※この作品はR-18です。

ヤオヨロズ・リボーン   作:ぽんぴん

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No.17 雄英1-A女子ハーレム完成

「こんにちわ。お見舞いに来たよ。具合はどう? 顔色は良さそうだね」

 

 ここはドラキュラの寝室だ。中央に大きなベッドがあり、館の主ことドラキュラが寝そべったまま半身を起こしていた。

 卯稀は枕元まで移動すると、ドラキュラに向かってニコッとほほ笑んだ。卯稀の側には少女たちを代表して百が付き添っている。彼女はゲーム中のことが頭にチラついているようで、恐る恐るといった様子で二人を見つめていた。響香たちは大怪我をした三奈の側で待機している。

 

「ふんっ、面会謝絶と言っておいたはずじゃがのう」

 

 卯稀とは対照的にドラキュラは不満げな顔を浮かべている。ゲームに負けたことが悔しいのか、まだ腰が痛むのかは判断しづらかった。

 

「悪いけど急用でね。あんまり時間がないから単刀直入に言うよ。三奈ちゃんのことは耳に入ってるでしょ? なんとかならないかな?」

 

 卯稀に問われたドラキュラの眼が細くなる。

 

「……なんとかならんこともない」

 

 卯稀から視線を外しながらドラキュラが呟いた。老人の言葉に百から安堵の息が漏れる。

 

「そう? よかったー、じゃあ助けてよ」

 

「断る。三奈はもうお前の物じゃ。ワシが助けてやる理由がない」

 

 ドラキュラが卯稀の頼みを拒絶した瞬間、百は周囲の空気が凍り付くのを感じた。背中に悪寒を感じた百はブルっと身を震わせる。

 

「わーお。まあ、そう言われると思ってたけど。でもいいの? 三奈ちゃんが死んじゃったら、このお屋敷は事故物件になっちゃわない? お笑い芸人とか、なんとかチューバーさんとか、いっぱい来ちゃうかもしれないよ?」

 

「いままでこの屋敷で何人死んどると思っとるのじゃ? 小娘一人くらい今さらじゃ」

 

「ありゃー、交渉決裂だね。それじゃ三奈ちゃんは諦めるとするよ。戻ろうか、百」

 

「え、えぇ……」

 

 急に話を振られた百が困惑して眉が八の字になる。彼女も三奈を助けたい気持ちはあるが、卯稀を差し置いてドラキュラにお願いする勇気はなかった。

 

「……まあ、まて」

 

 百の手を引いて立ち去ろうとする卯稀にドラキュラが声を掛ける。

 卯稀は足を止めてドラキュラの方に振り向いた。

 

「そうじゃの。年若いおなごが命を散らすのを放っておくのも夢見が悪い。ワシの頼みを一つ聞いてくれたら、助言してやらんこともない」

 

「ふーん。それならそうと早く言ってよ。で、頼みって? 言っとくけど、僕の他の奴隷をくれとか、そういうのはお断りだよ」

 

「安心せい、そんなことではないわ。頼みの内容じゃが……今はまだ言えん。こちらの準備ができたら改めてこちらから使いを出そう」

 

「内容がハッキリしないのは困るね。僕が詳細を聞いたあとに断る権利を要求するよ」

 

 なんだか煮え切らない様子のドラキュラに卯稀は肩をすくめる。

 

「それでも構わん。その時はその時じゃ」

 

「で、三奈ちゃんを助けるにはどうしたらいいの?」

 

「お前の個性で呑み込んでやれ。処女膜が治るんじゃ。身体の傷も治るじゃろう」

 

「なんだ、やっぱりそうか」

 

「あっ、あのっ、それですが、三奈さんの個性を考えると不可能では……?」

 

 ドラキュラの言った方法はすでに響香が考えついたが、酸に強い三奈の体質から駄目だと結論がでたばかりである。そのことを思い出した百は思わず口をはさんだ。

 

「前もって三奈には酸の個性を弱める薬を飲ませておる。あっという間に人間を溶かす若造の胃袋だったらイチコロじゃろ」

 

「そ、そうでしたか……」

 

