目の前には、美の女神もかくや、という存在が立ち尽くしている。
レースで縁取られた、上品な白の肌着以外に何も纏わぬその姿は、直視すれば目が潰れるのでは、と勘違いしたくなる神々しさすら感じた。
体を構成するパーツのそれぞれが、究極の完成度を誇る、調和の取れた美。
しかし実の所、彼女は――織莉子ちゃんは、非常に不安定な状態でもあった。
「……先生……」
耳をくすぐる、不安気な声。
証明するのは、身体に絡む細い腕と、僅かにくねる腰。豊満な胸は強調され、くびれ周りの優艶な曲線が麗しさを増す。
雪の如く白い肌は明らかに紅潮し、羞恥に耐えかねている事を示していた。
けれど、そんな様子がまた男を誘い、脚が勝手に一歩を踏み出してしまう。
「あ、っ」
すると、一層に身を縮込ませ、合わせて胸が、ぷるん、と弾む。
母性の象徴とされるそれは小刻みに震え、はっきりと存在を主張している。
堪らなく男を魅了する肉体を持つ彼女だが、未だ幼い十五の少女。例え本人が望んだとしても、無意識に怖がるのは無理も無い。
本当なら、見る事も許されないのだ。
法律でだって禁じられているし、何より、その未来を考えるなら、大人であるこちらが自制しなければいけない。
それなのに。
誰も触れた事の無い、触れる事の許されない存在に、それを望まれている。
法の禁じすら霞むほど、興奮してしまっていた。
誰かの手に渡る前に、全てを穢し尽くしたいと、思ってしまった。
「……ぅ」
織莉子ちゃんの胸に向かって、左手が伸びた。
触られると思ったのだろう。彼女は身体を緊張させ、目をきつく閉じる。
だが、決して逃げようとはせず、自分を襲う刺激をじっと待っていた。
しかし、俺の中にはまだ迷いがあり、肌に触れる直前でそれを止め、空気越しに丸い形をなぞる。
「っ……ぁ……ふ……ん」
それでも、手の平から熱は伝わるのか、まるで愛撫されている様に息を漏らす。
閉じられていた目蓋が開き、「何故?」と言いたげに首が傾く。
その瞳を見つめながら、今一度、俺は問い掛ける。いいのか、と。
「……はい」
決意の眼差しは、一向に揺るがない。
こうしている間も、俺は手を引くべきかどうか、悩んでいるというのに。
据え膳食わぬは男の恥とも言うが、実際にその状況へ立たされた人間にとっては、むしろ迷いを助長させているとしか思えなかった。
触れるか、触れないか。
極僅かにも、何十分にも思える思案の末、俺は――
「ひ!」
――欲望に負け、左の人差し指で、頭頂部が隠れているであろう場所を、軽く突く。
びくん、と大きく身体が跳ね、甲高い声も。
一センチにも満たない接触面積は、膨らみの柔らかさと布の硬さ、相反する二つの感触を確かに伝えてくれた。
「はっ……ぁ、う……んっ」
くにゅり、のの字を描くように捏ねれば、戸惑う息遣いが聞こえた。
それが快感のためなのかを確認したくて、どんな感じがする……? と尋ねてみる。
「……変、な、感じが、します……。自分で触って、も、こんな風には、ならなかったのに。なんだか……じりじり、します……」
すると、潤んだ瞳がこちらを見上げ、震える唇で答えてくれた。
間違い無く、嫌がられてはいない。それどころか、むしろ……。
気付いた瞬間、我慢が利かなくなった。
衝動的にブラジャーのカップを剥ぎ、手の平で持ち上げるようにして膨らみを掴む。
「あっ! ……むっ……っん……っ!」
一瞬、悲鳴が上がり、彼女は手で口を覆ってそれを隠そうとした。
しかし、それでも声が出てしまいそうなのか、今度は人指し指の背を噛んで、必至に耐える。
よほど恥ずかしいのか、まぶたは再び閉じられ、より濃く、頬に赤みが差す。
そんな、いやらしくも可愛らしい表情に見入りながら、左手は別の意思を持った様に動き続ける。
「ふっ、う、んぐっ、んっ」
伝わるのは、ミッチリと厚みのある、それでいてふかふかな、極上のスポンジを揉みしだいている感覚。
