それからふたりは顔を真っ赤にしつつもお互い目を逸らすことが出来ずにいた。
《ど・・・どうしよう・・・か・・・身体が動かない・・・何かされた訳じゃないのに・・・》
《わ・・・私ったら何やってるのよ!あ・・・相手はみらいよ?女の子よ?は・・・早くこんなことやめて寝ないと・・・》
ふたりはお互いに対して感じる未知の感覚に混乱していた。友達同士のとはまた別の「好き」という感覚に。
「リコ・・・」
「みらい・・・」
熱に浮かされたように潤んだ瞳を互いに向ける。そして、その顔がどちらかともなく徐々に近づいていく。
《あぁぁぁぁぁ!いやいやいやいや!な・・・なななな何を!まずい!これはさすがにまずいわ!は・・・はやく止めないと!》
そう思いながらも徐々に顔の距離は縮まっていく。そして唇同士が触れあおうとする。
「ごめんなさい!ちょっと遅くなってしまったわ!」
その時、運よくなのか、はたまた運悪くなのか、保健室の扉が開き、先生が戻ってくる。ふたりは慌てて顔を離して布団を被る。ふたりとも顔が真っ赤だった。
「ってあら?どうかしたの?」
「「なんでもありません!」」
先生は首を傾げる。と、同時に授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
「あ・・・あのっ・・・ありがとうございました!」
「も・・・もう大丈夫ですので私達いきますね!」
と言いながらいそいそと上履きを履く。
「ちょっ・・・ホントに大丈夫!?顔真っ赤だし、息も心なしか乱れてるように見えるわ!あなた達もう少し休んだ方が・・・じゃなかったら早退・・・」
と言っている間にみらい達は転がるように保健室を飛び出す。その様はまるで悪事がバレて逃げ出しているように見えた。
「全くもう・・・」
そんなふたりの背中を呆れながら、しかし心配した様子で見送った。
その後、ふたりはお互いを意識し過ぎてしまい、案の定授業に集中出来なかった。顔が真っ赤だったということもあり、見かねた担任の高木先生によって早退させられることになった。クラスメイト達が口々に送っていくよと申し出たが、ふたりともその気持ちに感謝しつつやんわりと断った。そして、ふたりで自宅を目指してあるきだす。しかし、いつもと違い、お互いに会話が全くない。お互い下を向きつつも時々相手をチラチラ見る。そして時折目が合うとハッとなり、顔を真っ赤にして俯く。
「みらいっ!」
「リコっ!」
そんな空気に堪えかねてふたりはお互いに声をかける。しかし、見事にシンクロしたためまた俯いてしまう。
「り・・・リコ・・・先いいよ?」
「わ・・・私は大したことじゃないわ。みらいから先に話しなさい。」
ふたりはお互いに譲り合う。
「楽しそうだな。」
突然割って入ってきた声にふたりはハッとなりその方を向く。そこにはフラストがいた。
「こんなときに・・・でも・・・!」
「ある意味都合が良いかも知れないわね・・・はーちゃんは返してもらうわ!」
そしてふたりはモフルンの手を握る。
「「キュアップラパパ!ダイヤ!」」
そしてふたりは変身する。