「ミラクル・・・あなたは・・・あなたはどうするつもりなのよ!」
真剣な面持ちでマジカルが叫ぶ。ミラクルが自身を犠牲に自分達を助けようとしているのは何となく察しがついていたが、納得出来なかったのだ。
「嫌なの・・・」
「え?」
マジカルはミラクルの顔を覗き込む。彼女はボロボロと涙をこぼしていた。
「もう・・・これ以上マジカルが・・・友達が傷付く所なんて見たくない!・・・見たく・・・ないよぉ・・・」
「ミラクル・・・あなた・・・馬鹿よ!」
マジカルが思わず叫ぶ。
「えっ?」
「あなた・・・私達が傷付く所見たくないっていったけどねぇ・・・そんなの・・・私だって嫌に決まってるでしょ!私だって・・・ミラクルが傷付く所なんて見たくないわよ!」
リーアはそんな二人のやり取りを明らかにつまらなさそうに頬杖をつきながら見ている。
「はぁ・・・茶番は終わったかい?ったくくだらないねぇ。」
その声と表情は苛立ちを称えている。
「そんなに言うならチャンスをやるよ。」
「チャン・・・ス・・・?」
リーアはミラクルの拘束だけ解くと乱暴に髪を引っ張る。
「いたっ!」
それと同時にマジカル達に転移魔法を掛けて転移させる。
「マジカル!モフルン!」
「お前はこっちだよ!」
リーアは再びミラクルの髪を引っ張り、階段を降りる。
しばらく降りた後とある場所につく。そこはまるで闘技場のようになっていた。そのど真ん中でリーアはミラクルを開放する。
「お前には今からここであたしの用意したモンスターとひとりで戦ってもらうよ。あんたがモンスターを倒せたらあんたの勝ち。お望み通り皆開放してやるよ。」
ミラクルはひとりでという部分に寂しさと心細さを感じたが、マジカル達を助けるためと払拭し、ルールを聞く。
「私が勝ったら・・・本当に皆を開放してくれるの?」
「あぁ・・・ただし・・・時間制限があるけどねぇ!」
リーアが指を鳴らすと巨大な爆弾が現れる。爆弾にはモフルンが磔にされていた。マジカルはその向かいにある透明なボックスに閉じ込められていた。
「モフルン!」
「何・・・これ・・・どうなっているの?」
マジカルはボックスから脱出しようと攻撃するがボックスはびくともしない。ここでようやく催眠術が解けたのかモフルンが目を覚ます。
「モフ?わぁ!どうなっているモフ!?」
「「モフルン!」」
モフルンは慌てた様子で拘束を解こうとするが無理だった。
「あまり暴れない方がいいよ。あんたは今爆弾に拘束しているんだからねぇ。」
「ば・・・爆弾モフ!?」
「ば・・・爆弾ですって!?」
マジカルの表情に焦りの色が見える。モフルンに至っては青ざめていた。
「こいつが爆発する前にモンスターを倒すんだ。伝説の魔法使い様ならわけないだろうさ!」
「わかった・・・!」
ミラクルは頷く。リーアは魔導書を開き、呪文を唱える。すると金網が周りを囲むように現れ、壁や天井を作る。それと同時にミラクルの前にゴリラのような巨大な怪物が現れた。