≫Wesker's secret story.........?
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私は死んだ。だが、それは"人間"としての最期。新たに生まれ変わった私の目に映るものは、全て違って見えた。
それと同時に起こる、怒りの様な沸々とした感情。ただの人間であった以前の私には無かった感情が、今にも溢れ出しそうだった。
──クリス……! 貴様のお陰で台無しだ!
怒りの矛先はクリス・レッドフィールドへ。奴にもこの苦汁を与えたい。
ギリギリ洋館から出る事が出来た私は、静けさの残るラクーンシティへと、闇に乗じて戻って来た。今まで住んでいた広い一軒家に向かい、愛車として普段から使っていた車に乗り込む。エンジンをかけ、私はある場所へと車を飛ばした。
──直接の苦しみ以上を味あわせてくれる……!
夜が明ける時、ダイアナのアパート前に私はいた。S.T.A.R.S.総員で唯一出動出来ず、一人あの惨劇を知らない。だが、今頃クリスから連絡を受けている筈だろう。 静かに音も立てずに忍び込むのは容易かった。案の定、クリスの連絡に慌てて出る準備をしているダイアナは、私がいることに気づきもしない。
「ダイアナ」
背後から名を呼び、相手が振り返ると同時に、私はダイアナを気絶させた。床に倒れたダイアナを抱え、アパートから出ると、何処からか焦げ臭い臭いが鼻を掠める。……だが、そんな事はどうでも良い。私は車の後部座席にダイアナを乗せて車を走らせた。
──Good bye ラクーンシティ。
二度と訪れる事は無いラクーンシティに別れを告げ、私はクリスに対して込み上げる怒りと共にアクセルを踏み込んだ。インナーリアビューミラーに少し目を向ければ、ダイアナがまだ気絶したままであるのが伺える。
──クリス、お前が次に会う時、ダイアナは……。
私は、サムの所有していたある島に到着した。以前共同で密かに植物の実験施設として利用した事があったお陰で、この島は新しい組織にも、勿論アンブレラにも秘密に使用出来る。
──サム、島を有り難く使わせてもらうぞ。
気持ちなど全く込める気はないが、一応この世からあの世へ敬意は伝えよう。島の研究所はサムが利用を続けていた事で、アンブレラとは関係の無い研究員が何人か滞在していた。 それでも足りない分は金で雇う事にした私は、取り合えず残っていた研究員にサムの死を告げ、新たに報酬を与えて島から出さないようにした。
ダイアナを地下に閉じ込めて直ぐ、漸く目を覚ましたダイアナは、この状況を理解出来ずに混乱した様子だった。既に情報は得ている為、私に対しての警戒心を感じられる。
──お前は顔が似ているだけだ。
心の中でそう唱えながら、薄暗い空間の中でダイアナを見た。洋館から逃げる僅かな合間に手に入れた大事なTーウイルスを、私は一切躊躇せずダイアナに注射した。出来損ないのバケモノに変化した後、先ずはそれをクリス宛にでもしてやろうか。随分と幼稚なやり方だが、それでも充分にヤツには効く筈だ。
接種後、ダイアナの隣の部屋にもう一人入れた。この島に来る途中、たまたま拉致した被験体はダイアナの知り合いだったらしい。接種後、直ぐに動く屍となった。反対にダイアナには一切の変化は見られない。
──まさか第一段階をクリアか?
希に抗体を持つのが存在するが、ダイアナもそうだったらしい。血液を採取し、 調べてみた。
──何だこれは?
ダイアナの遺伝子は、強い抗体をただ持っているだけではなかった。
「この様な血液中の細胞、見た事がありません!」
若干興奮気味に言うのは、この施設で新たに私の部下となった研究員だ。無理もない、通常とは全く違う反応をしたのだ、この細胞は。──ふと、あの時の事が頭を過る。
『私がその対象となった場合、逆を突いて騙し、相手を支配します』
まさにあの時のダイアナの言葉どおり、細胞はウイルスを騙す様にして支配していた。
「被験体を別の場所へ移せ」
私自身、ダイアナを直ぐにでもバケモノに変える事が出来ず少々残念に思ったが、それ以上にダイアナの特異体質は、新たな発見として魅力的なものになった。
──クリスへのプレゼントは先伸ばしだな。
などと思いつつ、私はダイアナへの実験を続行する事にしたのだった。
To be continued...