※この作品はR-18です。

ヤオヨロズ・リボーン   作:ぽんぴん

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お待たせいたしました。
続きを投稿します。


No.19 真夜中の襲撃者 

 ここは卯稀に用意された部屋。彼のお楽しみタイムは続行中である。

 洗脳奴隷にしたばかりの葉隠透を美味しく頂いた彼は、次の相手である芦戸三奈に襲い掛かっていた。

 ベッドの上に仰向けになった三奈に覆いかぶさり、彼女の豊満な果実を揉みしだいている。

 

「あんっ、あっ、はぁんっ……!」

 

 胸をいいようにされて三奈が甘い声を挙げる。行為は始まったばかりだというのに、さっそく顔が蕩けていた。

 それも無理もないことだ。彼女は卯稀に抱かれる順番を待っている間、部屋のドアの前で透の声に当てられて自慰をしていた。すでに股間もビショビショで、挿入待ったなしの状態だったのである。発情しきった身体は胸から与えられる快楽を余すところなく彼女の脳へ伝えていた。

 

「うんうん。やっぱり三奈ちゃんのおっぱいって、揉み心地いいよねぇ」

 

「ああんっ! もっと、おっぱいぃ、イジメてぇっ……! ダーリンっ……!」

 

 嬉しそうに呟く卯稀に応える三奈。胸を弄ぶ卯稀の手へ、そっと自分の手を重ねた。それを見て卯稀は唇の端を釣り上げる。

 

 思えば少し前まではヒーローを目指し、ヴィランを憎んでいたはずの少女であった。クラスメイト達を洗脳した卯稀に対して罵声を浴びせるほどの気の強さも持っていた。それが今はこの有様だ。憎い卯稀をダーリンと呼び、目にハートマークを浮かべて身体を好きにさせている。

 これも全て卯稀の個性による洗脳の仕業であった。彼の手にかかった三奈は、主人である卯稀を愛し続ける奴隷へと変えられてしまったのである。

 

「いやあ、これだから洗脳は止められないよ」

 

「ひっ、ひゃあああっ!」

 

 卯稀に乳首を摘ままれて、三奈がひときわ高い声を挙げる。彼女の腰がカクカクと震えた。三奈は危うく達するところであった。

 

「おっとっと。そういえば淫乱な三奈ちゃんは僕のためにオナニーしまくって準備してくれてたんだったね。こっちでイかせてあげないと可哀そうだね」

 

 そう言って卯稀は腰を持ち上げて膝立ちの姿勢になると、三奈の上半身も引き起こした。彼女の顔の前にペニスを突きつける。透との行為から時間が経ったため、半立ちの状態だ。透にお掃除フェラをしてもらえなかったため、ペニスは彼や透の体液がこびりついていた。

 

「あはぁ……ダーリンのおちんちんだぁっ……!」

 

 嬉しそうに三奈がペニスにしゃぶり付く。ぺろぺろと先端を舐めたかと思うと、躊躇なく全体を口いっぱいにほうばった。彼女の柔らかい唇と舌に刺激されてペニスが元気を取り戻す。唾液が少しピリピリするのは溶解液という彼女の個性の為だろうか。

 

「何も言わなくてもお掃除してくれるなんてね。三奈ちゃんは奴隷の鑑だよ」

 

 卯稀が三奈の頭を優しくなでる。三奈の顔がますます緩んでいく。

 

「ぷはぁっ……だってぇ、ダーリンのおちんちん、大好きなんだもんっ」

 

「本当にエッチだねぇ、三奈ちゃんは。僕はエッチな三奈ちゃんが大好きだよ」

 

「いやんっ! もっと、もっと言ってぇ? ねぇ、ダーリンっ? あたしを好きって、もっと言ってぇ?」

 

「もっと? いいよ。エッチで淫乱な三奈ちゃんが大好きだよ」

 

「アはんっ! だめぇっ! ダーリンに大好きって言われると、お腹の中がキュンキュンしちゃううっ!?」

 

