※この作品はR-18です。

ハイスクールD×D 世界を渡る転生者   作:上平 英

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体育館裏のホーリー
第54話 新学期と転校生


 

<エイジ>

 

 

 冥界から帰ってきて数日が経った。この最後の夏休みの数日間で、京都の未亡人狐とその娘さんに会いに行っていたらすぐに夏休みは終了。2学期が始まった。

 

 そして2学期が始まってなのだが、ただいま混乱中。

 

 昨夜はリアスと楽しんで眠りについたはずだったが、例によっていつの間にか、増えていた……。

 

 ベッドの奥側にリアスが寝ているんだけど、俺を挟んで反対側に何故か黒歌が寝ていて、腹の上では小猫ちゃんがすやすやと規則正しい寝息を立てていらっしゃったからだ。

 

 黒歌はいつも通りなんだが、小猫ちゃんは違う。なぜ小猫ちゃんが?

 

 はじめはイッセーのところに居候させてもらう予定だったが、夏休み合宿で黒歌との姉妹関係がうまく修復できたようで、姉妹一緒に住みたいという黒歌の希望にのるかたちで小猫ちゃんは同居を決めたところまではいいんだけど……、小猫ちゃん、最近のスキンシップが激しいよ!

 

 毒舌やツッコミは健在だけど、事あるごとに俺のひざの上に座ったり、ベッドに侵入してくる! しかも、小猫ちゃんの寝間着姿は白ワイシャツ! ロリボディでそれは反則クラスのかわいさで思わず食べそうになる(性的な意味で)!

 

 普段の反応はいつもと同じなんだけど、家にいるときは黒歌と一緒にこうして懐いてくる。俺はいつ懐かれたんだ?

 

 まあ、とりあえずいいか。

 

 それよりもいまはアーシアのことだ。

 

 ディオドラ・アスタロト……。

 

 あいつの放つ醜悪な臭いと、優しい薄っぺらい笑顔の裏側。そして、【黒の聖職者】として教会関係者の女の子たちと遊んでいたときに聞いた噂――。

 

 いや、うん。正直、いまも教会関係者とは現在進行形で会ったりしているんですけどね。俺が悪魔になってもさほど驚かなかったし……。

 

 とりあえず、ディオドラには要注意だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<イッセー>

 

 

 夏が明け、すでに新学期――2学期だ。

 

 始業式もとっくに終え、駒王学園は9月のイベント、体育祭の準備へと入っていた。

 

 この時期になると、非常に頭にくる出来事があった。

 

 この時期になると、非常にあか抜けた連中が増えるからだ。いわゆる夏デビューとかいうやつ。

 

 夏休みを境にいままでの自分を変え、大胆なイメチェンを果たす者が出てくる。まあ、去年、1年生の頃に比べるとその数は少ないと思うけど、それでも今年もそれらの者たちが現れていた。

 

 ――夏で自分を変えて、彼女ゲット!

 

「そして、童貞卒業か。夏は一種の男子高校生の壁だよな」

 

 と、メガネの男子の元浜がうんうんとうなずきながら言う。

 

 悪友の1人だ。

 

「おおっ、元浜。例の情報は得たのか?」

 

 俺の問いに奴はうなずく。

 

「ああ、いま松田が最終確認をしに出かけていたが――」

 

「おおおーい! イッセー、元浜! 情報を得てきたぞ!」

 

 教室に入り込んできたのは松田だ。どうやら例の情報を得てきたらしい。

 

「やっぱり、隣の組の吉田、夏に決めやがった! しかもお相手は3年のお姉さまらしいぜ!」

 

『くそったれッ!』

 

 俺と元浜はその場で吐き捨てるように毒を吐いた!

 

 やはりか! 吉田め、あの野朗! 2学期に入ってからチャラくなった上に随分と態度が大きくなったと思ったら、そういうことか。

 

「同じクラスの大場も1年生がお相手だったって話だしな」

 

 うしろへ振り向くと、爽やかな笑顔で大場が手を振ってきた! ちくしょおおおおおおっ! 非童貞めぇぇぇぇぇっ!

 

 男の貞操をそんなに軽く捨てていいのか! いいよね! 俺も捨ててぇぇぇぇっ!

 

 去年からやっていることだが、2学期入って早々に俺らがかき集めていたのは、知り合いの『夏』だ。夏に卒業する男子が多いのは周知の事実で、俺ら童貞からしてみればその情報はのどから手が出るほど欲しい!

