<エイジ>
朝の学校。俺はリアス先輩と朱乃先輩の2人から手を引かれながら登校していた。
うん。どうしてこうなったかを簡単に説明すると、昨日の晩にイッセーが堕天使のおっさんに穴あけられて死にそうになってて、その穴を塞ぐために俺が得意げに『気』を使って治したら、リアス先輩が「仙術を使えるのか?」とか怖い笑顔で尋ねられ、朱乃先輩の神社に送還。つい先ほどまで他に隠していることはないかと、尋問&隠していたことへのお仕置きを受けてたんだ。
そして、逃げないようにって、両側から手を引かれながら登校したわけだが、周囲の視線が痛い。特に元浜と松田が「裏切り者め~」と親指の爪を噛みながら睨んでくるし……。
まあ、「裏切り者」って言われても、実は3馬鹿のお前らが知らないだけで、駒王学園でかなり俺ってもててるぞ? ただ、決まってお前ら3馬鹿が居ない場面を狙って告白してくるから、知らないのは仕方がないかもしれないが。
リアス先輩と朱乃先輩と別れたあと、元浜と松田に「裏切り者め~」と怒鳴られるんだが、その辺の話は別にいいだろう。
登校してからしばらく呆けていたイッセーに「昨日会わなかったか?」と聞かれたが、リアス先輩が放課後自分が話すからということで、「使いが来るから放課後まで待ってろ」とだけ言った。
そして、放課後。イケメン王子こと木場祐斗が俺とイッセーの教室を訪ねてきて、「リアス・グレモリー先輩の使いできたんだ」と言われ、俺たちは木場の後ろに続いてリアス先輩の下へ連れて行かれることになったんだけど、普通に行っても面白くないからイッセーを木場にまかせて、俺は別ルートから会いに行くことにした。
「じゃあ、木場。イッセーのことは任せたぜ」
「え?」
そう言い残して木場とイッセーの前から姿を消し、とりあえず屋上へと向かう。
「えーと……、リアス先輩の魔力は……」
昨夜感じた魔力の波動を学園の敷地から探すと、旧校舎でリアス先輩の魔力の反応を見つけた。
「さてと、場所も分かったことだし、どうやって驚かそうかな」
◆
<イッセー>
昨日の晩。松田の家でエロDVDの鑑賞会をやったあと、黒い羽根の生えた、そう、夕麻ちゃんの背中に生えていたような黒い羽根をつけたスーツ姿の男に襲われ、腹に大穴をあけられて、リアス先輩とエイジが目の前に現れるというヘンな夢を見た。
まあ、夢だと思っていたんだけど、翌朝、リアス先輩とエイジが一緒に歩いていたところを見たときに昨夜の夢が夢じゃないんじゃないかと思えてきて、エイジに「昨日会わなかったか」と尋ねたらエイジが「使いが来るから放課後まで待ってろ」って言われた。
やっぱり昨日の出来事は夢じゃなかったみたいだ。
そして、放課後まで待っていると、教室の外から女の子たちの騒ぐ声が聞こえてきた。
教室のドアを開けて入ってきたのはイケメン王子こと木場祐斗だった。
木場は俺の席までやってきて「リアス・グレモリー先輩の使いできたんだ」とか言いやがった。
しかも、エイジの席にも行ってエイジを後ろに従えて俺のところに戻ってきたし、エイジの言っていた使いって木場の事だったんだな。ん? でも、木場は「リアス・グレモリー先輩の使いできた」って言ったよな?
ということは、俺を呼んでいるのはリアス先輩!
俺は、リアス先輩を待たせることは出来ないと、立ち上がって木場とエイジの後ろ……、いや、エイジはなんか忍者みたいに一瞬で消えたから、木場と2人で廊下を歩く事になったんだが、女共の「木場に近づくな」という非難の声や「木場×兵藤、兵藤×木場」とかいう悪夢のようなカップリングで妄想を繰り広げる方々の視線を受けた……。
木場につれられて歩いていると旧校舎へと入り、オカルト研究会とかいう看板を掲げた部屋に通された。
「部長、連れてきました」
「ええ、入ってちょうだい」
部屋の中からリアス先輩の声が聞こえてきた。そう、夢の中と全く同じ綺麗で透き通るような声だ。
木場が戸を開け、続いて部屋の中に入ると、部屋の内装の異質さに驚いたが、ソファーの上で黙々と羊羹を食べている少女が目に入った。
なぜこんなところに1年生の
ロリ顔で、小柄な体躯、一見小学生にしか見えない我が高校の1年生で、女生徒たちからの人気も高いマスコット的な存在が、何故こんなところに!
