「あなたは・・・フラスト!えっ・・・どうして!」
マジカルは心底驚く。敵であるはずのフラストがリーアの攻撃から自分達を守ったからだ。
フラストは特に答える事もなく呪文を詠唱すると風が吹く。マジカルは警戒するが、その風はふたりの怪我を治した。
「何故だ!フラスト!やっぱりそいつらが・・・」
「リーア・・・やってくれたな・・・!俺の性奴隷達を拉致して殺した挙げ句、俺が狙っているプリキュアをも・・・」
フラストの目と声には怒りが含まれていた。
「うっ・・・」
身体が回復し、ミラクルは身体を起こすとマジカルに駆け寄る
「ミラクル!」
マジカルもミラクルに駆け寄る。
「マジカル・・・何が・・・どうなってるの?」
「わからない・・・けど・・・油断しちゃダメよ。」
ミラクルは頷き、ふたりはフラスト達の会話に耳を傾ける。
「貴様に聞きたい事はひとつだけだ・・・刻印虫の駆除の仕方だ。お前・・・あの虫をふたりの身体の中に仕込んだだろ?」
ミラクルとマジカルはビクッとなり、青ざめる。ここでようやく刻印虫の存在を知ったのだ。ふたりの視線は自然と自身のお腹に向けられていた。
「刻印虫とはなんなのです?ふたりの身体に一体何がおこっているのですか?」
震えるミラクルとマジカルに代わり、フェリーチェがフラストに尋ねる。
「一部の魔導師だけが扱える虫だ。そいつは寄生した女の子宮に居座り、男の精液を貪る淫乱にさせる効果がある。と言うのが本来の効果だがお前の事だ。このふたりには改良種を入れたのだろう?」
フラストが問い詰めるとリーアは諦めたかのように溜め息をつき、答える。
「そうだよ。改良に改良を重ねて作り上げたのさ!性欲を高め、物理的ダメージを快楽に変換させる刻印虫をね!そいつをこいつらが呑気に寝ている間に仕込んでやったのさ!」
今まで疑問に思っていた事の答えが突然明らかにされ、ミラクルとマジカルはさらに驚く。
「じゃあ今までのは全てあなたの仕業だったのね!身体が熱くなるのを先生やクラスメイトに誤魔化したり、ヨクバールにも勝てなくなってて大変だったんだから!」
「黙りな小娘!あたしのフラストに色目使うのが悪いのさ!殺すのは諦めてやる。だがね。あの刻印虫はあたしがどこにいようと強化出来るのさ!覚悟しな!死んだ方がマシだと思うくらいお前らを快楽漬けにしてやるよ!」
リーアは高笑いする。フラストはふたりのやりとりにリーアが自分の問いに答える気がない事を悟ると、リーアの肩に触れ、引き寄せる。ふたりは見つめ合う体制になる。
「今一度問う。刻印虫を駆除する方法を教えろ。」
フラストは自白用の催眠術を掛けながら問い詰める。リーアは突然の出来事にまんまと催眠術にかかり、口を開く。
「・・・精液・・・こことは・・・違う・・・異世界の・・・男の・・・大量の・・・精液・・・」
「そうか・・・」
フラストはリーアから離れると巨大な火球を出すと同時に催眠を解く。
「はっ!ふ・・・フラスト・・・そ・・・それはなんだい?」
火球に込められた殺意にリーアはたじろぐ。
「聞くことは聞けた。もうお前に用はない。お前は俺の計画の邪魔でしかない。だからここで殺す。」
「なんで!なんでこんな小娘共なのよ!なんであたしじゃないのよ!あたしの方があなたをこんなに愛してるというのに!」
リーアは泣きながらわめき散らす。それを見ても尚、冷静な表情のままフラストが答える。
「付き合っていられんといっている。お前の戯れ言に、独りよがりの恋に。」
リーアは言葉を詰まらせる。フラストは火球を放つとゆっくりリーアに迫る。
「さよならだ。リーア。来世では本当の恋愛というものを知られればいいな。」
淡々と言い放つフラスト。その台詞が終わった瞬間、火球は急加速した。
「フラストー!」
火球はリーアを彼女の断末魔ごと呑み込み、燃やし尽くす。ミラクル達は思わず目を閉じる。