※この作品はR-18です。

おいでよ カルデアの森   作:一火

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今回にて、第4章は最後です。小分けに投稿したとはいえ、中々に長かった気もします。これも全部、逸般人ビーストとリヨグダ子と快楽天ビーストが悪いんや……。

0話にて、オケアノスのキャスター、更新です。













世界が変わろうとも、どれだけ距離が離れていようとも、時が経とうとも、この想いが朽ちる事はありません。あの失恋から、私の恋が始まったのです。

貴方こそ、貴方様こそ、私の比翼なる存在なのですから。右羽しかない蝶が飛べる筈もありません。どうか、どうか、私の対になり、新天地へ共に飛び立ちましょう。

『愛欲』の獣に恋を教えてくれた責任取って頂きますよ、人類最後のマスター様……。



蘇る超悪魔級(第4章)

突如、現れたそれの正体は私にはわからなかった。頭に生えている特徴的な黒い二本の角。人間ではない事はさすがにわかる。

 

ただ、本能が告げている。この女はヤバイと。

 

ゲーティアとは違う全貌が掴めない驚異。強いとかそういうベクトルの話ではない。戦う以前にまず彼女と関わってはいけないと、私のナニかが訴えていた。

 

白い尼装束……には淫らに過ぎる。女の武器をこれでもかと露出させた厭らしい姿。流れる黒髪。身体の全てが性別問わず、あらゆる物を誘惑するぐらいに魔性の魅力を持っていた。

恍惚とした表情で現れたその女は、猛熱に浮かされるように私のサーヴァント、グダおを一心に見つめていた。

 

 

 

「一日千秋……。時を越え、世界を越え、こうして相まみえる事が出来ました……。電子の海、あの時から貴方様が私をひどく玩具のように袖にした時から、片時も忘れた事はありません」

 

「快楽天……君が現れるから、俺がこうしてこの世界に呼び出されたのか。それとも、俺が召喚されたから、君がやって来たのか…………」

 

「ふふふ、どうか『キアラ』と呼んでくださいな。それにそんな卵が先か、鶏が先かなんて無粋な話は止めましょう。私と貴方がまた出会う……偏にこれはFate(運命)なのですから……」

 

 

「おい、グダおとやら」

 

「どうしたアンデルセン先生」

 

今まで、一切の反応が無かったアンデルセンが隣のグダおに語りかけてた。

…………ってか汗やば! 顔色悪ぅっ!! 持っている筆とかガクガク震えているんだけど!!大丈夫!?

 

「もしかしなくても、お前が振った相手とやらはこのどうしようもない乳袋女か……?」

 

「まぁ、そうだね」

 

「……馬鹿がっ……!この馬鹿がっ!よりにもよって、なんて女を……!いや、結ばれたら結ばれたで、それは最悪過ぎるが……!どちらを選んでもBAD ENDか!とんだクソゲーだな!!」

 

「ちゃんとお断りはしたんだけどねー」

 

「よっぽどお前をお気に召したんだろうよ……。今のアイツは俺が知る記憶の限り、類を見ない絶好調、最高にハイッてやつだ、嫌な方向にな。悲劇・喜劇は大好物だが……。笑えもしない生々し過ぎる官能物はごめんだ……スケールがデカ過ぎる。お前らのペッティングで地球が滅びるとか焚書ものもイイ所だ……!」

 

「おい、チビ作家。お前、急に現れたあの気色悪い女の事、知ってんのか?」

 

「エロゲ主人公、お前が蒔いた種だ……。お前が、片付けろ……。ここまでくればもう、作家の出番もあるまい…………ひとりでに物語は加速する……」

 

―――シュゥゥウウン……

 

「うぉい!アホ作家!?」

 

アンデルセン先生が逝った――――!!

何で?何もされていないのに?これもあの女の力なの!?

