※この作品はR-18です。

魔法少女まどか☆マギカR‐18   作:七音

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 めっちゃくちゃ胸糞悪くなる描写が最後の方まで続きますが、最後までお読み頂けるよう、お願い致します。
 途中で我慢できなくなったり、「そもそも欝描写なんて要らんのじゃー」という方は、ページ最下部へ移動し、結末を先にお読み下さい。 
 覚悟がお決まりでしたら、スクロールして本文をどうぞ。


【女子○学生】スピンアウト編 if...【ハメ撮り調教】※欝展開注意

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ザザ、と音が立ちそうな視界の揺らぎ。

 数秒ほど続いたあと、今度は唐突にクリアな描画が開始される。

 映し出された衣服。女性の物らしき足にスカート。視点が上へ滑ると、全体像が浮かび上がった。

 薄暗い部屋にくっきりと浮かぶ、真っ白な長袖のワンピースドレス。お腹の前で組まれた指はほっそりしていて、着ている人物がやはり女性であることを――しかも、かなり若いことを示す。

 胸元は大きくせり上がり、男であれば性欲を持て余すであろう柔らかさが映像を通して伝わってくる。

 

 

「………………」

 

 

 それを誇示する美少女は、あからさまな軽蔑を向けていた。

 眼差しに乗せられる感情の色。黒い嫌悪。赤い憤慨。そして、透明な諦め。

 

 

『さて、これで準備は整った。まずは……自己紹介でもして貰おうかな』

 

 

 視界の外から、姿の見えない男の声がした。

 加工でもされているのか、音声はたわんでいる。

 

 

「……く」

 

 

 屈辱の表情。指が硬く折り曲げられ、唇は歪む。

 けれども、視界は催促でもするかのように上下。

 悔しくて仕方ないといった様子で、少女は口を開く。

 

 

「……美国、織莉子、です」

 

『通っている学校、学年、年齢は?』

 

「私立、白樺女子学園、三年。十五歳」

 

 

 目を閉じ、淡々と。

 単純作業をこなすが如く、少女は――織莉子は続ける。

 まるで、自分の身に降りかかるであろう出来事から目を背けているようであった。

 

 

『じゃあ、これから君は、一体なにをされるのかな?』

 

 

 ――が、それを男が指摘し、整った眉が露骨にしかめられた。

 三分の一ほど開かれたまぶたから、激しい怒りが覗く。

 

 

「この、下衆」

 

 

 恐ろしいほど耳に心地良く、心へ入り込む悪意。

 受け止める男は、しかし笑うだけ。

 

 

『ふはは、口に気をつけたほうがいい。亡きお父様の汚名をそそげるのは誰なのか、分かっているだろう』

 

 

 この場において、どちらが優位に立っているのか。絶対的な決定権が誰にあるのか。

 完全に理解しているが故の、自信の表れ。

 織莉子もまた、自分に断れる理由が無いと悟っているのだろう。

 悲しそうに。

 ただただ、悲しそうに肩を落とす。

 

 

「わ、たし、は、これから……。お父様の名誉回復を条件に、一週間……情婦になります……。妊娠しないよう、薬を飲んで……な、生セックス、します……」

 

 

 あらかじめ指示されていたのか、詰まりながらも、容姿に似つかわしくない言葉を吐き出す。

 おそらくは、穢れなど何一つ知らない少女。

 言い慣れぬ単語で頬は羞恥に染まり、可憐さが際立つ。

 

 

『よく出来ました。さぁ、脱げ』

 

 

 子供でも褒めるような、温かい声。直後、温度は零下に。

 びくり、と震える少女の身体。

 怯えた視線も向けられるが、やがて、同じく震える指がワンピースを脱いでいく。

 パサリ、と床に落ちれば、まさしく生唾物の肢体が露わになった。

 白のレースに縁取られた下着に包まれる、それ以上の白さで輝く肌。

 少しでも晒される部分を隠そうと擦り合わされる太ももは、ガーターベルトによって色気を五割増しに。

 

 

『うんうん、注文通りだ。よく似合っているよ』

 

 

 織莉子が近付いてくる。いや、男が近付いているのか。

 白雪姫の顎に手が添えられ、美しい(かんばせ)で視界が埋め尽くされる。

 

 

「キスは、嫌」

 

 

 けれど、未だ完全には屈していないのか、横顔でキッパリ拒絶してみせる。

 乙女として譲れない領分なのだろう。

 

 

『いいさ。私は無理強いはしない主義だからね。なら、自分で準備しなさい』

 

「どの口が……っ」

 

 

 しかし、それすらも男にとっては享楽を深くするだけのようだ。

 含み笑いに指示され、織莉子は唇を噛み、緩慢な動きでベッドに腰を下ろす。

 

 

「……ん、っ」

 

 

 ショーツを細い指がなぞる。

 ゆっくり上下に。ワザと時間をかけて。

 だが、涙ぐましい抵抗も虚しく、少女の身体は敏感になっていく。

 

 

「……っ……ぅ……く……」

 

 

 声を押し殺し、織莉子は悶える。

 内側へ指を受け入れ、ぬちゅ、と水音が。

 同時に胸も揉みしだいている辺り、存外この行為には慣れているようであった。

 

 

『ズラしてよく見せなさい』

 

 

 男の声。

 ややあってから、二本指でショーツが横へ引っ張られた。

 わずかに口を開く恥部。ジワリと愛液が染み出してきている。

 揺れる淫らな花びらは、羞恥、快感、双方によるものか。

 

 

『もっと入り口を広げるんだ。奥まで見えるように』

 

「……っ……」

 

 

 再び視点が、今度は股間へ近付く。

 前もって準備していたらしいライトの光が、暗闇に隠れる恥部を照らす。

 左右へ広がり、ピンク色の柔肉のうごめく様がくっきりと。

 更に奥には、より白に近い色合いの、純潔の証。

 

 

『あぁぁ、美しい。これをブチ破るのだと思うと、ゾクゾクするねぇ』

 

 

 男が立ち上がったようで、また織莉子の全身が映る。

 が、その顔を隠すのは、醜く凝り固まった欲望の滾り。

 見せつけられ、一瞬だけ怯えに染まる表情だったが、すぐさま憎しみへ取って代わった。

 

 

『おぉ、怖い怖い。そうこなくては。それでこそ美国の血を引く女だ』

 

「っあ!」

 

 

 男の腕が織莉子の髪を掴んでベッドに引き倒す。

 次いで股の間へ腰を割り込ませ、ショーツをズラし――

 