簡単に指がめり込むのに、強い反発力で元へ戻ろうと抵抗する。本物のスポンジと全く違うのは、しっとりと肌に吸い付いてくる事だろうか。
素晴らしい揉み心地に、興奮が高まっていくのを自覚した。
だが、まだ理性が残っている内に、どうしても言っておかねばならない事があるのを思い出し、断腸の思いで左手を引き剥がし、彼女の頬へ添える。
「え……? 先生……?」
いいかい、織莉子ちゃん。
もし、この事が誰かに知られたら、俺に無理矢理された事にするんだ。
……それだけ、約束してくれ。
「ど、どうしてですかっ? これは私が望んだ事で、先生は何も……!」
確かにそうかも知れない。
でも、切っ掛けはどうあれ、君とこうするって決めたのは、自分の意思だ。
こんな形でしか、俺は想いを貫けない。
君への責任を、果たせないんだ。情けないよ……。
「あ……」
自分で口にしながら、あまりにも悔しくて歯噛みする。
俺の不甲斐無さが、こんな事態を招いた。彼女を苦しめ、追い詰め、こんな事をさせてしまった。
全ての原因……では無いにしても、一因であるのは確か。
ならばせめて、最低限の名誉だけでも、守らなくては。
……本気で守りたいなら、今すぐ服を着せて、久臣氏の所へ乗り込んで直談判でもすれば良いと、分かっているけど。
けれど……もう、止まれない。こんな所では、止まれない。
「……分かり、ました。先生が、そう、望むなら……」
そう言う顔からは、不満そうな気配が見て取れる。……それも当然か。
想いが通じ合って、身体を重ねる。
本来なら喜ばしい事なのに、その言い訳を強いているのだから(年齢的なネックはこの際、頭から除外する)。
しかし、俺はワザと気付かない振りをして、ありがとう、と微笑みかけて、顔を寄せ――
「あ、先せ――んっ」
――開きかけた唇を塞ぐ。
目を閉じていても、触れた部分を通じて、身体を硬直させたのが分かった。初々しい反応が喜ばしい。
それを楽しみながら、頬に添えていた手を移動させ、首筋、肩、背中と、滑らかな肌も堪能する。
「ふ……ぐ……うっ」
けれど、同時に苦しそうな声も聞こえた。
鼻息を感じないし、これは多分、完全に息を止めてしまっているのかも……。
窒息させてしまう訳にも行かず、一旦、唇を離す。
……大丈夫? ほら、ちゃんと息して。
「っはぁ、ふぅ……す、すみませ……びっくり、してしまって……」
目を白黒させ、荒く息を整える彼女。
その背中に両腕を回し、鼻で息を吸って、と声を掛けてから、もう一度。
「は、はい……。む……ん、ん……」
今度はきちんと、くすぐったい息遣いがあった。
しばらく無心に口を吸い合っていると、ようやく慣れて来たのだろう。
身体から力が抜け、細い力にシャツが握られたのを感じる。
「んぁ、んっ、ふ、んちゅ、ぅん、ぇる」
すると、唇に今までと違う熱さが這う。何かと思ったが、それが織莉子ちゃんの舌である事はすぐに分かった。
探るような、たどたどしい動き。どうやら、こういう事にも勉強熱心らしい。
より深くキスをして歓迎すれば、貪欲に舌が絡み付き、共に昂っていく。
「は、ん、ちゅる、むん、ふっ、んんん」
そんな中、背中を撫でていた手に丁度良くブラのホックが触れ、それを外してみる。
しかし、唾液を交換し合うのは止まらない。初めてのディープキスに夢中で、気付いていない様だった。ついでとばかりに形の良い小尻を揉んでみても、全く。
片目を開けて確かめると、彼女は薄目でこちらを見つめ――いや、微妙に焦点が合っていない。本当に熱中しているみたいだ。
乱れた顔も可愛らしく、胸とはまた違った感触で指を楽しませるお尻に、こちらも夢中になっていく。
だが、身体全体で感じる艶やかさを、目でも確かめてみたくなり、織莉子ちゃん、と合間をみて名前を呼ぶ。
「ふ、ぁ……い……?」
返って来るのは、寝ぼけている様な声。実際、その顔は夢見心地といった様子だった。
深い呼吸。視線はぼうっと宙を眺め、耳まで赤く。
