※この作品はR-18です。

鉱山で働く奴隷の少女の話   作:、みん

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 坑道の一角、坑道から他の坑道への分岐点にあたる広い空間に、採掘したものを一時的に溜めておく場所がある。そこでは、坑道の入り口から奴隷たちが常に出たり入ったりを繰り返しており、広間には常に土砂の山が築かれていた。

 ミナが土砂を山に捨てて、軽くなったかごと共に帰ろうとしたとき、突然背中に鞭が飛んできた。さすがに驚いてミナが振り返ると、鞭の主と見られる衛兵が他の奴隷にも鞭を振り回しながら怒鳴り散らしている。

「見て分からないのか。山が高くなってるだろ。さっさと片付けろ!」

 ミナは持っていたかごを近くに放り投げると、言われるがまま土砂の山から鉱石と土石を選別する作業に取りかかった。土砂の山の周囲には土嚢袋が落ちており、ミナはその中の一枚を掴むと土を土嚢袋に詰め始めた。土を掻き出す細い指は血で滲んでいる。土嚢袋がいっぱいになり、力を振り絞って立ち上がり、土嚢をトロッコに積んで新しい土嚢袋を掴む。それを土砂の山がなくなるまで繰り返す。ミナは早く終わらせようと、手早く土を掻き出した。

 その様子は、衛兵にはある程度好意的に見られたようだ。

「真面目に働いているな。まあ当然のことだが、奴隷はそうでなくちゃいかん」

 ミナは聞こえないふりをしたが、衛兵は反応が乏しいことがつまらないのか、さらに質問してきた。

「どうだ? 世のため人のために無償で奉仕できて嬉しいか?」

 ミナは一瞬、かっと熱くなるものを感じた。土を掴んだ手がより強く握られた。しかし、聞かれたからには答えなければならない。それも、衛兵が喜ぶ模範解答でだ。ミナは土を握り締めたまま、無理に笑って言った。

「もちろんです。このような場所で働くことができて光栄に思います。どんなことでもお申し付けください!」

 それを聞いて衛兵はげらげらと笑った。この状況が楽しくて堪らないようだ。

 ミナは土でいっぱいになった土嚢袋をまたひとつ持ち上げてトロッコに積み、次の土嚢袋に取りかかろうとした。

「この土嚢はこの坑道の奥に運び込め」衛兵が示しているのは、土砂を坑道から排出するための設備がある坑道とは別の坑道だった。「水が溢れ出した。土嚢で埋め立てておくように」そう言って衛兵は、土嚢を持ったまま足を滑らせて転んだ少女を強引に引っ張って立たせると鞭で打った。

 

 土嚢を積んだトロッコはミナを含む数人の奴隷に押されてゆっくりと進んで行く。トロッコの重さでレールが歪む。衛兵はミナたちの後を追いながら、ときどき罵声と鞭を浴びせてきた。

「おい、全然進んでないじゃないか! もっと力を入れて押せ!」

 衛兵の鞭がミナの横にいる少女の背中にあたり、少女は仰け反った。衛兵はこの少女が気に入ったのか、数人いる奴隷の中でもこの少女を集中的に狙っているようだ。少女の額からは汗が滴り落ち、呼吸は荒く、足元もおぼつかない。しかし、衛兵はお構い無しに鞭で叩き続けている。ミナは一瞬、横にいる少女を心配して見たが、衛兵はその一瞬の動作も見逃さなかった。

「おまえはよそ見をするんじゃない! 力を入れろ!」

 今度はミナの背中に鞭があたった。ミナの身体が痛みに反応して仰け反り、そして元のうなだれた体勢に戻る。ミナは横で苦しんでいる少女のためにも早く仕事を終わらせようとトロッコを力いっぱい押した。トロッコはわずかに速度を増したが、衛兵はまだ不満なようだ。

「さっき手を動かしてたみたいに足を動かせばいいだろう!」と言って、衛兵はミナの背中を鞭で何度も叩いた。

 ミナの内にまた熱いものが込み上げてきた。落ち着かないといけない。そうミナが思い始めたときだった。

「おい聞いてるのか!?」衛兵は言いながらミナの束ねられた髪を掴み、そのまま上に引き上げた。

「きゃあっ!」悲鳴を上げたミナは、次にまだ収まっていない怒りに任せて叫んだ。「やめて、放して! 髪に触らないで!!」

 衛兵はそれを聞いて髪を掴んだままミナを坑道の脇に放り投げた。ミナは砂利の上に叩きつけられる。ミナは怒りは収まったが、代わりに恐怖に支配された。衛兵に対する口の聞き方を誤ったからだ。

