早朝、人気のない静かな草原で俺は剣を構えてある人物と立ち会っていた。
俺と相対するはシルヴィア。彼女も剣を構えて戦う姿勢にはいる。
「それではよろしくお願いします、赤髪さん」
はきはきとした礼儀正しいその声音からは、まるで子供のように純粋な真っ直ぐな気持ちが伝わってくる。
だけどそれと同時に、シルヴィアの瞳には凛々しさが宿っていた。
「ああ。どこからでもかかっておいで」
俺との修行を通してシルヴィアは着実に腕を上げてきている。
二人の間をすり抜けるように優しい風が吹いて、草原がゆらゆらと揺れる。
そして風が吹き終わるのとほぼ同時、俺とシルヴィアの剣がぶつかる。
最近の俺は、ずっとこんな調子でシルヴィアと剣の特訓を行っていたのだった。
■
俺は基本的に色んな人達と特訓をしてきたが、とある理由をきっかけにシルヴィアとの特訓ばかりを行うようになった。
「赤髪さんにお願いがあります! 私に稽古をつけて頂けないでしょうか?」
二人でクエストを終えて、その流れでレストランで食事をしていた時のこと。シルヴィアは皿の上を空にすると、改まったようにして言った。
前に彼女は俺を見て戦い方を学んで強くなりたいと言って、クエストの同行の希望をしてきた。特に断る理由もないので俺は了解し、最近はクエストではずっと一緒なのだ。
だからという訳でもないが、俺に特訓のお願いをしてきて驚くことは無かった。
でも、気になることがある。
「俺はいいけど、シルヴィアは平気なの?」
「私は平気ですよ。……赤髪さん相手に稽古を付けてもらうとなると、ついてこれるか少し不安ですけど」
「そうじゃなくて。シルヴィアって魔獣とかなら普通に戦えるけど、人間とかが相手だとうまく戦えてないだろ? 稽古を断るつもりじゃないけど、本当にそれで平気なのかなって」
シルヴィアは相手が人間やヒトのような存在だと、相手を傷つけるのを恐れて本来の力を発揮できない傾向がある。
あの日のレインとの戦いを通して、強くなりたいという思いは強くなったものの、本来は平和主義で戦いを好まないシルヴィアにとって、相手が人間だった時はすごく戦いづらそうにしていた。
実際、街中で強盗と偶然鉢合わせたときに彼女は剣を取って振り回すことはできても、腰が引けてたり振りが甘かったりと普段の力を発揮できていないのは一目瞭然だった。
シルヴィア程の実力なら強盗なんて訳ないと思うのだが、あの時は俺が助けに入らなければ危なかっただろう。
シルヴィアは黙るが……やがてコクリと頷いて、「それでもお願いします」と力強く言った。
「赤髪さんの言った通り、私は相手が人間の方々だとうまく戦うことができません。この間の強盗の時だって、赤髪さんの助けがなかったらどうなってたか……」
シルヴィアも自分の弱点は把握できているらしい。
「でも敵を選ぶことはできませんし、いざ大切なものを守る時に相手が人間だから戦えない……そのせいで守りたいものも守ることができなかった。そんな後悔はしたくないんです」
相手が人間だから戦いたくないという気持ちはよく分かる。
俺はどうにか割り切って、ときには相手が人間でも全力で戦っているが、それでも人間と戦うのは気分が良いものでは無い。だけど、相手が手加減をしてくれるはずもないし、下手すれば死ぬ。殺意バリバリのやつと戦ったことも何度もあるし、そういう連中を相手に手加減すればまず命はない。
シルヴィアもそれを分かっているからこそ、人間相手に力を発揮できない現状をよくないと感じたのだろう。
「相手が何者でも恐れない、大切なものを守るためなら人間とだって戦う。ただ戦いの腕を上げるだけではなく、どんな敵でも戦える強さが欲しいんです。だから赤髪さん、お願いします」
ここまで言われて断ってしまえば、シルヴィアの今の思いを無駄にしてしまう。元から断るつもりはなかったが、彼女の考えを知って俺も一緒に稽古がしたいという気持ちが強まっていた。
「そこまで言うなら分かったよ。明日から一緒に特訓して頑張ろう!」
「ありがとうございます! それに赤髪さんはあのレインさんを『めちゃくちゃ強えー』と言わせるほどですから、赤髪さんに稽古をつけてもらえればもっと剣の腕も上達できると思うんです。
いいえ。思うじゃなくて、指導してもらう立場として絶対に強くなってみせますね」
こうして俺はシルヴィアと特訓の日々を送ることになったのだった。
カーン! と、甲高い剣戟の音が空にこだまする。
俺がシルヴィアの剣を強く弾いた音で、剣は彼女の手を離れ上空へと打ち上がってしまっていた。
それに気づいたシルヴィアは、手ぶらになった手のひらを見て肩を落とした。
「ああー、また負けちゃいました。一回でいいから勝ちたいのに、本当にいつか勝てるのかなあ」
「シルヴィアも大分強くなったと思うぞ。俺も負けたくないから全力でやらせてもらったけどね」
「や、やっぱりさっきのは全力だったんですね。通りで勝てる気がしませんでした。赤髪さんって周りから頼られてて私から見ても頼りがいがある人なんですけど、結構子供っぽいんですね」
剣で思いっきり負かしてしまった腹いせか、シルヴィアは唇を尖らせて言った。
確かにさっきのは本気すぎたかもしれない。途中から稽古をつけるというよりもシルヴィアに負けたくないという気持ちで剣を振っていたので、その点は子供っぽかった。
「ははは……でもそれくらいしないと、シルヴィアに勝てない気がしたからな。それにシルヴィア、以前よりも本当に強くなってるし。ちょっと油断したら一気に押し切られそうなんだよ。だからこの調子で頑張っていこう。もちろん無理はしないようにね」
「は、はい。ありがとうございます。……やった、褒められた。手紙でリサちゃんに教えてあげようっと」
嬉しそうに微笑むシルヴィア。ただ褒めただけでここまで喜んでくれるとは、どうやら子供っぽいのは彼女もらしい。
……というか、暑いな。夏だから熱くて当たり前だけど、このままだとむんむんとした気温に体力を奪われてしまいそうだ。
シルヴィアも腰を下ろして手をパタパタとし始めた。綺麗な肌にじわりと汗がにじんでいて、肩を伝っていく汗が胸の谷間に吸い込まれていくのが見えた。
日差しの下、暑さと息苦しさでだるいにも関わらず、俺はしっかりとシルヴィアの胸を目で追ってしまっていた。胸の上を通過した汗の跡が、陽の光を反射して艶めかせている。
「どうしたんですか赤髪さん? さっきからぼーっとしちゃって」
し、しまった。いかん。谷間を凝視していたのがバレたら、シルヴィアに引かれてしまう。
俺は視線をそらして適当に誤魔化した。
「な、なんでもない。それよりかなり暑くなってきたな。なるべく風通しが良い場所を選んだはずなんだけど」
「そうですね。赤髪さん、もしかして暑さにやられてぼーっとしていたんじゃないですか? 私も暑すぎてこのままだと思考が止まっちゃいそうです。そろそろ涼しい場所に移動しませんか?」
「そうだね。立てる?」
稽古で上昇した体温と夏の容赦ない気温が合わさったこの状態では、草原を吹き抜ける風ていどではこの蒸し暑さを誤魔化すこともできないだろう。
地面に座っているシルヴィアに手を差し伸べる。
シルヴィアは「ありがとうございます」と言って手を伸ばしてくるが、そこで俺はあることに気づいてしまう。……が、既に俺の手をシルヴィアは握ってしまっていた。
「ごめん。汗でべっとりしてたよな。気持ち悪くない?」
