次から本格的にリョナっていきたい。
「あぅうう」
渋谷凛は息を漏らした。
ここに閉じ込められてどのくらい経っただろう?
仲間たちは無事なのか。
すべてがわからなかった。
不思議な世界に迷い込んで浮かれていたのもつかの間、仲間たちと罠を踏んでしまったと思えば気が付けば盗賊のような者たちに捕らえられていたのだ。
帝国の私兵なのかもしれないがどうか分からない。
裸で壁に鎖で貼り付けられて身体の自由はない。
鞭で何度も打たれ体中に血がにじんでいる。
耐えかねて別の世界から来たことを話すと、怪しい機械で体中を調べられ男たちは喜んでいた。
もとの世界に戻る方法を知っているんじゃないかと思ったが、彼らにはそんな気があるとは思えなかった。
仲間には手を出さないで、と自分の身を差し出したが相手が約束など守るか心配だった。
「やあ つらそうだね」
「あなたはっ」
がちゃんと独房のドアがあけられ枯れ木がローブを着たような男が入ってきた。
「どうなっているの 卯月と蘭子は無事なの?」
「とりあえず君のようにひどいことにはなっていないよ。安心したまえ」
「本当よね あと早くここから出して」
「それについて話に来たのだよ」
男は一枚の紙を凜に見せていった。
「きみは別の世界でアイドルをしていたのだろう?しかも剣士としての腕もある これに勝ったら開放してやってもいい。
アイドルとして地下闘技場のイベントを盛り上げてもらうよ。私はそのプロデューサーみたいなものだ」
「本当?嘘じゃないのね」
「もちろん勝てばという条件付きさ 何もしなければそのままだよ」
「わかった うけるわ 絶対に勝ったら解放しなさいよね」
「いいだろう それじゃあ準備を始めよう」
凜はその話に飛びつくしかなかった。仕方の無いことだろう。そのままでは解放される望みはない。
たとえ罠だとしても。
まず、準備として凜は風呂に入れられた。
しかし、ただの風呂ではなかった。
全裸の状態で拷問部屋の真ん中に用意されたバスタブに入れられたのだ。
「見ないで お願い」
「さっさと洗え」
「いまさら減るもんじゃねえだろ」
「俺たちが洗ってやってもいいんだぜ」
拷問係たちの罵声が飛ぶ。
何を言っても無駄だと気づき凜派無言で洗い始める。
拷問係が言っていた癒しの水が入っていたのか傷の痛みは消え去った。
傷口もあっという間に腫れが引き治っていった。
なんでこんな奴らがこんな水を持っているのかが分からなかった。
洗い終わったところで、今度は体に香油を塗らされた。
良い香りだが、怪しい香油だった。
そして、
「なによこれ」
「戦う時の衣装だよ 君が選んでいいよ」
「そんな、私に裸で戦えって」
「貞操帯には君の戦いをサポートしてくれる薬が仕込まれている。何も無いよりいいだろう?
景品は仲間だからよく考えて選んでくれよ」
全裸か貞操帯に剣と盾、そして体のデータを取るための首輪。それが選べる装備だった。
貞操帯にはディルドが仕込まれ両穴から薬を摂取する。
試合の内容はモンスター100体を倒すというもの。50体倒すと卯月を、100体倒せば蘭子を解放してくれるというのだ。
もし負けたら自分はモンスターに殺され卯月と蘭子はどうなるかわからない。
絶対に負けるわけにはいかった。
「くっ わかった それならこっちよ」
それすらも罠だと知らずに。
ついに地下闘技場に凜は降り立った。
貞操帯に首輪、そして剣と盾の装備だった。
「いやっ 恥ずかしい」
貞操帯と首輪以外に何も纏っていない姿は刺激的だ。
地下闘技場で観客は直接は見ていないが映像も撮られている。
必死で胸を隠すがそれでは戦えない。
そして、説明を受ける。
凜は驚愕した。
「卯月、蘭子!」
二人の仲間が2箇所で別々に拘束されていたのだ。
眠っているようで動かない。
「そんな 話が違うじゃない」
「この試合で解放するんだ。言っただろう景品は仲間だとね」
「勝ったら自由にしてくれるんでしょうね?」
「それは君しだいだよ。君自身も含めてね」
「わかったわ 勝てばいいんでしょう?」
凜は入場していく。
「そう 仲間はね」
男の最後の言葉は凜には聞こえていなかった。
まず、最初は低レベルのゴブリン5体だった。最初につまづくわけにはいかない。
「やっ!」
凜は余裕を持って剣でなで斬りにした。
「はっ!」
次は7体の小さなコボルト。
1体づつ切り離して何とか倒した。
続いて8体の犬のようなゾンビ。かまれると毒が体に回る。動きがすばやく厄介だ。
「えいっ!」
凜はそうつぶやくと数体ずつゾンビドッグを切り裂いた。
次は10体の弓を持ったゴブリン。遠距離からの攻撃だ。
「早く近づかないと」
矢の雨が凜に降りかかる。
盾で受け止めるがなにせほとんど全裸だ。わき腹と太ももに矢がかすった。
「いたいっ」
血が飛び散る。
「負けない…!」
何とかかけよる。
弓以外を持っていなかったゴブリンはそのまま切り刻まれた。
しかし手傷を負ってしまった凜。幸い毒は塗ってはいなかったようだが放置はできない。
貞操帯のスイッチに手をかける。
「使いたくなんか、なかったのに」
次のモンスターは飛行できるガーゴイルだった。
凜に向けて槍を投げてきた。
何とか盾で受け止める。しかし、
「しまった」
盾が壊れてしまったのだ。
「もう、使うしかない」
貞操帯のスイッチを押した。
「ぐうっぅぅぅ 体が……熱い」
下半身から突き上げてくる不快な感覚。だが気にしている余裕は無い。
凜の身体能力が活性化され傷も塞がった。
「これなら、いける」
低空を飛行するガーゴイルに飛び掛り切り裂いた。
ガーゴイルたちは拘束されている卯月に群がろうとしたが
「この卑怯者」
凜によって叩き斬られた。
首輪から声がした。
「おめでとう、前半戦終了だよ」
「卯月は返してもらうわ」
「君も後半用に補給に入れ」
卯月を拘束していた足元に盾や水などの品物が現れた。
「蘭子、絶対助けるわ。うっ、かゆいっ。貞操帯の中、お腹の中がっ……。ああああああああああ」
それはまるで膣と直腸の中が毛虫によって爛れてしまったかのような強烈な痒みだった。
凜は立っていられず地面の上でもだえ苦しむ。
明らかに薬の影響だったが、補給品の中に貞操帯をはずすための鍵も入っていた。
「どうしよう」
貞操帯をはずせば楽になるだろうが全裸で薬の力も無く戦うことになってしまう。
選択しなければならなかった。
「ふうん。異世界の勇者とやらがどの程度か試してみたが、前半に1回しか薬を使わなかったのは評価できそうだ」
男たちが凜の映像を見ながら首輪から送られてくるデータを見ていた。
「せいぜい仲間のためにあがいてくれよ。召喚された勇者よ」
まだ凜は知らない。仲間のためにモンスターを倒すごとに地獄へ近づいていることに。
戦闘描写は難しいです。
少しずつ馴れていきたいと思います。