 

「蒔いた種って……そんなヤリ逃げみたいな……」

 

「おや、今どこかで聞き覚えのある声がしたような………………っといけません、いけません。想い人がいるのに他の者に現を抜かすなんて、あなたに失恋した時から私は学習したのですから……。あの時の私は些か不誠実ではしたなかったですもの……人類最後のマスター様……いえ、今はグダお様ですか?」

 

性別問わず、他人を惑わす魔性の魅力。初対面にも関わらず、私は彼女をそう表現する事が出来た。

彼女の正体を知らずとも、わかってしまうぐらいに分かりやすかった。

 

なら、そんな魅力を持つ女と相対して何故、平常でいられるのか?

それは彼女が徹頭徹尾、私達なんて眼中にないからだ。

 

「全人類を自分の快楽に使おうとしておきながら、恥知らずにも貴方様に告白してしまった私をどうか許して下さい。えぇ、えぇ……貴方もそれはタイプではないと断る筈でしょう。そんな移り気なはしたない女が愛される筈なんてないのですから」

 

頬を両手で挟み、所謂、恍惚なヤンデレポーズで息を色っぽく吐き出す淫魔。

彼女が持つ女という武器は全てグダおただ一人に向けられていた。

 

「ですので、私の中にある全人類への愛を、溢れんばかりの欲望を全て貴方だけに向ける事にしました」

 

恋する乙女というには、重すぎる。

邪悪というには、純粋過ぎる。

 

「私の願いはもはや『自分だけが気持ちよくなる』ではありません。『貴方と一緒に気持ちよく』なりたいのです」

 

「ちぇんじなのだわ!!」

「泥棒猫よ!一生、シュレディンガーの箱に入れてあげる!」

「私も手伝うの!」

 

激昂したトリプル童女達が嗾けたモンスター達の群れも一切気にも留めず、背後に現れた巨大な髑髏と数多の黒い怨霊の手が片手間で迎撃していた。吹き飛ばし、潰し、千切り、掴み、胎にしまう…………え、えぇ……うわぁ。当の本人は未だ、グダおの方だけを見て言葉を続けているのが狂気過ぎる。

 

「どうよ、ジャック。お前的にはおかあさん要素あるんじゃねぇの?」

 

「あれは、なんか、いや」

 

 

 

「では改めまして、自己紹介を。お久しぶりです。そして初めまして。この身はかつての蛹から羽化をした一匹の蝶。恋を知り、完全体となった人類悪。『ビーストⅢ/R――ラプチャー』。『愛欲』の理を持つ獣でございます」

 

またビースト……!

 

「どうなってるのよ!!なんでそんな人類悪がポンポンポンポン出てくるのよ!!」

 

「もしかして所長、人類悪はそこまで珍しくないのでは!この特異点で3人の人類悪が判明していますし!」

 

「フォウ――……(実は4)」

 

「そんなわけないでしょ!!」

 

所長、ヒステリック再発。

グダおが人類悪って言われていた時は落着いた雰囲気だったのに。まぁ、人類悪のお腹から新たな人類悪が生まれたら狂乱するだろうけど。SAN値チェック入ります?

私?私は当然驚いているし、下手をすればゲーティアより怖いけど……それと同じぐらいにちょっと気に食わないって感情がある。

 

「一回の失恋で、身を引くような臆病な性格はしていません。恋は破れてからが本番。どうか、グダお様。その偽りの身を捨て去り、私と同じ人類悪、その片割れ、ビースト/Lとして爛れて淫らで素敵な円満家庭を築きあげませんか?貴方と一緒なら何をしても気持ちよくなれる確信があるのです」

 

「いやー、ほら一緒に人類悪になって噂されると恥ずかしいし……」

 

どんな断り方だ。パワーワード過ぎる。

 

「あらあら、もしかして、そこの虫と結んだサーヴァントとしての契約。人理修復が完全になされていない事が不安ですか?たしかに私はゲーなんとかさんを取り込みましたが、それは他の特異点にばらまいた聖杯を回収し、人理焼却を取りやめる事が私の意思次第とも言えます」

 

あん?

 

「私が貴方と結ばれれば、この星には用はありません……ハネムーンと参りましょう。私の目的はグダおさんだけですから。もちろんゲーなんとかさんの計画も私の手で凍結。カルデアの方々はこれ以上、労する事なく人理修復を成し遂げる事が出来ます。貴方方にとってはサーヴァントの一人に過ぎない筈でしょう?」

 

ふっざけんな!