密着していた身体を少し離してみれば、既にずれていたブラの肩紐が完全に外れ、ぽろん、と両の膨らみが零れ落ちる。
薄桃色の頭頂部は、硬さを宿し始めていた。
……鼓動が早まる。
「はぁ……ふ……ぅ? ……やっ! いつの間に……!?」
――と、ようやく正気に戻ったのか、織莉子ちゃんは両腕でそれを覆う。
が、細い腕では、十五にしては大き過ぎる物を隠し切るのも不可能で、大部分がムニュリとはみ出ていた。
恥ずかしがる気持ちも分かるが、もう少し眺めていたい気分だった俺は、その腕を撫で、暗に見せて欲しい事を伝える。
「うぅ……。な、なんだか、妙に手馴れていませんか? やっぱり、ご経験がお有りで……?」
しかし、間が空いたせいで羞恥心も戻ってしまったのだろう。彼女は気を逸らすように問い掛けて来る。
ただ単に、思いついた事をそのまま実行しているだけなのだが、そんな風に取られるとは思わなかった。
残念ながら、俺も初体験だよ。まぁ男だから、そういう本を読んで色々と知ってるのはあるけど。
実践するのは、織莉子ちゃんが初めてだ。
「そう、ですか」
明らかに安堵した顔。
やはり、好意を持つ人の経験値は気になる物。俺としてもそれは同じだから、理解できる。
とはいえ、彼女は聞くまでも無く、全部が“初めて”だと分かるから、男としては安心であると同時に、とても怖い。
下手な事をすれば、行為そのものに恐怖感を植え付けかねないのだから。
女の子にとって、“初めて”とはそういう物だと、例の先輩から聞いた事もある。普段は役に立たない癖して、妙な時に手助けをしてくれるもんだ。
……だから、もし痛かったり、嫌だと思ったら、教えてくれるか?
ちゃんと一緒に、気持ち良くなりたいから。
「……ふふっ」
上手く気を配れたと思えたのだが、何故か彼女は小さく微笑む。
……やっぱ、もっと男らしく百人切りとか、嘘でも経験豊富なアピールをした方のが良かったか?
けど、本当の事だし、嫌な思いだけはさせたくなかったし……。
と、そんな風に苦悩していたら、今度は柔らかく目を細め、首を横に振って見せてくれる。
「ごめんなさい。でも、嬉しくて。だって私、無理矢理されているはずなんですよね? なのに先生は、こんなにも優しくて。ふふ」
そう言えば、そんな設定だったね。
すっかり忘れていた事を思い出し、二人で笑い合う。
変な感じだ。ちょっと前まで、この世の終わりみたいな気分だったのに。
こうして触れ合っているだけで、そんな物は消し飛んで行く。
互いの温もりで不安を打ち消しあい、想いをより確かにする。これが、人が愛し合う理由、なのかも知れない。
だが、蠱惑的な肉体は優しさだけでなく、蹂躙してしまいたいという邪欲まで引っ張り出し、それ等が混じり合った結果、俺はやや強引に、彼女をソファーベッドへ押しやる。
「あ……」
抵抗らしい抵抗も無く、背もたれを倒せば、そのままベッドに横たわってくれる。
きしり、フレームを軋ませながら覆い被さると、何も言わなくても、膨らみを隠していた腕が外された。
羞恥に染まりそっぽを向く顔と裏腹に、豊満な二つの山々は、重力に逆らってそそり立つ。
ためしに、両手で鷲掴みにしてみると――
「あんっ!」
――色欲の乗った声と共に、抜群の弾力が指を跳ね返す。
面白いようにプルプル弾み、揺れる頭頂部の片方を口に含めば、「ひゃ!」と高音が響いた。じゅるり、という下品な音に溶け、それは奇妙な和音へと。
一々返される反応が楽しく、もう片方を右手で潰しながら、更に左手を下腹部へ向かわせようと、身体の位置を変える。
「うっ、ん、ふっく、ん……ぁう!」
無遠慮にショーツへ侵入させると、殆ど毛の生えていない丘があった。
上品な生え揃い方をしたそれは、まるで産毛の様に柔らかい。
「あっ、やっ、そこは――んあうっ!」
奥へ下り、十分に濡れていたスリットをなぞれば、身を捩り、敏感なリアクションを見せる。
それがあまりに大きく、心配になってしまった。
ごめん、痛かった?