 一人で悶えだす三奈。卯稀の言葉だけで絶頂しそうな勢いだ。

 それを試してみるのも一興かと思いかけた卯稀だが、元気になった股間がムラムラしてきたので思いとどまった。再び彼女を仰向けにして両股を大きく開かせる。その中に卯稀が割って入った。

 

「それじゃ、入れるよ? 三奈ちゃん」

 

「うんっ、来てぇ……ダーリンっ!」

 

 卯稀はペニスの先端を三奈の秘所へ押し当てる。興奮しきったせいか、蜜の量は先ほどよりも多かった。彼が少しずつ腰を動かすと、徐々にペニスが三奈の中へ押し込まれていく。

 

「おおっ、三奈ちゃんの中、すごいドロドロしてて気持ちいい……!」

 

 膣内の感触に卯稀がたまらず声を出してしまう。ゲームの際に彼女を味わっている卯稀だが、その時よりも締め付けが増しているように思えた。

 これも卯稀の個性の仕業だ。彼の身体の中で溶かされた三奈の身体は新品同様に再構築され、処女に戻っている。まだ男を受け入れたことのない部分を進んでいるのだから当然であった。

 

「やべ、腰とまらね……三奈ちゃん、このまま処女をもらっちゃうよ?」

 

「うんっ、アタシを全部、ダーリンにあげふぁああああああっっっ!?」

 

 辛抱できなくなった卯稀が腰を一気に押し出す。何かが千切れるような感触と、子宮を勢いよくノックされて三奈が絶叫する。そのショックで彼女の快楽のダムが崩壊した。絶頂の快感が身体を駆け抜け、胎内のペニスを容赦なく締め付ける。

 

「ちょっ、三奈ちゃん!? だいじょって、うううっ!」

 

 三奈の様子に驚く卯稀だったが、股間から送られてくる刺激に今度は自分が堪らなくなる。あっと言う間に射精感がこみ上げてきて、彼女の中に大量に精を解き放ってしまうのであった。

 

「アはぁ……出てるぅっ、ダーリンのぉっ、熱いのぉ……!」

 

 膣内射精された三奈がうわごとのように呟く。ふらふらと卯稀の頭を掴むと、強引に唇を奪った。

 

「あむぅ……うんっ、あはぁっ、ダーリンっ、んんっ、うむふぅっ……!」

 

 突然のキスに驚いた卯稀だが、情熱的な三奈の行動に身を任せた。彼女の舌を受け入れて自分の舌と絡め合わせる。

 

「ぷはあっ……」

 

 しばらくしてから三奈はようやく卯稀を解放した。息を荒げながら卯稀を見つめる。卯稀もまた呼吸を整えていた。

 

「どうしたの三奈ちゃん。いきなり僕にディープキスなんかしちゃってさぁ」

 

「だってぇ……もう、ダーリンなしじゃ生きていけないんだもんっ……!」

 

「あはは、嬉しいこと言ってくれるねぇ」

 

 三奈は頬を赤らめながらも真剣な眼差しで卯稀に語り掛ける。彼女の言葉は嘘ではない。洗脳により三奈の心は完全に卯稀に奪われてしまっているのだ。

 

「だからぁ、お願いっ。もっと、もっと、もっと、もっと、もっともっともっと、いっぱい、いっぱいいっぱいいっぱい、アタシを愛してぇっ!!」

 

「OK、わかったよ」

 

 そう言って卯稀は微笑みを浮かべると、再び三奈の唇を塞いだ。舌を絡ませ合いながら腰を動かし始める。

 

「んむふぅ! はぁっ……やっ、また動いてっ! あ、ああぁっ! ダーリンっ、ダーリンっ、ダーリンっ! 大好きぃっ! 愛してるのぉっ!」

 

 三奈の口から愛の告白が次々と溢れ出る。それに応えるかのように、卯稀の動きが激しくなった。

 結合部から白濁液が飛び散り、ベッドシーツを汚していく。それでも二人はお互いを求め合うことを止められない。

 

「はぁっ、はぁっ! イクよ、三奈ちゃん! また三奈ちゃんの中にたっぷり出してあげるよっ!」

 

「うんっ、ちょうだいっ! ダーリンのぉっ、アタシのオマンコにぶちまけてぇぇぇぇぇぇっっっ!」

 

