プロローグ
<エイジ>
神城エイジです。
俺は、今年で17歳になりました。
ん? 展開が早いって?
まぁ、毎回のことだから省略しちゃったけど、とりあえず今まであったことを簡単に紹介するね。
0~5歳 なんのドラマもなく過ごす
5歳~ 修行開始
8歳 両親が交通事故で他界天涯孤独になり、後見人を立てて一人暮らしを始める。同時に実戦経験と生活費を稼ぐために、独自のルートから冥界に行き『はぐれ悪魔』や犯罪者を狩る賞金稼ぎになる。
10歳 依頼人が報酬を払えないとの事で代わりに体で……、つまりセックスしてもらう。
11歳 味を占めた俺は各国を巡り、報酬が不足している場合は、美人限定で報酬の代わりにセックスをする事で了承した。
12歳 気に入っていた女教師や保険医と一発やってから、小学校卒業。
13~15歳 依頼をこなしながら楽しく生きて、いつの間にか預金残高が1億円を超える。
16歳 隣街にある美人が多いと有名な元女子高の私立駒王学園に出会いを求めて受験。そして入学。家が遠かったから一軒屋を買い、近所に住む。同い年の駒王学園生の
17歳 現在
と。まぁ、こんなもんだな。
今は、教室でイッセーと元浜と松田が女について語っている様子を遠目で眺めながら、今日の予定を考えていた。
◆
えーと、とりあえず今日はこれから合同体育で剣道かぁ…。
「おい! エイジ見ろよ!! この尻! マジで最高だろ」
「なに言ってやがる元浜! 女と言えばやっぱりおっぱいだろうが!!」
「うへへへ……まじでいい腰してんなぁ」
「………」
うん。友人としてはいいんだが、いつもこれでは女が近づいてこない…。
「それより、お前等これから合同授業だろう? 着替えに行かなくてもいいのか?」
「「「あっ! そうだった!! 更衣室に覗きに行かなくては!!」」」
3馬鹿は俺の発言を聞いた途端、そろって更衣室に向かって走り出した。
……はぁ、もう何も言うまい。
◆
それから俺が剣道着に着替えて剣道場に入ると、すぐに金髪のイケメンが近づいてきて声をかけてきた。
「やあ、神城くん。今日もお相手願えるかい?」
このイケメンの名前は、
まあ、いつも手合わせを願い出てくるこいつにちょっと面倒だな~っと思うが、人間離れしている能力と、高校の授業や部活を越えている技術を持った木場の相手は、普通の人間じゃ釣り合いが取れないからな。
いつものように俺は了承する。
「ああ、いいぜ。どこまで強くなったか見てやるよ」
それから授業が始まってすぐ、俺と木場は4面あるコートの内一つを使い試合を開始した。
毎回先手を木場に譲り、防御に回った俺は次々に放たれてくる木場の竹刀をすべて打ち落としていく。
木場は持ち前の素早さを生かして、面や胴、小手と次々に攻めるが、俺は木場の竹刀を動体視力だけで見切り、防御して試合開始から2分ほど経った辺りから反撃を開始する。
俺の反撃からの展開は早いもので、フェイントを織り交ぜた剣戟で翻弄し、焦り始めて動きが荒くなりだした木場の面を竹刀で打って、勝利した。
「まったく、あれほど動いたのに汗一つかかないなんて、君は本当に人間かい?」
「うるせえよ」
いつの間にか面を取った木場が苦笑しながら握手を求めてきた。
俺は木場の握手に応じて剣道場の隅に腰を下ろし、今回の試合の反省点を言っていく。
そして俺から反省点というアドバイスを貰った木場は、いつものように自分のクラスの輪に帰って行った。
ん? 何でアドバイスを送るなんて面倒な事をしているかって?
