<エイジ>
さて、どうしよう?
いや、何かを考える前に、まず俺は現在どういう状況におかれているんだろう?
ああ、そうだ。一体何故俺は、現在進行形でこんな状況に陥っているのだろう?
とりあえず俺がいまいる場所は和室で、しかも布団の上。
まあ、ここまではいいとして……。
その隣、俺のの両側で寝息を立てている駒王学園2大お姉さまの2人、リアス・グレモリーと姫島朱乃がいることが問題なのだ。
さらに、それよりも問題なのが俺の両手が、2人の、それぞれの豊かな双房をがっしりと捕らえていることが一番の問題なのだ!
2人の格好は完全な寝巻き姿。リアス先輩のおっぱいを捕らえている腕からは薄いネグリジュ越しにその柔らかさと、体温。そしてその中心に存在する突起のコリコリとした感触まで伝わってくるし。
朱乃先輩にいたっては巫女服の上着の間に腕が入っていて、直接その感触が俺の触覚に流れ込んできている。
少し手に力を入れるだけで、2人から艶のある悩ましげな吐息が桜色の唇から漏れ、俺の愚息を大きくさせる。
「う……、うぅん……」
しばらく現実逃避してリアス先輩をネグリジュ越しにその体を視姦していたら、リアス先輩の目がゆっくりと開いて俺と目があった。
「えーと……、おはようございます。リアス先輩」
とりあえず、気まずいので笑顔で挨拶してみた。
「あら? 私ったら、寝ちゃったのね」
俺がおっぱいを掴んでいるにも関わらず、気にした様子もなくリアス先輩は起き上がり、そのまま背伸びをして体を解し始める。
猫のように目を細め、気持ち良さげに体を解したり、深呼吸をするリアス先輩は愛らしくて眼福物だったが、俺はここでどうしても聞いておかなければいけないことがあった。
朱乃先輩のおっぱいを掴んでいた手を外し、リアス先輩の両肩に乗せてこちらを向かせる。
「ん? なに? どうしたの?」
リアス先輩は俺の行動に少し驚いているようだが、それよりもやらなければいけないことがあった。
「リアス先輩!」
「なっ、なに?」
「ご安心ください! もしも子供が出来た場合は、責任を持って育てますので!」
「…………。……ええっと、あなたは一体何を言ってるの?」
首をかしげるリアス先輩に自信をもって宣言する。
「朱乃先輩のことも大丈夫です! 愛した女性は全員幸せにします! ええ、俺がお2人共まとめて必ず幸せにしますから! いえっ! みんなで幸せな家庭を築きましょう!」
「何を言って……。少し落ち着きなさい」
「恥ずかしながら、俺は昨夜のことをまったく覚えていません! なのでもう一度! もう一度俺とエッチしましょ――、あがっ!?」
「落ち着きなさいって言っているでしょう!」
ぐうぅぅ、なぜかリアス先輩に頬を叩かれた……。
「まったく……、あなたは一体何を言っているの?」
ため息を吐きながら訊ねるリアス先輩。
「そりゃあ、何をって自分で現在の状況を分析した結果で……」
「分析って、どういうふうに分析したら幸せな家庭を築こうとかなるのよ?」
「それはですね。まずは、この血で濡れたシーツ。そして2人を挟んで3人で一緒に寝ていた。そしてそして俺の両腕は2人のおっぱいを揉んでいた。しかも、2人は寝巻き姿。これだけあれば昨夜は3人で相当燃え上がったんだと予想できました! ですが……、ですが残念なことに俺はまったく覚えていません! なのでリアス先輩に初夜のやり直しをと……」
「はぁ、まったく……。あなたねぇ、昨日の夕方に何があったか思い出して御覧なさい」
「昨日の夕方ですか? 昨日の夕方は確か……、夕飯を買いにコンビニへ行こうとしたら、途中でイッセーが夕麻ちゃんとデートしていたから、気になってあとをつけて……、あっ!」
そうだ!