 

 だって、どいつが童貞でどいつが夏に済ませたか、すっげぇ気になるじゃんか!

 

 仕入れた情報では、童貞卒業した男子の割合が去年と比べて又上がった! 学年男子のそこそこはエッチしちゃってる!

 

 男子高校生にとって、エッチしたかしてないかは大きなステータスだというのに! あの非童貞が俺たちに向ける蔑んだ目が恨めしい!

 

『ああ、こいつ、まだ女を知らないんだ』って目がムカつくんだよぉぉぉっ!

 

 俺は机に突っ伏し、頭を抱えた!

 

 クソッ! こんなはずじゃなかったのに!

 

 俺だって、今年の夏にあか抜けて童貞を捨てる予定だった! それがまさかの冥界入りですよ! 夏に地獄へ行っていたなんて、そんな男子高校生がいますか!?

 

 います! 俺のことです!

 

 しかも山でドラゴンに追いかけられていたんだぞ! 信じられるか、こんなバカなことがぁぁぁっ! 貴重な高校2年生の夏休みを怪獣と生死をかけて過ごしていたなんて誰も信じちゃくれないし、話したくもない!

 

 結局、夏のエロエロイベントも温泉だけであとは何にもなかった! 何にもなかったんだよぉぉぉっ! 一昔前に比べると天と地だが、それでも可能な限り上を目指したんだ!

 

 部長との初体験! 朱乃さんとのベッドイン!

 

 そんな甘いイベントは冥界に一切ありませんでした!

 

 それどころかエイジの家に部長と黒歌さんたちだけじゃなくて、朱乃さんとゼノヴィアも住んでいたし! しかも、俺の家に来る予定だった小猫ちゃんも黒歌さんと一緒に住むってエイジの家に……。

 

 本当に松田と元浜が今年の夏も何もなかったのは幸いだった。俺、こいつらに先を越されたら自殺するぞ、マジで。

 

「童貞臭いわね!」

 

 くくくと俺たちを嘲笑いながら登場したのはメガネのクラス女子――桐生だった。口元をにやけさせて、鼻をつまんでいた。

 

「桐生! 俺たちを笑いにきたのか?」

 

 元浜の問いに奴はうなずく。

 

「ふふふ、どうせあんたたちのことだから。意味もない夏を過ごしたんでしょうね」

 

「うっせ!」

 

「神城を見てみなさいよ」

 

 桐生の言葉で俺たちは席替えで窓側の一番後ろのに席になったエイジを見た。

 

 ――っ! 前の席に座ったゼノヴィアと談笑しているのはいつものことだが。

 

「な、なぜ、村山と片瀬が……」

 

 元浜がショックを受けた様子でつぶやいた通り、エイジの周りに村山と片瀬がニコニコ笑顔で談笑していた! ただの談笑ならよかっただろうが、桐生がわざわざ言うほどだ、何かあるんだろう。

 

 桐生は非童貞組みの俺たち……いや、男子高校生にとって、とんでもないことを話し始めた!

 

「あんたらが夏に非童貞を調べるのと同じように、私たちも非処女を調べているのよ」

 

『――っ!』

 

 ま、まさか――!

 

「私の調べでは今年の夏に非処女になった女の子の8割は、あいつよ」

 

『な、なにぃぃぃぃいいいいいいいっ!』

 

 俺たちは絶叫した! 当然だ! 俺たちが食うに困っているのに! エイジの奴は今年の夏も大食いだと!? しかも、夏に一緒に冥界に行って大半を冥界で過ごしていた裏事情を知っている俺は、その大食いは大半が悪魔の依頼でやったことだと予想できた! 俺の依頼は変人ばっかりなのに! あいつは! あいつはぁぁぁっ!

 

「ちくしょぉぉぉっ! マジか! マジで村山の胸を!」

 

「ああああああああっ! 片瀬の足を!」

 

「クソォォォォォオオオオオオっ! 俺たちと違いすぎるにも程があるだろぉぉぉぉううううっ!」

 

 俺たちは血の涙を流した! エイジの席を親の仇とばかりに睨んだ! だが、それでも、奴との差は埋まらない!

 

 童貞の俺たちと食い放題のエイジ! 友人だと思っていたのに!

 

 松田も元浜もあまりのショックに崩れ落ちて地べたに倒れている。かくいう俺も机に突っ伏し、涙を流した!

