翌日、ふたりはベッドの中で昨日の事を思い出し、自己嫌悪に陥っていた。
「どうして・・・あんな事を・・・」
「私・・・おかしくなってきてる・・・」
とりあえず身支度を整え、部屋から出ていったふたりは廊下で顔を合わせると喧嘩したわけでもないのにふたりの間に気まずい空気が流れる。
「お・・・おはよう!リコ!」
「お・・・おはよう・・・みらい・・・」
再び沈黙が襲う。それぞれが罪悪感を抱いて相手に掛ける言葉が見つからなかった。
「ごはん食べないど遅刻しちゃうモフ。」
見かねたモフルンが声を掛ける。ふたりはハッとなり、お互い顔を見合わせて頷く。親達の前では普通を装って朝食を済ませ、学校に向かった。通学途中、リコは辺りを見渡し、他に人がいないか確認した後意を決したように口を開く。
「ねぇ・・・みらい・・・」
「何?」
決意が鈍り、また少し沈黙するがリコは声を振り絞った。
「・・・見た?」
「!な・・・なんのこと?」
みらいはそれが昨日の事だと確信し、心臓が跳ねるのを感じたが、精一杯の気遣いなのかわざと知らないフリをした。
「見たの?私がひ・・・ひとりで・・・その・・・してるところ・・・」
リコは真剣な表情で改めて問いかける。途中で恥ずかしさからか顔が赤くなっていく。核心に迫るリコにみらいの心臓がさらに跳ねる。そして観念したように口を開く。
「・・・ごめん・・・見るつもりじゃ・・・なかったんだけど・・・」
「・・・そう・・・」
それだけ呟くとリコは俯き、それ以上は追及しなかった。
「で・・・でもね?その後・・・私も・・・し・・・しちゃったの・・・」
「えっ?」
みらいも意を決して告白するとリコは驚いて顔を上げる。みらいはさらに続ける。
「リコのを・・・見てたら・・・胸がドキドキして・・・そのまま部屋に戻って・・・気が付いたら・・・」
みらいは目尻に涙を浮かべ始める。リコはぎょっとなってみらいの顔を覗き込む。
「私・・・怖いの・・・だんだん・・・自分が自分じゃ・・・無くなっていくような気がして・・・昨日のあれだって・・・今まで考えもしなかったのに・・・」
みらいは立ち止まり、肩を震わせ泣きじゃくる。リコはそんなみらいを力強く抱き締める。
「っ!」
「そんなの・・・私だって・・・同じよ・・・私だって・・・怖いわよ!怖いに決まってるじゃない!でも・・・私達がやらなきゃ・・・私達意外に・・・戦える人はいないのよ・・・」
みらいはリコの身体が震えていることに気づき、怖いと言うのが本心であることに気づいた。
「リコ・・・ごめん・・・そうだよね・・・そんなこと・・・少し考えればわかることのはずなのに・・・ごめんね・・・」
そういってリコを抱き返す。
「みらい・・・あなたが悩みを話してくれて良かった・・・私達はひとりで戦ってるんじゃない・・・それだけは・・・何があっても忘れちゃいけない・・・」
「うん・・・」
ふたりは身体を離して再び学校を目指す。