※この作品はR-18です。

おいでよ カルデアの森   作:一火

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早くもHFの映画を二回見に行った訓練された型月兵。あれはいいぞ、一章も素晴らしかったが二章はそれを遥かに超えてきた。多くは語らない。一回はスクリーンで見るべき。家族では見に行くなよ!

てか聖杯から無尽蔵に魔力が供給される黒王様ってマジチートだわ。どうやってあれに勝ったんだっけ?(痴呆)
黒いウネウネことアンリマユの不気味さが一層あの映画の味付けをしてる。グダお君の白いウネウネの方がまだ可愛げあると思うの。










エクストラ編が思った以上に好感触で驚いた。でもしばらくは本筋の執筆をするので放置です。引き続き英霊編第五章入りまーす。







週刊性年インボウマガジン②(第5章)

 コロラド州の首都デンバー。エジソン率いる合衆国軍の本拠地。

 デカデカと自己主張が激しい星条旗が掲げられた城の会議室で複数のサーヴァントが集まっていた。

 

「ぐぬぅ……」

 

 通信機で各地の兵士達から戦況を聞くエジソン。その真剣な獅子の顔は決して晴れやかではない。

 異形の怪物となったケルト兵達も数で勝れば、殲滅出来ない事は無い。サーヴァントがいれば余力を残して勝利が出来る。

 

 だが、『狂竜』と呼ばれるたった一体の怪物によって簡単に戦線が崩壊してしまう。

 少しでも敵の本拠地と思われるワシントンに近づこうとすれば、ミサイルのように飛来してくる『狂竜』によって自慢の機械兵団がガラクタのように粉砕されてしまう。こっちの本拠地まで攻めてこない癖にひとたびこちらが攻め込もうとする全力で殺しにかかってくる。

 

『狂竜』がいなければ、サーヴァントの数で勝っている合衆国軍はすぐさまワシントンを奪還し、聖杯を手に入れていた筈なのにと大統王を名乗るエジソンはとても歯がゆい思いをしていた。

 

「もういいんじゃないの、エジソン。私達は後一手が足りない。ここまで来たら素直にカルデアの力を借りるしかないでしょ。貴方だってアメリカだけ助かればいいだなんて本心で思っているワケじゃないでしょ?」

 

 体は子供。精神はおばあちゃん。前線の戦から一度こちらへ帰って来た女性オカルテイスト、エレナ・ブラヴァツキーは悩める大統王を諭す。さらにそれを後押し?するエジソン特攻鯖が一人。

 

「仕方あるまい夫人よ。この凡骨は分相応にも歴代大統領の肩代わりなんてしようとしたのだ。戦場ではなく、裁判所でせせこましく戦っている方が似合っているというのに。身の丈に合わん地位は自身を滅ぼすだけだぞ」

 

「ええい、やかましいわ!何故、貴様が味方面でここにいるのだすっとんきょう!私はこの城に入る事を許可した覚えはないぞ!」

 

「誰が貴様の味方をするか馬鹿め。私は『人』の味方だ。そしてロンドンで迷惑をかけてしまった少年少女達に借りを返そうとする素敵な紳士でしかない」

 

 今、この会議室にいる計3人のサーヴァント。その最後の一人は交流至上主義。エジソンとは水と油の犬猿の仲。雷電博士、ニコラ・テスラ。

 

 エジソンは絶叫する。何故この男がいるのだと。誰が呼んできたのだと。あぁ、そういえばカルナ君が「今のお前にはこの男が必要だろう」とか言ってある日、連れてきたんだっけな!

 確かに顔を合わせた瞬間の雷電ファイト(只の殴り合い)と怒りで自分に憑りついていた歴代大統領達の重圧からは解放され、柔軟な思考は持てるようにはなったが……それはそれ。世界が100回滅んでもエジソンがこの男に感謝する事は無いだろう。

 

「ふっ、無様にも敵の傀儡になったとな。これだから知名度の低いマイナーサーヴァントは困る」

 

「確かに有名だな貴様は。子育ての反面教師としてな、母親の血は受け継がれなかったのだな」

 

「家族の話はするんじゃねぇよ!!」

 

「この戦争中は喧嘩はしないって私、言ったよね?」

 

「「Yes,ma'am」」

 

 決して、迎合する事ない二人だが、エレナの前だと子供のように従順になる。まだまだこのロリおかんには頭が上がらないようだった。エレナが彼等の仲をフォローしてくれてるからこそ、合衆国本部も割れる事なく上手く機能しているのだ。

 

「全くもう……ほら、デモインで交戦中だった書文から報告が入ってるわよ」

 