 

「ぃ、いやっ、待っ――ぐぁ!?」

 

 

 ――強引に挿入した。

 何の躊躇いもなく。

 むしろ、痛みを際立たせるよう無遠慮に、突き破った。

 

 

「が、はっ、うぐ、ぅ!」

 

『おっと、すまない。ゆっくりするつもりだったんだが、この日のために我慢を重ねていてねぇ。つい強引に。痛いかい?』

 

「……っ! ……っあ、う、っ……!」

 

 

 視点が上に。織莉子は歯を食いしばり、シーツを硬く握りしめ耐えていた。

 ブラジャーで支えられる大きな膨らみが、小刻みに揺れている。

 また下へ。

 痛々しく広がった恥部から、血が滲み出ていた。

 純白のシーツが、赤に穢れる。

 

 

『さぁて、どうしようか。あまり痛がられると萎えてしまうしなぁ。しかし動かないと気持ちよくはなれない。気持ちよくなれないのなら、意味は無いなぁ。……どうすればいいと思う?』

 

 

 白々しい。

 気遣うだけの優しさを持ち合わせているなら、そもそもこんな事はしないであろうに。

 誰もが薄ら笑いを幻視する態度だったが、けれど織莉子は耐える。

 

 

「ゎ、たしは、っ、大丈夫、ですからっ……。どう、ぞ……織莉子の、身体を……ぉ……お楽しみ、下さ、い……っ」

 

 

 苦痛に歪む唇が、訥々と、決して本意ではないと分かる台詞を口にした。

 痛い。苦しい。やめて欲しい。

 全身がありありと語りかけている。これは、欠片も望んでいない行為であると。

 

 

『それは有り難い。では、楽しませてもらう、よっ!』

 

「っぐぃう!?」

 

 

 しかし、あえて額面通りに受け取る男が、乱暴な抽送を開始する。

 激しく揺さぶられる身体を下って、繋がりあう部分が映された。

 

 

「あ゛、ぐ、い゛っ、っ、うぅ゛」

 

 

 噛み殺そうとする吐息へ混じり、ヌチュリ、ヌチュリ、と音が立つ。

 本人の意思と裏腹に、膣の防御反応が潤滑液を分泌させ、動きを助けていた。

 ライトで照らし出される竿のテカリがそれを証明する。

 赤い染みが、広がっていく。

 

 

『あぁ……くはは、気持ちいいよぉ、織莉子ちゃん。初めてなのに、健気に締め付けてきて。ぉふ』

 

「……っ゛……ん゛……」

 

 

 恍惚とする男の声に、織莉子は何も返さない。そんな余裕など無いのだろう。

 視点が変わり、跳ねる双丘の上に歯軋りする顔。

 受け入れられるというだけで、本当に準備が出来ているわけではないのだ。

 一方には途方もない快感を与えているが、もう一方には耐え難い苦痛を。

 どうしようもなく、通じ合っていない行為だった。

 

 

『うん、無視されるのも寂しいね』

 

「っあ! は、う!」

 

 

 膨らみが鷲掴みされる。

 ムニュリ、と擬音が聞こえてきそうなほど見事な柔軟性が対応し、甲高い声。

 

 

『ほう、胸が好きかい? 絡みが良くなった』

 

「ち、違、う……そんなこと、は……」

 

『まぁそうだろうね。破瓜の痛みを感じながら悦に入ってしまうだなんて、ただの淫乱だろうしねぇ』

 

「……っ」

 

 

 あざ笑う口振り。

 織莉子としても、そんなものを出すつもりはなかったのだろう。

 何とか否定を返すが、実際のところはどうなのか。唇が噛まれる。

 

 

『ぁあぁ、それにしても良すぎるな。もう出してしまいそうだ』

 

「ぇ!? ぃや、いやっ、膣内(なか)は――痛いっ」

 

 

 男が絶頂の兆しを告げると、織莉子は従順さをひるがえして抵抗しようとした。

 が、握り潰さんと膨らみの形を変えられ、途端に大人しく。

 有名ブランドの物であろうブラジャーが無残に引き千切られ、こぼれた頭頂部が雑に摘み上げられる。

 

 

膣内(なか)は、なんだって?』

 

 

 やけにゆっくりと、その言葉は吐き出された。

 ジメジメと粘っこい熱さに、家畜を躾けるが如き冷たさ。両方を内包して。

 織莉子の目が細められる。

 丸めた紙のようにクシャクシャな顔。

 それでも涙を流さないのは、彼女の抱く矜持ゆえか。

 

 

「――、に」

 

 

 けれど、抗いを示せるのは心のみ。

 間もなく、全てを放り投げたらしい、諦めきった表情が浮かんだ。

 

 

膣内(なか)に、出して、く、ださぃ……。わ、私の、子宮を……汚して、ぇ……」

 

 

 その微笑みを、淫蕩と取るか、寂寥と取るか。

 傍から見れば後者だろうが、肉に分身をうずめ、間近で見つめる男には――

 

 

『そうか。そうまで言われては仕方ないな。イくぞ……!』

 

「ぅあ゛っ、あ、っぐぁ、ひ、ぃ!!」

 

 

 ――強力なカンフル剤に他ならなかったようだ。

 視点がまた移動し、パン、パン、と肌同士がぶつかる下半身を。

 受け止める織莉子の不慣れな様子に対し、腰使いは慣れたもの。女を効率良く“使う”出し入れ。

 三度照らされるそこが、淫靡な光沢を放つ。

 

 

『出すぞ、出すぞ――う゛っ』

 

「……っ!? ぃ――!! ――っ――ぅ゛!!!!!!」

 

 

 男が達したのか、動きがピタリと止まる。

 声にならない、悲鳴とすら呼べない音が届くが、視界は静止画のように動かない。

 唯一の変化は、男の耳障りな喘ぎのみ。

 

 

『あ゛ぁぁぁ……そんなに絞られたら、堪らないよ、まだ、止まらないぃ』

 

 

 三十秒はとどまっていただろうか。

 やっと射精が収まったようで、密着していた腰が離れる。同時に竿も引き抜かれ、先端まで出たところで大きく反り返った。

 ベッドの軋む音。ズタズタに引き裂かれた恥部が映される。

 とぷ、とぷ、と。

 薄いピンク色の粘液が流れていた。

 入り口は、まさしく穴を穿たれて口を開いたまま。かすかな震えの原因は、神経を走る電気信号のせいなのか。それとも、彼女の精神を蝕む何かなのか。

 

 