「き、気持ち悪いだなんてそんなことないです。確かに汗がにじんでますけど……なんというか、赤髪さんの手は温かくて握っていると落ち着く感じがします」
「温かいなら逆に嫌なんじゃないか?」
「そんなことありません。だから、このままでお願いします」
そう言ってくれるなら、俺は気にせずに掴んだ手を引っ張って上げて彼女を立ち上がらせる。シルヴィアの手も若干汗ばんでいるが、不思議と嫌に感じることは無かった。
……というか、さっきのシルヴィアの台詞、けっこう恥ずかしいやつだよな。手が温かくて落ち着くだなんて言葉は、言う方も言われる方も照れくさくなる。
シルヴィアもそれに気がついたようで、彼女は暑さで火照った頬をさらに紅色に染めて言った。
「あー、あのさっきの私、もしかして結構恥ずかしいこと言っちゃいましたかね?」
「ま、まあな。手を握ると落ち着くとか、あまり誰かに言ったりしないと思うし」
「ですよねっ!? ごめんなさい! 私ったら調子乗って変なこと言っちゃって。赤髪の手を握ったのもこれが初めてなのに」
「いや、別にいいんだけどさ」
むしろシルヴィアのような可愛らしい女の子にそう思われるのは、男しては嬉しい気分になる。
というか、この空気どうしよう。
「おーい、二人とも。こんなところで何してるのー?」
「キャトラちゃん!」
お互いに恥ずかしくなって黙り込んでしまったところに、キャトラのやかましい声が訪れる。
シルヴィアは手を振ると、キャトラはこちらまで走ってやってきた。
「あら……?」
そして、俺とシルヴィアを見た途端その場で停止。二人を何度も交互に見つめ、視線はその間に集中した。
「ありゃま。ほーん、なるほど。もしかしてお邪魔だったかしら?」
キャトラの視線の先、そこには繋がりあった俺とシルヴィアの手があった。……あいつのニヤリとしたあの笑み、どう考えても俺達は誤解されているようだった。
一番先に否定したのはシルヴィアだった。
「わわっ、これは違うんです!? そ、その私たちはキャトラさんが思っているような関係ではありません。ですよね、赤髪さん!」
「お、おう! 変な勘違いするなキャトラ! 俺とシルヴィアは別にそんな関係じゃないぞ!」
「またまたー若いわね。そんなに恥ずかしがらなくてもいいのに」
「だーかーらー違うんだって! 疲れて座り込んでたシルヴィアに俺が手差し出しただけで、そのタイミングでキャトラが来ただけなんだって!」
「そうなの?」
「そうなんだよ! それに俺達はここで剣の稽古してただけ! キャトラが思ってるような、恋だのなんだのって関係じゃない! ほら、シルヴィアももっとそこら辺説明してやってくれよ!」
「…………」
「シルヴィア?」
「は、はい。そうですね。私たち、恋人とかじゃないですよ」
急に声が小さくなるシルヴィア。……あれ、どうしてだ? これだと余計に怪しまれるんだけど!?
「たしかに見た感じ本当に稽古してただけみたいね。なんかがっかりねー」
お前が勝手に勘違いしただけだろ。
「とにかくそういうことだから。それで俺たちに何かあって来たんじゃないのか?」
「今からみんなで海行くから、あんたたちを呼びに来たのよ。稽古も終わったところみたいだし、ちょうどよかったみたいね」
「いいですね。私も暑くて暑くて、海で体を涼めたいと思ってたんです。赤髪さんも一緒に行きましょうよ」
暑さに参ってるのは俺も同じだ。この島にバカンスにやって来て何度か海で遊んでいるけど、俺はすぐにでも冷たい海に飛び込んで真夏の日差しから免れたい気分だった。
「決まりね。それじゃあさっさと海に遊びに行きましょ! いつまでもこんな暑いの耐えられるわけないわ!」
キャトラも夏の蒸し暑さから逃れたいのか迫真の声でそう言う。
気持ちは大いに理解できるので、俺達も早く海に向かうことにした。
■
真夏の太陽に照らされた海の表面は、ギラギラと眩しいくらいに光をあちこちに反射していた。
それでも広い海の中へと身を委ねてみると、心地よい冷感と塩っぱい味が身体を包み込んでくれる。
俺はしばらくの間、海にプカプカと浮かぶだけで何をするでもなく、日差しに熱された身体を冷やすことにした。
そして、十分に海を堪能したあとは砂浜に腰を下ろして足を伸ばしながら、波が穏やかに揺れるさまをのんびりと眺めていた。
「赤髪さん」
不意に横から声がかかる。
シルヴィアだ。彼女は俺のそばに来ると、両手に持った棒アイスの片方を渡してきた。
「どうぞ。いつも稽古に付き合ってくださる分のお礼です」
「ありがとう、シルヴィア」
「隣座ってもいいですか?」
もちろん構わない。言うと、シルヴィアは俺の隣に腰を下ろした。
その時になぜか、シルヴィアが腰を砂浜につけたときの砂が擦れる音が妙にはっきりと耳に聞こえた。
いや、違う。子供のはしゃぎ声や、背後にある屋台の焼きそばを焼く音、波の音にカモメの鳴き声。そんな数ある音が響くこの浜辺で、俺は隣のシルヴィアに耳を傾けてしまっていた。
……なぜそんなことをしているか。まあそれは自分でも分かっている。
俺はシルヴィアが隣に来るなり、突然のように稽古の時の出来事を思い出してしまっていた。
ようするに、今の俺はシルヴィアのことをめちゃくちゃ意識してるらしかった。
「バカンスはいいですね。風は気持ちいいし海は冷たいし、ここに来れば夏の暑さなんか吹っ飛んじゃいます」
「あ……ああ。そう、だな」
やべっ。緊張のせいで、めっちゃ間の抜けた返事をしてしまった。
不自然に思われてしまったのか、シルヴィアは海に向けていた視線を俺の方に向けてきた。
「赤髪さん、またぼーっとしてませんか? 早くアイス食べないと溶けちゃいますよ」
「う、うん。そうだったな」
アイスのおかげで俺が緊張しているのは気づかれなかった。俺は軽くアイスに感謝しながら被りつく。冷たいソーダの味が口の中に広がり、身体を内側から冷やしてくれる。
「海で遊びすぎたからかな? こうしてると何だか眠くなってきちゃってさ」
「分かります。海で遊んだあとにのんびりしてると、気持ちよくて眠くなりますよね。でも、こんなところで眠ったら熱中症になる危険があるのでダメですよ」
「はは、了解」
そう返事すると、シルヴィアはまた海を眺め始める。
俺は何となくシルヴィアの方に視線を向けてみた。
こうしてよく見ると……いや、よく見なくてもシルヴィアってかなり可愛いよな。
晒された素肌は、まるで洗いたてのような清潔感があって白い水着と相まってとても綺麗だ。
それだけじゃなく、砂浜から反射された陽の光を浴びる白くてきめ細かい肌は、例えるなら弾ける果実のような瑞々しさがあった。
普段は下ろしているオレンジブラウンの髪を後ろにセットしておでこが見えているおかげか、彼女の雰囲気が幾分が明るくなっているのもすごくいい。
無駄肉がなく身体は適度に引き締まっており、胸は……あまり直視するべきではないが、しっかりと成長しているようだった。
シルヴィアの容姿ならモデルになれるんじゃないか? 悪魔系可愛い新人モデルとかでデビューしてさ。どんな服でも着こなせそうだし、雑誌の表紙に載るのも夢じゃない気が…………
「あのー、赤髪さん」
「なに?」
「さ、流石にそんなずっと見つめられると、恥ずかしいというか……さっきから見てますよね! わ、私のこと……」
シルヴィアは困惑して視線を逸らし、頬を紅色に染めながら俺をチラチラ見やっていた。
……はっ! し、しまった!?
