Star Dust Space chapter2 作:深緑 風龍
-???-
眠りについたガルッチは、ある夢を見ていた。そこには金髪の子が泣いていた。
???「母さん、逝かないでくれ!」
???「ごめんなさい……ディオ、貴方だけよ……。私を心配してくれるのは…。」
幼少期DIO「母さん!」
???「約束して。貴方には………特別な力があるわ。もし、本当に……その人の……力を貸して欲しい人が……、来たら………、たす………け……て……あげ……て…………。」
幼少期DIO「母さん?」
遺言を伝えた後、その人は息を引き取った。
幼少期DIO「そ……そんな………、嫌だ………逝かないでよ………、母さん…………。」
母を失ったDIOは、慟哭に浸る。優しい母を抱きながら、声が枯れるまで、泣き続けた。
幼少期DIO「ああああああっ、ああああああああああああああああああああ……ああああああああああああああっ!!」
ガルッチ「DIO……。」
それを見るガルッチも、涙を流していた。
ガルッチ「何で、お前は…、悪に染まったんだよ……。こんなにも、母さん思いなのに……。」
原作では、親父を殺し誰にも負けない男になると決意を持っていたDIO。だがこれは…、あまりにも哀しすぎる。心の置き場である母を失い、自分は如何すれば良いと嘆くDIO。これがDIOが見せる幻でも構わない。出来る事なら……。そう思うと、真っ白な空間に立っていた。そこには、死んでしまったDIOの母とジョナサンが立っていた。
???「ねぇ、この夢を見ている貴方。お願いがあるの…。」
ガルッチ「な……何ですか?」
ジョナサン「ディオの事なんだけど、彼の過去を見たとき、本当に申し訳ないと思っているんだ。あのような過去を知らずに……僕は……。」
ガルッチ「ジョナサン、人は誰だってその人の過去を知らなくて当然です。僕だって、重い過去を持ってるので、彼の気持ちもわからなくもないです…。それで、お願いというのは…。」
???「私の息子、ディオを……守ってほしいの。」
ガルッチ「え、ちょっと待ってください。それってどういう…。」
???「あの子は、まだ自分のこと知りません。本当は誰よりも優しい人だって、ディオはそれを知らないのです。」
ジョナサン「でも、そのディオを狙ってくる奴らがいるんだ。今君がいる僕の子孫達じゃなく…。」
その時ガルッチは思った。ああ、やはり当たりだったか。
ガルッチ「無の神か、星の勇者を阻む者だな。」
ジョナサン「うん、今も虎視眈々と狙っているんだ。だから、お願い。ディオを助けてやってくれ!!」
ガルッチ「……分かった。」
???「ありがとう、ロードのお孫さん。」
まるで、安心しきったかのように、少しずつ消えていった。だが、彼女はなんて言った?ロードのお孫さん?
ガルッチ「…え?ちょっと待って!ねえ!」
-空条邸-
ガルッチ「ハッ!?」
目が覚めると、日が差している事に気づいた。少し起き上がろうとすると、腕に何かに掴まってる感覚がした。少し周囲を確認すると、いつの間にかフランとこいしとイリヤとクロエが、ガルッチの寝床にいた。というかこれ、夜這いに来ていただろ。
ギル「起きたか、我が雑種。」
ガルッチ「ギルガメッシュか、おはよう。」
ギル「どうやら夢を見たようだな?」
え、何で知ってんの?
ギル「一時期とはいえ、貴様のサーヴァントだからな。夢を見て当然だろう。」
ガルッチ「そうか、なら…。」
ギル「分かってる。少し話をしてくる。」
そういい、ギルガメッシュは部屋から出た。
ガルッチ「守ってくれ……か。」
そこまで頼りにされるというのか…。自分は影だと言うにも関わらず、その影に頼る人達ってどうかと思うんだが…。まあどうにかしますか。そう思っていた矢先、ジョセフの嘆きと承太郎の声が聞こえた。
承太郎「言え!!対策を!!」
ま…まさか!!