『いやはや、ずいぶん出してしまったよ。薬がなかったら確実に孕んでいただろう。とても良かったよ、織莉子ちゃん』

 

「……ふ……うっ……ぅぅ……」

 

 

 視点が上へ。

 織莉子は、顔の上半分を腕で隠していた。

 固く縛られる唇。

 噛み切ってしまったらしく、端からは血が。

 

 

『初体験だからね。今日は一回だけにしておこう。また明日、よろしく頼むよ?』

 

 

 言葉と共に視点が高く。

 ライトは消え、薄暗い中、横たわる人影を見下ろしている。

 スタッカートを刻む息が、離れていく。

 やがて、全ては闇に落ちた。

 

 

 

 

 

 映像が切り替わる。

 

 

 

 

 

 一杯に竿が映っていた。

 今にもはち切れんばかりで、既に準備が整っている硬さの向こうに、少女の姿。

 何かに腰掛けている男の股座へ、触れるほどの距離で織莉子が座り込んでいた。

 時間は移っているらしく、人工の物ではない明かりが彼女の美しさを飾る。

 その分、男性器の醜悪さは十割り増しだ。

 

 

『どうだい、明るいところで見るモノは。これが君を女にしたんだぞ』

 

 

 ペチペチと、竿で頬を叩かれる。

 が、屈辱に歪むでもなく、無表情に見つめるだけ。

 どうやら無反応という抵抗を試みているようだ。

 

 

『……ふ。さてさて、処女を失ったばかりで連日酷使させるほど鬼畜ではないし、今日はその綺麗な唇でして貰おうかな。フェラだ。分かるね』

 

 

 些細な反抗に男が嗤い、先端を口元へ突きつける。

 おそらくは、強烈な臭気を感じたのだろう。織莉子がわずかに顔をしかめた。

 やがて、わななく唇が接近し、キスするように触れる。

 

 

『どんな気分だい? 焦がれる男の唇よりも先に、父親よりも年上な老人の亀頭へ口付けた気分は』

 

 

 一瞬、激しい憎悪が渦巻く。

 しかしそれもすぐに消えて、段々と竿が飲み込まれる。

 

 

「ん゛……む……ぐ、ぅ……」

 

『あぁ、無理に咥えなくてもいいよ。まずは先端だけを含んで、舌で味わいなさい』

 

 

 彼女への気遣い――ではない。

 無垢な半紙に墨汁を垂らすが如く、味を覚えさせ、技術を仕込み、己の色に染め上げ、穢すため。

 だが、もっと深い部分で汚れてしまっているのを悟っているからか、やはり抵抗する素振りは見せなかった。

 

 

「ぅ……う゛……っ」

 

『おぉぉ、そう、舐め回すみたいに……。穴や段差もね。あぁぁ』

 

 

 とにかく、この場では奴隷で居ることを選択したらしい。唯々諾々と指示に従う。

 織莉子の舌使いを堪能している様子で、男は更に詳しい手順を示す。

 快感。高揚感。征服感。

 それ等を感じさせる息が震える。

 

 

「ん゛、っ……ぶ……」

 

 

 一方、織莉子は不快感を顔に乗せ始めていた。

 どんな物を味わわされているのか、映像を通じて理解できるほどに濃厚な、嫌悪。もはや隠せるものではないのだろう。

 だがそれでも止めようとはしない。彼女にとっては、自分が穢れることよりも父の名誉の方が重要なようだ。

 懸命に、たどたどしく、男を満足させるために舌を動かす。

 

 

『ちなみに、それは昨日から洗っていない。精液も、膣液も、破瓜の血もそのままだ』

 

「……!? っぐ、げほ、けほっ!」

 

 

 ――が、ろくでもない事実に、竿は吐き出されてしまう。

 無理もない。ただでさえ望まぬ行為に、不衛生な情報まで追加されては。

 今度こそ、射殺さんばかりの鋭い視線が向けられた。

 しかし、直視しているはずの男は全く堪えた様子もなく、眼前で竿を跳ねさせて遊ぶ。

 織莉子は奥歯を軋ませ、数秒うつむいた後、全身から力を抜いてフェラチオに戻る。双眸は、どこかズレた場所を眺めていた。

 

 

『いい子だ。次はもっと深く咥えて、ストローみたく……そう、そうだ。流石に上達が早い。白女の才媛は性技の才能まで持ち合わせているんだねぇ』

 

 

 太い指がサイドポニーを梳く。

 反射的にだろう、嫌がって首をすくめる彼女だったが、そのまま後頭部を捕まえられて逃げられない。

 

 

『しかしだ、今日は時間がなくてね。悪いがさっさと出させて貰うよ』

 

「んもっ!? ぶっ、ん゛っ、ぐぶっ!?」

 

 

 喉奥へ竿が突きこまれ、織莉子が目を白黒。口の端から大量のよだれが零れる。

 男の腰は小さな頭めがけてピストンし、かぽ、かぽ、と間抜けな音が響く。

 

 

『出すぞ。飲み込めっ』

 

「んぶ、む、むぐぅう゛う゛う゛う゛う゛っ!?」

 

 

 すぐに動きが止まり、その口内へ精液が吐き出される。

 身をよじり、拳で叩いて逃れようとするも、たったの腕一本を解けない。

 全てを出し終えると男は彼女を解放し、途端、背を丸める織莉子。

 

 

「おご、ぐ、ぅえええ」

 

 

 絨毯に、白濁液と吐瀉物による水溜りが作られた。

 一瞬、動揺でもしたように視点が揺らぐが、けれど、何をするでもなく見下ろし続ける。

 己の内臓をすら吐き出そうとする少女を、見下ろし続ける。

 

 

 

 

 

 映像が切り替わる。

 

 

 

 

 

 織莉子の全身が見えていた。背景は最初と同じ薄暗い部屋。

 纏っているのは、彼女の通う私立白樺女子学園・中等部の制服。

 今までを考えれば、敵意をむき出しに睨み付けてくるか、あくまで無表情を貫こうとするはずだが、どうしてか彼女は頬を染め、腰をくねらせている。

 

 

『さ、スカートをまくって』

 

 

 男の指示。

 躊躇いながらも、プリーツスカートがめくれていく。

 と、太ももに細いベルトが巻かれていた。据えられているのはピンク色をした機械のコントローラーらしきもの。

 コードは上に伸びており、布が完全にたくし上げられれば、純白のショーツの中へ繋がっているのが分かる。

 

 

『今日一日、どう過ごしていたのか説明してくれるかい』

 