 卯稀が三奈の膣奥深くまでペニスを押し込む。それと同時に彼女の中へ大量の精が注ぎ込まれた。三奈はその熱さを全身で受け止め、何度も絶頂を繰り返す。

 やがて、三奈は力尽きたのかぐったりと動かなくなった。その身体からペニスを引き抜くと、秘所からは入りきらなかった精液が流れ出してきた。

 

「ふう……お疲れ様、三奈ちゃん」

 

 三奈の頭を優しく撫でる。だが、三奈は反応しなかった。瞳は焦点を失い、口元には笑みが浮かんだままだ。

 

「あれ? 気絶しちゃったかな? おーい」

 

 ペチペチと頬を軽く叩いてみるが、三奈の口からは言葉にならない喘ぎ声が漏れるばかりであった。

 

「しまった、ヤリすぎたか……」

 

 頭を掻いて反省する卯稀。透に続いて三奈もソファ送り決定である。すっかりペニスの調子が戻った彼はまだまだヤるつもりだ。

 空いている方のソファへ三奈を寝かしつけると、卯稀は次の相手を呼ぶべく部屋のドアを開けた。

 

「あれ? みんなどしたの?」

 

 部屋の前には百達が勢ぞろいしていた。全裸待機していた三奈とは違い、それぞれ肩の下からシーツを纏っているが、その下が裸であることは言うまでもない。彼女たちは頬を赤くしながら、お互いの顔を見あっている。誰が答えるか迷っているようだ。

 卯稀が首を傾げると、百が口を開いた。

 

「では、私が……えっと、その……先ほどからご主人様と芦戸さんの営みの声が、聞こえてまいりまして……」

 

「そっ、そうなんだよっ! 葉隠の時よりもすごく大きな声でさぁっ……!? いったいナニしてたのっ、ボスううぅっ!?」

 

「私もすごく、すごく興味があります!」

 

 興奮した面持ちで響香が話に割って入る。その隣でお茶子も鼻息を荒くしていた。

 

「いや、いつも通り? だったけど? てか、意外と壁薄いんだね、ここ」

 

 卯稀にしてみれば普段通りに楽しんだつもりだったが、二人は納得していないようだ。

 

「隠さないでよボス! きっとこう、なんていうか、すごいプレイを……例えば、ほら! 芦戸の個性を使って、ヌルヌルのローションまみれになるとかさぁ!」

 

「だ、大胆っ!?」

 

 イケない妄想を膨らませる響香にお茶子の頭が沸騰する。

 

「……と言うわけで、私たちにも同じことをしてもらうわよ? 卯稀ちゃん」

 

「そ、そうですわっ! 私たちも平等に扱っていただきませんと示しがつきませんわ! けっして、ヌルヌルまみれになりたいわけではっ、その……ございませんが!」

 

 一歩前に出た梅雨が大きな瞳で卯稀を見上げると、百もそれに続いた。百は口では否定しているが、響香が言うようなものすごいプレイに興味があるのか、目の奥がキラキラと輝いていた。

 部屋の入口でワチャワチャと騒ぎ始めた奴隷たちを見て、卯稀は困ったように溜息をつく。そして、次の瞬間には悪戯っぽい笑顔を浮かべていた。

 

「OKOK! みんなまとめて可愛がってあげるよ! あ、でも順番だからね? まずは……そうだなぁ、梅雨ちゃん、おいで?」

 

 こうして百たちを部屋に招き入れた卯稀は淫らな宴を続行するのだった。

 

 それから数時間後。

 

 部屋のあちこちに倒れている少女たちの姿があった。まさに死屍累々である。

 どれほど卯稀と交わったのであろうか、彼女たちの股間からはおびただしい量の精液がこぼれ出ていた。それでも全員が幸せそうな笑みを浮かべて眠っていた。

 

 そんな中、ベッドが激しく軋む音が聞こえてくる。最後の一人、百が卯稀と激しいセックスを繰り広げていた。百を押し倒した卯稀が激しく腰を振っている。

 

「あっ、あああんっ! ひゃっ、ああああああぁぁぁぁぁんんんんんんっ!!」

 