ガルッチ「皆、起きて!」
フラン「うーん…、如何したの?」
ガルッチ「すまんがフラン、他の3人を起こしてくれ。」
そういい、急いで承太郎の元へ急いだ。
ガルッチ「一体、どうし………ッ!!!!」
ガルッチは驚愕した。ホリィがスタンドによって蝕まれていたのだ。しかもこの状態、美鈴と同じ症状だったことに気づいた。
ガルッチ「………ジョセフさん、少し下がってください。アヴドゥルさんも。」
ジョセフ「ガルッチ!?一体何を?」
ガルッチ「ロストメモリー、クラス『ヒーラー』東風谷早苗。」
カードを取り出し、そのまま剣に差し込んだ。
『セット。東風谷早苗、宝具の使用可能。』
ガルッチ「これがうまくいけば良いんだが……、やってみるしかない。『奇跡『命の煌めき』』。」
早苗の奇跡を信じ、ホリィのスタンドに触れた。すると、ホリィのスタンドが剣に吸い込み始めていった。そして、吸い込みが終わると、早苗のカードが植物のカードへと変わった。少し間を置き、おでこに当てると、微弱ながら熱が低くなった。
ガルッチ「生命バイタル正常……、少しは呼吸が楽になってるな。チッ、代わりに心の崩壊が起きたか…。」
ジョセフ「一体、何を?」
ガルッチ「スタンドを封じ込ませておきました。少なくとも死ぬことは免れましたが、代わりに心の崩壊が起こり始めました。下手をすれば、ホリィさんの人格は死にます。」
承太郎「くっ、死ぬことには変わりがねえじゃあねえか!」
ガルッチ「……ごめん、最善の方法が思いつかなくて…。」
承太郎「テメェが謝って如何する。お袋をスタンドを引き剥がしてくれただけでも、十分だ。」
その後、スピードワゴン財閥が来て、ホリィの治療を始めた。そして、DIOの居場所を教えるガルッチ、そしてようやく来たフラン達、そしてギルガメッシュも来た。
ジョセフ「ふむ、エジプトのカイロか…。ならば飛行機に乗って直接…。」
ガルッチ「ストップ、エジプト行きはやめた方がいい。」
アヴドゥル「な、何故です?」
ガルッチ「おそらく、飛行機での伏兵が紛れてる可能性がある。かといって飛行機に乗っていかない訳にもいかない。そこでルートを決めようと思う。」
承太郎「ルート?」
ガルッチ「うまくいけば、もう一人の仲間を引き連れる事が出来る。そのルートだが、まずは飛行機で香港に行く。その後、そのまま中国に入り、インドに向かう。そして……。」
ルートを事前に教え、出来るだけ敵スタンドとの戦闘を避ける戦法をとったガルッチ。
花京院「あのー…、僕も同行してもいいでしょうか。」
承太郎「……何故だ?」
花京院「……そこんとこ、僕も何故同行したくなったか、分からないけどね。」
ガルッチ「僕は構わない、一人でも戦力はほしい。」
ジョセフ「そうじゃな…。」
ガルッチ「んじゃ、続けるが、1番厄介なのが……イラクとイランのところ。情報によれば、イスラム国という奴らが構えている。出来るだけ戦闘は避けたいが、もし襲ってきたら……、迷わず殺せ。さすがの奴らもスタンド使いには勝てないだろうし。」
ジョセフ「ふむ、上手くいけばそのままカイロに行けるかもなぁ。」
ガルッチ「だけど、DIOを倒しに来るのは僕らだけじゃない。」
花京院「一体誰なんです?」
フラン「無の神…、または星の勇者を阻む者ね。」
ガルッチ「ああ、奴らもDIOを殺そうとしてる。」
ジョセフ「なんじゃ、それなら…。」
ガルッチ「安心するなジョセフさん。DIOを始末したら、次は僕らです。とにかく、奴らより先にDIOのところに行かなければならない。」
そうして、ようやく作戦会議は終了し、ジョセフはホリィのところに向かった。そして承太郎が一人になったところを見計らい、話しかけた。