 

 織莉子が近付く――近付いていく。

 白い三角形で視界が占められると、何かが聞こえてきた。

 ブブブ、というかすかな駆動音。

 よくよく見れば、ショーツはびしょ濡れだった。

 

 

「わ、たしは、今日、学校に居る間、ずっと、ろ、ローターを着けたまま、過ごして、いまし、た」

 

『バレなかったかい』

 

「ふ、不審がられまし、た……。けど、なん、とか……」

 

『何回イった?』

 

「……っ、い、イって、ま、せん……」

 

『ほう、それはそれは。よく我慢したね……と。そう言えば電池が弱かったかな。さぞもどかしかったろう』

 

 

 思い遣る口振りを、もはや信じる者は居ないであろう。

 ワザと消耗した電池を用意し、震えが弱まっていくようにしてあった。刺激によって高めた熱を、燻ぶらせるために。

 それが証拠に、男の『ベッドへ』という言葉に対し、彼女は素直に従っている。

 自分で慰めるのはプライドが許さない。男の手によってされるのなら、仕方がない。おそらくは、そんな言い訳で頭が一杯な、“女”の気配。

 視点がベッドに置かれる。

 真正面に織莉子が座り込み、背後へ回る肩から上が見切れた男によって、脚が開かれていく。

 視点の位置が正され、より近くに。

 

 

「あ、あ、ふ」

 

 

 コードが引っ張られる。

 ゆっくりと、ゆっくりと。

 時間をかけて引き抜かれたそれは、愛液でしとどに濡れそぼっていた。

 七日目のセミの羽が如き、弱々しい震えだった。

 

 

「んはぁ!」

 

 

 不意に、織莉子が背筋を反らせる。男の指がショーツを押し込んでいた。

 瞬間、じゅわ、と溢れ出る粘度と嬌声。

 

 

『いい声で鳴くじゃないか。ほら、どうだい?』

 

「……んっ! ふっ、ぐ……っ……」

 

 

 つに、つに、とこねくり回され、何時間も焦らされたであろう身体は敏感に跳ねる。

 感じているのを認めまいとしているのか、彼女は片手でシーツを握り、もう片方の甲を口へ押し当て、声を殺す。

 が、後ろに倒れこみ、近寄ったはずなのに映る全身が快楽を示してしまう。

 

 

『いやはや。一日でここまで締め付けが戻るか。指一本でキツキツだ。やはり若い女は素晴らしい』

 

「う、ぁ! あっく、ぅん! ふ!」

 

 

 布地の脇から中指が侵入して内側をかき回し、親指は布越しに突起をいじる。

 そのたび、少女の顔が女に変わっていく。着実に、開発されていた。

 

 

『素直になってきたねぇ。ご褒美だ、思いっきり気持ちよくなるといい』

 

「え……? あふっ!? やっ! あっ! だめっ、い、ゃ、あっ!」

 

 

 更にもう一本。人差し指が追加され、抜き差しが速く。

 嫌がる素振りも、既に痴態でしかなく。

 やがて――

 

 

「んんんんんっっっ!!!!!!」

 

 

 ――ひときわ大きく飛びはね、同時に潮がまき散らされた。

 よほど強烈だったのだろう。織莉子はシーツを掴んだまま横に倒れこむ。

 視点も横向きに倒れ、荒く息をする少女が、倒れているのに縦に映る。

 

 

『派手にイったね。まるでおもらししたみたいだ。……よっと』

 

「は、ぁ……ふ……? や、だ、今はだ――めぇ!? う、っくぅぅぅ!!」

 

 

 織莉子が歯を食いしばる。

 どうやら、視界の外で挿入されたらしく、身体が上下に揺すられていた。

 

 

『まさか、自分だけ気持ちよくなって終われるとでも? あぁ、まだ二回目だというのに、トロトロで最高だ』

 

「や、あ! あっう! ふ、う! あん!」

 

 

 最初の苦悶は、もう見られない。

 男が言うように、たった二回目にして、織莉子の身体は竿を受け入れる事を覚え始めたらしかった。

 嬌声と、肉のぶつかる音が響く。

 

 

 

 

 

 映像が切り替わる。

 

 

 

 

 

「あっ、ん、んぐ、は、ぁ!」

 

 

 揺れている白。

 切り替わったはずが、くぐもった音も、織莉子の悦ぶ声も繋がっている。

 視点がだんだん離れれば、白い服を着た背中である事が分かった。

 体操服。

 下半身を覆うのは赤いブルマー。

 

 

『どうだい、後ろからは。奥に当たって気持ちいいだろう』

 

「ふっ! っ! ぅ、気持ちよく、なん、かっ、んっ! 苦し、ぃ! だけ、でっ」

 

 

 優越感に浸る問いが降る。

 顔を伏せ、腰だけをうず高く上げる織莉子は、喘ぎ声を噛み殺しながら、必死に言葉で抵抗を。

 

 

『ふむ。ならどうして君は、こちらに合わせて腰を動かしているんだい?』

 

「――っ!」

 

 

 ぴく、と、肉付きの良い尻が震えた。

 それを包んでいるブルマーを撫で、中にまで指を差し込みながら、男は続ける。

 

 

『恥ずかしがる事はない。自然なことさ。人という生き物は適応するものだ。君は何も悪くない』

 

「ぅ、あ、んは……っ」

 

 

 わずかに腰を引く。

 ほんの少しだけ送り出す。

 円を描いて広げる。

 

 

『素直に楽しめばいい。あとたったの三日だ。それさえ過ぎれば、もうこれを味わえなくなるんだぞ?』

 

「くぁ、ひ……ぁ!」

 

 

 抜ける寸前まで一気に抜く。

 数秒の溜め。

 突く。

 

 

『さぁ、好きなように動いてごらん。好きなところを擦ってごらん。とっても気持ちいいはずだよ』

 

「……ぁ……」

 

 

 根元までを収めたところで、男は動きを止めた。

 快楽の音が途切れ、織莉子がほうける。

 腰はかすかに揺らぐが、しかし動く事もなく、時間だけが過ぎていく。

 

 

「――たいに」

 

 

 やがて、潤いを湛えた瞳が振り返り――

 

 

「ぜったいに、イヤ……!」

 

 

 ――明確な拒絶を示した。

 頬は紅潮している。恥部は愛液を垂れ流し、神経を蝕む快感に眉は歪む。

 けれど、瞳の奥にある光だけは、一線を引いていた。

 絶対に自分から求めたりはしない、と。

 

 