 まだいまいち納得しきれない百だが、奴隷の立場で反論するとドラキュラの怒りを買いそうなので引き下がった。

 

「それじゃ、急いでるから僕らは戻るよ。お大事に」

 

 卯稀はそう言い残すと、小走りで寝室を出ていった。その後を百が追う。

 

「あのっ、ご主人様? 私、気になることがもう一つありますの。さきほどドラキュラさんの言葉を聞いて、やっぱりって仰っておりましたが、ご主人様は三奈さんの個性が弱まっていることに気づいておられましたの?」

 

「ああ、昨日ドラキュラに会ったときにさ、三奈ちゃんを味見してオチンチンが溶かされても知らないって言ってたでしょ? あれってさ、ドラキュラの体験談のような気がしたんだよね。

 だから安心して三奈ちゃんとエッチできるように、なにか薬を飲ませてるんじゃないかって思ってたんだ」

 

「さすがご主人様ですわ! 私、ちっとも気づきませんでしたわ!」

 

 卯稀が答えると百は顔を輝かせた。

 ホールに戻った卯稀はドラキュラから聞いたことを少女たちに伝えた。さっそく処置を施すため、三奈がタンカに乗せられて裏庭へ運ばれていく。その最中、苦痛に三奈が意識を取り戻した。

 

「うっ、うぅ……! こ、ここは……?」

 

「大丈夫!? 芦戸さん、崖から落ちちゃったんだって! でも安心して! りぼぼんが助けてくれるから!」

 

「りぼ……ぼん?」

 

 三奈の傍らにいた透が声を掛けると、聞きなれない単語に三奈が怪訝な表情をする。

 視線をさまよわせた三奈はクラスメイトたちに混じって卯稀の姿があることに気づいた。

 

「リボーン、キング……!」

 

 三奈が憎々しげに呟く。彼女にとって卯稀は許すことのできない相手だ。自分を愛しているなどと言って騙してゲームに協力させたうえに、クラスメイトを開放する約束を破って梅雨を洗脳した男なのだ。

 

「おや、お目覚めかい? あちこち傷だらけで辛そうだね。でももうすぐ僕が治してあげるよ。ついでに洗脳もしちゃうけどね。愛しい三奈ちゃん?」

 

「くっ、あぁぁっ! アンタなんかに、いいようにされて、たまるかぁっ!」

 

 三奈が起きたことに気づいた卯稀が挑発すると、彼女はタンカの上で暴れ始めた。

 側にいた透と響香があわてて三奈を取り押さえる。

 

「芦戸さんっ!? 落ち着いて!?」

 

「傷が開いちゃうからジッとして! ボスもなんで煽るの!?」

 

「いや、えーと、悪役ムーブしたほうがいいかなって思って……ごめん、耳郎ちゃん」

 

 響香にとがめられて、頬をポリポリとかく卯稀。

 三奈は怒りが収まらないようで、鼻息を荒くしている。

 

「着きましたわ! 芦戸さんを下ろしましょう」

 

 百の号令に、タンカを運んでいたお茶子と梅雨が頷く。三奈を落とさないように慎重にタンカが地面に下ろされた。

 少女たちの傍らで卯稀が個性を発動する。しだいに彼の身体が大きく膨らんでいった。

 

「ね、ねえ……みんな? こいつヴィランだよ? 私たち、ヒーローを目指してたよねぇっ? こんな男と一緒にいちゃ駄目だって! みんなお願いだから目を覚まして!」

 

 タンカに横になったまま、三奈が百たちに語りかける。先ほどの会話から透もすでに洗脳済だと三奈は気づいている。もう雄英1-A女子で正気なのは三奈だけだ。最後の砦として、彼女はクラスメイトたちを諦めるわけにはいかなかった。

 

「あら、私たちは正気ですわ。ねえ、皆さん?」

 

 三奈の言葉に百がおかしそうにクスクスと笑った。

 他の女子たちも百の問いかけに揃って頷いた。

 

「うん。ウチたちは至って正気。芦戸も洗脳してもらえばボスの素晴らしさが分かるよ?」

 