ど、どうしよ。シルヴィアに見とれてました、なんて理由にならないよな! 理由になっても言えるもんじゃないけど。
「悪いことしたよな!? 嫌な思いさせてごめん!!」
「ち、違いますよ! 恥ずかしくはありますけど、別に嫌な思いもしてませんし、悪くなんてないですよ。
ただ……その、変だったり、似合わなかったりしてないですか?」
「え……」
「私、水着着るの初めてなんです。だから、自分でも水着が似合ってるのかどうなのか分からなくて。赤髪さんがじっと私を見つめていたので、どんなふうに思われているのか気になったんです」
ああ、そういうことか。
しかし女の子の水着姿に感想をって……お、俺はどんなふうに言えばいい!!
評価に迷っているわけじゃない。むしろ、シルヴィアの水着姿は思わず視線が引かれてしまうほどに綺麗で可愛らしい。俺の中では間違いなく百点満点だ。
ただ、褒めるにしてもどのように褒めればいいか悩む。しかも、真正面から感想を求められてるわけだから余計にだ。
……よ、よし! さっき脳内で褒めてたような言い方で……ダメだ、なんか変態ぽい。下手したら引かれる。
かといって、他に褒め言葉なんて浮かんでこない。
こ、こうなったら仕方がない。仕方がないって表現はあれだが、思ったことをそのまま口にしよう。
「し、シルヴィア……」
「はい」
「見とれるくらいすごく似合ってるよ」
「…………」
……あれ? 返事がない。
シルヴィアをよく見てみると、頬を真っ赤にさせ頭のてっぺんから湯気を沸かしていた。
ぷしゅーっ、という擬音が似合いそうだった。
「し、シルヴィア? 大丈夫?」
「は、はい……ありがとうございます。う、嬉しいです。水着、似合ってるって言ってもらえて」
俺も大概恥ずかしい思いをしたが、シルヴィアも恥ずかしさに悶えているようだった。
「わぷっ!?」
そこに突然、風に飛ばされてきたチラシがシルヴィアの顔面目がけて衝突する。
チラシに視界を覆われたシルヴィアはそれを手に取ると、中身を読み始めた。どうやら内容は、花火大会の告知のようだ。花火の写真も載ってある。
そして、日時は……お、今日なのか。
「初めて見ました。まるで空に咲いた光る花のようですけど、これが花火というものでしょうか?」
「ああ。夏といえば海だけど、花火も夏の風物詩の一つで見応えもあるぞ。俺も数回しか見たことないけどね。特殊な火薬を空中で爆発させて、色の着いた火の粉が花みたいに宙に飛び散るんだってさ」
「へえ、写真で見てもとても綺麗なのが分かります。海も十分楽しみましたが、この花火も気になってきました」
俺の説明を聞いたシルヴィアは、花火の写真をじっと見つめていた。
「赤髪さん。良かったら花火、一緒に見に行きませんか?」
「そう言うと思った。いいよ。今日あるみたいだし、みんなも誘って一緒に見に行こう。今から伝えてくるから待ってて」
「い、いえ。皆さんと一緒ではなくて……」
俺は海を泳いでるみんなに伝えに行こうと立ち上がる。すると、シルヴィアが呼び止めるように俺の手の先を優しく触れてきて、振り返ってみると彼女はこう言った。
「赤髪さんが嫌じゃなければ……私、赤髪さんと二人だけで花火を見に行きたいです」
[newpage]
花火があるからか、浜辺には昼頃よりも人が多く集まっていた。夜の空を仰ぎながらまだかまだかと大変賑わっており、人が密集しているせいで日差しが照っていた時間帯と変わらないくらいの熱気に満ちていた。
暑さから逃れるため、水着になっている人も少なくなく俺もその一人だった。中には浅瀬の近くで水浴びを楽しんでいる人たちもいた。
俺は人が集まることを予期して、シルヴィアとは浜辺から少し離れた地面が舗装された街側の方で会う約束をしていた。人が集まっているのは浜辺のほうだし、ここならあっちと比べて人は少ない(それでもまだ騒がしい方だが)。
花火を見るにしても浜辺側でも街側でも、眺めの良さは大して変わらないだろう。
「おまたせしました〜。思ったより人がたくさんで驚きました。花火ってこんなに人気だったんですね」
「お。シルヴィアも水着のままだったんだな」
「赤髪さんや他の人たちも水着なんですね」
シルヴィアとも無事落ち合うことができた。あとは花火の時間まで待つだけだ。
少しすると、海の向こうから空に向かって何かが打ち上がるような音が聞こえた。
どうやら始まったようだ。
直後、ボンと力強い音が響きわたり、空に彩りにあふれた大きな花模様が浮かび上がった。
地上でも大きな歓声が沸きあがり、シルヴィアも感嘆の声をこぼしていた。
「わあ……これが花火なんですね。大きくて、綺麗です」
そして息つく暇もなく、どんどん花火が打ち上がる。暗かった空を色彩豊かな光が照らしていく。
シルヴィアは目を輝かせて花火に見入っていた。
「……赤髪さん、ありがとうございます」
「ん? 俺は何もしてないぞ」
「二人だけで花火を見に行きたいっていう私のわがままをきいてくれたことについて言ってるんです。私たちって最近は二人でいることはあっても、こんなふうにゆっくり過ごすことはあまり無かったじゃないですか」
「たしかにシルヴィアと二人の時は、クエストで外に出てる時か剣の稽古してる時くらいだな」
そう考えると、シルヴィアとの今の時間はとても新鮮に感じる。
それでもお礼を言われるようなことはしてないと思うが。
シルヴィアはふと花火に釘付けだった視線をこちらに向ける。宙に浮かぶ彩りに満ちた花火が彼女の表情を半分照らし、もう半分に影を落としていた。
花火の力強い音が響きわたり、周りが人々の歓声に包まれているというのに、シルヴィアの大人しい声がやけに俺の耳にはっきりと聴こえていた。
「赤髪さんってたくさんの友達がいますよね。飛行島のみんなと仲が良くて、初対面の人ともすぐ仲良しになれて。良好な関係の女性だって何人もいますし……」
「し、シルヴィア。その言い方はちょっと……」
周りの人に聞かれたらきっと誤解されると思う。花火の音で聞こえないとは思うけど。
「えへへ、ごめんなさい。ちょっと意地悪しちゃいました」
微笑むシルヴィアは、続けて言葉をつむいでいく。
「飛行島には、赤髪さんを信頼して大切に思っている人がたくさんいる。
私もその一人。だから私、他の人とは違う赤髪とだけの特別な思い出が欲しかったんです。それが叶える子ができて、嬉しいです。……あ、でも、赤髪さんの方は誰かと二人きりで花火を眺めた経験くらいありますよね」
「いや、こんなふうに花火を見て過ごすのはシルヴィアが初めてだよ」
「そ、そうなんですね! でしたら、尚更嬉しいです。今日の赤髪との思い出、絶対忘れませんから!」
「えへへ」とはにかみながらも笑顔になるシルヴィア。彼女の嬉しそうな表情は、俺にとっても忘れることのないとびっきりの笑顔だった。
花火が終わった帰り道。
浜辺に集まったたくさんの人達は花火が終わると、いっせいにぞろぞろと帰り始めていた。
俺たちも引き返す人混みに巻き込まれる前に道を引き返していた。
そして何事もなく飛行島に到着し、シルヴィアの部屋の前へとたどり着いた。
「今日はありがとうございました。一緒に花火を見ながら過ごした時間、とても楽しかったです」
「俺も楽しかったよ。今度また花火を見る機会があった時は、その時はリサも一緒だといいな」
「そうですね。あんなに素敵なもの、リサちゃんにも見せてあげたらすごく喜ぶと思います!」
「うん! それじゃあおやすみ、シルヴィア」
「赤髪さんもおやすみなさい」
そう言って、俺は玄関を開けて部屋を去ろうとし…………。
直後、背後から引っ張られる感覚がした。
振り返って確認してみると、シルヴィアが俺の服を掴んで俯いていた。
「し、シルヴィア……?」
「……」
返事はない。俺は一旦玄関を閉めることにした。
さっきまではあんなに楽しそうにしてたのに……今のシルヴィアは俺に表情を見せずに顔を下に向けてしまっている。見えなくとも、言葉を返してこない彼女の雰囲気はどこか暗く、落ち込んでいるようであった。
シルヴィアの急変した様子に俺は戸惑ってしまう。
「シルヴィア。どうしたの?」
「…………っ。赤髪さんのは、やっぱり特別ですね。そして私は、自分でも驚くくらいに欲張りみたいです」
「え?」
特別? 欲張りってなんのことだ? その答えを模索する暇もなく、シルヴィアは服を引っ張る力を強めて俺を引き寄せてくる。簡単に振り解くことはできそうにないほどの力がシルヴィアの手にこもっていた。
距離が密着し、シルヴィアの頭が俺の胸に引っ付く。
どちらも水着という珍妙な状態のため、ブラウン色の明るい髪が直に俺の胸に触れてきて、ひんやりとした感覚を与えてきた。
「……赤髪さんは、私が何を糧として生きる悪魔かはご存じでしたよね」
「たしか人間の愛情だっけ」
シルヴィアの行動にどうすればいいのか分からないが、ひとまず俺は答えを言う。
コクリと頷くシルヴィア。
「私は人助けをする代わりに人間の愛情を受け取り、それを糧とし生きています。これは悪魔としてはかなり異質なんです。
それでも私が人間が大好きなのは間違いありませんし、人助けをするのも好きでした。
でも……あなたから受け取る愛情だけは、他の人たちや飛行島の人たちとまた変わってるんです」
「俺の愛情が変わってる……?」
「はい。赤髪がくれる愛情だけ他の愛情よりすごく甘い味がして、頂くだけでもくらくらしちゃうんです。
こんなの初めてでどうしてか分からなかったんですが……。赤髪さん。笑わないできいてくださいね」
「う、うん」
ここまで真剣に言われると笑える自信すらないのだが、笑われるようなことを言うのだろうか?
