エロ回で番外。エロが短い……短くない?
催眠 ふたなり 『♡』
そんな要素が在るんじゃないっすかね?
機種依存文字があるので、何かあれば一報下さい。
もしも世の中で、他人を好き勝手に出来る力があったならば――……。
間桐桜はそんな一節が書かれた本を閉じ、息を吐き出した。閉じた本を胸に抱いて、そのままベッドへと倒れる。
身動ぎし、足を擦り合わせ、瞼を閉じて夢想する。或いは――、或いは――、或いは――。
数えるのも億劫になるほどの空想。それら全てを心に保管するように息を吐き出した。抱きしめた本をしっかりと枕の下へと忍ばせて、桜は立ち上がる。
僅かに乱れた髪を手櫛で直しながら、間桐家に忍ばせている蟲達から義姉の所在を確かめる。《もふもふ部屋》にも居らず、どうやら義姉は出払っているらしい。わかっていた事であるが、万が一帰宅していたならば問題が発生してしまう。
ライダーも義姉に連れられて自宅にはいない。聖杯戦争中のように危険が身近にある訳ではないが、あれ程愛らしく凛としていて知的で美しく優しい義姉が塵以下の生命を宿した糞の塊に攫われる場合もある。《もふもふ部屋》の大型犬も護衛として着いていっているので、問題は無いだろう。
義姉は「ついでの散歩」と言いそうだが、桜はあの大型犬が護衛目的で着いていってる事を知っている。出る時に自慢されたのだ。
お爺様は変わらず蟲倉で何かをしている。コチラも未だに産まれぬ我が子を待ち望み、長生きという目標を達成した故か思考が魔術の研鑽へと向かっている。時折好々爺然と桜にアドバイスを送る事もあるが、その全ては狡猾で淫蕩なモノである。
まあ、ソレは良しとして。
ともかくとして、間桐家に在る生命は《もふもふ部屋》に居残ってしまった動物達と間桐桜。蟲達と
そして、優雅にティーカップを傾けて紅茶を嗜んでいる妙齢の美女――キャスターのみである。
紅茶を楽しみながら、扉を勢いよく開いた桜を視線で追い、何度か瞬きしながら、目の前に座った家主を観察する。
魔術の研鑽と婚活を嗜むキャスターは紅茶を飲み込み、桜の言葉を待つ。年下の少女の悩みを聞くのも年上の責務であろう。人生経験に関して豊富かどうかは置いておいて。
至って真剣な顔つきで、まるで自身の属性でもある『虚数』と間桐の属性である『吸収』を用いて真理への到達へと少しばかり進んだような。けれど行き詰まり、助けを求めるような。自身には無いモノを求めるような。自身の力不足を呪うように――間桐桜はキャスターを真っ直ぐ見て、口を開いた。
「催眠術を教えてください……ッ!」
土下座でもするかのような意気込みで桜の口から放たれた言葉の弾丸はしっかりとキャスターの耳を貫いて脳を混乱させた。
催眠? は?
キャスター――メディアは頭を悩ませた。時折、ワインを嗜むついでに魔術師らしい思考回路を持ち合わせた臓硯と意見をやり取りするメディアしてみれば「またあのエロ爺が何かしたのかしら」と言いたい気持ちがあった。どうせ臓硯が悪い。
優等生らしく、真面目で、真っ直ぐ――というにはかなり歪んでいるが学ぶ姿勢は真っ直ぐな
キャスターは小さく溜め息を吐き出して、今は外出している慎二の事を思い浮かべた。可愛い姿をして、服装は簡素な服であったり、男物であったりする少女。庇護欲を擽る姿に冷たさを孕ませ、目的の為なら手段も選ばない冷徹さを表に出している小心者のツンデレ。
そんな義理の姉に関する事になると桜は途端にポンコツになる。具体的に言えば「義姉さんに看病してほしいから風邪になりたいです……」と相談してくる程度にポンコツになる。ちなみにその時は投げやりに「水風呂に浸かってれば?」と言ってやり、実際に実行した程に行動力もあった。慌てて止めたライダーの手によって風邪になる事はなかったが、義姉から説教を受けていた桜はご満悦だった。
魔力供給を受けている身として、キャスターはどうにか桜を止めようと考えた。考えて、ふと思い出し、納得し、口を開いた。
「いいわよ」
「さすがメディえもん!」
「ぶっ飛ばすわよ」
桜と慎二のする事だから問題が起こる訳もない。とアッサリと判断したメディえもんは桜へと簡単な暗示、催眠術を教示していく。
神代に生きた魔術師による魔術の講義。現代に生きる魔術師達垂涎の講義を真面目に拝聴する魔術師・間桐桜。
全ては義姉とエッチな事がしたい為に――!