 百が甲高い声を上げて絶頂を迎えた。秘所からは愛液が吹き出し、背中が大きく仰け反る。卯稀はそんな彼女を抱きしめながら耳元で囁いた。

 

「ふぅ、まだまだイくよ? 百」

 

「はぁ、はぁ、はいっ、お願いします、ご主人様ぁ……! もっとぉ、私を好きにしてくだ、はぁ……!」

 

 百の瞳がハートマークになる。この時間は百にとって至福の時間なのだ。

 彼女の返事に気をよくした卯稀の表情が綻ぶ。今度は自分が仰向けになると、百を上に跨らせる。

 

「はぁっ……ん、んんっ!」

 

 百が慣れた様子で腰を下ろし、秘所でペニスを呑み込んだ。その快感に百の身体が震える。だが、彼女はすぐに動き出そうとしなかった。ゆっくりと息を整えてから、百が上体を起こす。そのまま卯稀の唇を奪うと、舌を絡ませて濃厚なキスを交わし始めた。

 

「ちゅっ、れろっ、はぁ、あむっ……! あはぁっ……」

 

 百は目を閉じ、ただひたすらに口づけに没頭している。卯稀もまた、百の動きに合わせて下から突き上げを始めた。二人の結合部からは白く泡立った粘液が漏れ出している。

 

「んっ、くぅっ、あ、ああっ! ご、ごしゅじんしゃまぁっ! す、すごっ、いぃっ! おっきいのがぁ、おくまでぇっ!」

 

 百の口から歓喜の声が溢れ出る。卯稀のピストン運動がさらに激しさを増した。膣内の粘膜が擦られ、子宮口を突かれる度に百の全身に電流のような刺激が走る。それは快楽の波となって何度も押し寄せてきた。

 卯稀が百の大きな胸に手を伸ばす。その先端を摘み、転がすと、百の身体が跳ね上がった。

 

「きゃうぅぅぅっ!? そ、そこ、はぁっ、だめっ、ですぅぅっ! きもち、よすぎてぇっ、おかしくなってしまいますぅぅぅぅッ!!」

 

「いいよ、一緒に気持ちよくなろう?」

 

「はいぃっ! ごいっしょにっ! ご一緒させていただきますっ! はぁ、あぁっ! も、もうっ! あぁっ! イクっ、イッ、しまっ、あ、ああっっ!?」

 

「僕もっ……! 出すよっ……!」

 

「きて、くださいましぃっ! 私の中にっ! いっぱい、いっぱい、出してくださいま、はあああああっっっ!?」

 

 百の絶叫と共に卯稀の欲望が弾けた。熱い奔流が百の胎内を満たしていく。百はその熱さに身震いし、絶頂に達した。あまりの衝撃に一瞬意識を失いそうになるが、なんとか堪えて卯稀の上に覆いかぶさるように倒れ込む。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」

 

 しばらく余韻に浸っていた二人だったが、やがてどちらからともなく起き上がると、再びお互いを求め合うように激しく絡み合った。

 

 こうして主人と奴隷たちの夜は更けていったのである。

 

◇◆◇◆◇

 

 翌日。快晴である。

 お昼ごろにようやく起きだした卯稀たちは急いで準備を整え、ドラキュラの屋敷を出ることにした。今は庭で帰りの車が到着するのを、ほぼ全員で待っているところだ。梅雨だけは忘れ物を取りに屋敷に戻り、卯稀も付き添いで一緒に向かっている。

 

「それにしてもすごかったねぇ~、夜のりぼぼんっ」

 

 昨夜の情事を思い出しながら、透が呟く。その顔には満足げな笑みが浮かんでいた。透明なので分かりづらいが、やけに肌艶が良くなっている。

 

「そうだよねぇ、すごく良かったよぉ。また今晩も……うへへ」

 

 だらしない顔で口元から涎を垂らしているのは三奈だ。彼女も肌艶が良くなっている。

 

「私は三回目辺りから記憶が怪しいですわ……ただひたすらに、ご主人様のオチンポを求めていたことはボンヤリ覚えているのですが」

 