 エジソンが作った通信機から老齢の男がモニターで映し出される。老いてはいるが全く枯れていないその眼光と佇まいは若年期と比較しても劣る事のない覇気を持っている。

 

 アサシンクラスで現界した中国随一、伝説的な武術家、李書文は一仕事終えたと頬についた血を拭い、戦況を報告した。

 

『こちら、遊撃隊隊長、李書文。でもいんで暴れ回っていた怪物共は全て屠り終えたぞ。しかし……呵々(かか)!まさかこの年になって蛇蝎磨羯の類と殺し合えるとはな……。わしとしては狂竜とやらも気になる所なのだが……』

 

「駄目よ。インド神話の英雄ラーマでも手も足も出なかったんだから。敵の戦力が未確定な戦場に貴方を放り込む事は無いわ。勝算の目が少しも出てない以上、今は我慢して」

 

『ふむ、若いわしなら知ったことかと飛び出していただろうが。あいわかった。今やこの身は老骨。自身の欲望ではなく、若人の未来とやらの為にこの拳を振るうとしよう』

 

「あなたが今の年齢で召喚されて心底安心してるわ」

 

 李書文との通信を切って、ほっと一息を吐くエレナ。カルナ、ラーマといいあれだけの武人達が味方をしてくれているのは非常に助かっている。

 今はひたすら治療に専念しているナイチンゲールを含めて、合衆国軍側として戦ってくれてるサーヴァントはエジソン、エレナ、カルナ、テスラ、李書文、ラーマの7人。明確にこちら側というわけではないが、自分達が本気で人理を守るとわかってくれたらついてくれるであろうアウトロー組の野良サーヴァントも複数。それにカルデアも加わってくれれば。目の上のたんこぶでもある『狂竜』を片付ける算段も建てれるとエレナは考える。

 

「ふん!所詮は戦う事しか能のないケダモノ共よ!人間の叡智とやらには遠く及ぶまい!ここでさらに私は柔軟かつ臨機応変な思考を見せるぞ!エレナ君!カルデアの者達と合流次第、我らもサーヴァントと機械兵でワシントンに向けて大規模な進軍を決行する!敵のサーヴァントらしき者は『狂竜』一騎。数を揃えた我らにとって恐れるに足る物ではない!戦いは数である!」

 

「ならまずはカルデアの人達を見つけないと話は始まらないわよ。『狂竜』と遭遇してなければいいけど」

 

『こちら、本隊副隊長カルナ。カルデアに所属していると思われる人物と遭遇した。我々のトップに会いたいというので既に城門前まで来ているが、連れてきても構わないか?』

 

「何というベストタイミング!やはり幸運の女神は私についているのだな!風が吹いてきている!確実に、着実に、私達の方に!構わんよ、カルナ君!是非是非、案内してくれたまえ!」

 

「あぁもう、そんな簡単に決めちゃって……。でもまぁ、『貧者の見識』を持つ彼が騙される事もないか。それで一体、どんな人物なのかしら?」

 

『ふむ、それは……。実際に見てもらった方が早いな。俺も説明が難しい。もっとボキャブラリーとやらを鍛えておくべきだった。特にお前は驚くだろうな、エレナ』

 

「私……?」

 

 頼んでもいないのに人の耳が痛い所をズバズバと突いてくる施しの英雄にしてはやけに歯切れの悪い返答だった。

 通信を切ったカルナはこのまま、疑問符を抱えているエレナ達がいる会議室までカルデアの者を連れてくるだろう。

 

「私が驚く?むしろ、あっちの方が驚く側ではなくて?」

 

「確かにこの悪鬼の顔を見れば誰もが驚愕するだろうな。一つ言っておくが凡骨、アメリカの象徴とか言ってるがたて髪がついているライオンはアメリカには生息していないぞ」

 

「細かい事は気にしない!アメリカは広いのだからね!」

 

 さすがは自身の発明を世界に普及化させたホワイトライオン。頭脳が無事なら顔の変化など些末な事と笑い飛ばす。彼の無駄に喧しい三段笑い声が収まった頃にノックの音が聞こえた。

 

「いるな、では入らせてもらうぞ」

 

 入室したカルナの後をついている者がカルデアの者だろう。

 性別は女性、薄紫の髪が腰まで伸び、ハイレグのように股間のラインが際どい黒の肌着の上から緑色の軍服らしきものを羽織っている。しかも抱っこ紐でおしゃぶりを咥えた彼女の面影がある赤ん坊を左右に二人抱えている。だが、エジソン達が驚いたのはカルデアの者が赤ん坊同伴で来たことではなく――。

