<エイジ>
次の休日の早朝。
俺は朱乃さんの神社にやってきていた。
天使側の代表ミカエルとの会談のためだ。
会談は朱乃さんの神社の本殿で行われ、天使側にだした俺の要求は2つ返事で受け入れられ、昼前ぐらいに終了した。
会談後にイッセーが天使側からプレゼントされる龍殺しの聖剣『アスカロン』(悪魔が触れてもだいじょうぶなように調整済み)を貰いにくるということで、神社の入り口まで会談に立ち会ってくれた朱乃さんと一緒に俺はイッセーの迎え向かった。
階段を下りながら朱乃さんが訊いてくる。ってか、巫女服姿最高です!
「本当に天使側に要求することがアレだけでよかったんですの? もっと要求してもよかったのに」
「ええ。俺にとって大事なことですし、他に何も思いつきませんでしたしね」
俺は苦笑して答えると、朱乃さんはうふふと微笑んだ。
「本当に女性に優しいんですのね」
「いや~、優しいって言うか自己満足で。普通だったらここまでしないんですけどね」
「あら? そうですの?」
「はい。俺も女性に優しいとか甘いとか言われてますけど、きちんと区別はつけているんですよ。代わりの効かない――自分自身の命をかけて、自分自身で守りたいっていう、特別の女性たちがいるんです」
朱乃さんは意外そうに少しだけ驚いたあとに微笑む。
「特別でも女性『たち』ってつくところがあなたらしいですわね」
「ええ。こればっかりは性分ですから……」
と、前方にイッセーを発見した。
「よう、イッセー」
「あっ! エイジ。それに朱乃さんも」
◆
イッセーを無事にミカエルの下まで連れて行き、『アスカロン』を受け取らせたあと、ミカエルも帰り、イッセーは木場たちとギャスパーとの訓練があるといって帰り、俺は朱乃さんの家に招かれていた。
「お茶ですわ」
「ありがとうございます」
向かい合って朱乃さんとお茶を飲む。
以前泊めてもらったことがあるが、こうして落ち着いて2人っきりで話すことはなかったな。
朱乃さんと2人っきりのお茶会、すごく嬉しいんだけど……先ほどから朱乃さんの表情は重い……なにか大事な話でもあるのか?
「エイジさん……」
「はい。なんですか?」
訊ねると朱乃さんは恐る恐るといった感じで言う。
「私の話を……私のことを訊いてもらってもいいですか?」
真剣な表情――。俺も真剣な表情でうなずいた。
「以前コカビエルが言ったと思いますが、私はバラキエルの……。私は堕天使の幹部バラキエルと人間の間に生まれた者なんです」
朱乃さんはゆっくりと語り始めた。
「母は、この国のとある神社の娘でした。ある日、傷つき倒れていた堕天使の幹部であるバラキエルを助け、そのときの縁で私を身に宿したと聞きます」
ってことは朱乃さんは堕天使と人間のハーフか?
そんなことを考えていると突然、朱乃さんが背中から羽根を生やした。
いつもの悪魔の両翼と違い、片方が悪魔の翼で、もう片方が堕天使の黒い翼だった。
「汚れた翼……。悪魔の翼と堕天使の翼、私はその両方を持っています」
朱乃さんは堕天使の翼を憎々しげに手に持っていた。
「この翼が嫌で、私はリアスと出会い、悪魔となったの。――でも、生まれたのは堕天使と悪魔の羽、両方を持ったもっとおぞましい生物。ふふふ、汚れた血を身に宿す私にはお似合いかもしれません」
自嘲する朱乃さん。俺は朱乃さんの目を見て言う。
「俺は朱乃さんが好きですよ」
「――えっ?」
「出生のことなんかは抜きで、俺は朱乃さんが好きです」
「私は堕天使でも悪魔でもない、おぞましいバケ―」
最後まで言わせない。
「朱乃さんはおぞましくなんかありません。バケモノでもありません。俺にとって朱乃さんは堕天使だとかそういうもの抜きで素敵な先輩ですよ。俺は部室で飲む朱乃さんのお茶も好きです。朱乃さんの笑顔が好きです。堕天使の血なんて関係ないんです。朱乃さんだから好きなんです」
俺の言葉を聞いて、朱乃さんは泣いていた。
「私……、私だから……?」
俺は朱乃さんの堕天使の羽根を手でなでた。
「はい。朱乃さんだからです。朱乃さんが自分に流れる堕天使の血が嫌いなら、俺がその血ごとあなたを愛します――って俺、何口走ってるんだ!?」
ちゅ。
唇で口を塞がれた。っていうかキスされた!?
「……殺し文句、言われちゃいましたわね。……そんなこと言われたら……本当に本気になっちゃうじゃないの……」
ほ、本気?
朱乃さんは俺の両肩に腕を絡め抱きついてきた!?