ん? シャワーの音が聞こえる。
期待を込めて顔を音のほうへ向けると、室内の奥にはシャワーカーテン。しかも、女性の肢体がシルエットとして浮かんでいた。
ま、まさか、リアス先輩っ……!?
「部長、これを」
ん? カーテンの奥からリアス先輩の声とは違う女性の声が聞こえてきた。
「ありがとう、朱乃」
カーテンから着替えている音が聞こえる。この薄いカーテンの裏側ではリアス先輩が着替えているんだろう。
「……いやらしい顔」
ぼそりと呟く声。声のした方向には塔城小猫ちゃんの姿があった。俺は視線をそちらに送るが、小柄な一年生は羊羹を食べているだけだった。
「こをぉんにちわ~~~!」
突然部室に陽気な声が響いた。
声がしたほうに顔を向けると、カーテンの方向だった。
「ん? さっきの声って……」
◆
<エイジ>
サプライズをしようとして陽気に、他の世界で覚えていた転移魔法を使ってリアス先輩の目の前に転移したんだが、どうやらタイミングが悪かったようだ。
リアス先輩はどうやらシャワーを浴びていたらしく、丁度、着替えをしていたのだ。しかも、紫色の紐パンを穿こうとしていたらしく、上半身を屈め、尻を突き出すような体勢で、後ろ側に転移したために、俺の位置からは、口を少し開いたオマンコやピンク色の尻の穴まで丸見えだった。
しかも、転移した瞬間に馬鹿みたいに挨拶したから逃げることもできない。ていうか、朱乃先輩が目の前にいるから、転移して挨拶しなかったとしても逃げることはできなかっただろう。
「あは、あははは……。……えーと、すいませんでしたー!」
とりあえず笑ってみたが、2人は尋問したときのような怖い笑みを浮かべていて、笑って誤魔化すという手も封じられたので、素直に土下座して謝った。
土下座を続けていると頭に手を置かれ、優しく撫でられた。
「リ、リアス先輩? 許してくれるんですか?」
顔を上げるとリアス先輩は着替えを終え、制服に身を包んでいた。
「ええ。覗いたことは許すわ。部室でシャワーを浴びていたことを知らなかったみたいだし」
「ほんとですか!」
「ええ。知らなかったんでしょ?」
「はい! まさか転移魔法で、あんなおいしいハプニングが起きるとは夢にも思ってなかったです!」
ていうか、そもそも学校の教室でシャワー浴びてるとは驚きです!
いや~、それにしてもリアス先輩が話せる人でよかった。
俺は土下座をやめて立ち上がり、頭を下げて改めて謝り、カーテンを開けて外に出た。
「なっ! エイジ! なんでそこからお前が出て来るんだよ! ていうか、リアス先輩となにやってやがったんだ!」
カーテンを開けると、なにやら呪いが施されている異質な部屋が広がっていた。そして、リアス先輩に呼ばれたイッセーが血の涙でも流さんやという表情で掴みかかってきた。
「ああ。ちょっとしたハプニングがあってな」
「くそぉぉぉう! なんでお前ばかり毎回、おいしい目にあうんだ!」
やれやれと、イッセーを無視して周りに見ると、木場と塔城小猫ちゃんが俺を警戒するような目で見ていた。得体の知れない人物だと思われたか?