 

「ニャーフ!(挨拶)」

 

「マハトマ!?(驚愕の意)」

 

 彼女の顔がどうしようもなくエレナ・ブラヴァツキー夫人にそっくりだった事である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここにブロードウェイは無かったわ……」

 

「ここにハリウッドは無かったのだ……」

 

 肩を落とし、重い足取りで私達と同行する自称アイドルサーヴァントが二名。

 サーヴァントとなった彼女にその時の記憶は無いけれど、ローマで一緒にアイ活した思い出は新しい……。情熱の皇帝ネロ。白が眩しいウエディングドレスVer。

 そしてそんなネロの隣で尻尾を引き摺りながら歩いてるのはオルレアンで奥様はidol化してしまった自分を見て羞恥の逃亡をしてしまったエリザベートちゃん。うん、グダおとの距離が非常に遠い。

 

「がおー」

 

「ひゃああ!食べられるぅっ!性的な意味でぇっ!助けてぇお父様ぁ!!」

 

「おい、怖がらせんな」

 

「ごめん、何かあんなエリちゃんを見ると嗜虐心がムクムクと」

 

 それなら、あんなドラゴン娘よりも私を食べて欲しい。私に嗜虐心を持って欲しい。……ってイカンイカン。なんか彼に抱かれたからすぐ思考がピンクの方向になってしまう。欲求不満か。十代の性欲ってこんなに強かったんだね。

 

「さすがにあの怪物共には余の芸術を理解出来る頭はなさそうだったな……。そもそも余の歌を前にして他の女を賛美するとか不敬極まりないぞ!一体、誰なのだ!!『キアラちゃん』とやらは!」

 

「何がアメリカンドリームよ。スプラッタとかそういうのはアイドルにはご法度っていうのに」

 

「ブラッドバスが趣味のお嬢様が何を言ってるんでスかねぇ……」

 

「うるさわいよ緑ネズミ!今はもうそういうのは止めてるの!!」

 

 久しぶりの顔があれば、初めて会う顔もある。辟易とした顔でエリちゃんからの追及を逃れている緑色のマントをつけた優男。アーチャーのクラスであるロビン・フッド。

 

「お兄さんお兄さん、敵の魔術回路をズタズタにするのにお得な銃弾は欲しくないかね」とグダおから物騒な弾をもらっている金髪の少年。私でも名前を聞いたら少しだけピンと来た、早撃ちガンマン、ビリー・ザ・キッド。

 

 そして快楽天の親衛隊もどきを燃やしてフィーバーしていた私達を見つけて、他のサーヴァントと合流出来るように誘導させてくれた常識人。アパッチ族のシャーマン、ジェロニモさん。

 

 彼等のおかげで無人になった街で呑気に歌っていたネロとエリちゃんを救出して合流出来たわけだけど。

 

「なんだか大所帯になりましたね、所長」

 

「これだけ味方になってくれるサーヴァントが大勢いるのはありがたいわ。でどうするのグダお?またローマの時みたくアイドル活動でもするのかしら?」

 

「ローマ!?」

 

「アイドル!?何、アンタ達、あの特異点でそんな楽しそうな事してたの!?」

 

 所長の言葉、自称アイドル系サーヴァントが二人ほど食いつきましたが……。

 

「何言ってんのオルガマリー。アイドルで世界が救えるワケないでしょ、メルヘンやファンタジーやSAGAじゃないんだから……ぐえぇっ、す、すみません」

 

 無言でグダおの首を絞める所長。泣いてばかりいた彼女も特異点を修復をする度に逞しくなってるのか……。

 

『計5人のサーヴァント。この特異点に来てから、これだけの英霊達が仲間になってくれたのは正直助かるよ』

 

『そうだね。こっちで調べていた怪物達の解析も終わったし、うん間違いなく第四特異点で現れた魔神柱達と同じ魔力反応が検出されたよ。元の存在が何であれ、恐らくビーストⅢ/ラプチャー、あの快楽天が一枚噛んでいるね』

 

「元の存在か……。最初はちゃんと人間らしい姿はしていた。狂ったように称えていた名前も『キアラ』ではなく確か『メイヴ』とかだったからな」

 

 ジェロニモさんの返答にダ・ヴィンチちゃんはやっぱりかと得心したように声を上げた。

 

『メイヴ……ケルト神話に登場するコノートの女王である彼女で間違いないね。で、あればやっぱりアレらは元はケルト兵だったのか……』

 

「私としては君達のいう『ビースト』とやらの存在の方が気がかりなのだが……」

 