「あ……ぃ、いえ。驚いた、だけ、です……。続けて、下さい……」
だが、彼女は小さく首を振り、健気に先を促す。
ならば、とそれに答えたくなり、愛撫を再開。両手と舌を使って責め立てる。
「ひっ! くふ、ふ、ぅ! あ、あのっ、やっぱり慣れ――ぅん! あっ!」
困惑している様な声が喘ぎに消え、甘美なそれは欲望を加速させた。
「やっ、あふ、へ、変、ですっ! こ、こんな、のっ、知らな、いっ! ひゃう! ぁんっ!」
中指で浅く内側をくすぐり、親指で小さな突起を皮越しに優しく撫でる。
胸を強めに揉みしだき、搾るように摘み上げる。
頭頂部を舌で転がし、ふやける程にしゃぶり付く。
その度に身体が跳ね、零れ出る声は上擦り、指を包む肉壁が熱く。
「ん、くぅう! や、だめ、だめぇ! なにか、来、るぅ!」
ガクガク揺れる腰を浮かし、織莉子ちゃんは迫り来る何かを訴えた。
それをもっと高みに導くため、細心の注意を払いながらも、性感帯への刺激を強める。
膜を傷付けない程度の深さで指の出し入れを早め、突起を押し込み、頭頂部を爪弾き、同時に甘噛み。
「いや、やぁあっ――あああああっ!!!!!!」
やがて、痙攣は最高潮へ達し、弓なりに背中が引き絞られる。
歯を食いしばり、目をぎゅっと閉じて、織莉子ちゃんは快感に耐えようとしていた。
握り締められた拳が、その激しさを窺わせる。
「はっ、はっ、はぁ、何? 何で、すか、今の? あ、あぁぁ」
しばらくすると、浮き上がっていた身体はベッドに落ちるのだが、余韻から抜け出せないのか、声を震わせ、当惑する彼女。
間違い無いとは思えるのだが、何分、初めての事。頭を撫でてあげながら確かめる。
大丈夫かい。ちゃんとイけた?
「……イ、く? これ、が、絶頂、なんですか? こんな、凄、い……」
流石に言葉そのものは知っていたみたいで、自分を襲った現象の正体を悟り、またもや目を白黒。
こうして気持ちよくなる事自体が、初めての様だった。
もしかして、オナニーもしたこと無い?
「あ……はい……。自慰、ですよね。あり、ません……。お風呂やトイレ以外では、その、触った事も……」
……つまりは、指を挿入した事も、突起を弄った事も無い、と。
彼女自身すら触れた事の無い場所に、触れたのか。
この俺が、織莉子ちゃんを。
生まれて初めて、イかせた。
恐ろしく、興奮した。
気を抜けば、本当に無理やり犯してしまいそうな程。
ズボンが破けそうな位に爪を立て、何とかそれを押さえ込むが、しかし、行為を続けたいという衝動は抑えきれず、ぐしょ濡れになったショーツを引き下げる。
「あっ、あの、ま、待って下さい」
――が、それを引き止める声に気付いて、動きを中断。
どうかした? と返事をすると、ゆっくり体を起こし、彼女は続ける。
「私にも、させて、下さい。勉強も、準備も、して来ましたから……。先生にも、気持ち良くなって欲しい、です」
それは、嬉しいけど、でも、無理はしなくても良いんだよ?
「へ、平気です。じ、直には、怖いですけど。そのために、ちゃんとこれも買って来ましたし……」
言いながら、織莉子ちゃんはベッドの側に置いてあったビニール袋を漁りだす。
何だろう、と思いながら大人しく待っていたら、彼女が取り出したのは……。
そ、それ……コンドーム?