それからリアス先輩は俺とイッセーを向かい側の席に座らせて、悪魔に転生させた経緯などを話し始めた。
◆
「夕麻ちゃんは堕天使で、俺の中にある
イッセーがショックを受けたように呟いた。
まあ、初めての彼女に騙されたんだし、良くも悪くも純粋だから、精神的に辛いだろう。
「ええ。あと、エイジもあなたと同じように堕天使に殺されかけてたから、悪魔に転生させたの」
殺されかけたのは間違いだけどな。俺は寿命以外じゃ死なないし、体中にリミッターをかけて強度を人間にしていただけで、本来だったら貫く以前に傷つけることすら出来なかっただろうしな。
「そう言えば! エイジはなんで公園にいたんだ?」
「ああ、お前のデートが気になって尾行してたんだけど、お前がいきなり腹を刺されるから驚いて、草むらからでたら、夕麻ちゃんに刺された」
「じゃあ、俺のまきぞいで死んだのか……」
イッセーが落ち込んだように呟いた。
「それは違うぞ? 俺はあのままでも死ななかったし、お前のせいじゃない」
「エイジ……」
イッセーは感動したような目を向けてくる。えっと、事実あのままでも死ななかったんだからな? まあ、悪魔になっちまったのはお前のせいとも言えるけどさ。
「それと、昨日の晩にあなたがスーツを着た堕天使に大怪我負わされたとき、怪我を治したのはエイジだからお礼を言っておきなさい」
リアス先輩が紅茶を飲みながらイッセーに言うと、イッセーは涙を流しながら感激したように手を握って、お礼を言ってきた。
「ありがとう、エイジ! お前のおかげで童貞のまま死なずに済んだ!」
「あ、ああ。どういたしまして」
「とりあえず、イッセーの神器を出してみましょう」
「神器?」
「ええ。堕天使があなたを殺そうとした理由ね」
「あの……、どうやって出せばいいんですか?」
「目を閉じて、あなたの中で一番強いと感じる何かを心の中で想像してみてちょうだい」
「い、一番強い存在……、ドラグ・ソボールの空孫悟かな」
「では、それを想像して、その人が一番強く見える姿を思い浮かべるのよ」
リアス先輩はイッセーを急かすように呟く。
急かされたイッセーは、やけくそぎみに立ち上がって、ドラゴン波を撃つポーズをやってのけた。
「マジか! こんなところでドラゴン波を撃ちやがった! ぷっ、あはは! あははははっ!」
俺は隣でドラゴン波のポーズを決めたイッセーを指差して腹を抱えて笑い転げる。
「笑うんじゃねぇえよ! こちとら真剣にやってるんだからな!!」
イッセーが怒鳴ってくるが、笑い声を堪えるのは無理だった。ていうか、撃つときの顔が真剣すぎて……、ぶぷっ! もうダメ……! 腹が……、腹がよじれる!
「くそぉう! って、ん? なっ! なんだこれ!?」
イッセーが拳を振り上げようとして動きを止めた。なんだ?
いつのまにかイッセー左腕に赤い籠手が着いていた。
「それが神器。あなたのものよ。一度ちゃんと発現できれば、あとはあなたの意思で発現可能になるわ。あなたはその神器を危険視されて、堕天使―――天野夕麻に殺されたの」
「これが俺の神器……」
「ええ、そうよ。じゃあ、とりあえずは悪魔になりたてのあなたたちに、悪魔について少し話しましょうか」
リアス先輩は軽く微笑み、現在の悪魔について語り出した。
・数百年前に冥界と天界で大規模な戦争が起きて、4大魔王や大勢の純潔悪魔が死んだこと。
・戦争で勢力が激減したので、欠員を補うために、俺やイッセーのような人間や他の種族を下僕として引き込むシステムが作られたこと。
・転生悪魔でも、大勢の人間と契約し、願いを叶え、対価を貰い実績を積んでいくと、出世できて爵位を貰える事。
まあ、冥界で賞金稼ぎしている俺にとっては、ほとんど知っている内容だったけどな。