『おーけー、お互い隠し事は無しだ。色々とぶっ飛んでいるけど情報交換といこうじゃないか』

 

 

 

 

 

 

 カルデアの参謀陣とジェロニモさん達が言葉を交わし、数十分。私達からは主に第四特異点で出会った淫欲魔人の事そして、グダおという英霊について。ジェロニモさん達からはこの特異点について。

 グダおが出した白いタオルケットに足が生えたキモカワイイキャラクターのクッション(所長は「エジプト神話の神様じゃないのよ……」となんか戦慄してた)でリラックスしながら私達も色々と現在のアメリカの戦況に関して新たに情報を知る事が出来た。

 

 最初はまともな人間の姿だったケルト兵。そして恐らくその首魁と思われたメイヴ。

 だが、ここ最近になってからケルト兵はあの魔神柱達を無理矢理融合された形となって各地を襲い始めた。ケルト兵よりも大幅に強化されている化け物共だったが幸い、数はそこまでいなかった為、元々ケルト兵と対立していた合衆国軍とやらが擁する機械兵達の出兵によって戦力の均衡は何とか保っていたらしい。強さ的には魔神ケルト兵一体=機械兵二十機とのこと。

 

 だが問題は別にあった。魔神ケルト兵とは別個で活動している正真正銘の怪物がいるらしい。

 その『狂竜』と呼ばれている怪物をここの中で唯一見た事があるロビン・フッド曰く、あれがいるだけその戦場は簡単にひっくり返ってしまう。合衆国軍側、いくら数で魔神ケルト兵側を上回ろうとも全くもって安心出来ないと。

 

「あの『狂竜』がやっこさん側にとってのサーヴァントみたいなもんだろうな。幸いなのは警戒すべきなのがソイツ一体だけって事ですかねぇ。何だかんだでオレ等側にこうして結構なサーヴァントも揃ってるワケですし?最近ではコサラの王子様が獅子奮迅の大活躍って聞きますし、いやぁ、真っ当な英雄様がいるとこっちの仕事もやりやすいですわ」

 

 人理を守る側であろう合衆国軍にもジェロニモさん以外のサーヴァントが多数、見られるとの事。魔神ケルト兵は一般兵では荷が重いがサーヴァントならば余程の数で囲まれない限りは対処し切れるらしい。

 

「いや、オレは御免ですよ?あんなゲテものと真っ向からやり合うとか、冗談じゃないっての」

 

「そう言って、罠で何十体も狩ってきたじゃないのさ、グリーンってば」

 

「邪道ならいくらでも。けれでもオレはあれを拳でぶちのめすなんて真似は出来ませんよ。いや、亜細亜人ってのはおっかないねぇマジで」

 

「そうだなロビン。だが更におっかない存在が私達の前に立ち塞がる事になってしまった。人類悪、愛欲の獣『ビーストⅢ/R』。メイヴのままでいてくれた方がありがたかったぞ、これは」

 

「ある意味、人理が焼却されてるのって君達の痴情のもつれみたいなもの?」

 

「世界を滅ぼす程の情愛!余は大いに結構だと思うぞ!」

 

「程度があるでしょ……。なんで皆してこんなHENTAIに惚れるのよ……趣味が悪過ぎるわ……」

 

「がお―」

 

「きゃあああ!食べないでぇ!アイドル卒業するまでは清い体でいたいのぉ!」

 

「だからやめなさいって」

 

 ちょっと両手を挙げて迫るだけで狂乱状態になるエリちゃんを面白がるグダおに釘を刺しておく。私も所長やエリちゃんみたくツン要素があれば、もっとグダおに構ってもらえるのかな――って。あぁ、駄目だすぐに思考がラブ方向に行ってしまう。ピンク脳自重。私は仕事とプライベートを分ける女。今は人理修復に集中よ。

 

「君達の言う通り、知性体に勝ち目が無いのが事実だとするのなら、そのビーストに我々サーヴァントが束になって挑んでも餌を増やしてしまうだけだろう」

 

 確かに、グダおの変な宝具でボコられた後とはいえ、人理焼却した魔術王もといゲーティアでさえ、あっさりとあの発禁おばさんに取り込まれてしまった。けど、私を淫獄塔に取り込んだ時も私の命ではなく、グダおのマスターである私が気に食わないから女の尊厳を奪おうとしてきた。あの女は世界とかはどうでもよくて、徹頭徹尾グダおの事だけにこだわっている感じがした。

 

「で、どうなんですかねぇ、マフィアみたいな格好した旦那。オタクでそのビーストとやらに勝ち目はあるんですか?」

 