 

 桐生は俺たちの様子を笑い、訊いてきた。

 

「ところで兵藤。最近、アーシアがたまに遠い目になるんだけど、何か理由知ってる?」

 

 問いの理由はわかる。ディオドラとの一件だろうな。俺はそれを感じていた。

 

 授業でさされたアーシアは珍しく慌てていて、教科書を逆さまにしていたなんてこともあった。

 

 とうのアーシアは他の女子と談笑などしていたが……。

 

 アーシアもすっかりクラスの人気者だ。男子女子関わらず人気がある。美少女なのはもちろん、話をしているだけで癒されるからな。

 

 男子のなかには恋愛感情よりも癒し目的で話しかけてくる者もいる。下心よりも先に近くで見て癒されたいって感じなんだろうな。

 

 まあ、わからなくもない。実際、アーシアと一緒にいるとだいぶ心が落ち着いてくるもんな。

 

 俺の視線に気づいたアーシアへ手を振った。笑みを浮かべるアーシアだが、どこかぎこちない……。うーむ、やっぱり、気にしているのは確かだよな。

 

 さて、プロポーズは問題。どうしたものか。ディオドラが最近ラブレターとか大きなプレゼントとか送ってくるのも、悩みのひとつなんだよなぁ。

 

 と、考え込む俺を桐生が怪訝な表情で見ていた。

 

「なんだよ?」

 

「いえね、あんた、2学期に入ってから女子からの評判が多少上がったのよ」

 

 ――ッ! マジか! でも、どうして?

 

「だいぶ締まった顔つきになったし、私の目から見ても体つきが随分たくましくなったと思うわ。ワイルドになった、なんて言う女子もいるぐらいだし」

 

 うーん。そうか。自分の顔に手をやり、確認する。ガタイが良くなったのはわかる。そりゃ、山でドラゴンと過ごせば自然とそうなるだろうさ。野生的な生活も送っていたし。

 

 しかし、ワイルドか。なるほど、ふふふ。見ている者は見ているんだな。なんていうか、俺の魅力が夏で増して女子をとうとう魅了し始めましたか?

 

「ふふふ、鍛えていますから。ま、俺も夏で成長したってことさ」

 

 あごに手をやりニヒルに笑う俺を見て桐生は肩を落す。

 

 な、なんだよ、その落胆ぶりは……。よくわからねぇぞ。

 

「お、おい! 大変だ!」

 

 突然、クラス男子の1人が急いで教室に駆け込んでくる。どうしたどうした?

 

 そいつは友人から渡されたミネラルウォーターを一口あおり、気持ちを落ち着かせると、クラス全員に聞こえるように告げる。

 

 一拍あけて――。

 

『えええええええええええええええええええええええええええええええっ!』

 

 クラス全員が驚きの声をあげたのだった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えー、このような時期に珍しいかもしれませんが、このクラスに新たな仲間が増えます」

 

 先生の言葉に皆がわくわくしていた。

 

 男子のテンションはおかしなぐらいに高まっている! だって女子だもん! そりゃテンション上がりますよ!

 

 女子も男子の反応に呆れつつも興味津々な様子は俺たちを変わらない。

 

「じゃあ、入ってきて」

 

 先生の言葉に促されて入室してきたのは――。

 

『おおおおおおおおおおおおおおっ!』

 

 歓喜の声が男子からわき上がる。

 

 登場したのが、栗毛ツインテールの相当な美少女だったからだ。

 

 しかし、俺は喜びよりも驚きのほうが先で、目玉が飛び出るほど。ビックリしていた。

 

 見れば、アーシアも同様で、ゼノヴィアに至っては目を丸くしてポカンとするほどだ。あのエイジでさえも驚いていた。

 

 当たり前だって! こ、この子が突然そんな風に現れたら、関係を持った者たちは驚きもするさ!

 

 栗毛の転校生はペコリと頭を下げたあと、にこやかな表情で自己紹介をしてくれる。

 

 首から提げている十字架が輝きを放つ。以前と髪型は変わってツインテールにしているけど、間違いない!