「……はい。薬局で、ついでに買って来ました。……レジの人が男性で、凄く恥ずかしかったです……」
そりゃあ、頑張ったね……。でも、その人も同じ感想だったと思うよ……。
変装っぽい格好をしてはいたが、可愛らしさは隠れるどころかパワーアップしていた。
そんな子が恥ずかしがりながら栄養ドリンクとコンドームを御購入って、どんな羞恥プレイだ。いきなりハイレベル過ぎるわ。
絶対、彼氏に無理やり買って来いって言われたんだ、って勘違いされてるぞ。そんでもって濡れ場まで想像されてるよ。
きっと誰でもそうする。俺なら絶対そうする。やっぱこの子、ズレてるよ……。
っていうか……予想してたんだ。こうなる事。
「……聞かないで、下さい。意地悪、です……」
ぷい、と顔を背け、更にゴムの箱で顔を隠す。
これは、呆れればいいのか、叱った方がいいのか……。しかし、ここまでさせる位に愛されているんだと考えれば、嬉しくもある。
それにもう、我慢の限界だ。
最初のキスをした時から、とっくに分身は硬くなっている。是非、気持ち良くして貰おう。
そう思い、俺はズボンと下着をまとめて下ろし、ベッドに腰掛ける彼女に向かって下半身を曝け出す。
「きゃっ。……これ、が」
短い悲鳴の後、織莉子ちゃんは、勢い良く反り返ったそれを、しげしげと観察。
見つめられるだけで、自分でもガチガチに滾るのが分かり、先走りが垂れ始めていた。
……何だろう。露出狂の気持ちが分かった気がする。
自分の局部に、女の子が照れながらも興味を示す様は、意外なほど興奮を高めてくれた。
こんな変態的な部分があったなんて、ちょっとショックだ……。
「え、えと……失礼しますっ」
――なんて落ち込んでいたら、竿にふっくらした感触が触り、おうっ、と声が漏れた。
それはもちろん、彼女の小さな手で。また大きき腫れ上がった竿を、しなやかに撫でる。
「とても、熱いです……。それ、では……」
何度か、確かめるように指でなぞってから、次にゴムの包みを破る。
再び、恐々と竿を押さえて、先端に被せ、根元に向かって慎重に被せて行く。
若干タイトなサイズだったが、指の輪で生み出される圧力に、未知の快感を覚えた。
他人の手で触られているというだけで、こんなにも気持ちが良いだなんて、知らなかった。
「わ。凄く、薄い……。ふぅ……ぁ……っむ」
ぅおっ、ふ!
――と、感動していたのも束の間、更なる快感に襲われる。
何を思ったのか、彼女は竿を口に含み、ゴム越しにフェラチオを始めたのだ。
確かに、「私にもさせて」ってさっき言っていたけど、これは、童貞にはキツ過ぎる……!
ちょ、ちょっと、織莉子ちゃん、待っ――。
「んっ、むっ、ふ、ふー、っぐ」
思わず腰が引けてしまったのだが、それに合わせて頭が動き、離れてくれない。
指から感じていた体温とは、比べ物にならない熱さ。隔たりがあるというのに、それは余さず伝わって来て。
それだけでなく、ぷっくりとした唇の柔らかさ、おずおず先端の周囲を舐め回す舌の滑らかさまで分かる。
ゴムを着けていなかったら、含まれただけで射精していただろう。だが、このままではあえなく発射させられてしまうのだから、大差無い。
そんな情けない姿を見せるのは嫌で、少し待って、と呼び掛けながら髪を撫でる。
「むぐ、んー、んぅうぅ、じゅるっ」
しかし、全然止めてくれる気配が無く、滾りが竿を上っていく。
凄まじい勢いで技能を修得しているのか、ただの前後にくねりが足され、吸い付きに強弱が付き、舌は複雑に絡み付いてくる。
あまりにも、気持ちが良過ぎた。
このまま一度、出してしまった方が良いのか。
それとも、快楽から逃れるために無理やり引き剥がすか。
「んっ、じゅぷ、ちぅうぅ――ぷあ、ぁ、え? 先生?」
歯軋りしながら迷い続け、結局、男としての意地が勝って、強引に織莉子ちゃんを引き剥がす。
キスの時と同じく、また夢中になっていたようだ。
おもちゃを取り上げられた子供みたいな、「なんで?」という顔が、それを教えてくれる。
「あの、私、上手く出来ませんでしたか……?」
だが、中断させられたのを気にしてか、今度は不安そうな表情。
波も落ち着き、少しは冷静さを取り戻した俺は、そうじゃなくて、と否定する。
上手すぎて、出ちゃいそうだったから。なんか、勿体無くて。本当に初めて?