そりゃあ、そうしないと木場が俺から離れないからだよ。
少し前なんて酷かったんだぜ。俺に教えを請いに来る木場を突き放すと、木場は俺に付きまとい始めて、俺×木場とか木場×俺とか噂されてホモ疑惑立てられたりしたからな。
俺はそんな噂が立たないように、さっさと悪いところを教えて、早く自分のクラスに帰るように仕向けたんだよ。
それにしても、さっき言った木場の『君は本当に人間かい?』って疑問。
まあ、俺は確かに人外身体能力を持ってるけど、結局のところ人間だよ。
悪魔である
◆
2年になってすぐ、俺の運命を大きく動かすある事件が起こった。
そんな俺の運命を動かすような事件の始まりは、イッセーに彼女ができたところから始まったんだ。
ある日突然、イッセーが彼女が出来ましたと、俺に紹介してきた。
その彼女の名前は、
少し腹黒そうだけど、とても可愛い女の子で――人外だった。
まぁ、イッセー本人は気づいていなかったみたいだけど、俺から彼女が人間じゃないと教えるつもりはなく教えなかった。
俺は、好きなら悪魔でも天使でも妖怪でもいいだろうとか思ってる人間だからな。
そして、イッセーに彼女を紹介されてから数日後の日曜日。
俺や松田や元浜に、夕麻ちゃんと初めてデートするとか嬉しそうに話していたその日……、俺の運命は大きく動く事になった。
特に仕事の依頼もなく、夕飯を買いにコンビニへ行こうとしていた時。偶然、イッセーと夕麻ちゃんを見かけ、俺は少々気になって2人のあとをつけた。……うん、友人の始めてのデートが気になったんだよ。
尾行を開始して数分、2人は家の近所にある公園に入り、向かい合いながら何かを話し始めた。
俺は聴力も人外レベルだが盗み聞きの趣味はない。話を聞かずに様子だけ覗っていたら、突然夕麻ちゃんの背中に黒い羽が生え始めたんだ。
そして夕麻ちゃんは背中の羽とほぼ同時に出現させた光の槍を手に持って、イッセーの腹を貫いた!
服装も雰囲気も性格すら清純派で通していた夕麻ちゃんが、正反対の露出の多い、黒のボンテージ姿で微笑んでいた。
俺はイッセーのことや夕麻ちゃんの行動が気になって飛び出し、声をかけた。
「夕麻ちゃん! どうして!?」
「あれぇ~? 人払いの結界を張ってたんだけどなぁ? なんでここにいるのかなぁ? まぁ、見たんだから死んでね」
ボンテージ姿となって、露出した夕麻ちゃんの肩を両手で掴んで、視線を合わせるように夕麻ちゃんの瞳を見るが、夕麻ちゃんは俺を石や草なんかにしか思っていないのか、特に気にした様子もなく、話を聞く気もないと言わんばかりに光の槍を向けてきた。
グサッ……!
夕麻ちゃんが持っていた光の槍が刺り俺の腹を貫く!
本当なら、避けることも防ぐことも……、ていうか普通の状態でも光の槍なんかで俺の腹は貫かれるはずなんてなかったが、俺はあえて夕麻ちゃんを受け入れた。
「ごふっ……!」
途端に口の中に鉄の味が広がり、目が霞み始めた。
俺は夕麻ちゃんの肩に置いていた手を腰に回して、抱きしめる。
「ふふっ」
このまま寄りかかりながら崩れ落ちると思ったんだろう、余裕の笑顔で微笑む夕麻ちゃん。
だが、俺は抱きしめたまま、夕麻ちゃんの唇を奪う。
「――っ!?」
目を白黒させる彼女の唇を強引に割り開いて、強引に舌を絡めて唾液を啜る。
「――っ!? んっ!? な、何を……!? ちょ……、うむっ!? ……うぁ、あ……、んむっ……、あふ……」
夕麻ちゃんが突き放そうと胸を両手で押してくるが、それを無視して強引に唇を貪り続ける。自分の血の味と夕麻ちゃんの唾液を絡めて味わい、夕麻ちゃんの口内にたっぷりと注ぎ込んで自分の血と唾液の味を覚えさせる。
さらにキスを続けながら、腰に回していないほうの手を夕麻ちゃんの尻へと移動させる。ボンテージ姿となって露出した尻を掴み、揉み解し、ボンテージと肌の間に指を差し込み、思う存分弄り回して、数分後に力尽きた。
まっ、結局死なないにしても、1回は殺されてあげたんだからこれぐらい役得だろ?
イッセーのことは後で蘇生させればいいんだし、いまは放置だね。
◆
<レイナーレ(天野夕麻)>
「なっ! なんなの!? なんなのよこいつ!?」
危険因子である人間を殺し終えた後。
結界の中に侵入していた人間が突然私の肩を掴んで、私に何でこんな事をしたのか聞いてきたが、堕天使である私はその人間なんか無視して、さっきの人間のように光の槍で腹を貫いて終わるはずだったのに……。
その人間は光の槍に貫かれながらも、私の……、私の唇を奪い、し、舌を入れて……。あっ、あまつさえお尻まで触ってきてっ!
さらに私の体を貪るだけ貪って死ぬとか、ほんと意味わかんない人間!
アザゼルさまへと長年とっていた私のファーストキスを奪われたし!
ああもうっ! ほんと訳わかんないっ!
なんなのよ、あの人間はっ!