『……ふひゃははは! あぁ君はなんて素晴らしい! それでこそだぁ!』

 

「きゃ!? ……うぁ、っあ!!」

 

 

 唐突な高笑いと共に、織莉子の身体がひっくり返される。

 抜けてしまった竿を再び強引に挿入し、ばるん、と弾んだ胸を鷲掴み。

 がむしゃらな様子で腰が振るわれた。

 

 

「んっ! ぐ! んんっ! っっっ!!」

 

 

 激しくなった刺激に耐えるためか、彼女はまた手の甲で口を塞ぐ。

 まぶたもキツく閉ざされ、ひたすらに耐え続ける。

 そんな彼女をあざ笑うかのように上着がめくられ、白磁の肌が晒された。

 視点が急ぎ足で移動し、耐え忍ぶ美少女の真横へ。

 

 

「……んんっ!? ぁく、ぅ! んふっ!!」

 

 

 じゅるじゅる。ワザとらしいしゃぶりつく音。

 ちょぽ、と口を離したような音が続き、またもや吸いつく音が。

 視界の外で行われる行為は、聴覚を通じてその光景を伝えていた。

 

 

『お、ぅ。イきそうだな? 昨日はイきっ放しで結局楽しめなかったし、今日は出すぞぉ? ほら、膣内射精されてイけ織莉子ぉ!!』

 

「――んっ!? んんぁぁあああっ!!!!!! ――あっ――は――」

 

 

 ガク、ガク、ガク――という激しい揺れが、ピタリ治まる。

 しかし織莉子はピクピク振動し続け、閉じていたまぶたが大きく開かれた。

 手の甲も外れ、ポカンとした唇から漏れる吐息。

 明らかに絶頂していた。

 

 

『ちゃんと覚えておくんだぞぉ? これが、膣内射精されてイく感覚、だ。よぉく、覚えて、おけよ……? おぉ……』

 

「ぁ……あぅ……くぅ……ん……」

 

 

 男の喘ぎに合わせ、織莉子も声を上げる。

 精液を受け止め、あらゆる部位をわななかせる。

 くたり、顔が横を向いた。

 光が、おぼろぐ。

 

 

 

 

 

 映像が切り替わる。

 

 

 

 

 

 やけに明るいタイル地の壁に、紺色が映えていた。

 

 

『うん、よく似合っているよ。やはり旧型に限るね』

 

「こんなもの、どこで……」

 

 

 今までに比べて狭い場所――風呂場に立っているのは、いわゆるスクール水着姿の織莉子。

 大きく膨らんだ胸元には名札が縫い付けられ、ひらがなで彼女の名前が書かれている。

 言うまでもなく、顔は呆れに彩られていた。

 

 

『いや、ホントに。世の中には色んな趣味を持った人が居るものさ。そら』

 

「ひぁ!? 冷た……!」

 

 

 男がシャワーを浴びせる。

 湯気が出ていないし、反応を見るに冷水なのだろう。織莉子は身を縮ませた。

 しばらくしてそれが止まり、水を吸って色を濃くした水着を手が這う。

 

 

『この感触、冷たさ、堪らないねぇ。では、さっそく楽しませてもらおう』

 

「……っ……? ふっ、え……え?」

 

 

 責め苦の開始を告げられて身構えるも、困惑に取って代わる。

 視点が身体を下ればすぐに原因が判明した。

 立ったまま挿入している。いるのだが、場所がおかしい。

 竿は水着の下腹部にある裂け目――水抜きへ侵入し、肌を擦っていた。

 

 

『ぉお? これはなかなか……っと。スベスベな肌に、ザラつく布地。ヘソの窪みがアクセントになって、すぐにイけそうだ』

 

「んっ、っ、くっ」

 

 

 紺色の地平が凸凹に隆起しては沈下。

 変則的な体位にも関わらず、男は器用に腰を使う。

 それと反比例するよう、織莉子の出す声は困惑に濡れていた。

 視点が上へ。

 

 

『安心しなさい。一回出したらキチンとセックスしてあげよう』

 

「……! わ、私は――うっ!」

 

 

 何かを言おうとする口は、腹部で感じているだろう熱さで遮られてしまう。

 自らの内側へ何度か受け入れているモノでも、擦れる場所が違えば感じ方も違うのかも知れない。

 くすぐったさを我慢している表情だった。

 

 

『もどかしいかい? しょうがない、もっと楽しんでもいいんだが、可哀相だからもうイくとしよう。……おっ』

 

「け、結構で――あっ、熱、い……!」

 

 

 ふと、男が呻く。

 視点が下に。大きく脈打ち、布地の裏から染み出すほどの精液が映る。

 冷水で冷えた身体へブチまけられる熱。

 どう感じているのか、織莉子は声も震わせていた。

 

 

『ふぅ……。さぁて、お待ちかねの時間だよ。マットへ横に』

 

「っ……ぅ……は、はぃ……」

 

 

 意外なほど従順に彼女は従う。

 視点に背を向け数歩離れ、床に敷かれたマットの上に身を横たえて、顔を背けて男を待つ。

 

 

『いい子だ。ぇえと……よし。それじゃあ行くぞ?』

 

 

 若干の間。

 何かを準備したらしい男だったが、すぐさま織莉子の後を追い、股座へ膝をつく。

 

 

「……は、早く済ませて下さい。課題があるん、ですから」

 

『ふふふ。焦らなくてもすぐにシてあげる、よ!』

 

「ぁん! ぁ、くぅ……んっ」

 

 

 視点を顔に固定したまま、男は視界の外で挿入。

 遠慮のないピストンを開始する。

 

 

「ふっ、う……? は、ぁ……え……?」

 

 

 ――が、またしても彼女の顔は困惑に染まってしまう。

 まるで、予想していた刺激ではないというように。期待していたものではないというかのように。

 横顔には“物足りなさ”が伺える。

 

 

『っくく……。いつもと違ってツマラナイだろう。よく確かめてごらん』

 

「一体、なに、を……」

 

 

 ほくそ笑む声に促され、織莉子が上体を起こす。合わせて視点も恥部へ。

 ゆっくり抽送をゆっくりにした竿が映るのだが、いつもと違う。抜け出る部分に色がついている。

 人の肌ではありえない緑色――コンドームだ。

 

 

「……なん、で?」

 

『こういうのも乙な物なんだよ。ゆるゆる楽しめるからね。君としても後で掻き出す手間がなくなるんだから歓迎だろう?』

 

「そう、ですけど……ん……っ……」

 

 