「あ、朱乃さん?」
対応に困り、咄嗟に抱きしめ返した俺の耳元で朱乃さんが囁く。
「決めましたわ。私、決めました。エイジくん、リアスのこと、好き?」
「はい、もちろん好きです」
「リアスはさっき言ってた特別な女性なの?」
「はい、そうです」
「……そうよね、あちらも本気でアプローチかけてるし、同じ家に住んでるんだし、他にもたくさんいるみたいだし、本妻は無理ね。あと何人『特別』がいるかもわからないし……」
えっと? いったいどうしたんですか、朱乃さん。
「ねぇ、エイジくん」
「は、はい……」
「何番目でもかまいませんわ」
「え?」
「そう、何番目でも――あなたは性欲の固まりだし、『特別の女』なら何番目でも愛してくれそうですし。それに魔王クラスの実力者にして冥界女性の――私の憧れ、エイジくんに愛を注いでもらえるんですもの。これから楽しくなりそうですわ」
なにやら1人で盛り上がっている朱乃さん。
「ねぇ、エイジくん。『朱乃』って呼んでくれる?」
「い、いいんですか?」
「ええ。私が呼んで欲しいんですの」
「じゃ、じゃあ――朱乃」
「……うれしい。エイジ……」
ぎゅっ。俺をさらに抱きしめてくる朱乃さん。今の声はいつもの凛とした朱乃さんの声じゃなく、普通の女の子の声だった。
「ねぇ、これから2人っきりのときは朱乃って呼んでくれる」
甘えるような声。『副部長姫島朱乃』の姿ではなく、1人の女子高生になってしまっていた。たぶん、誰かに甘えたかったんだろう。
「はい。いいですよ」
俺はそう言って朱乃さんの髪をやさしくなでた。
「うふふ、そんなにやさしくされたら甘えたくなっちゃうわよ?」
すごく可愛らしい朱乃さん。ああ、俺もうメロメロです!
「朱乃に甘えられるのは嬉しいですよ」
「あらそうなの? じゃあ、もっと甘えさせてもらいましょうか?」
朱乃さんはそう言ったあと、大きく口を開けた。そして目で「キスして」と訴えてくる。や、ヤバイ!
ちゅぅぅ。
俺も大きく口を開いて、朱乃さんの大きく開いた口にかぶせるように重ねた。
「んちゅ……はぅ……うむっ……」
俺の口の中に侵入してきた朱乃さんの舌をやさしく舌で舐める。すげぇ……朱乃……おいしい……。
「エイジぃ……んんっ……」
「朱乃……」
「あなたたち、何やっているのかしら?」
朱乃さんの口の中へ涎ごと舌を伸ばし、朱乃さんが唾液を飲み込んで俺の舌が朱乃さんに吸われそうになったところで、部長の声と共に襟を掴まれて朱乃から引き離された。
つぅーっと銀色の橋が架かったが、気にする余裕もなかった。
「ぶっ、ぶ、部長っ!?」
部長は額に手を当て、大きく息を吐く。
「まったく油断も隙もないわ……。エイジを誘惑するなんて……、しかもキスまで……ッ!」
ぎゅぅぅ! 痛い! 俺の尻尾が部長に思いっきり抓られる! いたたたたた!
部長は低く迫力のある声で俺に訊く。
「ミカエルとの会談は?」
「無事に終わりました!」
「ミカエルは? イッセーに例の剣を渡したの?」
「は、はい! ミカエルも、もう帰りました!」
「なら、ここにもう用はないわ! 帰るわよ!」
この場から踵を返した部長に急いで続く。朱乃さんに頭を下げる。途中で申し訳ない!
「さっきのは私のファーストキスですからね。――それにしても『特別』のリアス部長がうらやましい限りですわ」
うしろからつぶやく朱乃さん。いつもの朱乃さんの声に戻っていた。
朱乃さんの声に部長は一度立ち止まり、俺の腕を引いていく。まるでここから早く俺を遠ざけようとしているかのように。
◆
コツコツコツコツコツコツッ! 神社の石段を降りる部長の足音は怒りに満ちたものだった。
その後からついていく俺だったが、石段の半ば辺りで部長は石段を外れて、森の中へ俺を引きずり込んだ。
完全に前後左右木々で囲まれた森の中で部長が立ち止まり、うしろを――俺のほうへ振り返った。
「……ねぇ、エイジ」
暗い表情の部長。
「はい」
「朱乃は……朱乃なのね」
「はい?」
「朱乃は副部長。けれど『朱乃』なのね……私は?」
えっと……。
「部長……ですよね?」
俺が「部長」と答えたとき、部長は肩を落した。
「………………そうね。私は部長だわ。――でも『リアス』なの」
すごく気落ちしてしまった声のトーン。まさか――。
「リアスって呼んでもいいんですか?」
「え?」
少しだけ驚いたような部長。
「部長って呼べって言われてたから、かなり我慢していたんですが……。これからリアスって呼んでいいんですか?」
「我慢……してたの?」
意外そうな部長って――。
「当然じゃないですか! いつも呼びたかったですよ!」
そうだ! ベッドの中で一番雰囲気がいいときにしか名前を呼べないのは辛いんだ!
