※この作品はR-18です。

魔法つかい墜つ   作:フリフレ

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異変11

「何あれ・・・ヨクバールとは違う・・・あんなのと・・・ミラクルはひとりで戦うの?」

 

ヨクバールよりも明らかに強そうなその怪物を見てマジカルは戦慄する。一方ミラクルはその怪物を真剣な面持ちで睨む。

 

「それじゃあ始めな!戦闘開始!」

 

リーアがマジカル達を拘束している爆弾に火をつけた。怪物は待ってましかってたと言わんばかりにミラクルに向走りながら殴りかかる。

 

「っ!」

 

ミラクルはジャンプして避けると、腕の上に乗り、走り出す。

 

「はあぁぁぁ!」

 

ミラクルはその勢いのまま怪物を殴る。が、びくともしなかった。

 

「効いてない!?」

 

驚くマジカルを他所にみらいミラクルはひたすら殴り続ける。怪物はミラクルを掴むと乱暴に地面目掛けて投げつける。

 

「きゃあぁぁぁ!」

 

ミラクルは思い切り地面に叩きつけられ、砂煙が上がる。

 

「ミラクル!」

 

マジカルはどうにか拘束を解こうと試みるがびくともしない。

 

「くっ・・・はあぁぁぁ!」

 

立ち上がり、再び怪物目掛けて殴りかかる彼女に怪物の巨大な拳が襲いかかる。

 

「はっ!きゃあぁぁぁ!」

 

サイズ差の開いた拳に対抗出来るはずもなく、そのまま殴り飛ばされるミラクル。その身体が金網に叩きつけられた瞬間、金網から電流が流れる。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

「ミラクル!」

 

身体から煙を出しながら落下し、倒れるミラクル。

 

「ふふふ、ほらほら呑気に寝てる場合かい?友達の命が懸かってること、わすれちゃいないだろうねぇ?」

 

「うっ・・・」

 

ミラクルは気力を振り絞り、何とかダメージで重くなった身体を起こし、立ち上がる。

 

「あなた・・・元から私達を開放するつもりなんてなかったんでしょ!」

 

マジカルは今までに無いくらい怖い顔でリーアを問い詰める。リーアは臆することもなく答える。

 

「何を言ってるんだい?あたしが人の男に手を出すような大罪人を逃がすと思ってるのかい。甘いねぇ!あの金髪の娘は実際良い声で鳴くし、もう少し堪能した後で殺す。その次はお前だ!」

 

再び高笑いするリーアをマジカルは睨むことしか出来ず、悔しそうに唇を噛み締める。

 

「うわあぁぁぁぁ!」

 

その間にも怪物のミラクルへの激しい猛攻は続く。ミラクルは刻印虫の効果もあってか最早無抵抗に等しかった。だが怪物は無情にもそんな彼女の身体を地面や金網に叩きつける。

 

「ミラクルー!」

 

「ミラクル・・・やめて・・・やめてぇー!」

 

見ていられなくなったのかモフルンとマジカルが叫ぶ。マジカルに至っては涙を流していた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・!」

 

ミラクルは歯を食い縛り、震えながらも立ち上がるが、見るからにそれだけで精一杯だった。

 

「そうこなくっちゃねぇ~。」

 

満足そうな笑みを浮かべると再び怪物に指示を出す。怪物は再びミラクルに襲いかかる。

 

「リンクル・・・ステッキ!リンクル・・・タンザナイト!」

 

リンクルステッキから放たれたまばゆい光に怪物は怯む。ミラクルは可能な限り素早く動き、怪物の背後にまわって渾身の力を込めて殴りかかる。

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

ミラクルは全力で殴ったつもりだったが、ダメージや快楽が蓄積されているせいか怪物は全く動じなかった。

 

「そんな・・・!」

 

攻撃が通らず絶望するミラクル。それでもマジカル達を助けるためとどうにか保ち直し、何度も怪物の背を殴り続ける。

 

「あはは!あがけあがけ!もっともっと無意味な抵抗をして見せるんだよ!」

 

リーアは笑いながら煽る。マジカルは必死にボックスを破壊しようと奮闘していた。

 

「壊れて・・・!壊れてよ!このままじゃ・・・ミラクルが・・・大切な友達が!」

 

しかし無情にもボックスには傷ひとつつかなかった。

怪物は突然振り向くと同時に裏拳でミラクルを殴り飛ばす。

 

「きゃあっ!あぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

ミラクルは金網に叩きつけられ、再び電流が走る。

 

「う・・・っ・・・」

 

ミラクルはそのまま落下して倒れる。最早指先1本動かす体力も無かった。

 

「ミラクルー!」

 

モフルンは涙を浮かべながら暴れだす。爆弾は爆発するまで猶予がほとんどなかった。ミラクルとモフルンの状況を見てマジカルはボックスの中で座り込む。

 

「お願い・・・誰でも・・・誰でもいい・・・ミラクルを・・・モフルンを・・・はーちゃんを・・・助けて!」

 

マジカルは泣きながら懇願する。するとそれに応えるかのように奥から眩い緑色の光が放たれた。

 

「な・・・なんだ!?」

 

リーアは思わず目を閉じる。段々強くなるその光の中心にはリンクルスマホンともうひとつ・・・

 

「はっ・・・とっても甘い匂いがするモフ!」

 

「えっ・・・」

 

驚き、リンクルスマホンに視線を向けるマジカル。その傍らには、リンクルストーン・エメラルドがあった。

 

「エメラルド・・・!ど・・・どうして?」

 

マジカルはさらに驚く。自身がナシマホウ界に来た理由でもあったエメラルド。それが今まさに彼女達の目の前に現れたのだ。

 

「あれがバッティの言っていたエメラルドとやらか!ちょうど良い。奴らへの手土産がまた増えそうだよ。」

 

「っ!ダメっ!」

 

エメラルドに手を伸ばそうとするリーアだったが、それを拒絶するかのように光が強くなる。その光は怪物に爆弾、金網にボックスとリーアの魔法で作り出されたものが全て消滅した。

 

「うっ!?バカな!」

 

「ミラクル!」

 

「ミラクルー!」

 

開放されたマジカルとモフルンは迷わずミラクルの元に集まり、マジカルがミラクルを抱き寄せる。

 

「マジ・・・カル・・・モフ・・・ルン・・・」

 

「ちっ!だがエメラルドは・・・!」

 

エメラルドに手を伸ばすリーアだったがエメラルドはリンクルスマホンごと消えてしまった。

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