「当たり前ですっ! ……その、口の中で、ピクピク跳ねてくれるのが、楽しくて……。出して頂いても、良かったのに……」
……才色兼備だとは思ってたけど、こういう才能まで持ってるなんてね。
織莉子ちゃんは、Hな子だ。
「ち、違います。そんな事ありません。もしそうだとしても、先生の悪影響です」
つん、と拗ねて、唇を尖らせる。
怒らせたのかと焦ったが、チラチラ様子を伺ってくるのを見るに、ただ恥ずかしいだけなのだろう。
それすら愛らしい少女へ、小さく微笑みながら。
刺激から開放されても、全く衰える気配を見せない渇望を癒すため、彼女を伴ってベッドに上がる。
「……っ」
次に何をされるかは、分かっているのだろう。
こちらへ背を向け、膝立ちになり、クチュ、と音を立てるショーツを引き下げながら、「電気を消してくれませんか」とお願いして来た。
明るい場所で濡れた恥部を晒すのに、まだ抵抗感があるのかも知れない。
負担は出来るだけ軽減してあげたくて、素直に従い証明を落とす。途端、部屋は新月の暗がりに包まれ、カーテン越しに入る町の明かりだけが視界の頼り。
「先生」
静かな声に呼ばれ、側に戻る。
まだ暗さへ慣れていない目では、横たわり、もじもじ身体をくねらせる少女の輪郭しか把握できない。
しかし、火照った肌も。弾む膨らみも。彷徨う視線までもを、想像力が補って余りあった。
竿が、ビクン、と跳ねる。
織莉子ちゃん。……いいね。
「はい……。私を、先生の手で大人にして下さい……」
迷い無く返った答えに、最後の枷は外された。
逸る気持ちを抑えながら脚を押し開き、腰を寄せて、挿入するために狙いを定める。
暗闇でほとんど見えないが、軽く擦り付けただけで水音が立ち、「ひんっ」と甘い声。
つぷり、僅かに先端が埋まり、それだけで背筋が反るほど気持ち良い。
そこで一旦止まり、彼女を確かめてみれば、自分の胸の間で両手を握り合わせ、祈るようにしてこちらを見つめていた。
いや、まだ完全には順応していないし、そんな気がしただけなのだが……間違っているとも思えない。
なぜなら、視線が合ったと思った瞬間、その影が頷いてくれたから。
「う……ひぐっ! あっ、ん゛……ふっ」
腰を押し出す。
硬く強張った壁は、かなりの抵抗を見せたが、溢れる愛液のおかげで程好い刺激に軽減されている。
強い圧迫感が竿を包囲し、理性が追い詰められる。
止める事なんて、もちろん、出来なくて。
そして、今――
「……う゛あ!?」
――純潔を奪った。
ぎりっ、と内側全体が締まり、また危うい所だった。
よほど痛いのか、織莉子ちゃんは細かく痙攣し、それに合わせて感じる強弱すら素晴らしい。
しかし、更なる痛みを与えるのも、無闇に動いて暴発するのも避けたくて、彼女の呼吸が落ち着くまで、突き犯したいという衝迫を奥歯で噛み殺す。
「く、ぅ……っ……。あ、あ、の……どう、ですか? 私の、なか……おかしく、ない、ですか……?」
ようやく慣れて来た視界に、頬を伝う涙が見えた。
やはり、無理を強いているのだろう。罪悪感と、同時に、背徳感を覚えた。
聞こえる響きには不安も感じ取れ、せめて安心させてあげようと、素直に感想を告げる。
俺も初めてだから……っ、分か、らない。
だけど、凄く、気持ち良い。動いてないのに、もう、イきそう、だ。
「……えへ、へ。褒められ、ちゃい、ました」
健気な微笑みには、激しい痛みと、堪えきれない喜色が見える。
愛おしい。
ただ、愛おしい。
それだけで、心も身体も一杯になった。
この想いを諦めに失うのが正しいというのなら、罪に問われる過ちの方が良い。
俺は今、正しく間違えられているのだと、そう思いたかった。
「ふぅ……ふぅ……。どう、ぞ、好きなように、なさって下、さい。先生に良くなって、頂ければ、それで、満足ですか、ら……」
続けて発せられた言葉に、欲望は服従を余儀無くされ。
必要以上に苦しめないよう、僅かばかりの注意を払いながら、ぎこちなく腰を前後させる。
「あ゛っ……い゛ぅ……んんっ……ふっ」
ゆっくり引き抜けば、背中に雷が落ち。
中に埋めていくと、溶かされそうな炎に捲かれる。
おかしい。
ちゃんとゴムを着けている筈なのに、どうして、こんな。
「は、ひっ、ん゛ぐ、ふう゛っ、あっ」
快感と困惑が折り重なり、痛み混じりの声に染め上げられて、腹の奥に形を得る。
ぎこちなさは段々と消えていき、滑らかな抽送へ。
「あぁ、うっ、くぅう、ふぐっ、んん゛」
緊張しきった壁は、直接に擦れば一瞬で果てるだろう事を想像させた。
本当に、着けていて良かった。
でなきゃ、今までに何度イっている事か。
しかし――
「ふぁ、あっ、あぅ、んっ、んぅ、んふっ」
――刺激に慣れ、リズムを刻む音が、射精感をせり上げる。
情けないが、持ちそうに無かった。
ごめ、もう……うっく!