ガルッチ「少し、良いかな?」
承太郎「ああ、いいぜ。」
そういい、縁側のところに座った。
ガルッチ「いきなりだけどさ、星の勇者って知ってる?」
承太郎「……何だ?それは?」
ガルッチ「遠い昔、無の神が全てを消そうとしたとき、様々な勇者達が、無の神に挑んだんだ。その証が、これなんだ。」
ガルッチは自分の袖をまくりあげ、右腕を見せると、3つの刻印が出現した。
承太郎「ほう、これがそうか…。」
ガルッチ「人それぞれだけど、これが星の勇者の証なんだ。いずれ、無の神と戦わなくてはならない、宿命のようなものなんだ。」
承太郎「…何でこんなものを見せたんだ?」
ガルッチ「………実は、DIOの事だが…。」
承太郎「DIO?」
ガルッチ「ああ、さっきDIOを殺す者がいるっていったよな?」
承太郎「無の神と星の勇者を阻む者………、まさか!!」
承太郎は気が付いた。知り得ない事実を、ガルッチに言ってみた。
承太郎「DIOの野郎が、星の勇者だと!?」
ガルッチ「……そうだ。手の甲に時計の刻印が見えたんだ。」
承太郎「星の勇者って、悪人も選ばれるのか?」
ガルッチ「残念ながら、そう。時空の賢者達も然りだ。」
承太郎「やれやれ、よく手を組むな。」
ガルッチ「僕もだよ。だけどまあ、変なお願いしてもいいかな?」
承太郎「………おい、今の女っぽかったぞ。」
ガルッチ「マジ?」
承太郎「マジ。」
何でさ…。後ろに手を組んだのが間違いだったのか…、いやそもそも承太郎、女の子として見てくれなかった事に関して感謝するわ。
ガルッチ「んでお願いってのは、DIOの事なんだが…。」
承太郎「……DIOが、どうかしたのか?」
ガルッチ「彼奴の母親とジョナサンに頼まれてさ、約束しちまったんだ。DIOを助けるって。」
承太郎「………やれやれ、テメェ正気か?」
ガルッチ「ああ、後は分かるだろ?」
承太郎「……敵を助けるって、普通はやらねえぞ?ましてや、宿敵を。」
ガルッチ「……重々承知だ。」
承太郎「んで、断ったらどうすんだ?」
ガルッチ「どうもしないさ。それなら、いろんな方法で、DIOを助ける。」
さすがの承太郎も、頭を抱えた。
承太郎「やれやれ、こりゃ相当融通の聞かねえガキだな。だが、分かった。出来るだけ協力しよう。」
ガルッチ「済まない、承太郎。感謝する。」
その後、ジョセフもようやくホリィさんと別れを告げ、戻ってきた。
ガルッチ「んで、出発は?」
ジョセフ「すぐじゃ。」
ガルッチ「急すぎね!?」
ジョセフ「急がねば、ホリィさんの人格が壊れてしまうからのぅ。じゃからすぐに出発じゃ。」
ガルッチ「あいよ。いずれ2チーム合流しないとな。」
そして、ガルッチの学生服が私服に変わった。
ジョセフ「もうみんなには伝えてある、時間がない、すぐにも出発するぞ!!」
ガルッチ「イェッサー。」
-DIOの館-
とある暗闇に包まれた館の中。
薄暗い部屋には数多の調度品が置かれ、その館の持ち主が裕福であることを示している。
しかし、この館の主は単なる金持ちではないのだろう。何故なら調度品に紛れつつも、血の気を失った女性の死体がぐったりと横たわっているのだから。
静寂の中、カチ、コチ・・・と柱時計が時を刻む音が淡々と響いていたが、その静寂は突然、何らかの機械を殴ったような音により破られた。
さらに続けて、ジーッという機械から紙をはきだす音もする。
音を立てていた張本人は、手に持ったポラロイド写真をじっと見つめている。
じんわりと印画紙に浮かび上がってくる画像は、たった今この場で撮影したとすればありえない、飛行機に乗ったある2人の男の姿、そしてとある男子を映し出していた。
DIO「くるか…ジョセフ、承太郎。そして夢に出てきた少年よ……。」