「汚ない髪だな」衛兵は髪を握っていた方の手を眺めて言った。

 ミナはすぐに立ち上がり、「ごめんなさい」と言って、少し先へ進んだトロッコを追いかけようとした。が、先程よりも強く頭を引っ張られる感覚にミナの身体は硬直しきってしまった。衛兵は再びミナの髪を掴むと、手を捻ってミナの背中を衛兵とは反対側に向けた。ミナの目には涙が浮かび、身体は震えている。しかし、こうなったからにはどんな罰でも受け入れると意を決したのか、表情には強い覚悟が感じられる。

「おまえは奴隷にしては物分かりがいいようだな」衛兵はミナの表情を見て言った。「それじゃあ来てもらおうか」

 衛兵はミナの髪から手を放すと、今度は腕を掴んで懲罰房へと向かった。

 

 ミナは嫌な感じがしていた。これまでにも何度も懲罰房に連れて来られたことはあるが、そこには様々な苦痛を与えることに特化した道具が置かれていた。しかしここにはそういった物は何も無い。壁の石レンガがむき出しになっている。ミナを拘束しているのも、壁から長く伸びる左手首の手錠だけで、動こうと思えば部屋の端から端まで動き回ることができた。なぜここまで拘束が緩いのか。普通ならいくつもの金具で壁に磔にするはずである。

 そんな殺風景な部屋に衛兵が入って来たのは、いろいろと考えを巡らして、ミナが以前にある奴隷から聞いた話を思い出した頃だった。

「おとなしくしていたか?」衛兵が言った。手には見慣れない道具をいくつか持っている。

 ミナは声のした方に振り返った。

「怖がらなくていい。俺は手荒なことは好かない性分でね」

 先ほどまでの、そしてどの衛兵とも違う柔らかい口調にミナは呆気に取られてしまった。しかし、警戒心と緊張感はまだミナの表情に色濃く表れている。

「何も言わないのか? 抵抗しないと苦痛を味わうことになるが」

 何かを言っていいのならばと思いミナは言った。「手荒なことは好かないって、さっきまでの態度はなんなの?」

 衛兵に攻撃的な気配がなく、禍々しい道具も持っていないので、ミナは衛兵に対して敬意を表さなかった。だが、言ってから殴られるかもしれないと思った。

「仕事だからな。好きなことばかりじゃないさ。真面目に働かないと俺の首が飛ぶんでね」

「私を死ぬまで働かせることが、あなたの真面目なの」

「生かしてる、と言ってほしいね。犯罪者、異民族、戦争孤児、放っておけば野垂れ死ぬ子供ばかりだ」

 柔らかいのは口調だけ、所詮こいつも他の衛兵と同じだとミナは思った。

「金の採掘だ。世の中に富をもたらし、人々の暮らしはますます豊かになる。素晴らしい」

 今まで暴力を振るわれた衛兵の中でも最低の部類かもしれない。

 ミナはこの衛兵と話をするのがいやになってきた。まだ仕事が残っている。早く終わらせてみんなのところに戻りたい。ミナは衛兵に背中を向けて言った。

「五十? 六十? それとも鞭じゃない何か? 何でもいいから早く終わらせて」

 

 衛兵は懐から液体の入った小瓶を取り出し、蓋を開けて布を巻いた棒を液面に浸した。そして、ミナの正面に回りながら、「さっき、抵抗しないと苦痛を味わうと言ったが」片方の手でミナの頭を掴むと、濡れた棒の先端をミナの右の鼻の孔に、次に左の鼻の孔に突っ込んだ。「苦痛になるようなことはしないから安心しろ」