俺は覚悟を決めて、言葉を待つ。
シルヴィアはゆっくりと顔を上げて────そして、なぜか頬を真っ赤しながら口を開いた。
「赤髪さんって、多分、私のこと好き、ですよね……」
「……え?」
ど、どういうことだ!? どうして気づかれたんだ!?
この際、いつの間にかバレていたことに関してはおいておこう。いや、置いておくのも無理だし、むしろ部屋抜け出してこのまま飛行島から飛び降りたいくらい恥ずかしいんだけど!?
でも、どうしてシルヴィアはその事に気がついたんだ!? 言っちゃ悪いが、シルヴィアはそういう感情に関して過敏なようには思えない。もしくは俺が分かりやすかったとかか!?
「そ、その慌てようだと正解ということでいいでしょうか?」
「……うっ、まあ。うん、そうだよ」
シルヴィアも相当恥ずかしがってるみたいだし、言うまでもなく俺も恥ずかしい思いをしていた。
気まづいというものを通り越して、空気を吸うだけでも悶え死んでしまいそうな雰囲気なっていた。
知らないうちに心臓の音がバクバク聴こえて、体温も上がっていた。
それでもシルヴィアは俺の服を手放すことなく、会話を続けた。
「や、やっぱりそうなんですね。もし赤髪さんが私に好意を抱いてくれているとしたら、赤髪さんから受け取る愛情が変わっているのにも納得ができるんです。
そして私は……そんな愛情をもっと欲しいと思うくらいに、欲張りな悪魔みたいです」
「えっ、それって──────────」
つまり、シルヴィアも……そう言おうとしたところで、口が何かに阻まれた。
それはやわらかくて、ぷるんとした艶のあるシルヴィアの唇だった。
一瞬のキス。唇が離れると、シルヴィアは切なそうな声で言った。
「赤髪さん。私……私、赤髪さんのことが大好きです!
本当は稽古を頼んだのも、強くなりたいという理由だけじゃなく、少しでも長く赤髪さんのそばにいて、愛情を貰いたかったからなんです。二人だけで花火を見に行きたいと言ったのも、私が赤髪さんを独り占めしたかったからなんです。
だから今度は、私からも愛情を赤髪さんに差し上げたいです!」
その言葉に感極まってしまい、俺は水着であることも躊躇わずにシルヴィアを抱きしめてしまっていた。
「あっ、わっ……!」
シルヴィアは驚き慌てるが、すぐに落ち着くと俺の背中に細い腕を回してくれた。
二人ともお互い水着で肌を露出しているため、こうして抱きしめ合うだけでも彼女の身体と体温の感触を感じとることができた。
「俺もだよ。俺もシルヴィアが欲しい」
「赤髪さん……私も同じ気持ちです。赤髪さんのこと、大好きです」
身体を密着し間近だった二つの唇が引き合わされるように近づき、二度目のキスをする。
眼前のシルヴィアはそっと瞳を閉じながらも表情からは幸せそうなのが伝わってきた。
「ちゅぷっ、んちゅ……あなたの唇おいしい。唇の味だけじゃなくて、愛情も伝わってきて、すごく甘い味してます……んむっ」
シルヴィアの言う愛情の味とやらは俺にはよく分からないが、彼女の言う通りとても甘いものなのだろう。
唇を重ね合う度にシルヴィアは頭をクラクラとさせ、後ろに束ねた髪が宙を揺れ動いていた。早くも愛情の味に籠絡され始めているのかもしれない。
そして、俺もシルヴィアの唇にちゅぱちゅぱっと吸い付き、唇の味と感触に籠絡されつつあった。
「んっ、ああ、はあっ、ぁぁっ……! こっ、こんなに強い愛情は初めてです。あなたの思いが頭にまで響いてきて、うまく受け止められなくて、力が入らない……きゃっ!」
「おっと」
とつぜん力が抜けて前のめりになるシルヴィアをなんとか受け止める。
ただ、そこまではよかったものの、位置的にシルヴィアの唇から漏れる吐息が俺の耳に降りかかってきた。
うっ……! しかも色っぽい声してるし、それを耳元で聴いた俺は脳がやられそうになるが、なんとか姿勢を維持した。
「シルヴィア、大丈夫?」
「す、すいません。赤髪さんとのキスが気持ちよすぎて、力が抜けちゃったみたいです……っ。
もし良かったら、このままベッドに連れていってもらってもいいですか? 私、ベッドの上で続きがしたいです」
「そうだな。ベッドで続きを……」
てっ!? ベッドで続きって、それってつまり……。
両腕に抱かれるシルヴィアを見ると、彼女な切なそうな目をしながら訴えてきた。
「……もしかして、いやでしたか? 私とこれ以上続きをするのは」
「い、いやじゃないぞ。むしろ嬉しい誘いなんだけど、シルヴィアから誘ってきたことにびっくりしてさ」
「さっき言ったじゃないですか。私は欲張りな悪魔だって。
キスも気持ちいいですけど、もっと赤髪さんのことが欲しくて欲しくてたまらないんです。欲望が抑えられそうになくて、このままだと暴走してしまいかもなんです」
「それは大変だな。それとシルヴィアは欲張りだけじゃなくて、エッチな女の子でもあるみたいだな」
「え、エッチな女の子って……赤髪さんだって人のこと言えませんよ! 赤髪さんだって、そこっ、そんなに大きくしてるじゃないですか」
シルヴィアが指さす方向は俺の腰の下……つまり股間だった。
水泳用のパンツの一部が盛り上がって股間が存在を主張している。
水着の女の子と抱き合いキスもすれば、股間が大きくなるのも当然といえた。
「私はもっともっと赤髪さんのことが欲しいですけど……赤髪さんもベッドで私のこと好きにしていいんですよ? ────わっ、きゃあっ!」
シルヴィアの誘いに俺は本能的に動いてしまい、即座に彼女を抱き抱えてベッドの方に移動して行った。
ベッドの上にシルヴィアを優しく寝かせると、俺は覆い被さるようにしてふたたび魅力的な唇にちゅっと口付けする。
まだ始まったばかりだというのに、シルヴィアは頬を紅く染めており唇もほんのりと温かった。
ちゅぷっ、ちゅっ、ちゅむっ、ちゅぅっ……
シルヴィアの唇は強く押し付ければぷるんと弾け、吸い付いてみればしっとりとした質感の良い、いくら味わっても飽きることない魅力的な唇をしていた。
むしろキスをすればするほど俺はシルヴィアの唇に虜になって、ちゅぱちゅぱと吸い付く勢いががどんどん強くなっていく。
「あか、がみさん……キス、はげしっ、んちゅっ、えるっ、ちゅるるっ、んむぅ……っ!」
シルヴィアは押し負けそうになるが、少しすると彼女の方からも負けずと唇を押し返してくる。
唇を擦り合わせることで得られる心地よい痺れが脳を支配し、互いに手加減を知らない濃密な口付けを続けていくうちに息が荒くなる。それでも、ベッド上での唇のせめぎ合いはどちらも引く様子が見えない。