 

―――ザザッ!!

 

 

「おぉ?」

 

グダおに向けるキアラとかいう奴の熱い視線。それを遮るように、あるいは守るように。私はグダおとキアラの間に立っていた。

 

私だけじゃない、マシュも、所長も。グダおの奥さん達もこちらの世界のアリスもモードレッドも。彼の前へ歩を進めていた。

 

「……なんでしょうか」

 

心底興味ない目線が、人外の瞳が、私達を人でも何でもないと思っている悪魔の瞳が貫く。

 

「コイツは私の(サーヴァント)だ!!誰がお前なんかにあげるか!!ばーか!!」

 

「はい!グダおさんは私と対になるカルデアの矛!今日まで一緒に先輩を守ってきた大切な仲間です!!ここでサヨナラなんて絶対にお断りです!!」

 

「そ、そうよ!ここでグダおに捨てられたら、私はどうすればいいのよ!散々、彼に開発された私の躰の疼きはどうやって解消すればいいのよ!」

 

「へぇ……」

 

所長ェ……。

私達の言葉、特にエロマガリー所長の言葉が快楽天ビーストの琴線に触れたのか、塵芥を見る瞳が、明確な敵意へと染まる。うぅ……!!

 

「ひぃ!」

 

「……!!」

 

ゴボゴボとこの世の物とは思えない耳に毒な音を立てながら私達の周囲に現れた黒い淫手、数十はある魔の邪手がグダおとの逢瀬を邪魔するなとキアラの怒りを代弁するように襲い掛かる。

あ、これ……触れただけでアカン奴なんじゃ……。

 

「『百式官能 四十八の手』」

 

その手群をグダおの宝具が一つ残らず、切り落とした。そのセクハラ術……普通に防御でも使えるんだ……。相変わらず、原理は意味不過ぎるけど、なんか観音様の手が見えたような気もする……。

 

「と、いう事だ。今回はお引き取り願おうか。ビースト――ラプチャー。そして、ウチの嫁さん達と大事な娘達、そしてマスターにあまりおいたをするな。お前にとって()()()()()()()事になるぞ」

 

ここまでの旅路で殆ど怒りの感情を出さなかったグダおの怒気が伝わる。

そっか、そっか――……私の為に怒ってくれてるのか―――ふっふーん。マスター想いのサーヴァントだなこのこの。どうだ、ドスケベ女!羨ましかろう!!

 

「あ、あぁ………………」

 

う、うらやましかろう……?

 

「んぅっ、あっ……はぁんぅ!彼の手と私の手が触れ合って、切り落として、そんな熱の籠もった瞳で見詰めてくれるなんて……あぁ、あぁっ……!ひぅぅんぅ!あ、ソコから蜜が止まりません!!」

 

マシュのお目目をブラインドォォ!!耳をシャットアウトォォ!!

 

「え、え、先輩何をするんですか!?」

 

「ありす……一体、あのおばさんは何をしているのだわ……?」

 

「そうね、家に帰ったらわたし(ありす)が教えてあげるわ。お姉さんだもの!!」

 

「う―――わぁ……」

 

豊満な胸を鷲掴みにし、もう一方の手を自身の股関に潜り込ませて盛大過ぎる公開オナニーを始めたビースト。

遠目でも、そして服の上からでもわかる程に胸の先端は屹立し、彼女はそれをグダおを見ながら、盛大に扱いていた。

股の間から聴こえるグジュグジュと響く水音も……、いや、お前どんだけ濡れているんだよ。

 

「い、けません……せっかく、想い人の前にいるというのに、いぁっ……あはぁっ!あんぅぅ!!こんな、売女のようなはしたない真似を……んふぅっっ!あぁっ、ひぁあっ……あぁ、けど……女の部分を擦り上げる手が止まりません……だって、だって、彼との触れ合いを一体どれだけ切望したと思っているのですかぁ……!それがやっと現実になったのですから……情欲に溺れて、一体誰が罰するというのでしょうか……!あぁ、あひぃ……、あぁ、私の自慰を……あんぅ、彼が見ているぅぅ!恥ずかしさで、恥ずかしさで……体が火照ってしまいます……見て、見て、私をもっと見てくださぁ……あんぅぅぅ――――!!」