「だよねぇ……キング様かっこいいもんねぇ」

 

「ケロっ。お茶子ちゃんに同意ね。もう卯稀ちゃん無しでは生きていけない身体にされてしまったわ」

 

「みんないいなぁ! 私だけ、まだりぼぼんに抱いてもらってないから羨ましい! ねぇ、りぼぼんっ、芦戸さんを仲間にし終わったら私とエッチしよ?」

 

 洗脳された少女たちが次々に卯稀を褒めたたえる。透にいたっては性交を求める有様だった。

 

「そ……そんな……」

 

 堕ちきったクラスメイトたちの様子に三奈が改めて愕然とする。卯稀に作り替えられてしまった少女たちに説得は通用しない。その事実を思い知らされるだけであった。

 

「リ、リボーンキングっ! 私を愛してるんだよねっ!? はやくみんなを元に戻してっ! そ、そうしないと本当に離婚だよっ!?」

 

 クラスメイトの説得を諦めた三奈は、対象を卯稀に切り替える。

 卯稀が自分を愛していると言って騙したのは感づいている三奈だが、あえて気づいていない振りをしてみることにした。もしかしたら卯稀が罪悪感を持って、自分の言うことを聞いてくれるかもしれないという儚い望みがあった。

 

「あー……ごめんね三奈ちゃん。あれゲームに勝つためのウソだったんだ。でも安心して。洗脳されて僕の奴隷になってくれたらタップリ愛してあげるよ」

 

 やはり三奈の期待は裏切られた。今すぐにでも卯稀を殴りたいところだが傷ついた身体はピクリとも動かない。どうすることもできない悔しさに目が涙でいっぱいになるだけであった。

 

「さーて、そろそろ準備オーケーだよ。三奈ちゃん、なにか言い残すことある?」

 

「……リボーンキング、アンタだけは絶対に許さないんだから! 後でぶっ殺すから覚えといて!」

 

 殺意のこもった三奈の視線に、卯稀がわざとらしく背筋を震わせる。

 

「おお、怖い怖い。それじゃいくよー」

 

「っ、いやあああああああああぁぁぁぁぁっ!!」

 

 卯稀が、その巨大になった口で三奈を吞み込んだ。喉の奥の触手が三奈の身体にまとわりついた。応急処置で巻かれた包帯やガーゼを器用にはぎ取っていく。

 

「きゃあぁっ! きもちわる、ふぁああっ!?」

 

 触手のヌルヌルした感触に三奈が悲鳴をあげる。ろくに抵抗もできないまま、彼女は素っ裸にされてしまった。

 

「もごもご。ぺっ。触手で遊んでいるうちに死なれても困るからね。それじゃ三奈ちゃん、また後で」

 

「やめっ、あ、あたしは、ヒーローになるんだ、ヴィランの手下になんかなりたく、ああああぁぁぁぁっ!!」

 

 絶叫する三奈の身体が卯稀の胃袋へ放り込まれる。胃液に浸かった彼女の身体があっと言う間に溶けていく。

 

「うん。いい感じで三奈ちゃんが溶けてくよー」

 

 卯稀の様子に少女たちの顔にも安堵の色が浮かぶ。

 それから少しして、卯稀が吐き気を催しはじめた。

 

「おっ、きたきた……おっ、おぉっ、お、おええええええっ!」

 

 卯稀の口から巨大粘液が吐き出される。その中に桃色の少女が収められているのがうっすらと見えた。

 

「ふぃー……一日に四回も吐いたから、さすがに少し疲れたかも」

 

 個性を解除した卯稀の身体が元に戻っていく。すかさず百が卯稀に近寄った。

 

「お疲れ様ですわ、ご主人様。私のおっぱいで癒してさしあげますわ」

 

 百が卯稀の顔を胸で挟むようにして抱きしめる。卯稀の行動を知り尽くしているからこそできる素早い行動であった。

 

「あー! ぬけがけー!」

 

「さすが百ちゃんね。出遅れたわ」

 

 悔しそうに透が梅雨が声をあげる。

 

「ちょっとボス! いちゃつくのは後にして!」

 