「―――――…………」
その瞳は蕩けていた。眼鏡と宿っている光を失った瞳は真っ直ぐに義妹である桜を映している。
対してそんな義姉の目の前にいる桜は興奮と緊張、そして義姉を好きに出来るという悲劇的な喜びに身体を震わせて口元に笑みを浮かべている。
「――義姉さん、聞こえますか?」
「――はい」
抑揚のない声で反応した義姉に桜の笑みは深められ身体の底から喜びが溢れ出す。支配欲、愉悦、性的興奮。その全てが入り混じった感情が桜を突き動かそうとする。
けれど、魔術師である間桐桜は冷静であった。ソレが正しい思考であるかはヘカテの祀られた神棚に飾るとして。
欲望に塗りつぶされるのは、暫し後でも問題はない。桜は一度深呼吸を挟んで、義姉の状態を確かめる。
相変わらずやや男っぽい格好をした義姉。幸い、というべきか慎二としては不幸にも短いフリルスカートとニーソックスを履かされた義姉。後は紺色のシャツにモッズコートを着込んでいたようだが、今はコートは脱いでいる。
「義姉さんは今とても幸せな所にいます」
「――幸せな、ところ」
「そうです。とても幸せな所です。義姉さんを脅かす存在もありませんし、義姉さんを幸せにする為の存在しかありません」
桜がそう断言すれば、慎二の顔が緩んで笑みが溢れ出す。桜は愛が鼻から漏れ出しそうだったが我慢した。
蕩けた笑みを浮かべる義姉を見ながら、一安心する。一段落、前準備は完了した。
「い、いいですか、義姉さん。その幸せな空間を維持出来ているのは私のお陰です」
「……桜の、おかげ」
「そうです。だから、義姉さんは私の事が好きで好きでたまりません」
「私は……桜が好き」
「――――ッ」
無感情な言葉が桜の脳髄を焼く。根元から震え、歓喜を餌に軽い絶頂をしてしまった。
罪悪感など既に消えている。あるのは近い未来に待つ快楽と愛しい義姉。それだけでいい、それだけ世界にあれば他には何も必要ない。
声に成らない音を喉で鳴らし、生唾を飲み込んで、更に義姉へと暗示を深める。
「だから、義姉さんは私の言う事に疑問を持ちません。私の言う事は正しい事です」
「桜の言うことは、正しい……」
「そうです。私の言うことを聞けば、義姉さんはとても幸せな気持ちになります」
「幸せ、桜の言う事」
「だから、義姉さんは私に嘘を吐くことも出来ません。私に嘘を吐くのは、幸せから遠ざかる行為です」
「嘘、幸せから……離れる」
「……義姉さんはゆっくりと数を――10、数えます。数え終わると義姉さんは幸せな空間から現実に戻ってきますが、私の言う事を聞けば、幸せな気持ちになります。それじゃあ、ゆっくりと、1から数え始めてください」
ポツリ、ポツリと止みかけの雨のように、慎二の口から数字が零れ落ちる。
血流を激しく送る心臓の音を身体で聞きながら、桜は何も無い口を必死で動かして空気を無理やり飲み込んだ。
慎二の口から十が零れ落ちて、まるで眠りから覚めたように、ぼんやりと慎二は部屋を見渡し欠伸を一つ。
「おはようございます、義姉さん」
「やあ、おはよう。桜。家に戻ってからの記憶が薄いんだけど……、何かあったのかな?」
「何もなかったですよ」
「――
完璧である。桜は歓喜した。当然、表面に出すことはなかったが、心の中ではかの慢心王と酒を酌み交わし笑い合える程度に愉悦に満ちた。
慎二はそれほど何かを考えた訳でもなく、ただ桜に微笑んで首を傾げている。
「そ、それでデスね、義姉さん」
「?」
「私の事をどう、思いますか?」
「ふむ、愛しい義妹だと思っているよ。それこそ私が男ならきっと孕むまで犯していたに違いない程には好きだよ」
「――――」
やや激烈な
喜悦を噛み締めている桜を見て疑問を浮かべながらも、慎二は桜を抱き寄せて頭を胸に抱く。紫色の髪を撫でながら桜を甘えさせる。
桜側からすれば堪ったものではない。愛しの義姉のちっぱいに押し付けられて、優しく髪を撫でられ、外に出払った事で僅かに強くなった芳しい薫りが鼻孔を擽り、思考を蕩かせる。
けれど、桜は決して思考を止める事はない。