 

 

そこから十分程、私達は呆然としながら、快楽天のオナニーショーを見せられる羽目になった。……………………なんだコレ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ、ふぅ…………お待たせして申し訳ございません。で、何の話をしてたのでしょうか……?え―――と、あ!こ、これは違うのですよ!グダ様、私は確かに自らの手で快楽を得てしまいましたが、脳内は貴方しかいなかったので決してこれは浮気ではありません!オカズは貴方しか使っていないのでむしろこれは私の一途さを表現した神聖なる儀式とも」

 

もういい、もう口を開くな……。

 

「あ、あの――先輩、そろそろ私の耳と目を解放してもらえると助かるのですが……」

 

この歩く有害図書がいる限り、教育に悪すぎるのでマシュはずっとこの状態でいて欲しいのだが。

 

「そうでした……交渉は決裂したのでした。ふむ、ふむ……そうですか、まぁ、サーヴァントというのはマスターを第一に考えるものですから……」

 

今までグダおしか眼中に無かったキアラの瞳に私が映る……。あ、あれ?私?てっきり所長の問題発言でプッツンしたと思ったんだけど、もしかして盛大な自慰行為からの賢者モードで記憶が混同している?私がこうグダおと懇ろな関係になっているマスターと思われている?敵視されてる?

な、何それ……。こちとら、まだAしかしていないというのに、しかもそれも自分の意識が無かった時だし。

 

「逢えない時間が二人の愛を育む……。恋敵の出現……。そうですね、恋は障害があった方が燃え上がると……私を袖にした殿方がそう簡単に物になるとは思っていません。私と彼のアバンチュール、それをこんな所で終わらせようなんてロマンの欠片もありませんでしたね」

 

 

――――ゴゴゴゴゴッッ!!

 

これはアリスちゃん達の固有結界が崩れる音……?

 

「いえ!固有結界じゃないわ!特異点の元凶だったバルバトス、ひいてはゲーティアが消えた以上、もう破壊されていたロンドンの人理自体が修復されつつあるわ!私達もカルデアへ強制送還されるのよ!」

 

アリスちゃん達の宝具で地下空間を取り込んでいた闘技場も崩れていくと同時に私達の体も消えかけていく。

 

「人理を視姦し、人類史を蕩かし、あらゆる歴史をオカズに自家発電して、その熱量で世界を滅ぼす。確か、ゲーなんとかさんの計画でしたか……そうですね。私も彼を取り込んだのだから、その計画に倣うとしましょうか」

 

そんな頭の悪い計画なワケないだろ!いい加減にしろよこの女!!草葉の陰で魔神王が泣いてるわ!!

 

「私と貴方の恋物語、やはりそれは終局の座でフィナーレ、いえそこから始まるべきなのです。せっかくばら撒かれた聖杯ですもの、便乗に便乗を重ねて頂きましょう。どうか残り3つの特異点も挫ける事なく修復して下さいな。私は七つの特異点を越えたその先でお待ちしております。貴方の需要に応えるように、しっかりとこの身も処女に変生したのですよ?」

 

 

「いや、別に俺は処女かどうかは判断材料には入れてないよ」

 

「で、では……やはり、年下の方ですか?ロリですかなのですか!?年上顔はノーサンキューなのですか!?」

 

ジャックやアリス達、そして何故かモードレッドも見ながら、キアラは若干焦りを混じった表情でグダおに問いかけていた。

 

「俺の中の趣味趣向は好きになったかどうか。ただその一点だよ。ロリだろうが、熟女だろうが、学生だろうが、人妻だろうが、巨乳だろうが、貧乳だろうが、巨人だろうが、本だろうが、ロボットだろうが、神様だろうが、性別不明だろうが、元男だろうが、共に情を交わし合って愛しあえれば、全部ただの魅力の一つに過ぎないんだよ」

 

「なるほど、メモっておきます」

 