 頬に手をやりながら、熱い息を漏らす百。彼女も肌艶が良くなっている。

 

「卯稀様、私たち全員を相手にしてたけど、大丈夫だったのかなぁ……? 前に私たちと四人でお風呂へ入った後は干からびた感じになってたよねぇ?」

 

「今朝はそんな素振りなかったよね。皆に何発も出してたから、ウチの番まで回ってこないんじゃないかって、少し不安だったんだけど」

 

 昨夜の卯稀の様子について語り合うお茶子と響香。二人も肌艶が良くなっている。

 

「元々、ご主人様は個性のせいで精力が強くなっているそうです。恐らく新たに蛙吹さんたちを洗脳したことで、個性がパワーアップしたのではないでしょうか。

 たしか雄英でも個性を使い込むことで力を強くしたり、持続時間を伸ばすカリキュラムがあったはずです」

 

「それってつまり、ボスは奴隷を増やせば増やすほど、アッチの方がタフになるってこと?」

 

「すごい! さすがりぼぼんっ!」

 

 百の推測に赤面する響香。対照的に透は無邪気に喜んでいた。

 百は更に思案する。

 (個性がパワーアップすると、今までに無い新しい能力が発現することがあると何かで読んだような……もしかしたら御主人様も? 後で尋ねてみましょう)

 

「みんなごめんなさい。待たせちゃったわね」

 

 そう言って梅雨が現れる。無事に忘れ物は回収できたようだ。彼女も肌艶が良くなっている。

 梅雨の後ろから卯稀もやってきて、百たちと合流する。全員が揃うと、迎えの車がやって来た。

 

「じゃあ、帰ろっか」

 

 卯稀の言葉に百たち全員が頷くのであった。

 

 それからしばらくして一行は卯稀が借りているマンションの部屋へ帰りつく。

 

「ここがダーリンとアタシたちの愛の巣かぁ……!」

 

「けっこうきれいで良いところだねっ」

 

 初めて卯稀の部屋を訪れた三奈と透が感想を口にする。

 その言葉通り、室内は整理整頓されており、綺麗に掃除されていた。全て百たちの日頃の成果の賜物である。

 

「とりあえず皆適当なところに座ってよ」

 

 そう言いながら、卯稀がソファーへと案内する。全員で腰を下ろすと、早速話が始まった。

 

「さて、これからのことを話すね。僕としてはこのままエロエロハーレムライフを送りたいんだけど、どうやらそうもいかないらしいんだ」

 

「一体どういうことでしょう?」

 

 首を傾げる百。他の奴隷たちも不思議そうな顔をしていた。

 

「実はさっきドラキュラの屋敷で梅雨ちゃんから聞いたんだけど……僕らはプロヒーローに襲われるらしいよ」

 

「ええっ!?」

 

 驚きの声を上げる一同。そんな中、最初に反応したのは響香だった。

 

「ちょっと待って、なんでウチらが襲われるの!? 訳がわかんないんだけど」

 

「あのね……忘れてるかもしれないけど、君たちは世間ではヴィランにさらわれて行方不明扱いだからね?」

 

「あっ……」

 

 卯稀の説明に納得する響香。続いて透も声を上げた。

 

「あー、そっかぁ。私たちってば悪いヴィランに誘拐されてるって思われてるのかぁ。それで、その事実を知ったヒーローが助けに来てくれる訳なんだね。まったく余計なことをしてくれるなぁ!」

 

「まあ、普通に考えてみれば当たり前の話かと。今まで何も無かったのが不思議だったくらいですわ」

 

 不満げに呟く透に、百が同意を示す。他のメンバーも似たような表情をしていた。

 

「そういうことだから、用心しないとね。ちなみに今晩が危ないらしいよ?」

 

 ニヤリと不気味に笑う卯稀。その表情に百たちは背筋がゾクッとする。

 

「か、返り討ちにすればいいだけだし! アタシたちとダーリンを引き裂こうとするヒーローなんか、アタシの個性でやっつけちゃうんだからっ……!」

 

 意気込む三奈。だが、卯稀に頭を撫でられて顔が蕩けていく。

 