だが、純粋な一般人であったイッセーには初めて聞くことばかりで、リアス先輩が話ごとに驚いていた。
「ということは俺も上級悪魔になれば下僕を持って、自分のハーレムを作ることが出来るんですか!?」
イッセーが立ち上がって大声で訊ねると、リアス先輩は「それは、あなたの努力しだいね」と頷いた。
「くくく! ハーレム王に俺は……なるっ!!!」
イッセーは両手を振り上げて宣言した。ていうか、いくらなんでも単純すぎるだろう……。
「さてと……、それじゃあ、エイジ」
「はい。なんですか?」
「あなたについて
リアス先輩と朱乃先輩の微笑が怖いものへと変わった。
「えーと、俺のことですか?」
「ええ、もう隠し事はなしよ。あなたっていったい何者なの?」
朱乃先輩が無言で鞭を取りだし、リアス先輩が魔力を手に集中させる。
「これは、話すしかないか……」
「ええ。きちんと説明しなさい。もう、誤魔化しはなしよ」
ソファーに深く座り、ゆっくりと口を開いて話し始る。
「俺の両親は8歳の時に交通事故にあって他界しました」
「事故」
部室の空気が重くなる。
「ええ。トラックに突っ込まれて即死だったらしいです。まあ、それで俺には親戚とかも居なくて文字通り、天涯孤独になったわけです。施設に送られるはずだったんですが、俺は施設に行きたくなかったので、施設へ向かうトラックを抜け出しました。そして、俺は、はぐれ悪魔に出会いました」
「はぐれ悪魔に出会ったの!?」
「はい。適当にボコって冥界への行き方を教えてもらったんで、それから生きるために冥界で賞金稼ぎを始めたんですよ。まあ、日本じゃ子供が出来る仕事なんてのは余りありませんからね。そして、1年後に冥界で知り合った人に後見人になってもらって日本に戻ってきたんです。そのあとは、普通の人間として学校に通いながら、生活費を稼ぐために冥界で賞金稼ぎをしてました」
本当は、はぐれ悪魔を拾っただけなんだけどね。そこは説明するのが面倒だから嘘をついておく。
「8歳で賞金稼ぎ……」
小猫ちゃんが悲しそうな目で見つめてくる。
「まあ、生活費なんかを稼ぐためにいろんな賞金首を狩っていくうちに強くなったわけですよ」
「エイジって、普段の陽気さと違ってヘビーな人生を歩んでたんだな」
イッセーが呟く。
「……それで、あなたの能力なんだけど」
リアス先輩が真剣な面持ちで尋ねてきた。
「俺の能力ですか……、まあ、色々ありますが、人外の身体能力に、【王の財宝】、仙術ぐらいは話しましたよね」
仙術と言った途端、小猫ちゃんの顔が強張った気がしたが気のせいか?
「ええ。他にもあるなら教えてくれると助かるわ」
「他には……、そうですね。神器みたいなもので【千の顔を持つ英雄】と、ある程度魔法が使えることですかね」
「【千の顔を持つ英雄】?」
「はい。えーと、想像した武器や武装を出すことができます」
「【王の財宝】とは何が違うの?」
「【王の財宝】は俺が持っている物を仕舞っておける倉庫みたいなもので、【千の顔を持つ英雄】は魔力や気を使って無から武器を創る……、まあ、同じようで全く違う力なんです」
「魔法はどれぐらい使えるんですの?」
朱乃先輩が難しい質問をしてきた。魔力がほぼ無限に使えて、魔法はもう数えきれないほど覚えてるんだけど、それ言うとまた面倒な説明をやるはめになりかねないな~。
「そうですね~。あっ、朱乃先輩、ちょっといいですか?」
「ええ、なんですの?」
思いついた。どれぐらい使えるかって曖昧に尋ねたんだから、曖昧に返せばいいんじゃねえのって。
俺は朱乃先輩を部屋の隅、イッセーや木場に絶対に見えない位置まで引っ張っていき、【王の財宝】から先日いただいたネコさんパンツを召喚した。
「こ、これは!」
それに覚えがあったのか朱乃先輩の顔が真っ赤になった。まあ、名前も書いてるから一目で誰のものかわかちゃうか!