「ほら、みんな! 三奈ちゃん出てくるよ!」

 

 お茶子が粘液の固まりを指さす。ちょうど目をさました三奈が起き上がるところであった。他の少女たちのときと同様に、三奈の目は虚ろに濁っている。彼女の大怪我はすっかり治り、全身がツルツルと輝いていた。

 

【挿絵表示】

 

「おっ? 三奈ちゃん? 見えないけど出てきた? おっはー? 僕が誰だか分かる?」

 

 百のおっぱいに顔を埋めたままの卯稀である。そんな卯稀の言葉に反応して三奈の目に生気が戻った。

 キョロキョロと周囲を見回した三奈は、卯稀の姿を見つけると急いで粘液の塊から抜け出した。

 

「うんっ! 私の世界で一番大事な……ダーリンっ!」

 

 目にハートを浮かばせながら三奈が宣言した。そのまま卯稀と百に近寄ると、両手を広げて二人に抱きついた。

 

「きゃあっ!?」

 

「うぉっ!?」

 

 三奈に押し倒されて、百と卯稀が声をあげる。ようやく卯稀の顔が百のおっぱいから離れた。

 

「いてて……おおっと、積極的だね。三奈ちゃん」

 

 仰向けになった卯稀の上に全裸の三奈が跨っている。三奈は熱っぽい表情を浮かべ、息もハアハアと荒い。視線は卯稀にくぎ付けで、彼に心酔しきっている様子だ。

 

「ああんもうっ、ダーリンったら、ちょっと目を離すとすぐ浮気してぇっ……許したげるけど、奥さんはワタシなんだからねぇっ! んちゅっ」

 

 とろけた顔をしたまま、卯稀の頬にキスをする三奈。どうやら卯稀に騙されたことは彼女の頭からすっかり抜け落ちてしまっているようだ。本当に卯稀に求婚されたと思いこんでいるらしいことが彼女の言動から伺えた。

 洗脳された三奈の変貌ぶりに他の少女たちは呆気に取られてしまっている。

 

「これで六人目ゲットと」

 

 三奈の媚態ぶりに卯稀がニヤリと笑みを浮かべる。三奈が堕ちたことにより、とうとう雄英1-A女子全員が彼の奴隷にされてしまった。ここにいる全ての少女が卯稀を愛し、彼に抱かれて精を注がれたいと思っている。洗脳によるハーレムの完成であった。

 

「アはぁ……ダーリンの、おっきくなってるぅ……正妻マンコでお出迎えしなきゃ……ねえ、ダーリン? アタシにする? アタシにする? それともアタシにするぅ?」

 

「ぜんぶ三奈ちゃんになっちゃってるじゃん!」

 

 すっかり勃起した卯稀のペニスを撫でながら、甘い声で誘惑する三奈。その内容に思わずツッコミを入れてしまう卯稀であった。

 

「いやんっ、ツッコまれちゃったぁっ! 股間の特大ハリセンもツッコまれちゃうううっ!」

 

「今度は下ネタかっ! しかも親父みたいな!」

 

「ええー……親父になるのはぁ、アタシじゃなくてダーリンだよぉ? ねえ、今すぐ子づくりしよぉ? アタシに赤ちゃん仕込んでぇっ……?」

 

 人差し指で卯稀の胸板をツーっと撫でる三奈。それに反応して卯稀のペニスがビクッと震える。

 

「ちょ、ちょっ、ちょっ、ちょっと、お待ちくださいまし!?」

 

 フリーズしていた百が我を取り戻した。慌てて三奈を卯稀から引きはがす。いやんっ、と可愛らしい声を出しながら三奈が尻もちをついた。

 

「ちょっと八百万ぅ、いまダーリンとイイ雰囲気なんだからさぁ、後にしてくれる?」

 

「芦戸さんは少し黙っててくださいませんこと!? あなたさっきからちょっとIQ下がりすぎですわよ!?」

 

「八百万ひどいっ!?」

 

 むくれる三奈を放って、百が卯稀にジトっとした目を向ける。

 