「僕だって皆を守るために戦うよ。絶対に守るから安心して」

 

「あはぁ……ダーリン素敵! 抱いてぇ……」

 

「もちろん、後でたっぷり可愛がってあげるよ」

 

「ああ……嬉しいぃ」

 

 卯稀に優しく囁かれ、うっとりとした顔で身体を預ける三奈。すっかり骨抜きにされてしまっている。

 

「ああっ、羨ましい……! じゃなくって、梅雨ちゃんはどうしてこの事を知ってたん?」

 

「話すと長くなるのだけど、ドラキュラに捕まった後にそのヒーローと接触する機会があったのよ。

 それで卯稀ちゃんをゲームに勝たせるよう、指示をもらっていたの」

 

 お茶子の質問に答える梅雨。彼女の頬には冷や汗が流れていた。

 

「まあ、そいつもドラキュラ屋敷に忍び込もうとして失敗してたみたいだからね。梅雨ちゃん達を屋敷から出させて、百達とまとめて取り返す作戦みたいだよ」

 

「なるほど……それで梅雨さん、そのプロヒーローというのは一体どなたなんですの?」

 

「それは……」

 

 梅雨が口にした名前に百たちは顔を青くするのであった。

 

◇◆◇◆◇

 

 その日の深夜。卯稀の住むマンションの廊下に、不審な人影があった。

 

「……」

 

 人影は迷う素振りもなく廊下を進んでいく。やがて卯稀の部屋の前で立ち止まると、ドアノブに手をかけた。

 しかし、ガチャリという音と共に鍵の抵抗を感じる。

 

「……」

 

 するとどこから入手したのか、合鍵を使って解錠する。そのままゆっくりと扉を開けると、中の様子を伺い始めた。

 

「……」

 

 しばらく観察していたが、特に変わった様子はない。物音一つしない室内に、侵入者は警戒を強める。

 

「……誰もいないのかしら」

 

 そんなはずはない。卯稀たちが帰ってきてから、侵入者は建物をずっと監視していたのだ。もし卯稀たちが部屋から抜け出していたのであれば、気づかないはずがない。

 

「とにかく、中にいるなら探すしかないわね」

 

 そう言って一歩踏み出した時だった。

 室内の明かりが急に点灯した。

 

「!?」

 

 驚いて後退る侵入者。その視線の先には、卯稀の姿が映っていた。なぜか彼はガスマスクを付けている。

 

「こんな夜更けに人の家に勝手に入ってくるなんて無礼だね」

 

「貴方が卯稀変我……リボーン・キング……!」

 

 卯稀の姿を見て眉を釣り上げる侵入者。その声色には怒りの色が滲んでいた。

 

「さすがに僕のことは調べ上げたみたいだね。プロヒーローのミッドナイトさん?」

 

 卯稀が嬉しそうに唇の端を釣り上げる。

 

 ミッドナイト。プロヒーローであり、雄英高校教師としても有名な女性だ。個性は眠り香。相手の意識を奪うことができる。長い黒髪と豊満なバストが特徴の女性だ。いまも全身タイツのようなピッチリスーツを着て艶めかしいボディを見せつけている。

 

「そのガスマスク……私が来ることを蛙吹さんは話してしまったのね。それなのに逃げなかったのはどういうことかしら? よっぽどの自信家なのか、それともうっかり屋さんなの?」

 

「さあ、どっちだろうね? 僕は前からミッドナイトのファンだったんだ。あなたを洗脳奴隷にして犯し尽くしたいとは思っているよ」

 

「年上のお姉さんを好き放題にしたいとか、本当に生意気な子猫ちゃんねぇ」

 

 挑発的な卯稀の言葉に、余裕の笑みを浮かべて対応するミッドナイト。

 

「あなたが奴隷にした子たちを解放してくれるなら、考えてあげてもいいわよ?」

 

 ミッドナイトはそう言って己の巨大な乳房を持ち上げながらウインクをする。

 

「おっと、魅力的な提案……!」

 

 ミッドナイトの色香に卯稀は前かがみになる。巨乳好きの彼にとってミッドナイトは理想的すぎる肉体の持ち主なのだ。

 