「うぁ!? 中で、膨ら、んっ!!」
一際激しく突いた瞬間、欲が迸った。
自分で分かるほど、竿は大きく脈動する。恐ろしく長い快感が、襲って来ていた。
手でした事はそれこそ無数にあるけれど、こんな量を射精した経験は、ついぞ無い。
これが、女の中。男が皆、夢中になる訳だ。
「あっ、ああ、あ、ぁ……。は、ふぅ……ふぅ……」
跳ねる竿に合わせて、織莉子ちゃんも声を上げる。内側の締め付けも、きゅ、きゅ、と。
波が治まるまでは、と、その中に留まり、ようやく引き抜けば、精液溜りを膨らませたそれが、ぬりゅ、と吐き出された。
「ぅんっ。……はぁ……はぁ……」
鼻に掛かる吐息を漏らし、彼女は深呼吸で息を整える。
苦痛から開放された所為か、完全に力を抜いているように見え、両足はあられもなく開かれたまま。
……駄目だ。
これじゃ、駄目だ。
こんなんじゃ、全然、タリナイ。
「は、う……ふ……。あの、先せ――いっ!?」
手早くゴムを取り替え、射精したばかりの筈なのに、一層硬くなった竿を無理やり捻り込む。
何かを問おうとしていたらしい声は、悲鳴とも嬌声ともつかない音階で響く。
不意打ちだったからか、さっきよりも奥に侵入している気がした。
「あ――あっ――せ、んせ――どう、して……?」
息も絶え絶えな質問。
パクパクと口が何度も開いては閉じ、驚愕を物語る。
そんな彼女を、覆い被さるように抱き締めながら、俺は耳元で囁く。
ちゃんと俺ので気持ち良くなれるまで、やめないよ。
……痛みだけを想い出にされるなんて、嫌だ。
「そんな、私は……あっ! いや、あ゛、もっと、優し、くぅ!」
心外だと言いたげな呟きは、ピストンに掻き消される。
背中に爪が立てられ、鋭い痛みを感じたが、それでも止まる事は無い。
いや、むしろその痛みが、自分の願望をハッキリとさせてくれた。
刻み付けたい。
この温かさに、苦痛を、快楽を、俺の存在を刻み付けたい。
身体を通して、心まで犯して、触れられない部分まで汚してやる。
「あ゛ぁ、あっ、いや、いやぁ、やぁあ!」
言葉には嫌がっているとしか聞こえないが、それは確かに甘さを孕んで来ていた。
ぎゅっとしがみ付かれる所為で、織莉子ちゃんの声が耳元で聞こえる。
目の前には形の良い耳たぶがあり、反射的にそれを舐め上げ、舌で耳腔を犯す。
「ひ、ぃ!? だ、だめっ、それ、だめ、ぇ!」
瞬間、内側のうねりが激しくなった。……どうやら、ここが好きらしい。
無意識にほくそ笑み、ピストンの縦から、円を描くグラインドに動きを変化させて、腰を密着。離れられない様に固定する。
そして、ワザと息を吹き掛けながら鼓膜を揺さぶる。
耳、好き? 中が凄い事になってるよ。
「ふっ、う! わ、分から、ない、ですっ! こんな、こん、な、あっ!」
戸惑いに震えながらも、腕と脚が絡みついて来た。
それは、俺を求めてくれているのだと、感じさせて。
グラインドを継続しつつ、意地悪に囁く。
やっぱり、君はHな子だ。初めてなのに、こんなに悦んで。
「だ、だって、変、なんです、ぅ! 声が聞こえる度、痛みが消え、て……代わりに、じりじり、が、来て、ぁんっ!」
織莉子ちゃんの顔は、恍惚に蕩けていた。
眼は薄く閉じられ、零れる涙もそのまま、口を半開きに。
すかさず、ぽっかり開いたそこへ唇を重ね、舌と一緒に唾液を流し込む。
「んぶ、んっ、っくん、んぅう」
そして、喉を鳴らす彼女の舌を、今度は吸い上げる。