「そうそう。さっきから離婚とか正妻とかさ、芦戸が妙なことを口走ってたよね? ずっと気になってたんだけど、説明してくれる? ボス?」

 

「……私も知りたいです」

 

「私も」

 

 響香、お茶子、透が卯稀の周りを取り囲む。ゲーム中の事情を知っている梅雨は少し離れたところから憐れむような視線を卯稀に送っていた。

 

「えー、えっと……じつは――」

 

 少女たちの圧に押され、卯稀はゲーム中に三奈へ結婚を申し込んだことを自白した。

 

「ボスが求婚っ!? うらやま! うらやま!」

 

 響香が悔しさに頭を押さえながら地面をのたうちまわる。

 

「へっへーん! そういうわけでぇ、アタシとダーリンはラブラブ夫婦! みんなには悪いけど、一歩も二歩もリードしてるっていうかぁ、強い絆で結ばれてるみたいな?」

 

 卯稀に抱きついて鼻高々な三奈。百たちに対して勝ち誇るように笑みを浮かべている。そんな三奈に対して残りの少女たちが嫉妬の表情を浮かべていた。あの梅雨までもがだ。

 これはいけないと卯稀は思った。

 卯稀に洗脳された少女は彼の一番の寵愛を受けようとする。過去に奴隷同士のケンカで痛い目を見ていた彼は、この状況をなんとかしなければと決意した。抱きついてくる三奈の柔らかいおっぱいの感触に鼻の下を伸ばしながら。

 

「意義あり! ですわっ!」

 

 右手を縦に垂直に伸ばしながら百が発言する。

 

「芦戸さんの申し出は無効ですわ! そもそもご主人様の求婚はゲーム中に芦戸さんを味方につけるための合理的虚偽! したがってゲームが終わった現在、求婚は無効ですわ!

 そ・れ・に! ご主人様は私たちを平等に扱うとつねづね公言されております! つまり、一人だけ正妻になることはできませんわ!」

 

「そ、そんなぁっ!」

 

 百に論破され、三奈がガックリとうなだれる。短い天下であった。

 

「私からは以上ですわ。ご清聴ありがとうございました」

 

 コホンと咳払いをする百。

 

「すごい八百万さんっ……!」

 

「ウチ、ヤオモモに一生付いてくっ!」

 

 お茶子と響香が瞳を輝かせる。今度は百が鼻高々になる番であった。

 

「ちょっと待って。卯稀ちゃんは私たちを平等に扱うのよね?」

 

 首を傾げながら梅雨が呟いた。

 

「え? ああ、まあ、うん」

 

 卯稀が頷くのを見て、梅雨がニヤリと笑う。

 

「言質はとれたわ。じゃあ、卯稀ちゃん。これから他の皆にも求婚してもらおうかしら」

 

「なに言ってんのお前!?」

 

 慌てて抗議する卯稀だが、三奈以外の少女たちの黄色い声に搔き消されていく。

 

「それは名案ですわ! どうして思いつかなかったのでしょう! 私としたことが!」

 

「ウチ、蛙吹に一生付いてくっ!」

 

「梅雨ちゃん天才っ!」

 

「蛙吹さんっ、ありがとー!」

 

「いや、あの……みんな?」

 

 いまにも梅雨の胴上げが始まりそうな雰囲気に卯稀がうろたえる。

 

「言質はとったと言ったわよ。卯稀ちゃん?」

 

「そうですわ。平等に扱っていただけませんと、芦戸さんにも示しがつきませんわ」

 

「……はい」

 

 梅雨と百に凄まれ、卯稀は観念した。

 少女たちの話し合いの結果、求婚を受けるのは卯稀に洗脳された順と決まった。

 さっそく一番手の百が卯稀と向き合うようにして立っている。残りの少女たちは彼らの周りに座って待機していた。

 

「ねえ、本当にやるの?」

 

「もちろんですわ!」

 

 頬を赤らめながら、フンスと息を吐く百。その目は期待でキラキラと輝いている。

 

「えっとじゃあ……百、いつもありがとう。本当に百を奴隷にしてよかったと思ってるよ。僕と結婚してくれないかな? 一生大事にするよ」

 