夕焼けで赤く染まった公園で、夕麻ちゃんが堕天使に変身して、手に持った光の槍でイッセーを殺して、そのあと俺も光の槍で腹を貫かれた……。
そして、俺は紅い髪の――、目の前にいるリアス先輩が現れた。
現れたリアス先輩は俺の体にチェスの駒を入れて、その直後に拒絶反応が出て、リアス先輩が慌てて転移魔法発動。
朱乃さんに会って目を閉じて手を伸ばすと両手に心地のよい感触がして……、その気持ちよさに体を預けたら拒絶反応が収まって眠った。
「思い出したのね?」
「はい。思い出しました。俺が堕天使に殺されて、リアス先輩が来たんですよね?」
「そうよ。イッセーに呼び出されて、イッセーを転生させるついでにあなたも転生させたのよ」
「えっと……、ということは、イッセーは生きているんですね?」
「生きているわよ。悪魔に転生したけど」
「悪魔に?」
「ええ。悪魔に。ちなみにあなたも悪魔に転生させたからねっ!」
そう言ってリアス先輩は微笑み、コウモリのような大きな羽を背中に広げた。
人外であることをアピールするために起こった行動だろうが、俺は背中に生えた翼のほうではなく、リアス先輩の表情に目を奪われていた。
いつも学園で見せている凛々しい表情ではない、まるで幼い少女のような笑みに心を奪われ、気づいたらリアス先輩を正面から抱きしめていた。
「ちょ!? どうしたのよ!」
「ああ、すげぇ、可愛いっ!」
じたばたと手足を動かしてリアス先輩は逃げようとするが、俺はお構い無しに密着を強め、片腕でリアス先輩のさらさらの髪をすかし、首筋に鼻を埋めて肺いっぱいにリアス先輩の匂いを嗅ぐ。
「ちょっ……、やめっ……、やめなさいっ。……うぅん、あっ……!!」
俺はしっかりとリアス先輩の体の感触と匂いを味わい、そのまま布団に押し倒す。
布団の上で仰向けになったリアス先輩の股の間に体を滑り込ませる。
「ちょっと!? やっ、やめなさいっ!」
「安心してくださいリアス先輩。これでも、経験は多いほうなので……」
「なんの安心よ~~!?」
リアス先輩を安心してもらおうと頬に手を添えたところで、後から声をかけられた。
「えーと……、あの~? 何をしているんですの?」
声に反応してうしろを振り返ると、額に青筋を浮かべて不適に笑う朱乃先輩が立っていた。
「あ、朱乃先輩!?」
「あ、朱乃っ!」
押し倒している俺と、押し倒されているリアス先輩を見る、というか眺めながら頬に手を当てて微笑む朱乃先輩。
「あらあら、お2人とも? 私の部屋でなにをしようとしているんですか?」
「そりゃあ、なにって……、ナニをしようと……。――ぶへぇらっ!?」
俺が正直に答えると、朱乃先輩から拳骨を頭に落とされた。かなり強めの拳骨だった。
「いた~……、な、何をするんですか!?」
「それは私のセリフです! あなたたちこそ、夕べ突然現れて私の布団を血で汚した上に、突然胸を揉まれて、一晩中トイレも行けずに夜を過ごした私にこれ以上迷惑をかけるつもりですか!?」
「ちょっと、朱乃! 私は悪くないわよ! この子が勝手に勘違いしているだけで!」
「あなたがこの子を連れてきたんだから同罪です!」
「そんな~」
ああっ、怒られてるリアス先輩可愛いです!
「もう! あなたのせいで朱乃に怒られたじゃないの!」
「リアス先輩……」
「なに?」
「怒られてる先輩も可愛いですが、怒っている先輩も可愛いですね」
「なっ!? 何言ってるのよ!?」
リアス先輩は押し倒されている状態で、頬を朱色に染めて顔を逸らす。おお~、赤くなって照れている先輩可愛いな~。
「……2人とも? 私が怒っていることを忘れていませんか?」
おわっ! 朱乃先輩の顔は笑顔だがその背後には般若が立ってる!?
俺とリアス先輩は慌てて起き上がるが、朱乃先輩の怒りはもう収まらない。
「あ、朱乃先輩……」
「あ、朱乃……」
朱乃先輩は肩を震わせながら、バチバチと電気のようなモノを体から出し始めているー!?
「そんなにイチャつきたいのなら外でしなさーい!」
朱乃先輩がバッと背中に黒い翼を展開させ、俺とリアス先輩目掛けて電撃を放ってきた!
「リアス先輩っ!」
「え!? ――きゃ!?」
俺は電撃が当たる前にリアス先輩の肩を抱き、【
俺が出した盾は、朱乃先輩が発した電撃をすべて吸い込み吸収し、俺とリアス先輩に電撃が届くことはなかった。
「あ……、あなた? いま何をしたの……?」
「私の電撃が吸い込まれた……?」
…………。
……うん。リアス先輩に電撃が当たらなかったことは良かったが、俺の能力がさっそくばれました。
「えーと……、手品です」
「「そんなわけ無いでしょう!!」」
うん。誤魔化しも無理のようです……。
はぁ……、説明面倒だなぁ。
ていうか、本当に昨晩はおっぱい揉んだだけなんだなぁ。
なんていうか、無駄に超人的な嗅覚が2人とも処女臭といえるチーズみたいな臭いがほんの少しだけ股からするし。それに俺が2人とやっていたら、今頃色んな体液でドロドロの筈だしな。
うう……、それにしても俺はこれからどうなるんだろう?
駒王学園の2大お姉さまに前後から挟まれてるという、おいしいシチュエーションだけど、2人の表情が怖くて喜べないし……。