それならばと、俺は遠慮なくシルヴィアの唇の間へと舌を割り込ませ、奥に潜んだ舌を巻きとるようにして口内を舐めまわしていく。
「れるっ、んぷっ……!! じゅるっ、れるるっ、赤髪さん、このキスっ、だめぇ……舌がっ、んちゅっ……!」
シルヴィアの舌触りを堪能していると、ぞくぞくとした冷感のような刺激が背筋をかけめぐった。シルヴィアは苦しそうに喉の奥を鳴らしたが、やがて彼女の方からも俺の舌を絡めてくる。
ベッドの上で繰り広げられる濃厚なキスの攻防はしばらく続き、気がつけば二人の肌からわずかに汗が流れていた。
俺もシルヴィアも水着のままだが、その程度では上がり続ける体温を下げることすらできないようだった。
だけど、今は暑さを不快にすら思わない。
俺はシルヴィアの口内を存分に貪り終えると、唇を離した。お互いの軽く突き出た舌先には、混ざりあった唾液が糸をつむいでいた。唾液の糸は重力に従って下に落ちていき、真下にいたシルヴィアの頬にまとわりつく。
それを見届けると、俺はシルヴィアの胸元に視線を移した。
控えな彼女にしては、豊かに実った胸がフリル付きの白い水着に身を潜めている。
俺は胸を見るだけで性欲を膨れあがらせてしまうが、ひとまずぐっと堪えて、シルヴィアの表情を確かめた。
視線が重なったシルヴィアの瞳は、憂いと期待が入り交じった色を秘めていた。
どこか不安げの表情をしていて、それでもなおシルヴィアは微笑んで俺を受け入れる言葉をかけてくれた。
「いいですよ。あなたなら優しくしてくれると信頼してますから。私の身体であなたを満足させられるかは分かりませんが、どうか、あなたの手で私を脱がしてください」
女の子がここまで言ってくれた手前、ここで男の俺が引くわけにはいかない。
俺はシルヴィアの後ろ側に手を潜り込ませると、背中にある水着のホックを丁寧に外す。すると、水着に抑えつけられていた胸がふわっと優しく揺れ動いていた。
水着を脱がせ取ると、綺麗な白色の大きな乳房が正体を現した。
俺はシルヴィアの美しい乳房に見とれてごくりと生唾を飲み込みながら、手で包み込むようにして揉み始める。
「んっ、あんっ、やあ……っ」
とはいえ、シルヴィアの乳房は片手だけでは包み込むことができないほど大きくて、手のひらから収まりきれなかった柔らかい乳肉が外側に押し出されていく。
シルヴィアの胸はただ大きいだけじゃなく、理想的な丸みを帯びており形も整っていた。何度も揉んで形を変えてみても、ぷるんと揺れながら元の形に戻るのを繰り返している。
膨らみに指を沈みこませると、感動するほどに柔らかさな感触が指を受け入れ、かつ適度な弾力性も残しており、これぞ極上の揉み心地と表現するに相応しかった。
「あっ、はあっ、ひゃっぁんっ……赤髪さん、私の胸の感触いかがでしょうか?」
すごく気持ち良くてずっと揉んでいたいくらいだよ。そう言うと、シルヴィアは嬉しそうに言葉をこぼした。
「ふふ、もちろんいいですよ。赤髪さんがそれで喜ぶのなら、好きなだけ触って堪能してください。気持ちよさそうにしている赤髪さんを見ていると、私も嬉しくなります」
言われずともそうつもりでいた俺は、早速、両手でシルヴィアの乳房を揉みしだき、柔らかな感触を手のひらで味わいながら至福の気持ちを満たしていく。
豊かな乳房の中心にある可愛らしい桜色の乳首は硬くなり始めており、俺はそれをぴんと指で優しく弾いてみると、シルヴィアが「ひゃあっ……」と可愛らしい嬌声を上げて身体をびくっと震わせた。
その反応を見た俺はさらに乳首を弾いたりこねたりして、シルヴィアを喘がせていく。
「ふぁっ、やあぁ……っ。赤髪さん、乳首ばかりせめるの、あんっ、だ、だめ……っ」
シルヴィアの甘ったるい声が部屋に漏れる。
本人は自覚がないのかもしれないが、そんな加虐心を煽るような言い方されては、余計に興奮してしまうだけだ。
俺は片方の乳首や胸全体を揉みしだき続け、もう片方の胸に顔を埋めて乳首を口に含めると、れろれろっと舌で硬くなった乳首を舐め回し唾液をまとわりつかせ、ちゅうちゅうと乳房に吸いつき攻め立てていく。
「あっ、こ、これぇだめっ、ちゅうちゅうっておっぱい吸うのだめぇ……! 赤髪さん……これっ、気持ち良くてっ、私、ダメになりそうです……っ。んんっ、あっ、私、変な声出しちゃってます……!」
シルヴィアは喘ぎ声を抑えようとするものの、胸から与えられる刺激に耐えることができず、口をだらしなく開いて嬌声を漏らしている。
口をよく見てみると、上唇と下唇を繋ぐようにその間に唾液の糸ができており、シルヴィアの表情を色っぽく染め上げていた。
俺はぐちゅぐちゅっと嫌らしい水音が出る勢いでシルヴィアの胸を口で愛撫し、もう片方の胸も容赦なく揉み続け、弾力感のある膨らみもそれに合わせて形を変えていく。
俺は際限ない性欲を昂らせながら休む暇もなく豊満な乳房を愛撫し、シルヴィアの反応を見て愉悦に浸っていると、彼女はしだいに喘ぎ声を大きくしていく。さらに、身体も小刻みに震えだしていた。
「赤髪さん、私もうダメです……っ、あなたに胸触られるの気持ち良くて、愛情がたくさんで、もう耐えられない。んっ、はあ……っ!」
もしかして胸をいじられるだけで、もう絶頂しかけているのだろうか? シルヴィアは人間の愛情を感じ取ることができるから、それで余計に感じやすい体質になっているのかもしれない。
だとしたら、このまま気持ち良くてなってほしい。俺はその思いで、乳房に吸い付いたり鷲掴みにして全体を揉んだりしながら猛威をふるう。
「ひゃあっ、あんっ、赤髪さんっ、そんなに激しいの、だ、だめですよ……っ」
「シルヴィア、このまま気持ちよくなっていいからね」
「えっ、そんなっ、やあ……! 本当にこれ以上はむり、愛情が受け止められなくて、こわれるっ、いやっ、ひぅっ、やあああ、ああっ……!」
やがてシルヴィアは背筋を大きく仰け反らすと、聞くだけで脳が蕩けてしまいそうなほどの魅惑的な喘ぎ声を空間に響かせた。
「ああっ、はあっ……はぁっはぁっ。あんなにダメって言ったのに激しくするなんて、ひどいですよ。赤髪さんの馬鹿……」
「ごめんごめん。シルヴィアにはちゃんと気持ち良くなってほしかったからさ」
「私には赤髪さんが楽しんでだけのように見えましたけど」
「まあそれもあるかもね」
「もう、いじわるです」
ちょっぴり拗ねたような口ぶりだったが、シルヴィアはすぐに表情を変えて満足そうに火照った頬を緩ませた。
俺たちは無意識のうちにただ見つめ合い、どちらからともなく顔を近づけてそのまま唇を重ねる。
「んっ、ちゅっ……赤髪さん、好き」