 視点が顔と恥部を行ったり来たり。

 戸惑う表情。滑らかな腰の動き。

 その落差を無視して、行為は続く。

 

 

「う……ん……ふ……あ……」

 

 

 五分。

 

 

「あっ……は、ぁ……う、くぅ……」

 

 

 十分。

 

 

「は、あっ、んっ、んぅう、んんっ」

 

 

 二十分。

 男は無言に。織莉子は情欲に焦がれる声を上げて。

 顔もとろけ、布越しに分かるくらい膨らみの頭頂部を硬くさせ、連動するように腰をくねらせて。

 しかし――

 

 

『うっ!』

 

「ふぁ――えっ」

 

 

 ――唐突に、視界がブルリと震える。

 ぱちゅん、と突き込まれる音がして、止まった。

 男が達したのだろう。

 

 

『ふぅ……。良かったよ。じゃあ今日はこれでお終いにしようか』

 

「え、あ……は、ぃ……」

 

 

 好き勝手に放ち終え、男は竿からゴムを取り外し、逆さにして当惑を続ける織莉子の上へ中身を垂らす。

 生臭いだろう精液を眺める、彼女の顔は……。

 

 

 

 

 

 映像が切り替わる。

 

 

 

 

 

「んぶ、む、んむぅ、ふ、んっ」

 

 

 いつもの部屋で、竿にしゃぶりつく織莉子。

 またしても衣装が変わっている。今度はメイド服だ。

 ……いや。よく見るとそうは言えないほどに改造されていた。

 

 

『そうそう、もっと胸を押しつけて。ぉう……』

 

「んっ、はぁ、んぷ、んー」

 

 

 たわわな胸が放り出されていた。

 脱いだり引き千切られたりしている訳ではなく、もともとその部分だけがくりぬかれている。

 視界の上部に映るのは、申し訳程度のスカート――もはやただのフリルと呼んだ方がいい物で、ショーツを穿いていない尻は隠れもしない。

 熱心なフェラに合わせてふりふり揺れていた。

 

 

『あぁ、よし、イくぞっ』

 

「んむぅ!?」

 

 

 堪え性がないのか、それとも長くしゃぶられていたのか。呆気なく勢が放たれる。

 おそらく、映っていない時間にもさせられていたのだろう。慣れた様子で織莉子は飲み下す。

 口から竿が吐き出される。細い糸。

 

 

『はぁ……上達したね。さ、今日はもういいよ』

 

「ぁ……」

 

 

 今までの執着が嘘のように、男は素気なく織莉子から離れた。

 彼女からすれば、手早く行為を終えられて喜ばしいはずだ。

 なにせ、否応なく犯され、ほぼ強引に性交渉を強いられてきたのだから。

 

 

「ん、ぅ」

 

 

 けれども、薄汚い欲望の被害者であるところの少女は、唇を歪ませ、腰をくねる。

 静々と後ろへ下がる内股を、液体が伝っていた。

 渇き。

 潤う瞳と恥部から、真逆の感情が溢れていた。

 

 

『……どうしたんだい? 何か欲しいものがあるのなら、おねだりしてごらん』

 

「っ! ち、違います、私は……!」

 

 

 ハッと織莉子は顔を引き締め、自らの身体を抱き締める。

 胸元が強調された。水着の時と同じく、激しい自己主張を見せる頭頂部。

 映像越しでも匂い立つ“女の薫り”が、彼女の本心を物語ってしまう。

 

 

『は、仕方ない。なら命令してあげよう。今から君は性欲処理専用の雌奴隷になるんだ。この一時だけ。

 そして奴隷らしく、主人の情けを懇願しなさい。どんな言葉でなら男が滾るのか、よく考えて。これは命令だ。従わなければこれまでの努力は水の泡だ。出来るね』

 

「……っ」

 

 

 織莉子の喉が鳴る。

 視線は泳ぎ、唇も震え、うつむく。

 

 

「わた、し、は……」

 

 

 逡巡。

 そして――

 

 

 

 

 

「私は、ご主人様専用の、性処理人形、です。どう、ぞ、貴方のモノしか知らない、この穴を、織莉子を、お使い下さい。無責任に、膣内射精(なかだし)して、下さい」

 

 

 

 

 

 ――やおら立ち上がり、短すぎるスカートをつまんで、淫らに微笑んだ。

 

 

『ひは』

 

「あっ!」

 

 

 嗤い声。

 視点が急速に近付き、織莉子をベッドに引きずり込む。

 仰向けに倒れながらも彼女は大股を開き、男が腰を据える。

 

 

『おらっ』

 

「ひぁあんっ!!」

 

 

 乱暴な挿入。

 返るのは悦びの嬌声。

 

 

「あんっ! あっ、ひぅ! あはっ、あぁん!」

 

 

 拒絶していない。むしろ進んで受け入れようとしている。

 当初の苦悶、葛藤などどこへやら、与えられる刺激に感じ入り、高まっていく。

 男から役割を与えられた事で、タガが外れたらしい。

 父の名誉を取り戻すため。強制された行為。折れる名目はあった。

 

 

『そんなに嬉しいか、え? 縋るみたいに絡み付いてきて、あ?』

 

「あっ、は、はぃぃ! 嬉しい、ですっ、ご主人、さま、のっ、嬉しい、ですぅ!」

 

 

 視点が安定しない。

 よほど激しく絡み合っているのだろう。

 顔、胸、恥部。

 ランダムに映される場所が変わり、忙しない熱情を表す。

 

 

『……っく、出すぞ、イくぞ織莉子!』

 

「はい! 来て、出して下さい! 奥に、子宮に出してぇ!」

 

『――ぅぐ!』

 

「んぁああぁぁあああっ!!!!!!」

 

 

 覆い被さるように視点が顔へ近付き、静止。

 絶頂に浸る顔がアップに。

 目は遠くを見据え、口角が上がり、美しい微笑みを形どる。どこまでも美しく、果てしなく深い、微笑みを。

 二人分の荒い呼吸。

 ゆっくり、視点が起き上がった。

 

 

「あ、ん」

 

 

 引き抜かれる竿が映った。

 それを収めていた孔からは、とぷ、とぷ、と粘液が零れ落ちる。

 闇の底から、淀んだ劣情が、とぷ、とぷ、と。

 

 

 

 

 

 映像が切り替わる。

 

 

 

 

 

「あはん、あぅ、はっ、あんっ!」

 

 

