しばらく進み、入り組んだ部分も抜けて後は多少曲がりくねっているものの一本道を突き進むだけだった。爆発音と揺れは間隔が短くなってきており、それが魔法使いの不安をさらに煽る。もはや、ミラクルとマジカルの目にも明らかに動揺しているのが見えた。
「マジカル・・・」
「うん・・・」
ふたりはお互い見つめ合い、頷くと魔法使いに話しかける。
「フラスト様の所に行って。」
「へっ?」
「心配なんでしょう?フラスト様の事が。」
魔法使いはここでようやく自分が動揺を隠せていないことに気づき、渋々ながらも認める。
「私達なら大丈夫!必ずはーちゃんを助け出して見せるから!」
「だからフラスト様をお願い!」
魔法使いはふたりに背を向けて少し考え込む。そしておもむろに魔法陣を展開する。
「入り組んでいた部分は既に抜けました。後はそのまままっすぐ進めばたどり着けます。どうか頼みますぞ。」
「うん!」
「任せて!」
その力強い返事を聞いた魔法使いは魔法陣の上に乗り、一言、ありがとうと呟いた後転移した。
「マジカル!行こう!はーちゃんを助けに!」
「えぇ!行きましょう!」
ふたりは隠し通路の出口を目指して走り出す。
「くっ・・・!」
一方フラストはディザルの魔法を避け続けていた。ディザルは狂ったように笑いながらフラストを狙って魔法を放つ。
「どうしたどうした!最初に魔法を撃ってから全然撃ってこないじゃねぇか!ほら!もっと撃ってこいよ!」
しかし、フラストは反撃の素振りすら見せない。ただひたすらディザルの放つ魔法を避けたり捌いたりしていた。
「まぁ撃ったところで吸収するけどな!それとも俺様の魔力が尽きるのを待っているのか?だとしたら無駄だ!俺の魔力は無くならない!俺の魔力は無限に溢れてくるんだ!」
フラストは驚く素振りを見せつつも魔法攻撃を避け続ける。
《魔力が無限?有り得んな・・・必ず何か仕掛けがあるはず・・・相手の魔法を吸収して魔力を回復・・・ということなら魔法で攻撃しなければ魔力は尽きるはず・・・にも関わらずこちらが魔法による攻撃を中断しても尚、平然と攻撃魔法を・・・しかもあんなに長い時間撃つとは・・・》
フラストは考えることに集中してしまい、回避が疎かになり始める。彼はディザルの放った魔法に行動範囲を制限され、徐々に追い詰められていることに気がついていない。
「見えた!もらったぞ!」
「フラスト様!危ない!」
ことはの叫び声にフラストが顔を見上げた頃には魔法の炎が直撃コースを通ってまっすぐフラスト目掛けて飛んでいた。しかしそれは突如として吹いた突風に掻き消された。
「フラスト様、ご無事ですかな?」