ちゅっと静かな水音を奏でる、唇の表面を優しく啄むだけのキス。シルヴィアとの快楽を貪るような激しいキスも気持ち良くて最高だったが、またそれとは違う良さを秘めた、お互いの想いを丁寧にゆっくりと確かめ合うような甘くて味わい深いキスだった。
「ちゅむっ、ちゅぷっ…………赤髪さん。今度は私が赤髪さんを気持ちよくしてあげたいです。ベッドに寝転んでください」
そう言われたので、俺はベッドに寝転ぶ。
シルヴィアは俺の腰の前に移動してくると、俺のズボンをパンツと同時に下げて天井に向かってそそり立つ愚息を露わにさせた。
シルヴィアは不安と驚きが混ざったような声を漏らす。
「わあ、すごく大きいですね……っ。男の人のおちんちんってこんなに大きくなるんだ」
「シルヴィア、無理しないでいいからね?」
「無理はしていませんよ。ただ私で赤髪さんを気持ちよくさせることができるのか少し不安で……でも、頑張りますね」
シルヴィアはそう言うと、おそるおそる舌先を亀頭に這わせていく。そして、よだれでぐっしょりと濡れた舌を使いながら二度三度と肉棒を愛でるように何度も優しく舐め続ける。
れろれろっ、ぴちゃっ、ぴちゃぴちゃっ、ちゅぷっ……れるっ
「くっ……」
「ちゅるっ……あ、赤髪さんなんか可愛い顔してます。気持ちいいならこの調子でもっとしてあげますね」
シルヴィアの舌使いがだんだん激しくなり、嫌らしい水音を立てながら肉棒全体を舐め続け、ゾクゾクとした強い痺れが俺の背筋を駆け巡る。
唾液まみれになった肉棒をシルヴィアは今度は口内に咥え込むと、唇を前後させてぷるんとした触感を肉棒に与えながら、さらには亀頭を舌でれろれろと舐めまわしてくる。
途方もない気持ち良い快感がまるでぶつけられるかのように俺の肉棒を連続的に刺激してきて、俺は早くも果てそうになっていた。
……と、思いきや、シルヴィアはいきなり口に咥えこんでいた肉棒を外に出した。
「赤髪さん、他にもこんなのはどうですか」
シルヴィアは言うと、自身の豊満な乳房を俺の腰に乗せてきてそのまま肉棒を二つの乳房の間に挟み込んだ。
興奮して最大まで膨れ上がった肉棒といえども、シルヴィアの大きな乳房に挟まれるとあっという間に半分以上がその間へと埋もれてしまい、亀頭はヒクヒクと感じていた。
弾力感のあるふわふわとしてて暖かい感触が肉棒を包み込むようにしてきて、やわらかくて気持ちの良い圧力が俺の腰から込み上がってくる射精感を急加速させた。
だけど……。
「……? シルヴィア、どうして動きを止めるんだ」
さっきまではあんなに熱心に俺の肉棒を舐めてくれていたのにシルヴィアは動こうとしてない。その大きな胸でもっと気持ちよくしてくれるのではなかったのか?
「その前にちょっとお話があります。私、赤髪さんからまだ直接想いを告げられていないと思うんです」
「そうだったか?」
「遠回しというか、はっきりとした言葉ではまだ言ってもらってません。ですから、ちゃんと言ってくれたら最後までしてあげますよ」
なんと、まさかシルヴィアからこんなことをしてくるとは。
だが今の俺にはかなり効果てきめんで、せっかく絶頂して気持ちよくなる直前だったというのにお預けをくらったせいで、行き場を失った性欲が反動で俺を苦しめた。
一行も早く気持ちよくなりたいというのに、シルヴィアがそうしてくれなくて焦れったい気持ちが強まっていく。
「頼むよシルヴィア。俺、あんまり我慢できそうにないんだ」
「違います。続きをして欲しいのなら、あなたの想いを言葉にして私に伝えてください。あ、私の名前も付けてもらえると嬉しいです」
「くっ……シルヴィア、好きだよ」
「えへへ……ありがとうございます。一応私は悪魔なので、それっぽいことをしてみました。あなたの想いを聞きたかったのは本当ですけどね。
それでは、お待ちかねのお約束のご褒美です」
シルヴィアは肉棒を挟み込んだ胸をゆさゆさと動かし始めると、身動きが取れない状態の肉棒に圧力を加えるようにしてやわらかな弾力が押し寄せてくる。
揺れ動く乳房の間から顔を見せている亀頭をシルヴィアはお口にパクッと咥えてさらに舌先で触れてきて、腰の奥底から込み上がってくる快楽の波の勢いを大きくさせてくる。
「よいしょ、よいしょ……っ。あっ、んんっ、赤髪さんのおちんちん、私の胸の中でどんどん熱くなってる……なんだか、私も気持ちよくなってきちゃった」
あの大人しいシルヴィアが二つの乳房を動かしながら俺の肉棒を一生懸命に奉仕してくれる……その淫靡な光景を見ているだけで、俺は頭まで痺れてきてまともに思考すら働くなってしまう。
もう我慢の限界だった。俺はシルヴィアの胸と口に奉仕されたままついに果てた。
びゅくびゅくっ、びゅるるっ、どくどくっ、びゅるっ
「んむっ! んくっ……ごくごくっ。れる……っ、あんっ、あっ……すごいたくさん、赤髪さんのおちんちんから白いのがでてきてる……っ!」
合図もなしに果ててしまい、ちょうどシルヴィアが肉棒の先を口内に咥えていたため、俺は彼女の口の中へと精液を吐き出してしまう。
シルヴィアは焦りながらも口内に押し寄せてくる精液をごくごくと飲み下していき、それでも精液が口元から溢れでると、それも舌でぺろぺろと絡めとって口の中へと流し込んだ。
「赤髪さんの精液っ、べっとりしてて温かい……っ」
「ごめん。いきなりびっくりしたよね」
「たしかにびっくりしましたけど、これって赤髪さんを気持ちよくできたということでいいんですよね?」
問いにコクリと頷く俺。すると苦しい思いをさせてしまったち直後であるにも関わらず、シルヴィアは幸せそうに笑みを浮かべた。
「それなら良かった。……ね、赤髪さん。私、もっと赤髪さんと深く繋がりたいです」
「ああ、俺もだよ」
一度の射精だけではこの燃えたぎる気持ちを落ち着かせることはできない。今度はシルヴィアのもっと奥にこの気持ちをぶつけてやりたい。その証拠に肉棒はもう硬くなり始めていた。
シルヴィアは俺に腰を向けるようにしてベッドに横になると、潤いを帯びた瞳で俺のことをじっと見つめてくる。
俺も早速行動に出て、シルヴィアの残りの下着であるショーツを脱ぎとって秘部を露わにさせ、完全に彼女を裸にさせた。
「赤髪さんのとても大きいから、ちゃんと私の中に入るかな……」
「ゆっくり入れるから痛かったら言ってね?」
「はい。お願いします……」
不安を述べるシルヴィアに俺はゆっくりと腰を近づけて、膣口に亀頭をあてがい、肉棒を少しずつ膣内へと挿入させていく。
「んっ、はぁっ……」
ぎゅうぎゅうと膣肉が締め付けてくるがそれでも狭い膣内の奥へと肉棒を押し進め、ゆっくりと時間をかけながら俺とシルヴィアは互いが繋がっていくのを感じとる。