あと、純粋に魔法を使って盗った訳でもなかったけど魔法だけ使って同じように侵入できたしこれでいいよな。
「朱乃先輩に気づかれずに結界に入ったり、転移できたりできます」
そう言って【王の財宝】の中にネコさんパンツを仕舞いこもうとゲートを開こうとしたら、朱乃先輩からネコさんパンツを取られた。
「これは返してもらいますわ」
「ちょ!? 俺が苦労してゲットしたのに~」
「これはもともと私のですので」
そう言って、スカートのポケットにネコさんパンツを仕舞いこみ、部長が座っているソファーの後ろに戻った。
「なに落ち込んでいるのよ、エイジ」
とぼとぼとソファーに戻りいじけている俺にリアス先輩が心配そうに尋ねてきたが、素直に事情を話せるわけもなく「なんでもないです」と返した。朱乃先輩は落ち込んでいる俺を見て微笑み、ネコさんパンツを仕舞いこんだスカートのポケットから少しだけネコさんの顔を見せる。
くそぉ……、皆に見えないように俺だけに見せるとか、朱乃先輩って確実にドSだろ! せっかく、永久保存しようと名前まで書いたのに~。
「それにしても、そこまで高スペックなのに、なんで普通の『兵士』の駒を1つ消費しただけで転生できたのかしら? 変異の駒を使っても無理そうなのに……」
リアス先輩が顎に手を当てて小声で呟いた。
「ああ、それなら、たぶんですけど、俺が普通の人間まで能力を落していて、死に掛けていたから転生できたんじゃないですか?」
「つまり能力を弱くしていたことと、死に掛けていたから転生させるシステムが普通の人間1人分と判断したって言いたいわけね。でも、それは不可能よ。いくら能力を落していたとはいえ、転生は文字通り肉体から魂を悪魔に作り変えるのよ。あなたを悪魔に作りかえる過程で、システムのほうがあなたを駒ひとつで転生させることなんか出来ないって判断するわ」
リアス先輩の話を聞くと、何故俺が無事に悪魔へと転生を果たしたか気になってきたが、1つだけ心当たりがあった。そして心当たりが正しければすべてが繋がるのだ。
「あのとき感じた痛みは、体を作り変えることを拒絶したことで起こったのか……」
「なにか、心当たりがあるの?」
「……ええ。確証はありませんが、俺の体が転生できた理由が予想できました。俺の体が悪魔に転生するシステムをウイルスと思って反発したんですよ。本来なら転生できないまま終わるはずが、俺の体が異物としてシステムを刺激し、システムが暴走。俺の体を無理やり悪魔に転生させようとしたんでしょう」
「……じゃあ、あの時あなたが苦しんだのは拒絶反応みたいなものだったのね」
「本来なら拒絶反応は数時間ほどでやんでシステムを消去し、転生は出来なかったでしょうね」
うん。確実に俺のほうが勝っていたから、悪魔には転生しなかったはずだ。
「だけど、いまのあなたは悪魔」
小猫ちゃんが俺を見て呟く。
「まあ、なんで無事に転生できたかと言うと……」
「「「言うと?」」」
言葉を溜める俺を部室に居るメンバーが静かに見つめてきた。
「俺を転生させた相手がリアス先輩で、朝まで朱乃先輩と一緒に手厚い看護をしてくれたから、だな」
リアス先輩と朱乃先輩の顔にほんのりと朱がさした。
「2人の温かさに、拒絶するのも忘れて身をゆだねたから、そのまま発動した転生システムとやらに悪魔に変えられたんでしょうね」
俺がそう言って笑うと、ますます2人の顔の朱色が増す。
「まあ、そんなわけで俺はリアス先輩の下僕になったわけだな」
いや、2人のおっぱいの温かさに身を委ねたから転生したとか言ったら、いつもおっぱいおっぱいと叫んでるイッセーが泣き出しそうだもんな。
そういや、元浜と松田やイッセーと友達になれたのも、俺が3人を気遣って女の話をしなかったからだったな。するとしても、アニメとかのヒロインだけだったし……。いや、だってさ、現実の女の話や体験談とかなるといきなり般若みたいに怒りだすから面倒臭くて言えないんだよ。
◆
イッセーと共に改めてオカルト研のメンバーと自己紹介をしたところまでは良かったんですが……、能力を秘密にしていたことで、3回目となるお仕置きを受けることになりました。
まあ、事情があったってことで昨日よりもやさしめだったので助かりましたよ。
ていうか、リアス先輩の魔力を込めた尻叩きはマジで痛いです! いや、身体能力を解放すれば痛みなんか感じないんですが、それだと、リアス先輩の手が壊れるかもしれないので甘んじて受けるしかありませんし……、何回も叩かれているうちに癖になっちゃったら責任とって貰おうかと思ってます。マジで。
それから、『新人悪魔』としてとりあえず、今日の夜からチラシ配りをやるそうです。繁華街にちょっとした知り合いが居るので、チラシを渡してみますか。はあ~、リアス先輩に叩かれた尻の痛みがだんだん気持ちよく……、っと、ヤバイヤバイ。目覚めるところだった……、気をつけないと!