身体に巻き付く四肢から力が抜け、それなのに、引き寄せられるが如く密着する肌。
緩やかな動きに我慢できなくなり、腰の動きはまた縦に。
すると――
「ひゅあっ!?」
――先端に、こりゅ、と硬さを感じ、その途端、締め付けが格段に強くなった。
もしかして、最奥を突いたのだろうか。
そう思い、もう一度、腰を動かして確かめれば――
「あひっ! あっ、あんっ! あふ、あ~っ!」
――明らかな嬌声が上がる。
同時に、堪らない締め付けが竿を襲い、震える背中。
気遣うだけの余裕も、吹き飛んだ。
「あ゛っ、あぁ! やぁ、やだぁ、また、来るっ! 来ちゃ、うぅ! 怖い、怖、い、のにぃ!」
大丈夫、大丈夫だから、っ、さっきと同じ。
イくだけだから、安心して? 俺も、また……っ。
「うぁ、あぁ! いっ、イ、く……? んぐっ、うぁんっ!」
身体を起こし、腰のくびれに手を掛けて、我武者羅に突く。激しく、二つの膨らみがバウンドした。
……穢したい。
ゴムなんて外して、この中へブチまけたい。
この子を初めて孕ませるのも、俺でありたい。
けど、それだけは、出来ない。あぁ、でも……。
「せ、せんせ、お、奥は、駄目、でっ! へ、変になりま――ぅんっ! 先生、先生ぇ!」
危うい願望に惑う俺を、彼女は何度も「先生」と呼び、それに何度でも、織莉子、と返す。
意外にも、紙一重で留まらせてくれたのは、少女の喘ぎ声だった。
……そうだ。俺は、この子の先生なんだ。
もう取り返しのつかない事をしているけど、それでも、この子の未来だけは、この子自身が選べるようにしなくちゃいけない。
だったら……っ!
「あっ! んっ、来る、来る……い、うっ! ……イ、く、先生の、で、イき、ますっ、ぅ!」
達するのが近いと教えてくれる彼女を、殊更に激しく犯す。
小刻みに奥を小突き上げ、しかし、同時にイくのを避けるため、射精感を堪えながら、片手で恥部の突起も弄ってあげれば、「ひぃう!?」とまた高い声が聞こえ――
「んぁ!? イッ、くぅう――んんんんんっ!!!!!!」
――程なく、更なる絶頂を迎えた事を、竿に掛かる圧力で感じた。ほんの一瞬だけそれを楽しんで、勢い良く腰を引く。
そして、引き千切るつもりでゴムを取り外せば、白濁とした粘液が、白無垢の肌に降り注いだ。
どれほど興奮していたのか、それは下腹部から胸の辺りまで、広い範囲を穢していた。
「あっ! あぅ! 熱、ぃいっ!」
悦楽の波に溺れながらも、感じる熱を、粛々と受け止める織莉子。
最後の一滴まで搾り出すため、ふにふにした丘に先端を擦りながら、竿を扱く。
何度か大きく放たれると、その勢いは弱まっていき、やがて、すべすべなお腹の上にダラリと枝垂れ下がった。
「う、んぅ……はっ……はぅ……ぁ……」
脈動が完全に止んだ頃、ようやく彼女も落ち着き始めたのか、僅かに首を起こし、へその辺りに溜まった物を指で掬い――
「これ、が、精液……。ぬるぬる、して、ます……。ボディソープ、みたい……」
――愛おしそうに、ぬりゅ、ぬりゅ、と自分の肌へ塗りたくる。
丘の上で、力無く垂れていたはずの竿が、ぴくん、とまた跳ねた。
それを感じたのか、織莉子は、敏感なままの先端を手の平で包み。
暗闇の中でも光を放つような、淫靡な花を、咲かせるのだった。
「もっと、下さい……。もっと、先生の形、覚えさせて……。愛しています、先生……」
おりっちはまだ二回ほど変身を残しております。
※意訳=スピンアウト編・下に続きます。