「も、もちろんですわっ! ご主人様の妻として、一生お支えする所存ですわ!」

 

 百が一歩分、卯稀に近づく。そのまま彼の頭を押さえると口づけをした。

 

「キッ、キスぅっ!? 求婚のときアタシそこまでしてもらってなモゴモゴッ!?」

 

 騒ぎ出した三奈の口が梅雨によって塞がれる。

 

「ぷはぁ……ごちそうさまでしたわ。ご主人様? このままここで初夜を迎えませんこと? 少し早いですが、私、もう待ちきれませんの……」

 

 卯稀に抱きつき、とろけた口調で誘惑する百。先ほどのキスで彼女のスイッチが完全に入ってしまったようだ。百の下腹部が甘く疼き、股間から淫らな蜜がポタポタと地面に落ちていった。

 

「そ、そうだね。それじゃあここで――」

 

「はい! これ以上はアウトー!」

 

 乱入してきた透が二人を引きはがす。さすがに性交をされてしまっては後の進行に影響があった。

 

「ああんっ! 殺生ですわ! せめて先っちょだけでも!」

 

「八百万さん!? それ女の子の言うセリフじゃないよ!?」

 

 抗議の声をあげる百にお茶子がビックリしている。

 

「えっと……次はウチ?」

 

 恐る恐るといった様子で、卯稀の前に響香が立つ。その頬は先ほどの百よりも赤い。

 

「耳郎ちゃん、もしかして緊張してる?」

 

「うん、そりゃするできゃあっ!?」

 

 卯稀に抱きしめられて響香が声をあげる。彼女の顔がますます赤くなっていった。

 

「本当だ。耳郎ちゃんの心臓、すごくドキドキしてるね。可愛いよ」

 

「かっ、かわっ!?」

 

 卯稀に褒められて耳郎の頭から湯気が噴き出した。卯稀はそんな彼女の顎を手に取り、クイッと上に向ける。響香が大きく目を見開く。その瞳の中に卯稀の顔が映った。

 

「愛してるよ耳郎ちゃん。僕と結婚しよう?」

 

「はいぃ……ウチはボスのお嫁さんになります……」

 

 ウットリとした顔で響香が答える。卯稀は満足そうに微笑むと彼女の唇を奪った。

 

「はむっ……ん、んん……」

 

 卯稀の行為に響香の胸の鼓動がますます早くなる。響香はまるで意識がどこかへ行ってしまったように卯稀のされるがままになっていた。

 

「ぷはぁ……ん? 耳郎ちゃん、大丈夫?」

 

「ウチ……幸せすぎて、もうだめぇ……」

 

「耳郎ちゃんっ!?」

 

 とつぜん白目をむいて失神した響香を、卯稀が慌てて抱きとめる。

 

「耳郎さんっ!? こ、ここまで! ドクターストップです!」

 

 駆けつけた透が響香の身体を受け取った。意識を失った響香は地面に寝かされ、催しは続いていく。

 

「次はお茶子ちゃんだね」

 

「はいっ、よろしくお願いします」

 

 三人目にもなると卯稀もだんだん慣れてきたようだ。

 

「じゃあお茶子ちゃん。いつも助かってるよ。よかったら僕と結婚してくれる? いっぱい子供を作って、ご両親に見せてあげよう?」

 

「はいっ! よろこんで! 不束者ですが、よろしくお願いしますっ!」

 

「わっと!」

 

 嬉しそうにお茶子が卯稀に抱きついた。その拍子に彼女の個性が発動する。少し宙に浮いたまま、抱き合った二人が互いを見つめあう。

 

「お茶子ちゃん……大好きだよ」

 

「キング様……私もです。んちゅ……」

 

 空中で二人の唇が重なり合う。ロマンティックな光景に、少女たちから黄色い声があがった。

 

「わぁ! いいなぁ麗日さんっ!」

 

「上手に個性を使ったわね。ポイント高いわ」

 

 しばらくして、二人の足が地面に着地する。名残惜しそうにお茶子が口を離した。

 

「この続きは今夜お願いしますね?」

 

「分かったよ。お茶子ちゃん」

 