 見上げる視界で、二つの膨らみが弾む。薄暗い部屋の中、一糸纏わぬ肌が汗で輝いていた。

 騎乗位。

 男の上に居る織莉子が、腰を巧みに使う。

 悦ばせようとしているだけでなく、自らも悦ぼうとしているのが如実に表現されている、そんなグラインド。

 

 

『おぉ、随分と、積極的になってぇ。気持ちいいかい?』

 

「は、ぁ! ひっ! うく、ぅあん!」

 

 

 呼びかけに、彼女は答えない。

 悔しそうな顔で喘ぎ、同時に悩ましく目を細める。

 それが最後の砦なのだろう。

 迂闊に言葉を口にしてしまえば、また認めてしまう。

 昨日の乱れようは焦らされた結果。どんな快感に襲われようと、意に反して腰が動こうとも、口を噤んでいれば認めずに済む。

 一晩経って、少しは冷静さを取り戻したらしい。

 

 

『素直じゃないねぇ。本当はお父様の事なんかどうでもよくなって来ているくせに』

 

「……! ち、違いま……っ、私は、お父様の、ため、に、ぃ!」

 

 

 しかし、父の事を持ち出されては黙っていられないのか、織莉子がようやく口を開く。

 こんな事をしているのはそれが理由。当然だ。

 

 

「今日を、終えればっ、お父様の汚名、はっ、晴れる、ぅ! そうすれば、お父様を辱めた、犯人を見つけて、っ、罰を……っ!」

 

『……はぁ?』

 

 

 動きそうになる腰を押し留めながらの懸命な言葉に、男は訝る声を。

 しばし沈黙が場を占め、次に高笑い。

 

 

『ふ、ふははははは! そうか、教えられていなかったのか! 知りながら抱かれているものかと……っ。

 そんなに初恋の男の名誉が大事か、その娘を犠牲にしてまで取り戻したいか、あの古猫め! はははははっ!』

 

「……え?」

 

 

 おかしくて、おかしくて、おかしくて堪らない。

 そんな男の様子に、織莉子は目を丸め、揺れる視界で首を傾げる。

 声がだんだん小さくなって行き、やがて、止まった。

 

 

『私だよ。あの石頭を陥れたのは私だ。どうにも邪魔でね、君はそのついでさ。

 こんなにいい身体を見せられては、我慢できなかった。予想以上の絶品だったよ。君を産んでくれたお母様に感謝しなくてはな?』

 

「――――――」

 

 

 あまりに唐突過ぎて、理解できていないのだろう。表情は変わらない。

 父親の名誉を回復するための証拠を握っているらしかったこの男。

 当たり前だ。首謀者だったのだから。

 織莉子は、父を殺した男に、抱かれていた。

 

 

「――てやる」

 

 

 数秒、顔が隠れ――

 

 

「殺す! 殺してやる! この外道ぉぉおおおっ!!」

 

 

 ――狂乱が始まった。

 白い肌が赤熱する怒りに染まり、眼を剥いて首を狙わんと細腕が伸びる。

 が、そうされるのを予想していたのか、男は手際良く片手で両の手首を捕えた。

 

 

『くは、いいぞぉ、締まりが一段と良くなった。もっと怒れ、恨め、憎め。本性をさらけ出してこその人間だ!』

 

「うぁ!? くっ、やめ、あっ! がっ、ぐぅぅぅ!!」

 

 

 上下を入れ替え、捕まえた腕をベッドに押さえつけ、男は獲物を貪る。

 憎しみに支配されていた顔へ、快感の歪みが生じた。

 心の底から憎いだろうに、身体は勝手に反応してしまうのだ。

 おぞましい矛盾。

 憎悪と快楽の狭間で、少女は憐れに玩ばれる。

 

 

「うくっ! うぁ、やめ、なさいっ! この下衆、下郎! 離れなさ、ぃ!」

 

『ああ、あぁぁ、素晴らしいぃぃ。はぁぁ……もっといいことを教えてやろうか。今日、君が飲んだ薬の事だ』

 

「――え」

 

 

 途端、赤が青へ。

 怒りが、恐怖に。

 

 

『そうだよ。あれはね、未認可の、強力な排卵誘発剤だ。いま膣内射精すれば確実に妊娠できるだろう。……父親を殺した男の赤ん坊をなぁ』

 

 

 悪魔が嗤っていた。

 存在し得ないはずの存在が、織莉子の瞳の中で確かに息をしていた。

 

 

「……ぃ、いや、いやぁああっ! やめて、やめてぇぇえええっ! お願い、出さないでぇええぇぇえええっ!!!!!!」

 

 

 なりふり構わぬ拒絶。

 恐怖に狂う寸前で、崖っぷちで立ち止まり、堕ちてしまわぬように背中を反らす。

 けれど――

 

 

『孕め、織莉子』

 

「――あ?」

 

 

 ――無情にも、その背を押す手。

 世界が止まった。

 音も、動きも、鼓動すら。

 

 

 

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁあぁあぁあぁぁっ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 魂を凍らせる金切り声。

 聖域を汚されてしまった、慟哭。

 

 

「ぃ、や、あ、ぁぁぁ……」

 

 

 涙が零れていた。

 今まで一度も映されたことの無い、涙が。

 内に流し込まれた分、押し出されるように。

 

 

『おめでとう。これで君も母親だ。お母様に一歩近づけたぞ?』

 

「――ぁ――ぅ――」

 

 

 場違いな。あまりにも場違いな祝福の声。

 心の底からそう思っているとしか聞こえない、温かさ。

 織莉子は答えない。答えられようはずもない。

 視点が高くなり、その全身が映るのだが、傍目には人形にしか見えなかった。

 股から白濁液を垂らし、命も、魂も抜け落ちて――最初から肉の人形でしかなかったかのような、無機質感。

 

 

『ふ、は。くはは。ァハハハハハハッ! やってやった! やってやったぞ久臣ィ!! ひはっ、ひぃはははははっ!!』

 

 

 哄笑が轟く。

 こちらもまた、狂う寸前――否。すでに狂っていたのを隠していたのだろう。

 恨み。妬み。嫉み。厭意。呪詛。悪意の頂きに住まう、人間の本質。

 薄闇に、黒が染み渡る。

 黒よりも暗い漆黒が、音に乗って滲んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『くははっははははははっ――っぐ!? ごほっ、こほっ、ごめ、ちょ、変なとこ入ったっ』

 

「あ、大丈夫ですか先生?」

 

 