 

「紫藤イリナです。皆さん、どうぞよろしくお願いします!」

 

 そう、夏前にゼノヴィアと共にエクスカリバー強奪事件で来日した紫藤イリナその人だった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと来てくれ」

 

 休み時間、男子や女子からの質問ぜめのイリナの手を引き、俺、アーシア、エイジ、ゼノヴィアの4人は人気のない場所へ急いで連れだした。

 

 紫藤イリナ。いちおう、俺の幼なじみ。小さな頃に外国へ引っ越してしまい、そこで境界の祝福を受けて、プロテスタント専属の聖剣使いとなった。

 

 以前、堕天使の幹部に教会が保管と管理をしていたエクスカリバーがコカビエルたちに強奪され、その一件でゼノヴィアと共に来日したんだ。

 

 ゼノヴィアは真実を知り、やけくそ気味に悪魔となって日本に残ったが、イリナはそのまま元も場所へ帰った。

 

 それ以来会っていなかったわけだけど……まさか、このような再会とは……。

 

 いやー、ビックリした。突然だもん。敵ってことではないよね? 3大勢力は協定結んだし。じゃ、じゃあ、イリナがここに来た理由は――。

 

「おひさ~、イッセーくん、エイジさん、それにゼノヴィアも!」

 

 ガバッ! イリナがゼノヴィアに抱きつく。ってなんでエイジだけ『さん』付け?

 

「ゼノヴィア! 元気そうで良かった! 立場上複雑だけど、素直にうれしいわ!」

 

「ああ、久しぶりだね、イリナ。元気そうで何よりだよ。イリナが胸に下げた十字架がチクチクと地味なダメージを私に与えてくるのは天罰だろうか……」

 

 元聖剣コンビの再会か。ゼノヴィアも笑みを見せていた。

 

 さてさて、何から訊こうか。と、迷っているとゼノヴィアが切りだす。

 

「なぜ、ここに?」

 

 うん、シンプルかつ一気に聞きだせる質問だ。

 

「ミカエルさまの命により使いとしてここに転校してきたの。詳しくは放課後に。場所は噂の旧校舎で、ね?」

 

 そんなふうにイリナはかわいくウインクをしたのだった。

 

 部長にケータイメールで聞いてみると、案の定ご存知でした。

 

 よし、まあ、放課後を待とう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<エイジ>

 

 

「紫藤イリナさん、あなたの来校を歓迎するわ」

 

 放課後の部室。オカルト研究部のメンバー全員、アザゼル先生、ソーナ会長が集まり、イリナを迎え入れていた。

 

「はい! 皆さん! 初めまして――の方もいらっしゃれば、再びお会いした方のほうが多いですね。紫藤イリナと申します! 教会――いえ、天使さまの使者として駒王学園にはせ参じました!」

 

 とあいさつした。

 

 そしてイリナの説明を聞くと、聖書に記された神がすでに死んでいることを知っていて、さらに転生天使という、悪魔の駒と同じ原理で人工的に人間から天使へと転生させる技術で、天使化したそうだ。

 

 それにしても、悪魔のレーティングゲームの天使版、『御 使 い(ブレイブ・セイント)』ねえ。

 

 悪魔がチェスで、天使がトランプを元にしていて、イリナはミカエルの A (エース)だそうだ。

 

 しかも、変異の駒と同じように隠し要素なるものも存在しているらしい。

 

 アザゼルは10年、20年後に悪魔と天使がレーティングゲームをする時代がくるかもしれないとか、言っていたが、それじゃあ、天使がかなり有利だと思うんだけど……。光の槍とか悪魔にとって大弱点な攻撃しまくられたらヤバいだろ。

 

 まあ、俺は特に天使と戦いたいとか、そこまでゲームには興味ないしなぁ~。リアスを負けさせないのは当たり前なんだけどな。

 

 紹介が終わったあとは、神の不在をまだ知らされていないソーナ会長の眷属である生徒会メンバーと合流して、イリナの歓迎会がおこなわれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イリナが転校してきてから数日が経過――。

 

「はいはい! 私、借り物レースに出まーす!」

 

 手をあげる元気いっぱいのイリナ。

 

 すでにクラスに融けこんでいた。持ち前の明るさのおかげで男女問わず人気も高い。

 

 ちょうどクラスはホームルーム中で、体育際で誰が何の競技をするかを決めているところだった。

 

 俺はすでに種目も200mと400mを走ると決まっているので気楽だ。いや、内心本来のスペックに加えて、悪魔の力まで加わっているからズルしているみたいで、少々いたたまれないんだけどな。手加減して負ければクラスに悪いし、手加減しなければ……実験動物コースだな。

 

 元気いっぱいのイリナなんだけど。この子まで俺の家に住んじゃったんだよなぁ。

 

 事の発端はミカエルの奴が品定めという、俺の監視をイリナに命じたことと、ゼノヴィアが以前よりも格段に強くなっていることを見抜き、どうして強くなったのかをゼノヴィアが自慢するように、俺と時雨が師匠であることをバラしたせいだ。

 