最初の真のラスボスらしき威厳はどこへやら、グダおの言葉を嬉しそうに聞く愛欲の獣。

満足したのか、ゆっくりと崩壊していく固有結界の中に作り上げた亀裂の中へ、最後までグダおから目を離さず、消えていった。

 

「あ、消える……わたし(アリス)も消えるのね……。せっかく、ありす(わたし)ともう一人のわたし(アリス)に会えたのに……」

 

「むぅ―――!わたしの話を聞いてなかったのかしら!アリス(わたし)はわたし達のお家に来るのよ!ね、いいでしょ?パパ?」

 

「ちゃんと、面倒見るんだよ?」

 

「ペットみたいな扱いには不服を申し立てるわ!!」

 

「あぁ――、マスター。後で家に帰って皆の様子見に行った方がいいと思うぜ」

 

モードレッド(水着)の言葉に思い当たる事があったのか、いつもの宝具で奥さん達を呼び出す鍵でもある銀の杯を取り出したグダお。

 

「わーお」

 

黒っ!!ってかめっちゃガタガタ震えてるんだけど!!こう聖杯に呪いあれ!って感じで荒ぶってるんだけど!!

 

「ゲーティアにボロボロにされてからの、あの変態快楽中毒女の猛烈なアピールだからな、家から見ていた皆は堪忍袋が切れてるだろうさ。後でその――うん、オレも含めてフォローしてくれるといいなーって、か、家族サービス的な感じで……な?」

 

「見えてない、見えてない……もう一人のオレが女の顔してあの野郎ににじり寄っている姿なんて見えてない」

 

予想外の事はあったし、これから考えなくちゃいけない事はたくさん出てきたけど、特にあの淫欲魔神とか!グダおとどういう関係だったのかとか!

ともかく、人理修復の旅は折り返し地点まで来た。悩んでいてもしかたない、私達に出来る事は前に進む事だけだから。ただ――――。

 

 

 

 

 

 

「う、うぅ……。人類悪が倒れたら、また新しい人類悪が出て来るとかぁ……これ、あの変態女倒しても別なのが湧いてくるんじゃないの……」

 

「所長には、グダおが人類悪だった事を黙っていた件についてしかるべき場所で詰問させていただきます」

 

「そうですね先輩、法廷の準備は必要ですか?検事役は私が立候補しましょう。」

 

「うぇ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カルデアの管制室のすぐ隣の一室。コーヒーメーカーや冷蔵庫。喫煙所に、仮眠用ベッド、雑誌コーナー、シャワールームなど、多くのカルデアの職員達が身をひと時休める為の休憩室。

 

そこに二人の男女?の姿があった。カルデアの技術部と医療部のトップ。ロマニ・アーキマンとレオナルド・ダ・ヴィンチ。

 

 

「魔神王ゲーティア、ソロモン王が召喚した魔神柱達の集合体。人類への憐憫から獣になった王か……」

 

「そして、その王からおめでたし、取り込んで人理焼却を引き継いだ……というよりは利用したというべきかな?グダお君をモノにする為に」

 

「『愛欲』の理を持つ。ビーストⅢ/Rだろう?本名は殺生院キアラ。確かにその名前はセラフィックスの職員、セラピストの一人としてあったけど、その彼女の評判は立香君達の前に現れた人類悪とは似ても似つかないものだよ」

 

「並行世界から来た別人みたいなものならそれも当然さ。人類悪として変質している可能性だってある。君だってずっとゲーティアがソロモン王の名を騙っていたら、同じような反応になっていた筈さ。今はそれよりも」

 

「グダお君の事だね…………。そのうち考えるのをやめたじゃ、駄目?もう事態に頭が追い付かないんだけど」

 

「私としては興味深々だよ。カルデアのマスターが一体どういう因果があって人類悪になったのかは」

 

 

 

「女性英霊とヤリまくってたら……いつの間にかとしか答えられないな、それは」

 

「「うわぁぁっ!!」」

 

バァ――ンッ!とシャワールームから出てきたグダおは真っ裸であった。惜しげもなく自身の体を披露していた。

 

