「どういう・・・こと?」
「そのままの意味だ・・・俺が幼かった頃、魔導師達が暮らす国に住んでいた・・・だがその国は奴によって破壊され、住民は残らず蹂躙された・・・」
「そんな・・・!」
ミラクルとマジカルは息を飲み、ディザルの方を見る。
「俺はお使いを頼まれ、国を離れていたから助かった・・・が・・・奴に家族も殺された・・・あの日から俺は必死に力をつけ続けた。国と家族の仇をとるためにな・・・」
フラストがひとしきり説明し終えるとディザルが明らかに馬鹿にするように拍手を送る。
「説明ご苦労様、ボウヤ。それにしても覚えてるものだね~。女遊びに夢中ですっかり忘れているかと思ったけどね~。くくく。」
そしてこれまたフラストを馬鹿にするするように笑うとほぼ同時にミラクルが床を蹴り、今までに無いような瞬間移動と錯覚してしまうような速度でディザルに殴りかかる。しかし、不意討ちに等しい攻撃だったにも関わらず、ディザルは障壁を張って防ぐ。
「どうしてフラスト様の故郷を滅ぼしたの!?今だってアジトをメチャクチャにして・・・はーちゃんにあんなひどい事をして!」
ミラクルは目に涙を浮かべながら障壁を破壊しようと殴り続ける。
「っ!私も行かなきゃ!」
マジカルもミラクルを援護するために駆け出す。
「貴様だけは絶対に倒す・・・!」
フラストは静かに、しかし確かな怒りを魔法に込めると火球を形成し、ディザル目掛けて放つ。
「ふん・・・」
ディザルは氷の弾を形成すると、ミラクルのお腹の辺りにかざしてそれを放つ。
「きゃあっ!」
ミラクルは駆け出したマジカルの方へ勢いよく飛ばされ、彼女を巻き込んで壁に叩きつけられる。
「「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」
それと入れ代わるようにフラストが放った火球が勢いよくディザルに飛んでいき、爆発音と共に炎と煙が上がる。その爆発音でことはが目を覚ます。
「う・・・私・・・」
「ことは!今助ける!」
そう言ってことはに駆け寄ろうとしたフラストの背後から火球が飛んでくる。フラストはそれに気づき、障壁を張るも勢いにおされて吹き飛んでしまう。
「フラスト様!」
煙の中から影が現れる。フラストの火球を受けたにも関わらず傷一つないディザルだった。
「そ・・・そんな!」
「どうして!?」
フラストに合流したミラクルとマジカルはそんなディザルの姿に驚きを隠せないでいた。
「確かにそれなりに力はつけたようだけど、僕を倒すのは無理だね。」
余裕の笑みを浮かべるディザルにフラストはまだまだと言わんばかりに魔法を放つ。それをあえて避けようとせずゆっくり歩むディザル。するとフラストの放った魔法は、彼の前で何故か掻き消えてしまった。それを見たマジカルはある結論にたどり着く。
「まさか・・・吸収しているの?」
「ご名答。さて・・・君に魔力を返してあげよう。それをもって・・・あの世にいる家族や同郷の仲間に合いに行ってこい!」
ディザルは3人を結界の中に閉じ込める。
「くっ・・・!」
「「あっ!」」
そしてディザルは吸収した魔力も込めた巨大な火球を形成する。
「やめて!お願いやめてぇ!」
ことはは涙を浮かべながら必死に暴れる。しかし、それで鎖がどうにかなるはずもない。
「これで・・・終わったと思うな・・・!」
フラストはディザルを睨み付ける。
「それはなに?遺言かな?じゃあ、さようなら。」
ディザルは火球を放つと火球はゆっくりと飛んでいく。それはやがて3人を閉じ込めていた結界を砕き、爆発を起こす。
「っ!」
それから程なくして視界が開ける。ことははすぐに火球の着地した場所に目を向けるがそこに3人の姿はなかった。
「い・・・いや・・・」
「安心しなよフラスト・・・君に代わってこの世界は僕が支配してあげるよ。ふふふ・・・あはははは!」
「ミラクル!マジカル!フラスト様ぁ!嫌あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ディザルの笑い声とことはの絶叫がボロボロになったアジトに響き渡る。