やがて肉棒の先に進行を阻むような何かにぶつかってしまう。
そしてついに肉棒がその阻むような何かを突き破ると、肉棒は膣奥までなんとか収まり切った。代わりに二つの性器の結合部からはシルヴィアの純血の証である紅い一筋が流れ出てきた。
「うっ、くぅぅ……っ」
「し、シルヴィア! 大丈夫か?」
「は、はい。痛かったのは最初だけみたいで、少しずつ痛いのも収まってきています。心配かけてすいません……」
「気にすることないよ。シルヴィアだけ痛い思いして俺だけ気持ちよくなるのは嫌だからね」
「ありがとうございます。赤髪さんはこんな時でも優しいですね。あなたのような素敵な人に私の初めてを捧げることができて、良かったです。
……ん、もう大丈夫です。赤髪さんもこのままだと我慢できないでしょうし、いつ動いてもいいですよ」
シルヴィアの言う通り、俺はまだ腰を動かしてもいないのに狭い腟内が既に肉棒をぎゅっと締め付けてきているせいで、今すぐにでも腰を振り動かしたい気持ちが込み上げてきていた。それでもなおシルヴィアの痛みが引くまで待とうと、俺は腰を動かしたい獣欲を必死に抑え込み、理性をギリギリのところで保っていた。
そして、シルヴィアの肯定の声を聞き入れた瞬間、俺は腰を動かし始めた。
「あっ、はぅっ……んっ、んんっ」
狭すぎる膣内になんとか肉棒を押し入れて、奥の方へとこつんとぶつかるごとにシルヴィアが甘い喘ぎを漏らす。
最初は秘肉が肉棒を締め付けるかのように迫ってくるせいで膣奥まで押し進めるのにもゆっくりとした動きだったが、それを二度三度と数回繰り返していくうちに愛液の滑りが肉棒の動きを促してくれて、次第にスピードが安定するようになっていく。
「やんっ、はぁっ、ああんっ、き、気持ちいい」
シルヴィアの腟内は熱く、狭く、そして肉棒に絡みついてくる秘肉の触感がたまらなく気持ちがよかった。さらに彼女の可愛い喘ぎ声が俺の興奮を強くした。
彼女の腟内に肉棒を何度も出し入れすることで、その快感を知ってしまった俺はさらに勢いを強めていき、膣内に肉棒をガンガン突き入れていく。激しく腰と腰がぶつかることで肌と肌がぶつかる乾いた音が、シルヴィアの喘ぎ声に混じって鳴り響いた。
ぐちゅ、ぐちゅっ、ぱぁんっ、ぱんぱんっ、ずぷっ、ずぷぷっ
「はぁーっ、はぁはぁっ、やあっ、すごっ、すごいですっ。赤髪さんのおちんちんが私の奥を、何度も気持ちイイところ突いてきて、とてもいいですっ、ああっ、もっと、もっとお願いしますっ、あんっ、ああっ」
シルヴィアは快楽を受け止めるのに精一杯のようで、頬を上気させ瞳をとろんとさせるという艶かしい表情に染まってしまっていた。呼吸もすっかり荒くしてしまっており、気持ちよすぎるあまり理性がぶっ飛んでいるのか喘ぎ声も遠慮がないほどに大きくなっていた。
喘ぎ声混じりに言ったもっとお願いしますという意味は、シルヴィアはもっと激しいのを望んでいるということだろう。
元よりさらに激しくするつもりだったが彼女の望みに答えてあげるために、俺はシルヴィアの尻肉を爪がくい込まない程度にぎゅっと掴み離れないようにして、絡みついてくる膣肉にも抵抗するように腟内をかき乱しながら肉棒を何度も出し入れして、シルヴィアを奥まで犯していく。
「ああっ、やぁっ、あんっ! あっ、だ、だめっ……あんっ、赤髪さんの愛情がたくさんきてますっ、こんなに気持ちよくされたらっ、わ、わたしっ、エッチな悪魔になっちゃう、うあっ、んーっ、あんっ、あああっ……!」
悪いが、肉棒を何度も膣奥に突き入れられ、部屋に響くほどの喘ぎ声を上げ、結合部から愛液を漏らしているシルヴィアの今の姿はとても淫靡で、既にエッチな悪魔としか表現のしようがなかった。
すっかり快楽の虜になったシルヴィアに俺は激しく腰をぶつけ、すると反動でシルヴィアの身体が胸を揺らしながら宙に軽く浮き上がる。さらにその拍子でベッドがバウンドを起こし、それを受けたシルヴィアの明るい栗色の長い髪が上に向かって跳ね返り羽毛のように舞い踊っていた。
「やっ、あっ、はぁっ……赤髪さんっ、これ気持ちよすぎて私、もうっ……!」
「うん、俺もそろそろやばい……」
秘肉に全身を擦り付けるようにして肉棒を膣奥まで出し入れし続け、とてつもない快楽を貪り続けた結果、両者ともに限界がすぐ近くまで迫っていた。
俺はラストスパートをかけようと、シルヴィアの胸に手を伸ばし揉みしだいてやわらかな感触を堪能しながら、腰の動きを最大限にまで高めて肉棒で膣奥を突きまくって、ただ快楽を貪ることだけに集中する。
ずぷっ、ずぷぷっ、ずちゅっ、ぬぷっ、ぐちゅっ、ぱんっ、ぱんっ
「あああっ、んんっ、凄っ、は、激しい……っ、だめっ、も、もうだめっ、赤髪さんの愛情が強すぎてっ、壊れちゃうっ、やあああああっ!」
シルヴィアの熱く濡れそぼった膣内が肉棒をまき込んでぎゅっと強く収縮し、俺も激しすぎた快楽を受けるのについに限界を迎え、腰の奥から熱いものがどっと込み上げてきて痺れるような快感が下半身を支配した。
「くっ……もう出るっ」
「はいっ、きてくださいっ、赤髪さんの熱い精液、私の奥にください……っ」
どびゅっ、どぷどぷっ、びゅくるっ、どくんっ、ずぷっ、どぷっ、びゅるるっ
「やぁっ、精液、流れてきてる……奥にいっぱい、赤髪さんのこれ、すごく熱い……っ」
俺はシルヴィアの腟内に躊躇なく盛大な量の精液を吐き出していき、どくどくと肉棒は脈打ちながら残りの精液も少しずつ流し込んでいく。
シルヴィアは腟内に精液が送り込まれ続ける間、何度もびくんびくんと背筋を反らして体を震えさせていた。
興奮で思考が真っ白になっていた頭はやがて正常な状態を取り戻していき、肉棒のほうもようやく精液を出し終えると腟内から抜き取った。
シルヴィアはまだ絶頂の余韻の途中で息を荒くしており、秘部の割れ目からは膣内に収まりきれなかった精液が漏れ出ていた。
「はあっ、はあっ……赤髪さんとのエッチ、すごく気持ちよくて素敵でした」
「俺もすごく気持ちよかったよ」
シルヴィアは時間をかけてようやく呼吸を落ち着かせると、ベッドから身体を起こす。ベッドのシーツはシミができてしまい、シワが寄れてしまい激しい性行為の跡がしっかりと残っていた。
「夢中になっていたので気づきませんでしたが、結構汚れちゃいましたね。皆に気づかれないようにこっそり洗濯をしないとですね」
「ははは、そうだね」
少なくとも共同用の洗濯機に放り込んで後は家事担当のヘレナに任せる、なんてことはできないだろう。
……て、あれ。気のせいかな? したばかりだと言うのに、シルヴィアの瞳がまた艶っぽくなっているような。