「くっ、ぐぅっ!美の追及者たる私を怯ませる程の、黄金比で出来た肉体……!く、悔しい!でも気になる!」

 

「はい!レオナルドも彼の体をツンツンしない!グダお君もさっさと服を着る!!マシュが見たらどうするんだい!!」

 

指パッチンで弁護士風のビジネススーツに身を包むグダお、意外に服のレパートリーはあるようだ。

 

「いや――ごめんごめん。ちょっと実家に帰って奥さん達と性の一週間――滾る!セクシャルトライアスロン的な家族サービスを終えて帰ってきたばっかりだったからね。ちょっと匂いを落とそうとシャワーを借りていたよ。んんんぅ――――3桁斬りを終えた達成感に解放感、そして彼女達の耽美な思い出に浸る心地よさ。ふふ、これこそが正しい安息日の過ごし方」

 

「一週間……?いや、君の姿が見えなくなってからまだ半日も立っていないような……」

 

「異なる世界線だからねー、時の流れが違うからねー」

 

「そこを好きに行き来出来る君も大概だと思うよ」

 

「取り敢えず、マスター達が何か楽しそうな事をしてるからそっちに顔出してきます。それじゃ」

 

 

 

「一つ訊きたい」

 

部屋から出ようとするグダおをダ・ヴィンチちゃんが呼び止める。

 

「君はカルデアのいや、立香ちゃん達の味方かい?」

 

「うん」

 

彼は笑っていた。とても人類悪とは思えない程に純粋で愛らしい顔で。そこが逆に恐ろしいと思える程に。

 

「俺はサーヴァントとして、一人の男として『藤丸立香』の味方だよ」

 

だが、その言葉には嘘偽りが無いと何故か納得した。

そもそも、仮に彼がカルデアの敵だったとしたら、冬木で所長に肉体を授けるものか。第一特異点で所長を助けに行くものか、第二特異点であんな馬鹿騒ぎをしてくれるものか、第三特異点でマスターをあんな必死になって助けるものか。マシュをカルデアのトレーニングルームで真摯に鍛えるものか。

 

だからこれはきっと只の確認作業……人類悪だろうが、何だろうが、彼も変わらずカルデアの一員であり、人理修復の旅を歩む仲間の一人だという。

 

話は終わったかなと再び退出しようとする彼に今度はロマンが声を掛けた。

 

「君は」

 

「…………」

 

「召喚された時から僕の正体に気づいていたんじゃないのか?」

 

 

 

「知ってるとも」

 

「……!…………やっぱりか」

 

 

 

「チキンで打たれ弱くて、ネットアイドルに現を抜かして、その癖誰よりも働き者で真面目で、自分に出来る事を全力で取り組む勤勉さを持つ30歳独身。ロマニ・アーキマン。それがDrの正体だろ?」

 

「――――――――」

 

「じゃ、また後で」

 

自分の問いに答えたグダおの顔を見たロマンはそれ以上、言葉を続ける事は出来なかった。

時が止まったように動かないまま部屋から出るグダおを見送るだけ。

 

「ふふ、これは一本取られたねロマン……君は彼になんて言って欲しかったんだい?」

 

「さぁ、ね……自分でもわからないよ。ただ、」

 

「ただ?」

 

「外見が自分よりも年下に見える子に30独身って言われるのは堪えるね。ましてや彼には奥さんがたくさんだし」

 

「ははははっ!そこかい!!」

 

 






―――カンカンッ!

「これより、カルデア所長、グダお人類悪情報隠匿事件についての裁判を行います。被告人は前へ」

「なんで貴方が裁判長なのよ!!立香!!」

「静粛に。被告人は粛々と前へ。当裁判は嘘偽りを許しません。法の平等の下に公正な判決を下すでしょう」

「異議あり!私に弁護人がいない時点で公正とは程遠いと思いますが!」

「異議を却下します。では検事マシュ。告発内容を」

「はい。被告人は第4特異点にて、グダおさんが人類悪だった事実を晒されても、特に動揺の素振りは見せませんでした。これは被告人がグダおさんが人類悪だった事実を知りながら、隠匿していた事となります。こんな重大な情報を隠していたのは、私達、特異点攻略組――カルデアカルテットの絆に亀裂を生じかねない大事件につながりかねません」