 ちゃっかり夜の情事の約束を取り付けて、お茶子のターンは終了した。

 

「ケロっ。次は私ね」

 

 お茶子と選手交代した梅雨が卯稀の前に立つ。

 

「梅雨ちゃん。ゲームでもいろいろありがとう。よかったら僕と結婚してくれる?」

 

「もちろんよ、卯稀ちゃん。私をあなたの物にして……」

 

 目を閉じて上を向いた梅雨に卯稀が口づける。

 

「ん……んん」

 

 梅雨が舌を差し入れると、卯稀もそれにしっかりと答える。ピチャピチャという水音があたりに響いた。

 

「ぷはぁ……」

 

 とろけた顔をして梅雨が口を離す。二人の間に掛かった唾液の糸が妖しくきらめいていた。

 

「これ以上しちゃうと、歯止めが利かなくなりそうだわ」

 

「僕も同感だよ」

 

「うふふ。また後で可愛がってちょうだいね? 卯稀ちゃん」

 

「わかったよ梅雨ちゃん」

 

 ほくほくした様子の梅雨が百たちの元へ戻る。入れ替わりに透がやってきて、卯稀の前に立った。

 

「最後は透ちゃんだね」

 

「うんっ!」

 

 朗らかな声で頷く透。

 

「透ちゃん。僕の奴隷になってくれてありがとう。お互いまだよく分からないことばかりだけどさ、これからだんだん知っていこうか? こんな僕でも結婚してくれる?」

 

「もちろんだよっ、りぼぼん! 私、いい奥さんになれるように努力するね!」

 

 透の姿が見えないせいか、彼女の方から卯稀に口づけをする。

 

「んっ……あんっ、りぼぼんのえっちぃ……!」

 

 透を抱きしめようとした卯稀だが、勝手がわからず、誤って彼女のお尻を触ってしまっていた。それをスキンシップと誤解した透が悩まし気な声をあげる。

 

「私で最後だし、このままエッチしちゃう? 私はそれでもいいよ、りぼぼんっ」

 

 抱きついてきた透の柔らかい身体に卯稀の理性がぐらつく。彼の手が再び透に伸びようとしたとき――

 

「はい、これ以上はアウトですわ。そうですわよね? 葉隠さん?」

 

「もー! 八百万さんのいじわるー!」

 

 二人の間に百が割って入る。透がむくれて抗議するが、本気で怒っていないことが声色で覗えた。

 

「それにまだお一人残ってますもの。そうですわよね? ご主人様?」

 

「え? あ、ああ、うん。三奈ちゃん? こっちにおいで?」

 

 催しの途中からいじけていた三奈に卯稀が声を掛ける。彼女がハッとした様子で顔をあげる。

 

「えっ!? アタシもいいの!?」

 

「もちろんですわ。今日から芦戸さんもご主人様の奴隷になったんですもの」

 

 驚いた三奈に百が優しく笑みを浮かべる。他の女子たちも手を叩いて三奈を祝福した。

 

「みんなありがとぉっ! さっきはゴメンねぇっ!」

 

 泣きじゃくりながら三奈が卯稀の前に立つ。卯稀は彼女が落ち着くようにそっと抱きしめた。

 

「まあそういうわけでさ。改めて三奈ちゃんもよろしくね?」

 

「うんっ! うんっ! ダーリンもありがとぉっ……!」

 

 三奈の涙を拭ってから卯稀が口づける。二人に向かって百たちからひときわ高い拍手が贈られた。

 

「芦戸さん、良かったですわぁ……!」

 

「ぐすっ……あかん、私も貰い泣きしちゃった……!」

 

「めでたしめでたしだわ」

 

「芦戸さーんっ! これからもよろしくー!」

 

 失神したままの響香以外の女子たちが次々に声を掛ける。

 こうして卯稀のハーレムに新たな少女が加えられたのであった。

 

 

 

 

 ところ変わってここはドラキュラの寝室。

 

「なにをやっとるんじゃ、あいつらは……」

 

 タブレットを使って裏庭の様子を見ていたドラキュラが呆れたように呟いていた。




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