「正直、勝ち目を作っちゃ駄目というか……。そもそも俺とあの人が本気で戦っちゃいけないというか。それならまだ嫁さん達が相手した方が万倍マシなんだよなぁ」

 

「ハイ?嫁さん?」

 

 緑の人を筆頭に疑問符を抱える彼等に私達はさらっと彼の宝具『性神と妻達の部屋(アダム&イブズ)』について説明する。

 

「自分より強いサーヴァントを召喚する宝具とか……、そんなのアリか」

 

「世界はこの大陸よりも広大だ。星の数だけ様々な英霊がいるだろうさ、ロビン」

 

 エリちゃんはオルレアンの時を思い出しているのか顔を顰め、ネロは情熱の皇帝らしく羨ましがっているのか瞳を輝かせている。そんなにロマンチックなものでもないんだけど。そういえば――。

 

「まだ、誰も召喚してないよね?君にしては珍しく」

 

「いや、もういるよ。何せ2400万平方kmの広さを持ったアメリカ大陸。俺が知っている本筋と逸れているわけだし、情報収集の為にいつまでも一緒に行動は効率が悪い」

 

『成程、じゃあ現在こちらに急接近中なのは君のお嫁さんなんだね。今までの特異点で見てきた彼女達と似た魔力反応だったから特に警戒はしていなかったけど』

 

「マスター!」

 

 快活で可憐な声と共に柵を飛び越え、マスターと呼ぶ男の元へ駆け寄る花嫁の姿があった。ネロの方ではない、橙色の髪をした女性。マシュが思わず「綺麗……」と呟くのもわかる。女としてある意味憧れの象徴のような姿をしていたから。でもね、マシュ。違うんだ。

 

「お疲れ様、()()()。いきなり熱烈な抱擁だね」

 

 グダおの胸に飛び込み、彼に抱かれながら花嫁に相応しい笑顔でグルグルと回るラーマと呼ばれた少女(?)。ようやく大勢のギャラリーの注目を浴びている事に気付いたのか恥じらいを見せて彼から離れていった。ちょっと乙女指数が高過ぎない?

 

「す、すまぬ。この格好で少々はしたなかったな……。汝と将来を誓い合ってしばらく経つというのに余はまだまだ落ち着きが足りぬな」

 

「ほっほーう。そこのお嬢さんが旦那の宝具ってわけかい。随分と可愛らしいじゃないの。……ん?ちょっと待てよ()()()って確か……」

 

「なに、驚く事ではないだろう、ロビン。彼が別世界から呼び出された英霊というのなら、我々とは違う歴史を歩んでいるのは分かり切った事。そこのローマの皇帝のように性別の差異など今更だ」

 

 肝心のローマ皇帝様は「は?花嫁衣装で?一人称が『余』?キャラ被り過ぎじゃない?」って濁った瞳で剣を握ってますが。そして冷静なジェロニモさん、貴方は一つだけ思い違いをしている。

 

 マスターである私は彼と夢を共有して、不本意ながら全員ではないけど彼のお嫁さん達の事を結構見知ってたりするのだ。特にこのラーマ君ちゃんは印象深い。やっぱりいくら見ても実際に自分で確かめないと信じられない事だってある。

 

 そう、私はこの娘(?)に会ったらどうしても、一つだけ確認したい事があったのだ。

 

 ラーマの傍まで近づくとよりわかる彼女(?)の女子力の高さが。線が細く、女である私も見惚れてしまう程に綺麗な肌。愛し人との抱擁で紅潮している頬は何と耽美的か。

 

「む?汝が我が伴侶のマスターか。これからよろ」

 

「ナイスちんちん!」

 

「ふわあぁっ!?」

 

「せんぱぁいっ!?」

 

 手のひらに微かに感じた女性にはない筈の感触。こんな可愛い花嫁が男のわけがない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





「百歩譲って同姓ならまだいい……。けど男にここまで敗北感を覚えるなんて」

「先輩、どうして!? 初対面の人の局部を鷲掴みにするような、ハードルが高過ぎるコミュニケーションを!?」

『いやぁ、逞しくなってねぇ立香ちゃんは。グダお君との人工呼吸で赤面していた頃が懐かしいよ』

『待ってレオナルド。そんな感慨深く頷くシーンじゃないと思うんだ』

「たかだか1度のセックスで蚊トンボを獅子に変える。性交とはそういうものだ」

「鬼のような顔で何を言ってるのかしら、貴方は」











子持ちエレナママの衣装は松竜先生のエレナ初期案で検索。軍服女性はいいぞ。

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