「ね、義姉さん!?」
「うん?」
「こ、この部屋、暑くないですか?」
「そう、かな?」
「そうですよ。ほら、服を脱ぎましょう」
「ふむ……そうだね」
そう、エロの為に思考は常に回転させなくてはいけない。分割された思考を高速で回転させ、魔術回路を用いて思考回路を更に強化していく。その全てが「義姉さん愛しい」で埋め尽くされている辺り有効活用出来ているかどうかは神棚に飾ろう。
一瞬が一秒へと、一秒が一分へと、呼吸も止まる程に無理やりに引き伸ばされた世界の中で桜は義姉が上着を脱ぐ様を凝視していた。惜しむべきは自身に録画機能が無い事だろう、と分割された思考の一つが自らの無力を嘆いた。
上着を脱いだ慎二はブラジャーをそのままにキョトンとした瞳で桜を見つめる。
「ど、どうかしましたか?」
「桜は脱がないのかい?」
「ふぇ?」
「だって、
そう。慎二にとって
桜は納得して、自身の服を脱ぐ。カーディガンを脱ぎ、シャツのボタンを一つずつ外していく。シャツを脱いだ桜を見て慎二は微笑んで、桜を迎え入れるように両腕を少し広げる。桜は喜悦と僅かな恥ずかしさを噛み締めながら、義姉の
「桜は甘えん坊だなぁ」
「――えへへ」
今日だけは許してもらえる。いいや、義姉ならば平時でも許してくれそうだが。ここまで自分も恥ずかしげもなく甘えられるのは義姉に催眠を掛けているからだろう。
桜は普段は求めない愛情を求める。それこそ求めずとも義姉は与えてくれるのだけれど。自身から求めるのはまた別である。
「仕方ないな、桜は」
甘えた義妹に嫌な顔などする訳もなく、慎二は桜の髪を撫でる。髪先までしっかりと指に絡めて、手はゆっくりと背骨を降りて、ホックを外した。
「義姉さん?」
「大丈夫だよ、桜。私が桜を幸せにしてあげるから」
胸から顔を上げた義姉の顔を見て、桜はゾクリとした。恐怖からではない。慈しみを帯びている筈の義姉の微笑みは変わらない。
外されたブラジャーから零れ落ちた二つの果実を手で優しく絞りながら、慎二は桜をベッドへと押し倒した。慎二は変わらず、微笑みを浮かべている。
「だって、
見誤った。急速に回転し始めた思考が桜を咎めた。義姉――間桐慎二は自身の幸せの為に生きてきた存在だ。その為には老獪な祖父すら出し抜き、そして聖杯戦争を終わらせた存在でもある。
そんな存在が――
「安心してくれ、ちゃんと
ニタリと情婦の様に微笑んだ慎二に桜の思考が制止の声を上げる。
桜の身体に重なるように身体を押し付けた慎二は自身には無い大きな乳房を弄びながら桜を見つめる。そのまま顔を寄せて、唇を合わせる。
「ん……ちゅ……」
「んぅ!?」
驚きの声を上げた桜の声を押さえ込むように、慎二の舌が桜の舌を犯す。捉えた桜の舌を追い詰めるように絡め、押し当てられれば少し引き、快楽を求めて出された舌を唇で挟む。
唾液を交換しあい、舌で性交しながらも慎二は桜の肢体を弄ぶ。乳房を揉みしだき、脇腹を撫でて、下腹部を弄る。その度に反応して呻く桜を楽しみながら慎二は手を止めて、唇を離す。
「ふふ、大きくなったね」
「はぁ……はぁ……」
唇を濡らしていた唾液を舌で舐め取りながら、慎二は桜の陰茎を手で擦る。ビクビクと跳ねる熱い肉棒をやんわりと握りながら、慎二は身体を持ち上げる。
桜の腿に座り、両手で肉棒を握り、唾液を落とす。
「ひっあ」
「おっと、高すぎたかな?」
唾液を落とされた僅かな衝撃が尿道口に当たり、桜を喘がせた。慎二は申し訳なさそうに眉尻を下げて、唾液を塗り込むように肉棒を擦る。
ぐちゅぐちゅと唾液を泡立てながら扱かれる肉棒。雁首を撫でられ、亀頭を擦られる。歯を食いしばり、頭がチカチカと点滅しながら、両手でシーツを握りしめて、桜は迫る快楽から逃げようとした。けれど、スグに快楽は桜へと迫り――
「危ない危ない♡」
「――え?」
そして慎二の責めの手が止まったことで遠ざかった。ビクビクと動く直立した肉棒。真っ赤に腫れた亀頭からトロリと溢れ落ちる精液ではない無色透明の液体。思わず伸ばそうとしていた手が慎二の手によって封殺された。