「でも、残念。彼女たちは全員僕を愛してくれてるんだ。だから手放すつもりは無いよ」

 

「ふぅん……やっぱりそうなのね」

 

「ああ、だから悪いけど帰ってくれないかな?」

 

「嫌よ。私はあなたを捕まえて生徒たちを解放する。それが私の使命だからね」

 

 卯稀の提案をミッドナイトは拒絶する。その表情は真剣そのもので、彼女が本気であることを物語っていた。

 

「どうしても邪魔するつもりなんだね?」

 

「ええ、当然でしょう?」

 

「そっか……じゃあ仕方ないな」

 

 卯稀は指をパチンと鳴らす。すると部屋の天井が開いた。そこから百たちが飛び降りてきてミッドナイトを取り囲む。彼女たちも卯稀と同じくガスマスクを身に着けている。

 

「なっ……!?」

 

 突然の出来事に動揺するミッドナイト。そんな彼女に向かって卯稀が語りかける。

 

「ふふふ、百たちが半日で部屋を改造してくれました。これで逃げられないよね?」

 

「まさか、最初からこれが狙いで……!」

 

「うん。こうなった以上、力ずくで突破するしか無いと思うけど、どうかな?」

 

「……いい度胸じゃない」

 

 卯稀に睨まれながらも、ミッドナイトは不敵に笑う。

 

「ミッドナイト先生! 大人しくしてくださいまし!」

 

「先生も卯稀様の奴隷になりましょう!」

 

「アタシたちと一緒にダーリンとズッコンバッコンしましょう!」

 

「くっ……!」

 

 百たちに迫られ、思わず後ずさるミッドナイト。

 

「ところでボス、さっきミッドナイト先生に誘惑されてクラっときてなかった? なんか鼻の下伸びてた気がしたんだけど……」

 

「もーっ、浮気はダメだよ? りぼぼんっ」

 

「なっ、何を言ってるんだ君たち! そんなわけ、ないだろう?」

 

「おちんちんを膨らませて言っても説得力無いわよ、卯稀ちゃん」

 

「うぐっ……」

 

 梅雨の指摘に反論できずに黙ってしまう卯稀。

 

「あら、今からでも遅くないわよ? 私の言うことを聞いてくれるなら、目一杯サービスしちゃうけど?」

 

「おおっ……!」

 

 そう言って扇情的なポーズを取るミッドナイト。彼女の大きな胸が揺れる度に、卯稀の股間は元気よく跳ね上がる。

 

「ちょっとボス! いい加減目を覚ましてってば!」

 

 響香に耳を引っ張られて正気に戻る卯稀。

 

「うう、痛いじゃないか……」

 

「しっかりしてよね、もう……!」

 

「だってしょうがないじゃないか! あのおっぱいが悪いんだよ! あれを見て反応しない方がおかしいよ!」

 

 必死に言い訳をする卯稀。彼の視線の先には、不機嫌そうに頬を膨らませる百の姿があった。

 

「むぅ……御主人様、ミッドナイト先生の身体に夢中になっていましたわね」

 

「そうね。これはお仕置きが必要かしら?」

 

 百と梅雨にジト目で見つめられ、冷や汗を流す卯稀。

 

「いや、その、それは違うんだ。二人とも誤解しないでくれよ」

 

「そうですわね。ミッドナイト先生を倒してからジックリと問い詰めさせていただきますわ」

 

「一桁じゃ済まないから覚悟して頂戴」

 

「ひぃ……!」

 

 二人の言葉に震え上がる卯稀。

 

「さあ、ミッドナイト先生。覚悟してください」

 

「……舐められたものね。私が無策で来たと思ってるのかしら?」

 

 そう言ってミッドナイトもパチンパチンと指を鳴らす。すると部屋全体が揺れ始める。

 

「地震!?」

 

「まさか! ミッドナイト先生の仕業だよ!」

 

「でもっ、先生の個性じゃ、こんなこと……!」

 

 百たちに動揺が走る中、部屋の床を次々と何かが突き破る。それはイバラの付いた緑色の蔓であった。

 