「カルデアカルテット?初めて聞いたわよ!そんな呼び名!!」

「被告人は静粛に。発言の許可を許していません」

「彼が人類悪とわかれば、私達の見る目が変わる……もしくは排斥されるという恐れから隠し続けた可能性もありますが、私からすればちゃんちゃらおかしいです。せんぱ、コホン、裁判長と私、グダおさんの3人の絆の深さを甘く見ないで下さい。今更、そんな色眼鏡で見る事はありません」

「う、うぅ……それは悪かったわよ」

「では被告人に問います。グダおが人類悪だと知ったのはいつからですか?」

「え、え――と、一つ目の特異点、フランスの時に」

「大分序盤じゃねーか!!」

――バンッ!!

「ひぃ!」

「裁判長!これはもう議論の余地は無いかと!被告人は第一特異点から帰って来てから二人で防音の密室にこもる事が頻繁に見受けられます!私が聞いても、曖昧な顔で誤魔化すだけで何をしているのか答えてくれません!カルデアカルテットの輪を乱す許されざる行為かと!」

「その呼び名、気に入ったの!?」

「では、被告人に問います。グダおがどうやって人類悪だと知ったのですか?正直な所、最初のポンコツ所長が自力で気付けたとは到底思えません」

「ズバズバ言うわね!」

「詐称、偽証は、断じて、許しません」

「う、うぅ…………そ、それは……」

――バタンッ!!

「お待たせしました。いやー遅れてすみません。髪型のいい配置が決まらなく、手間取ってしまいました……」

「な、何故、七三分け……」

「グダおっ……!!」

「その件について、女性の口からは憚られるでしょう。ですので、私から答えましょう」

「あ、ばかっ」

「あれは第一特異点で、野宿していた頃。私の宝具で出した簡易版カプセルホテル式防音テントで所長が眠っていた時、人数の関係上、所長が一人でいたのを心配した私はそのテントへと忍び込みました」

「ほぅ……」

「案の定、うなされて苦しむ所長の姿が!そこでまぁ、後は色々あって防音テントだし、丁度いいかなと思って、慰めックス的な事をしたわけで」

「裁判長、な、慰めックスとは一体何でしょうか?」

「さーねぇ、ナンダロウネー」

所長、机に突っ伏したまま死亡。

「でまぁ、肉体関係にあった以上、自分の素性を隠すのもあれなので、その時に致しながらエロエロと、失礼、色々とお伝えしたわけです。いやーその時の所長ったら可愛いのなんのって『いいのぉ、それでもいいのぉ!貴方が何だろうと、私を助けて、絶対に見捨てないってわかっているからぁ……それだけでいいのぉっ……(自主規制)!』って縋りつかれた時は割とハッスルしてしまいましたなー、はっはっはっはっは」

「もう口を開くなぁ、馬鹿ぁ!!」

「二人とも死刑で」

「い、異議あり!私怨に混じった判決結果です!!」

「シケイ」

「な、何故だ!?」

「何故だ!?じゃないわよぉ!!このポンコツ弁護士!!!!」



判決
所長:次の特異点レイシフトまで、グダおとの接触禁止。
グダお:次の特異点レイシフトまで、マスターの部屋から出る事を禁ずる。例外はマシュとの戦闘訓練時のみとする。ただし、その時はマスターとの同行を必須とする。
















これにて、第4章はオシマイ。残りの特異点も問題なく攻略していきます。ただ、ラスボスは最低最悪の快楽天となりました。やったぜ。
皆ももっときあらさまの可愛さを崇めるべきなんだぜ。きあらさまぁ。

次回からはエロありの本編の方に戻ると思います。ただ、12月は出張やら、研修やらでゲロ忙しいので、もしかしたら、1話投稿出来ればいい方だと思います。クリスマス、年末年始、お正月……?ウチにはそんなメニューはないよ。アァ……書きたいキャラがどんどん増えていくぅぅぅ……。


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