◆
<イッセー>
俺の人生でもっとも幸せな時間……、初めて出来た彼女とのデートの時間……。
デートの最後を飾る夕焼けの公園で、俺は彼女から頼まれた……。
『死んでくれない?』
と、夕麻ちゃんが今まで見せていた笑顔が、冷たいものに変わり、背中から黒い翼が生えたかと思ったら、いきなり腹に熱さを感じた。
そして俺は地面に倒れ、夕麻ちゃんに刺されたんだと理解した。
俺が夕麻ちゃんを霞んだ瞳で見上げると、エイジが現れ、夕麻ちゃんに詰め寄った。
こいつ尾行してたのか。と思っていたら次の瞬間。今度はエイジが光の矢で貫かれ、夕麻ちゃんに寄りかかった。
たぶん即死したんだろう。エイジは夕麻ちゃんに寄りかかったまましばらく動かず、夕麻ちゃんが動き出すと、支えを失ったように地面に倒れ堕ちた。
ああ……、すまねぇな、エイジ。まきこんじまって本当に悪かった……。
再び、空を見上げる。……そして俺自身にも死が近づいていることを感じる。
そして、手のひらについている赤い……、紅い血を見つめて思う……。
紅い髪をしたあの美人。学校で見かけるたびにあの紅い髪が俺の目には鮮烈に映った。
……どうせ死ぬなら、あんな美少女の腕の中で死にたいなんて思ってしまう……。
ああ……、視界がボヤけてくる……。
いよいよラストか……。
……生まれ変われるなら、俺は……。
「あなたね、私を呼んだのは」
突然、俺の視界に誰かが映りこみ、声をかけてくる。
目がボヤけてしまっているせいか、もう誰かすら分からない。
「死にそうね。傷は……へぇ、おもしろいことになっているじゃないの。そう、あなたがねぇ……。本当、おもしろいわ」
クスクスと興味ありげな含み笑い。
……何がそんなにおもしろいんだろうか……?
「どうせ死ぬなら、私が拾ってあげるわ、あなたの命。私のために生きなさい」
意識が途絶える寸前、俺の目には鮮やかな紅い髪が映りこんだ。
◆
<エイジ>
清純そうなワンピースからボンテージ姿へと変身した夕麻ちゃんに腹を貫かれて、目下回復中のボヤケタ俺の視界に紅い髪が映りこんだ。
「あらあら、ここにも。おもしろいのがいるじゃないの。しかも、祐斗が話してた子じゃないの。ふふふ……」
首をゆっくりと動かすと、そこにはリアス先輩が立っていた……。
「うーん……、さっきの子に『
リアス先輩はひとりで何かをつぶやいたあと、チェスの駒の様なものを俺の体に埋め込んできた……。
「――うっ!? ぐあぁぁぁっ……!?」
そして、チェスの駒が俺の体内に入った瞬間。俺の体は拒絶反応のようなものを起こし、体の細胞が焼けるような熱さを生んだ。
「なに!? 何が起こってるの!?」
どうやらリアス先輩はこうなる事を予想していなかったらしい。激しく取り乱し、慌てて転移用らしき魔法陣を地面に敷いて発動させた。
◆
転移用の魔法陣発動後、俺が次に見たものは駒王学園でリアス先輩と一緒に二大お姉さまと称される
取り乱しているリアス先輩からの説明を聞いた姫島先輩は、すぐに俺をベッドのようなモノに寝かせた。
そして俺の体を調べるように2人の手が這い回り始めた。
2人の手が全身を這い回るのに、くすぐったさのようなものを感じながらも、同時に全身を焼くような痛みも感じ、その朦朧とした意識のなかで俺は両手を伸ばし、……暖かくも柔らかいモノを掴んだ。
やわらかい弾力、暖かい熱。聞いていると自然と落ち着く鼓動。探るように指に力を入れてみると中心に感じる突起が少しずつ硬くなってきた。
しかも、両手にある柔らかいモノはそれぞれ違った味わいが存在した。
ひとつはハリのあるまだ熟れる手前の感触。
もうひとつは熟れた沈むようなモチモチとしたやわらかさ。
その感触と温かさに俺は全身から力を抜いて、全てを委ねた。
すべてを委ねたその瞬間――、俺の中で何かが変わる。
体の奥底から今までとは違う力が湧き上がり始め、体に浸透するように馴染み始めた。
リアス先輩が悪魔であることと、そのリアス先輩が持っていたチェスの駒のようなものを体内に入れられたところから予想していたが、これが悪魔化というものなんだろう。
まさか、生きてる間に悪魔に2度目の転生するなんてな……。これまで多くの世界を渡ってきたなかでも珍しい経験だ。