「きゃあっ!」

 

「な、なにこれっ!?」

 

「いやああっ!」

 

「ちょっ、いたいっ、いたぁいっ!」

 

 次々と悲鳴を上げる百たち。彼女たちの全身に蔓が絡みつき、動きを封じていく。それは卯稀も例外では無かった。さらに新たな蔓が現れ、彼ら全員のガスマスクを外していく。

 

「しまった……!」

 

 卯稀が顔をしかめる。これはミッドナイトの協力者の仕業だ。

 

「フフッ、どう? これで終わりね」

 

 ミッドナイトは卯稀の側に歩みよる。卯稀の顎をクイッと持ち上げると、彼の素顔を眺める。

 

「あら、可愛い顔してるじゃない。あなたみたいな男の子は嫌いじゃないわよ」

 

「くっ、離せ……!」

 

 卯稀はミッドナイトの手を振り払おうとする。しかし、完全に拘束されているため身じろぎすることしかできない。

 

「ふふ、暴れても無駄よ。ほら、眠ってしまいなさい?」

 

 ミッドナイトが自分のコスチュームの一部を破り、個性を発動させる。相手を眠りに落とす香りが卯稀の鼻孔をくすぐった。

 

「くっ……!」

 

「さあ、おねんねの時間よ」

 

 ミッドナイトの甘い囁きと共に卯稀の意識は薄れていった。

 

「御主人様!?」

 

「イヤああっ! ボスぅぅっ!」

 

「卯稀ちゃんっ!!」

 

「ダーリンっ!!!」

 

 百たちの叫び声が響く中、卯稀は静かに瞼を閉じた。

 

「さて、次はあなた達よ。大丈夫、必ず元に戻してあげるから安心して」

 

 ミッドナイトは百たちに近づくと再び個性を発動する。

 

「ううっ」

 

「ああ……」

 

 百たちは抵抗することもできずに深い眠りに落ちてしまう。

 

「フフッ、これで準備完了ね」

 

 満足げに微笑むミッドナイト。そんな彼女に近づいてくる影がある。

 

「ミッドナイト先生、これで終わったのでしょうか?」

 

 声の主は落ち着いた雰囲気の美少女だ。長い髪の毛がイバラの付いた緑色の蔓になっている。

 彼女の名は塩崎茨。雄英高校ヒーロー科1年B組の女子生徒だ。蔓の様な髪を伸縮自在に伸ばし、操ることができる。

 

「ひとまずはね。協力感謝するわ、塩崎さん」

 

「いえ、お役に立てたなら何よりです」

 

 茨は両手を組んで顔の前まで持ってくると瞳を閉じて祈り始めた。

 

「悪魔に魅入られてしまった哀れな仔羊たちに神のご加護を……」

 

 彼女は聖女のような表情を浮かべて祈る。

 

「悪いけど、もう少しだけ手伝ってくれるかしら。この子たちとヴィランを車まで運んでほしいのよ」

 

「かしこまりました」

 

 茨は蔓の髪を動かし始める。マンションの駐車場に止められていたワゴン車へ卯稀と百たちが運ばれていく。

 

「さて、私はこの子たちを連れていくわね。塩崎さん、今日は本当にありがとう」

 

「いいえ、お気になさらないでください。それよりも、彼女たちを宜しくお願い致します。そして悪魔に堕ちた少年に天罰が下ることを祈っております……」

 

 ミッドナイトの言葉に茨は恭しい態度で答える。

 

「もちろんよ。八百万さんたちは必ず救ってみせる。だから心配しないで待っていてちょうだい」

 

 ミッドナイトがウインクすると、茨も笑顔で応える。

 

「はい、分かりました。それでは失礼いたします」

 

 茨はその場を立ち去る。その背中を見送った後、ミッドナイトはワゴン車に乗車した。後部座席では卯稀と百たちが眠っている。

 

「さあ、行きましょうか。彼女たちを元に戻せるかどうか、ここからが本当の勝負ね。見ていて、相澤くん……」

 

 ミッドナイトは運転席に乗り込むと車を発車させる。夜の街を駆け抜けて何処かへ消え去っていった。




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