 監視もできて強くなれて一石二鳥! と荷物を持って俺の家に転がり込んできた。まあ、イリナは元気よくて美少女だし、同居が嫌というわけじゃないし、むしろ歓迎するぐらいなんだけど……。

 

「お兄ちゃん! 私と二人三脚にでようよ!」

 

 隣に座ったイリナが腕を絡めてニコニコ笑顔で頬を擦りつけてくる。

 

 …………。

 

 そう。ゼノヴィアの頼みでもあったし、グレモリー家がきちんと対応してくれて悪魔の仕事は格段に減っていたのでイリナも弟子に取ることにしたんだけど、修行2日目でイリナが俺を兄のように慕うようになった……。

 

「イリナも俺も、もう競技はノルマ分出ることが決まっているから、まだ決まっていない人から優先しないと」

 

「うん! お兄ちゃんが言うならそうする!」

 

 元気よく返事をしてくれるイリナ。この子って聖剣持ち帰るとき、ゼノヴィアを誑かした悪魔! って恨まれていたはずなんだけどなぁ~。

 

 地下4階の仮想フィールドでリアスたちと同じように修行を2日続けてやって、指1本動かせないところを【マジカルエステ】で治したりしていると慕い始めてきた。

 

 一人っ子で兄が欲しかったことと、何でも昔近くに住んでいたお兄さんに似てるという理由で『お兄ちゃん』と呼ばれるようになった。ちなみに近くに住んでいたお兄さんが実は俺だった……、という設定はない。幼少期にイリナと会った記憶はないし、俺は元々住んでいたのは隣町だし。

 

 ああ……。それにしても、周囲の視線。特に男共の視線が痛いな。まあ、大半の奴らから見れば、少し前に転校してきた美少女に、いつの間にか『お兄ちゃん』と呼ばれて慕われている男……だもんなぁ。しかも、桐生さんのおかげで学園の女の子たちに手広く手を出していることもバレてるし。

 

 教室中の男子が俺を睨んでいる最中に、桐生さんが同じく俺を睨んでいたイッセーを騙して、二人三脚へ立候補させ、イッセーがアーシアと二人三脚することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして深夜。悪魔の仕事を終えた俺と黒歌たち、俺の家に住み着き始めたリアスを始め、イリナが一堂に会して地下4階の修行用フィールドで修行に励んでいた。

 

 リアスの修行を同じ中距離から遠距離射撃型のノエルが修行をつける。【滅殺 の 弓(ルイン・アロー)】の扱い方、そして命中率と。基本的な弓による射撃の感覚をつかむために、ノエルが操る目標を延々と弓で打ち抜かせた。

 

 朱乃さんの修行は、ヴァルキリーであるセルベリアが担当し、広域殲滅魔法はもちろん。雷光の槍の錬度を高めるために、槍の扱いの基礎、さらにどの空間にでも、素早く雷光の槍を創りだして、射出したり、自由に操るための修行を行なった。新装備のほうも修行も積ませ、かなり強化できている。

 

 小猫ちゃんは黒歌が引き続き仙術を教え、小柄でも大柄の相手できるようにと、あらゆる中国拳法を俺が直接教えた。

 

 ゼノヴィアは以前と同じように俺と時雨で剣術を叩き込み、聖剣デュランダルと龍殺しの真・リュウノアギトによる二刀流や、聖剣のオーラの応用から、速度で負けないように、肉体強化の術式の効率化を図り、小手先技用のナイフの錬度も上げた。

 

 新加入したイリナはゼノヴィアと同じように、基本的な剣術を一から教え直し、【擬態 の 聖剣 (エクスカリバー・ミミック)】のより運用性のある、変幻自在に形を変えられるという能力を活かさせる攻撃方法を自分で模索させたり、小手先の技や肉体強化の魔法、無手による格闘術と教えた込んでいった。

 

 その全員にいえることだが、各個の長所を伸ばす修行と別に、基礎訓練は毎回きっちり行なっている。土台がしっかりしていないと脆く、崩れやすくなるからな。

 

 そして、今日も無事に全員の訓練が終了した。

 

 瀕死だが体を動かせるぐらいまで修行に耐えられるまで成長したリアスたちを連れて、まるで密林の湖のような、適温の温度のかけ流し温泉が湧き出ている風呂に皆で浸かっていた。

 

 さすがグレモリーが用意した修行フィールド。温泉付とかマジで豪華だよな~。概観も凝っていて滝がシャワーになってるし。

 

 いちおうこのお風呂は混浴ということでタオル着用可で、俺も小猫ちゃんとイリナがいる手前、腰にタオルを巻いて入浴していた。

 