「あの、赤髪さん」
「は、はい」
俺はなんとなく予想がつきながらも俺はシルヴィアの言葉を待った。
「お恥ずかしながらまだ私、赤髪さんと身体を重ね足りないみたいです。あともう一回だけ赤髪さんとしたいです……」
どうやら本当にシルヴィアはエッチな悪魔のようだった。
■
結局、性行為は一回だけでは済まなかった。
シルヴィアの誘いによってまた興奮して肉棒を硬くしてしまった俺は、彼女の魅惑的な誘いに抗うことができずに承諾した。
ただ今度はさっきとは趣向を変えてみることにした。
「え? 今度は後ろからですか……?」
俺の言う通りに、シルヴィアは一旦ベッドから降りると、今度はベッドの上に両手のみを添えさせ、自身の身体を支えるようにさせて、お尻を俺の方に向けさせた。
もう一度するなら、どうせならシルヴィアを後ろから攻めるような姿勢でやってみたかったのだ。シルヴィアのお尻は俺にそんな欲望を持たせるだけの魅力があった。
「後ろからだとなんだか無理やり入れられてる感じがして、緊張します。赤髪さんの顔も見えないから余計にドキドキしちゃいます」
俺はその言葉を聴きながら、彼女の腰周りを手でがっちり掴み、肉棒を再び膣内へと挿入していく。
たしかにこの姿勢は独特の背徳感があり、シルヴィアの背中を見つめながら腟内に肉棒を挿入させていく感覚に俺は後ろめたさを感じていたが、逆にそうすることによって欲望がさらに燃え上がっていた。
「んっ、赤髪さんの硬いおちんちんっ、またきてる……んんっ」
やがて一物が根本まで腟内に飲み込まれると、シルヴィアは艶めいた声を上げて背中を軽く仰け反らせる。
達したばかりといってもシルヴィアの性感はしっかりと機能を取り戻しており、腟内の方もしっかりと肉棒を締め付けて準備万端といった感じだった。
俺は早速、腰を左右に動かして膣奥に一物をぶち込んでいく。
ぱんっ、ぱんっ、ずぷっ、ぱぁんっ、ぱんぱんっ
「あっ、あんっ、赤髪さんのおちんちんっ、や、やっぱりすごいっ……もう硬くなって、私の奥まできてるっ、んんっ、ああっ」
姿勢のおかげか腰に勢いが乗せやすく、さっきの性行為の時よりもシルヴィアに腰を強くぶつけるような感覚がはっきりとしていた。
これを利用しない手はないとばかりに、俺はシルヴィアを後ろ側から何度も肉棒で腟内を突きまくる。
濡れそぼった秘肉をかきわけ膣内を犯せば犯すほど、肉棒が愛液と精液が一緒くたになった液体に塗れていき、腰がぶつかる度にシルヴィアの下向きになっている乳房がぷるんぷるんと激しく揺れ動く。
シルヴィアの体温はすっかり熱くなっており、首筋から背中をなぞるようにして汗が何度も流れていた。気がつけば俺も身体中に汗をかいており、二人して汗を流し続けていた。
しかし暑苦しく感じていながらも腰の動きが留まる事はなく、俺はシルヴィアを後ろ越しから膣内に何度も出し入れしていく。
「あっ、後ろから攻められてるのにっ、すごくいいっ……やあっ、んんっ、あんっ!」
やがてシルヴィアが背筋をびくびくと痙攣させ始める。よく見ると、ベッドに手をつけて自身の体重を支えていた細い両腕も震え始めておりもう絶頂も近いようだった。
一方で、シルヴィアを背後から犯して痺れるような背徳感を抱きながら、膣内に扱かれ続けていた俺の肉棒ももうすぐで射精が訪れるのを感じていた。
「シルヴィア、また出すよ」
声とほぼ同時である。俺は視界が白い光に染まっていくような目眩を感じながらも、絶大な快楽とともに精液をシルヴィアの膣内に容赦せず流し込んだ。
「ああっ、イくっ、またイッちゃう、ああっ、あんっ、ふぁっ、ふああああっ、あんっ……!」
三回目の射精だが精液の勢いは衰えておらず、またたくさんの精液がシルヴィアの膣奥へと注ぎ込まれていった。
絶頂に自身の身体を支えきれなかったシルヴィアは両足をゆっくりと崩すと、そのままベッドに倒れ込みその拍子に膣内から肉棒が外れた。
二回目と同じようにシルヴィアの割れ目からは白濁液が零れており、流し込んだ精液の量を物語っていたのであった。
シルヴィアと身体を重ねた日から後日。
病室。
俺とシルヴィアは隣どうしのベッドで病人ということで横になっていた。
「────もうどうして二人して風邪なんか引くのよ!」
「あはは……なんででしょうね?」
怒鳴るキャトラにシルヴィアは愛想笑いで反応した。
あの日の性行為のとき────俺とシルヴィアは汗だくになっても欲望のままに身体を重ねたわけだが、事後のあともそのまま二人で眠ってしまったせいで風邪をひいてしまったのだった。
もちろん、そのことを俺とシルヴィア以外誰も知っているわけがない。
「あ、わかったわ。最近二人ともずっと剣の稽古してたでしょ。もしかして風邪をひくくらい無茶な稽古してたんじゃないの!?」
「か、かもしれませんね。きっと稽古が原因だと思います、はい」
「ギニャーー! この島には遊びで来たのに稽古で無茶して風邪ひくなんてどういうわけ!」
「わわっ、ごめんなさいー! でもキャトラちゃん、一応ここ病室だから静かにしないと!」
「む、むー……とにかく夏の風邪は厄介なんだから二人とも安静にしておくこと! 稽古もしばらく禁止! わかったわね!」
はーい、と俺とシルヴィアは適当に返事すると、お説教のキャトラは呆れたような表情で部屋を出た。
病室には俺とシルヴィア以外誰もおらず、あっという間に静かになる。
少ししてシルヴィアが俺の方に視線を向けてから口を開いた。
「あはは、あの時は二人でエッチなことに夢中になって調子乗りすぎちゃいましたね。これからは気をつけないといけませんね」
「そうだな。まあ剣の稽古が原因で風邪ひいたってキャトラが誤解してくれてよかったよ」
「はい。こんな秘密、恥ずかしすぎて絶対に誰にも言えないです……」
顔を赤らめるシルヴィアの言葉に俺はうんうんと頷いた。俺達が自ら口外しない限りはバレることの無い秘密だけど、仮にバレたとしたら恥ずかしいあまり飛行島から飛び降りたくなるだろう。
まあとにかく、この島にバカンスにきてシルヴィアと特別な関係を結んだ俺だったが、どうやら俺達のバカンスは風邪をひいたまま終わりを迎えそうだ。
「そう言えば赤髪さん」
「ん?」
「その……今更ですが、一応ご挨拶を。
────一風変わった悪魔なわたしですが、こんな私でよければ、これからもよろしくお願いしますね、赤髪さん!」
「ああ、こちらもよろしく」
……まあ、風邪をひいた代わりに大切なものを得られたから良しとしよう。シルヴィアの笑顔を見て俺はそう思った。
うん、本当に最高のバカンスだった!