 ミナは驚いて、鼻についた液体を鼻水のようにすすってしまった。

「いいのか? そんなに吸って」

「あっ、なにこれ」ミナはむせながら言った。

「そうだな、吸う惚れ薬、とでも言っておこうか。鼻の内側に塗っておくと効果が安定するんだ」

 惚れ薬、それを聞いてミナは先ほど思い出しかけていたことを思い出した。

 懲罰は暴力や暴言の他に、いわゆる性暴力的なものもあるということだ。その場合は暴力的な道具は用いられないため、通常とは違う懲罰房に送られるという。

 ミナは自分が受けることになった懲罰を唐突に理解し、覚悟ができていなかったので逃げ出した。

「やめて、近づかないで!」

 しかしここは密室だ。逃げることはできない。衛兵はミナに繋がった鎖を手繰り寄せた。

「だから痛くないって。薬も効くのが早い分、切れるのも早いから」

「早いって、どれくらい?」と聞いたが、ミナは早くもほろ酔い状態になっていた。

「早速、薬が効いてるな。この量だと一時間くらいで切れる」続けて衛兵は細く小さな棒を取り出しながら言った。「時間がないから激し目にさせてもらうな」

「苦痛はないってさっき言った」

「ああ、発言が二転三転するが、ちょっと痛いかも。まあできるだけ痛くないようにするから」そう言って衛兵はミナの腋下を掴んだ手の親指で乳首を弄り始めた。

「あ、あっ、」ミナは衛兵の手を振りほどこうとするが、甘い声が漏れるだけで力が入らない。

「完全に薬が入ったな。ちょっと触っただけで乳首が反応してる」衛兵は左手で腋下を掴んだまま、今度は右手をミナの股へと移した。「こっちはどうかな」

「そ、そこは、」

「大丈夫。後ろの方は汚れが酷いから弄らないでおく」衛兵はミナの股の間を小刻みに擦りながら言った。衛兵はあるとき、指に突起があたるのを感じた。指が引っ掛かるたびにミナは声を漏らす。衛兵は思いきって突起を指で摘まんだ。

「ふあぁっ!」ミナはひときわ大きな声で喘いだ。

 ミナの反応を見て衛兵は何かに気がついたようだ。

「初めてとは思えない反応だな。さては毎晩一人でやってるな」

 今のミナに正常な思考は難しい状態だが、それでも衛兵の言葉には反応せざるを得なかった。

「ち、ちがう。こんなの知らない」

「あるいは友達とやってるとかか。どちらにしても奴隷にはそんなことを覚える機会は無いはずなんだがな」

 突起を摘まむ衛兵の指にさらに力が込められた。

「やめて、いまそれ以上やったら、もう、」ミナは身体を捩らせ始めたが、衛兵も逃がすまいとミナの身体を壁に押さえつけた。

「もう、なんなんだ?」

 突起を摘まむ衛兵の指の動きが激しさを増す。

 ミナはもう我慢の限界だった。衛兵もその我慢が破れるまでもう一息と断じて、思いっきり突起を摘まみ上げた。しかしミナは今度は声を出さず、代わりに身体が反応した。ミナの股の間から大量の温かい水が漏れ出し、石の床を濡らす。ミナは失禁した。

 衛兵は反射的にミナから離れ、意外だというふうにそれを眺めていた。が、すぐに状況を理解した。

「そういえばおまえたちにとっては貴重な水源だったな。ごめんな、気がつかなくて」

 ここでは人前で排泄するなど、奴隷にとってはなんの苦でもないが、今のミナはそれを死にそうなくらい恥ずかしく感じていた。それも衛兵には関係のないことだ。

「けど、本番前でよかった」そう言って衛兵は先ほど用意しておいた細い棒を持った。

「本番?」顔を真っ赤にしたミナはまだ何かあるのかという感じで尋ねた。

「それに濡れて滑りやすくなってるかもな」

 衛兵は棒の先端を水が漏れ出た裂け目に差し込んだ。

 衛兵からの異常な辱しめを受けたミナの心には、久しく封じ込めていた思いが甦ってきていた。自分を痛めつけた相手に同じ思いをさせてやりたい。ミナはその思いで衛兵を睨み付けた。

「なんだその目は。反抗的になるのは責めが軽いということか」衛兵は少し考えて言った。「やっぱり痛くしないと奴隷には分からないらしいな。残念だよ」

 衛兵は棒を裂け目の奥に半ば強引に捩じ込んだ。ミナは異様な痛みに襲われ、それまでの恨みもどこかへ吹き飛ばされた。

「薬が効いててもさすがにこれは痛いか」衛兵は棒を刺したり引いたり捩ったりしながら、同時に突起も弄り始めた。棒が中で擦れるたびにミナは悲鳴を上げ、同時に快感も味わうことになった。

「いい鳴き声だ。よほど気に入ったようだな」

 

 懲罰房が静かになるまでそれほど時間はかからなかった。ミナはずっと棒と衛兵の指に責められ続けているが、今はもうほとんど快の感覚しかない。

「そろそろ薬が切れる頃だな」衛兵が言った。

 最後に棒を思いっきり中に擦りつけながら引き抜いたが、ミナは鞭で打たれたときのように身体をくねらせただけだった。

「やばい、さすがにやり過ぎたか。立てるか? まだ仕事が残ってるだろ」

 衛兵の問いにミナは反応しない。衛兵の言う通り薬は切れたはずだが、表情は恍惚としたままだ。衛兵は手荒なことは好かなかったが、これも仕事だと割り切ることにした。ミナのお腹に鞭が振り下ろされ、いつもと同じ痛みにミナは正気を取り戻していった。

 辛うじて立ち上がったミナに衛兵は言った。「何をすべきか分かってるよな」

 ミナは「はい」とだけ答えた。トロッコに積まれた土嚢を下ろし、水溜まりを埋め立てる。

 ミナは走り出した。

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