消えやがった!!

って私達も消えかけてる!?

 

『目的が果たされた以上はそうなるよ……僕としても親交を深めている君達アイドルの仲を裂くような最後にしてしまって申し訳なく思ってるけどね……。もういっそ残りの特異点もこんな感じで修復したらいいんじゃないかな?』

 

「うるさい、三十路ドルオタ(ロマン)

 

『辛辣ぅ』

 

ローマにおける私達の人理修復の旅(アイドル活動)が終わる。最初っから最後まで慌ただしい毎日でしかなかったけど、それでも楽しかった。

ネロの「余は……!余はお前達を忘れぬからな!!絶対に、お前達のいるカルデアとやらまで、ローマ一、いや……世界一のアイドルたる余の歌声を響かせてやるからな!……泣いておらん!!こんなコトで、泣くはずがっ……あるものか!!アイドルに似合うのは泣き顔ではなく……笑顔!!そうであろう!!プロデューサー!!」と涙目でありながらどこまでも見惚れてしまう笑顔にグダおは負けないぐらいの力強さでサムズアップしていた。

 

なんだろう……本当にローマの歴史は正しく修復されたのだろうか?大丈夫だよね?私達が戻ったら、ローマ帝国がドルオタ帝国とかになってないよね!?歴史の教科書にネロがヴィーナス化した写真とか出てこないよね!?本当に大丈夫だよね!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《某形ある島》

 

「誰も来ないわね……」

 

「ぬぉ――、暇であるぅ!『怠惰心、キャットを殺す』という名言を知らぬのか!?」

 

「途轍もなくもったいない感じで出遅れた気がするわ、アタシ!!」

 

 

 

 




ジャンヌ「何だか私より格段に出番多くありません?こちとら前回の特異点で殆ど台詞が無かったんですが」

ネロ「至高の名器である余の出番が多いのはわかりきっていただろう?時代は聖女より皇帝!!」

ジャンヌ「未だに本編の方で登場する気配が微塵も無いくせに……(ボソッ」

ネロ「それを言ったら戦争だろうがぁ、貴様!余だって、余だって!きっとバビロンの妖婦にも負けないぐらいのドエロエロな話が来る筈だもん!!」

ジャンヌ「貴女がそれを言ったらシャレにならないので止めましょうね」








グダおスキル
『プロデュースA+』:英雄作成の亜種的な奴。アイドルを積極的にスカウトし、育てる技術。
彼が実際に初めて手にかけた原初ともいえる5人のアイドル……マシュ、清姫、エリちゃん、カミラン、アルテラちゃん。その5人をサーヴァント界におけるトップアイドルとして育て上げた実績故に保有しているスキル。今話のようにネロ対ローマとなると相性が良すぎてそれはもうファンがじゃんじゃんばり湧いてくる。
余談だが。初代カルデレラガールズのメンバーの内マシュと清姫は子供が出来ると同時に引退。その後釜を埋める為に赤き薔薇皇帝と幼き拷問皇帝が新メンバーとして参戦。グダお曰く、ティンと来たらしい。

グダお「プロデューサーの素質?……担当したアイドルを全てお手付きにする事ですかねぇ……」
立香「んなわけねぇだろ」




宝具
幻想の衣装箱(シンデレラ・メイデン)
ランク:A
種別:対人宝具
使用者:カーミラ(アイドル魔王勇者)
夢は夢で終われない。かつて少女達に恐怖を与えたとされる拷問器具は少女達に夢を与える宝具へと昇華した。
その者がこれから臨むライブに一番似合う衣装を装備させる。今回着たネロちゃまの衣装はエクステラ参照、立香の方は概念礼装『英雄風采 三英傑』参照。
この宝具を使えば、簡単に誰でもアイドルになれるわけでは決してない……だが、厳しいレッスンを乗り越えれば、纏ったドレスは君達アイドルの想いに必ず応えてくれる。その魔法の効果の程はグダおの『プロデュースA+』のスキルと合わされば、今話の通り。さすがカミランさんじゅうはっさいだぜ。
実はステータスの方も上昇効果がある。昨今のアイドルは戦闘力も求められるからね、仕方ないね。




『帰ってきたアルテラマン――文明が静止する日』
ランク:EX
種別:対文明宝具
使用者:アルテラちゃん(アグレッシブ引きこもり)
帰ってくれアルテラマン(切実)。
並行世界の電波を受け取ったアルテラちゃんの不思議力とマスターのギャグ力とエレナのマハトマ力とライトニングテスラとエジソン博士の電流力とダ・ヴィンチちゃんの万能力とメルトのモデラー力とかが色々と備わり最強に見える宝具。ぱっと見セファールにしか見えないけどね!けどGCコントローラーで動くからロボ初心者にも安心だぞ!
だが、どんなにふざけた名前でも実際宝具としてのスペックはマジでヤバい。最後にレフを焼き尽くしたビームも出力を抑えている。本気を出したら、口からだけではなく、目、背中、指、おっぱい、あらゆる所からビームが出る。ロボというか怪獣。大陸ぐらいはその気になれば消し飛ばせると思う。原作で真っ二つになっていた方がマシだったねレフ君。











しっかりと原作準拠の第二特異点。やっぱり人理修復の旅は真面目にしなきゃ駄目ですよ。


呂布が所長を貂蝉と見間違えたのはそこまで深い理由はありません。EXTRAではラニが貂蝉に似てるとかいう話だったのにEXTELLAではラニちゃん陳宮にそっくりやし。多分、えっちい衣装着てるし、今の所長と似たような格好してるんじゃないですかね。バーサーカーだし、すぐ見間違えちゃうんでしょうよ。え?グダおが貂蝉と面識ありそうな発言をしていた?…………さぁ?


ダレイオスくん三世はアレキくんがやる気になる前に大体片がついてしまったので連鎖召喚されなかったって事でよしなに。


あ、それとガチャで引いていないキャラは出ないという話でしたが、それはあくまで本編(エロ)の方の話。こっち(特別編)では書かないとは言っていない。むしろ、ここでネロちゃんを書いた事でタイムパラドクスと因果律云々で本編(エロ)の方にも書けるんじゃないですか?あらゆる運命は全てここに収束するぅっ!!



この世界における立香ちゃんのサーヴァントはマシュとグダおだけということにしました。まぁ、ストーリーでも色んな鯖が力を貸してくれますし、ある意味これも原作準拠でしょう(どこが?)
つまり、このグダお英霊編における立香ちゃんはチュートリアル10連ガチャで何故か星5クラスv@ersの性人を引いてしまい(他は全て概念礼装)、そしてこれからのガチャも概念礼装しか出てこないという呪いを受け、パーティーメンバーはマシュとグダおとサポートメンバー(後所長)しか使えないというハードモードor縛りプレイなんだよ!!





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