「もっと、もっと我慢しようね。桜♡」
蕩けた笑みを浮かべて桜へと地獄を要求した慎二。跳ねた肉棒に指先だけを這わせ、まるで擽るように雁首を引っ掻く。それだけでも十分に快楽になるというのに、絶頂に届くまでは至らない。
もどかしい快楽に顎を上げながら快楽を更に求めようとする桜。持ち上がった腰に苦笑しながら桜に顔を近付けてキスをする。
舌を絡め、優しく、舌を吸い、唾液を流し込む。
涙目で絶頂したい事を視線で訴える桜に慎二は微笑みながら耳を軽く喰む。
「ほら♡ 桜♡ イキたいよね? じゃあちゃんと言わなきゃ♡」
「イカせてください! 射精させてください!」
「うん♡ いいよ♡」
桜の言葉を聞き、
「んぉぉぉおお♡♡」
「ほら♡
「らめ、腰動かしちゃ♡♡♡」
「まだイケるよね♡ 私は
容赦なく動かされる腰に桜は抵抗も出来ず、押し迫る快楽に塗りつぶされ、獣の様に叫んだ。叫んだ所で誰も助けには来るわけもない。
「あぁぁぁあああああああああああああああ!!!」
「ほら♡ 頑張れ♡頑張れ♡」
「出ないぃぃいいい! もう、出ないからぁあああ!」
「出るよ♡ 桜の最後の一滴まで、出してあげるからね♡」
まるでサキュバスのような義姉に跨がられ、搾り取られていく。命すら吸い取られるような行為の中、桜は意識を落とした。
「んっ。気絶しても出せるのか。桜はスゴイなぁ♡」
恐らく最後の一発であろう精液をしっかりと膣に収めた慎二は桜を起こさないように腰を持ち上げて肉棒を解放する。
愛液と精液に汚れた肉棒は湯気を帯び、強い性臭を漂わせる。
嫌な顔もせずにソレに舌を這わせて、一通り綺麗にした慎二は口の中にある精液を飲み込んで、下腹部を触る。熱を保った、粘性をもった白濁液。
喉に絡まった何かを唾液で嚥下しながら、
「またそんな格好で」
「シャワーを浴びに行くだけさ。許してくれ、メディア」
「……もったいない」
廊下を出て通りすがりだったメディアに慎二は眉尻を下げながら軽い謝罪を口にした。
「それで、結局あの子に付き合ったのね」
「ああ、催眠術の事かい? 教えたのはメディアか。まったく、最初は何事かと思ったよ」
「どうせシンジには効かないでしょう?」
「そうだね」
クツクツと喉で笑いながら慎二は部屋で精根尽き果てた桜へと視線を向ける。
世界を文字として認識してしまっている慎二。その性質を考えれば催眠術など掛かる訳もない。それこそ世界ごと理を変化させれば慎二を騙し切る事は可能であるが――それはもはや催眠術とは言い難い。
その事を理解していたメディアはあっさりと『面白そうだから』という理由と『コレに懲りて桜が少しでも真面目になれば』という理由で桜に催眠術を教授した。
「まったく、メディアも酷い女だね。効かない催眠術を教えるなんて」
「その上でサクラの欲求に乗ったアナタも悪い女だわ」
悪女気取り二人はクスクスと笑い合い、廊下を歩き去る。お互いに『桜がコレに懲りればいいのだけれど』という事を思考するが、きっとその願いは叶うことはない。
>>悪女気取り二人
海産姉「フフフフフ」
魔女「ふふふふふ」
蛇頭「ああ、また二人が陰謀を企ててますが、どうせ『午後の✕✕』を午前に飲むぐらいどうでもいい平和的な陰謀なんでしょうね……」
>>時系列
聖杯戦争後。たぶん無事に何もかも終わってるんじゃないっすかね? 番外編なので、本編には一切絡みもないハズです。
なお本編の未来予想はアレがああなって、こうなって、いつもの猫毛になってます。
>>『他人を好き勝手に出来る力』と書かれた本
催眠系のエロ本だよ(発情
>>「さすがメディえもん!」
現代に生きる魔法使いよりも魔法使いしてるし、多少はね。
>>分割思考を魔術で強化して、時間を引き伸ばす。
『魔術師殺し』さんのアレは自分の体内時間ごと動かしてるからまた別。単なる高速思考の強化だと思ってもらえれば。なお使用方法。
>>神棚
メディアの師である、ヘカテーを祀り上げた神棚。ヘカテーからすれば迷惑極まりないであろう桜ちゃんのエロ思考が飾られている。