 リアスや朱乃さんたちは当然タオルなしで堂々としている。イリナと小猫ちゃんはしっかりタオルを巻いていたが……。

 

「お兄ちゃん~」

 

「にゃあぁぁぁ……」

 

 修行直後による肉体&精神疲労と、タオルで裸体を隠してリラックスしているせいか、イリナと小猫ちゃんは俺を背もたれに温泉に癒されていた。いや、タオル越しだけど、そんなにくっつかれると、色々感じるものがあるぞ? ただでさえ性欲過多なんですから……。

 

 このままじゃ襲っちまうよと警告の意味と、これで離れるよな~っと思って2人の腰に腕を回したが……。イリナも小猫ちゃんも、ちっとも離れようとはしない。まったり目を細めて幸せそうに温泉を楽しんでいらっしゃった。

 

 恋人ならこのままゆっくりエッチな雰囲気にもっていくところだけど……。2人には色々な事情もあるからまだできない! イリナは堕天使化するかもしれないし、小猫ちゃんは色々と小さすぎるから準備をしないといけないし、まだライクとラブの間がハッキリしていないからこちらから手が出せないからな。

 

 ちなみに興奮して尻尾から媚薬成分が出ないように、現在尻尾にカバーをすっぷりとかぶせています! まあ、見た目はコンドームみたいで窮屈だけど仕方がない。魔法で無色透明にしているし、プールや温泉に1人だけ入れないよりはマシだ。

 

 これで冥界のグレモリー家の温泉のような乱交の一歩手前状態にはならない! さらにいうと、動けないイリナや小猫ちゃんの体を洗うのはノエルやゼノヴィア、それと黒歌に任せて、俺は隠れてところでリアスたちの体を洗わせてもらっています! いまのところ怪しまれているようだが、している内容につては気づかれてはいない!

 

 ちなみに俺も修行を積んで、3本に増えた尻尾の操り方を完璧にマスターした。尻尾を使って4人同時に【マジカルエステ】も今ではお手の物だ。

 

 現在修行に参加していないレイナーレは後方支援要員として、メイド道を突き進んでいる。大きな家の掃除も魔法などを使って効率よく、ホコリ1つ残さず清潔に掃除できて、洗濯も完璧! 料理にいたってはいうことなし! 本当にいつの間にか家事のスペシャリスト、スーパーメイドさんになってた。

 

 いつもは深夜2時を回ったぐらいで就寝するわけだが、今回は朱乃さんとセックスすることに決まった。

 

 自室のベッドで朱乃さんとたっぷりセックスし終わり、満足そうに朱乃さんが膣から精液を漏らしながら眠りにおちる。

 

【浄化】魔法で体をキレイに清めたところで、リアスがこっそりと入室してきた。

 

 リアスはいつものように俺のベッドに入ると、フェラチオで興奮させて精液を飲んだあと、覆いかぶさるかたちで膣にペニスを挿入して、ゆっくりそこでセックスして、そのまま挿入したまま安心したように眠りに落ちる。

 

 最近毎回このパターンで多い。

 

 リアス以外の誰かとセックスしたあと、行為が終わるとリアスが部屋に入ってきて、自分の匂いを上書きするように膣にペニスを入れたり、舌で体を舐めてきたりする。

 

 まあ、リアス以外にいえたことでもなく、朱乃さんが入ってきたり、ゼノヴィア、最近では小猫ちゃんを連れた黒歌も侵入してきてベッドに寝ているなんてことも多々あった。

 

 他の女の子と仲良くしてもあまり表面で怒らずに、余裕そうにしているけど、皆、セックスが濃厚になってきた。

 

 いや、本当に……。8月半ばにリアスたちとセックスし始めて、すでに何回セックスしているか分からない。当然何年も一緒にいる黒歌たちが一番わからないんだけどな。

 

 まあ、それにしても毎回濃厚なセックスで楽しませてもらっています! リアスと朱乃さんに甘えさせてもらったり、逆に甘えさせてあげたり、ゼノたんに体中を舐めてもらったり、フェラチオとかぶっかけプレイ以外はなか出しだからな! かなり楽しいぜ!

 

 今夜も朝方俺の部屋のドアが静かに開いた気配がした。歩き方の匂い的に小猫ちゃんと黒歌だな。

 

 そして、黒歌と小猫ちゃんも加わって添い寝していると、レイナーレが起こしに来た。

 

 また新しい日の幕開けだ。

 

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