「部長が許可してくれるのなら。俺はこれから『リアス』と呼びます! というか呼ばせてください!」
俺が両肩を持って言うと、部長は真っ赤になって俯いて小さな声で「いいわよ」とつぶやいた。
心を込めて名前を呼ぶ。
「リアス」
すると部長からもかえってきた。
「エイジ」
嬉しいそうな顔と恥ずかしげな顔がまじった状態でにつぶやく部長――いや、リアスを抱きしめ、唇を交わした。
二度三度とキスを重ねたところで部長が少しだけ離れて、その場にしゃがんだ。
カチャカチャと音が鳴ったと思えば、ベルトが外された!?
「り、リアス? まさか……」
部長はそのままズボンのチャックをおろさせると、俺のペニスを取り出した。
部長は俺のペニスを握り、前後に扱きながら言う。
「朱乃とキスしたんでしょ。私はそれ以上をしてあげるわ」
「そんなに張り合わなくても別に……」
「ふふっ、本当はそれよりも、いますぐあなたの精液を飲みたいのよ」
リアスは微笑みながら玉袋をなでると亀頭にキスをして、ペロペロとフェラを始めた。
「あぅっ、り、リアス……」
リアスの小さな舌がむき出しの亀頭を舐める。
「んじゅ、んじゅ……レロッ――ふふっ、少し舐めただけでもうカウパーでドロドロになっちゃたわね」
カウパー液を指に絡めながら微笑むリアス。
「そ、そりゃあ、リアスにされてるんだから……」
「ふふっ、あなたに『リアス』って呼ばれると胸が満たされるわ。ちゅっ。それにいつもよりオチンチンが大きい気がするわ」
亀頭にキスして、リアスは竿部分を手で掴む。リアスの細く、長い、キレイな指で上下にやさしく扱かれる。
「俺もリアスって呼べるようになって嬉しいんですよっ」
「私も嬉しいわ、エイジ」
手で竿を扱きながら、亀頭を口に含み、じゅぽっ、じゅぽっと唇や舌、喉まで使って扱いてくれる。ああ、最高に気持ちいい……。
――っ!?
「り、リアス……そ、そこは――!」
「ふふっ、森の中だし、あまり時間はかけられないからね」
リアスはそう微笑むと、俺の尻尾をスカートの――ショーツの中へ入れた! 素股をするように、マンスジ、お尻の割れ目に挟まれ、一気に射精感が募る。
「ああ、あなたの尻尾……。私の肌に吸い付いてるみたい……」
尻尾の感触を感じながら、畳み掛けるように俺の尻穴に指を差し込んで前立腺を刺激し、玉袋をやさしく握ってきた。
「あうっ――」
ビュッ、ビュルルルルルゥゥゥゥッ!
我慢の限界を超えて、リアスの口の中で吐き出される俺の精液。
ゴキュッ、ゴキュッ。
リアスの喉が大きく何度も動く。ペニスの根元まで咥え込み、唇を絞めて亀頭の先端まで、体液を拭いとり、けふっというかわいらしいゲップをしてから、リアスは立ち上がった。
「ごちそうさま。ふふっ、すごくおいしかったわ」
と少し赤い顔で微笑んでくるリアス。
「リアスっ!」
俺は衝動的にリアスを抱きしめる。尻尾をうしろ側に移動させるとペニスでショーツをつついた。
「あんっ……こら、エイジ、ダメよ……」
「でも、リアス。すごく欲しい……」
つんつんとショーツ越しに膣穴をつつくが、部長は両手で俺の胸を押して拒んだ。
「ここは、外だし……それに会談が終わるまでは我慢しないと……」
そ、それはそうだけど……。
「もうすぐ会談が始まるし、いまエイジに抱かれたらそれしか考えられなくなるわ……」
困り顔の部長。部長も我慢しているんだ!
「わかりました。じゃあ、今夜思いっきり甘えさせてください」
そう言うとリアスは笑顔でうなずいた。
「ええ、本番はダメだけど。たっぷり甘えさせてあげるわ」
その日の夜。
俺はリアスに思う存分に甘えさせてもらった。
◆
3大勢力それぞれとの会談が終わった俺は、学園で行われる3大勢力会談までの間、リアスと朱乃さんとの『悪魔側』として会談へ参加する打ち合わせの合間を縫うように、ギャスパーの神器コントロールの修行をイッセーたちと共に手伝った。
そして数日後、3大勢力のトップが集まった会談が駒王学園で始まる――。