 ――が、突然、激しく世界が揺れる。同時に咳き込み。

 男の物であろうと思われるが、段々と音声のたわみが無くなっていく。最後の方になると若者と呼んでいいくらいの若々しさに。

 更には、ついさっきまで生きた屍よろしく微動だにしなかった織莉子まで復活。

 重苦しい雰囲気は消し飛んだ。

 

 

「ごっほ、ごほ……。あ゛ー、慣れない笑い方したからツバが気管に……」

 

「まぁ大変。でも、凄く悪役っぽい笑い方でしたよ。ゾクゾクしちゃいました」

 

 

 男――若者の背中を撫でているのか、織莉子との距離が近い。

 表情はと言えば、今までと真逆。向けられた人が思わず笑顔になってしまう愛情が込められていた。

 もっとも今の彼女からそれを向けられれば、同時に別な欲望が滾るであろうが。

 

 

「織莉子の方こそ、本気で殺されるかと思ったよ……。んで、まだ続けるの? プレイの一環とはいえ久臣さん勝手に殺しちゃったり、罪悪感がヒドいんだけど……」

 

 

 若者の声には、苦々しい感情が込められていた。

 発言内容を鑑みるに、これまでの陵辱劇は単なるイメージプレイであったらしい。

 ろくでもない話である。

 あの咳き込み以前だけを切り抜けば、間違いなく本物と言えるだけの真に迫る演技だったのだから、残念度は二倍――いや三倍か。

 

 

「いえ、もう十分です。あとで編集しますので。お疲れ様でした。とても良い刺激になりましたけど、魔力を使ってのボイスチェンジャーも効率が悪いですしね。それに、やっぱり唇が寂しくて……」

 

 

 愛おしそうに腹を撫で、織莉子は煌びやかな花を咲かせる。かと思いきや、今度は唇をなぞって物欲しげな顔。

 どうやら、実生活でもキスを禁止する徹底ぶりだったようだ。

 手の施しようが無い。医者達の投げた匙が見事なジャコビニ流星群を描く。

 

 

「……織莉子」

 

「先生……」

 

 

 見つめ合っているらしい。

 すっかり癖になってしまったのか、若者の視点移動は自身の肉体を極力映さず、織莉子の瑞々しい肉体と表情を時間から切り取っている。

 正面で向かい合っていたそれが横顔になっていき、二人の距離がなくなって――

 

 

 

 

 

「ちょおぉおっと待ったぁああっ!!!!!!」

 

「あ、あら?」

 

「げぇ! キリカぁ!?」

 

 

 

 

 

 ――バタン、と勢いよく開いたクローゼットの扉に中断された。

 若者と一緒に動いた視界に映るのは、ミニスカメイド服を着込んだショートカットの少女。

 キリカと呼ばれた彼女は、うつむき加減に身体を震わせ――

 

 

「ワ……タ……シ……も、混ぜろぉぉおおおっ!!」

 

「きゃんっ」

 

「おいキリカ、落ち着けってぉわ!?」

 

 

 ――ベッドに向かい跳躍した。

 若者は押し倒されたようで、馬乗りになるキリカが映る。

 付け加えると、映像の端に表示されたマイナスの符号のつく数字がだいぶ減っている。残り時間は少ないようだ。

 

 

「なーんか最近個別プレイが多い上にお口に出されても飲みやすいなーって思ってたらこういう事だったんだね!? 織莉子ばっかりスルい! さぁ、ワタシのことも犯せご主人様!!」

 

「なんなんだこの強気メイド!? いつからそこに隠れてた!?」

 

「二人がこの部屋に入って台本の読み合わせしてた時からさ! それからずっと見せ付けられてもう我慢できないんだよぅ!」

 

「最初からかいっ……あ、こら待て、お、織莉子、助けてっ」

 

 

 連戦とはいえ、メイド服の美少女に迫られるという羨ましいシチュエーションから、何故だか若者は逃げ出そうとする。

 すると、視界にヌルッと織莉子の上半身が滑り込み、彼女はキリカに向かって一言。

 

 

「もう、駄目よキリカ。メイド服の時は誰に対しても敬意を払うようにって奈々瀬さんに教わったでしょう?」

 

「む、そうだった。じゃあ……ワタシの事を犯してくれやがりませご主人様?」

 

「根本的に何かが違う! それと織莉子、恋人が助けを求めてるんだから止めに入るべきじゃない!? あ、おい何を……」

 

「うふふ。不公平ですから。ね?」

 

 

 ――が、若者の期待していた言葉と正反対なのは誰の耳にも明らか。

 それどころか織莉子によって両腕を押さえられたらしく、視点がグルリ、窓の方を向いて固定された。

 

 

「ちょっと待って、本当に待って、この一週間使いすぎて擦り切れそうなんです、回復できても痛みはあるんです、寝不足なんです、お願いせめて水分補給、あ、ゃ、やめて――い゛や゛ぁああぁぁあああっ!!!!!! ……あっ」

 

 

 ボロ雑巾を引き千切るような野太い悲鳴が上がり、最後に短く途切れた。

 次いで、「あんっ♪」というキリカの声。ベッドはギッシギッシ音を立て、視界も微妙に弾む。

 けれども、ついにタイムリミットがやってきたようで、不意にプツンと真っ暗に。

 

 映像は、ここで終わっていた。

 

 

 

 

 

「ふぅ……。よし、削ぐかあのロリコン二股野郎」

 

「どーせ死なないんだからやっちゃえやっちゃえ。大台に乗りそうなアイアンメイデンなのにこんなの見せられたら堪ったもんじゃないよねー。ね~ちえみちゃ~ん。……あ、動いた」

 

「二重に梅干し食らわせますよ。このなんちゃって小学生孕メイド」

 

「は? あ、なによ何すんむっ――酸っぱ!? あ、いひゃ、痛い、ごめん、ごめんらひゃいぃいいっ!!」

 

 

 

 

 




 NTRかと思った? そうだよ! セルフNTRプレイだよ!

 ……というわけで、“もしも”恋人に「ハメ撮り調教してみませんか?」と輝かんばかりの笑顔で言われたら、なお話でした。
 まぁ、アレです。欝展開とは言いましたが欝エンドと言った憶えはありません。騙されてくれました?
 結末さえ知っていれば「こいつ等……」と生温かい目で見られると思いますので、どうかお許しを。

 さて、これにて固まっているネタは放出完了です。半年にも満たない時間でしたが、お付き合い頂き、誠に有り難う御座いました。
 今後の筆者の活動予定については活動報告に書いておりますので、ご興味があれば覗いてやって下さい。

 それでは、またお目に掛かれる日まで、失礼致します。
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