-飛行機-
ガルッチの計らいに従い、香港行きの航空機に乗り、日本から離れたジョースター御一行とガルッチ達。ジョセフは安心しているが、ガルッチとギルガメッシュは警戒していた。
ギル「我が雑種、スタンド使いはいるか?」
ガルッチ「今のところ、反応はない。しかし油断も出来ない。たった今DIOに探知されたからな。」
ギル「ああ、だが我が雑種よ。いくら貴様のスタンドでは、ここを破壊しかねないしな。」
ガルッチ「同感だ。フランもそうだし、イリヤとクロエも然りだ。乗客の人らに当たる可能性が高いしな。」
だが、数時間にしてようやく香港に到着し、ジョセフは馴染みにしてある中華料理店に連れてってもらった。しかし、ガルッチ達(フランとこいし以外)にとって、驚くべき人物がいた。
言峰「ご注文は?」
ガルッチ達(フランとこいし以外)「ズコッ!」
ジョセフ「何じゃお主ら?」
ガルッチ「言峰……、お前何でここにいるんだ…。」
承太郎「知り合いか?」
ギル「ああ、言峰綺礼。神父にして愉悦部の副部長を務めている。」
ジョセフ「なるほど、んで注文は……。」
注文をしようとしたときだった。
???「すみませーん。ちょおっといいですかぁ?私はフランスからの旅行者なんですが、メニューの漢字が難しくて、どうもよくわかりません。助けてくれませんかぁ。」
承太郎「やかましい、向こうへ行け。」
ジョセフ「まぁまぁ、良いじゃないか。それで、注文じゃが、これとこれとこれ、後これを頼む。」
ガルッチ「んじゃ僕は、激辛麻婆豆腐で。」
ギル「そういえば貴様、激辛を平然と食べる奴だったな。」
言峰「了解した。」
数分後、ジョセフにとっては予想外な料理が出てきた。しかしガルッチが注文した麻婆豆腐とかは、ちゃんと出てきた。
???「……何ですか?その禍々しい物は…。」
言峰「麻婆豆腐だ。食うか?」
???「遠慮しておきます。」
ジョセフ「まぁ、何を頼んでもそれなりにイケるもんじゃ。」
ギル「確かにな。しかし言峰、何故ここに来た。」
言峰「ルッチと士郎の状況を伝えに来たのだ。今後も、する予定だ。」
クロエ「そうだったのね。」
言峰「ルッチ達は現在イタリアに滞在、士郎達は船を渡り、モロッコに到着している。」
ガルッチ「そうか。……奴らの姿見は確認出来たか?」
言峰「…残念ながら、その情報は未だにない。」
ガルッチ「…そうか。あむっ、お?少しピリッと来たな。少し腕を磨いてきたな、言峰。」
言峰「フフフ、君が言う超煉獄ラーメンを超えるまで、私は戦い続ける事に誓ったからな。」
イリヤ「何その誓い…。(・・;)」
食事を進める中で、同席している男が料理の添え物として盛られた野菜細工を器用に箸で持ち上げる。
奇麗な星型に加工された人参をみつめながら、どこかわざとらしく男が言った。
???「この野菜の形、・・・星のカタチ。そういえば私の知り合いにもこれと同じ形の痣を持った男がいたなぁ。」
言峰以外全員「!?」
攻撃が来るや否や警戒態勢を取るよりも早く、卓上に置かれたお粥の椀からレイピアのような切っ先が現れ、ジョセフに向かって振り下ろされた。咄嗟に左手の義手で剣先を受け止めるジョセフ。
フラン「剣!?」
ガルッチ「全く、マナーになってねえな。食事中に襲う奴がいるかよ普通…。」
ジョセフ「いや、そこ気にするとこ?」
???「それについてはレディ、失礼した。」
ガルッチ「お前もか!!!僕は男だっての!!何処をどう見間違えられるか聞きたいぞ!」
こいし「お兄ちゃん、ドンマイ…。」
承太郎「やれやれだぜ…。」
ガルッチ「まあいい、久々のスペルカードを使うか。火&斬符『フレイムソードカーニバル』!」
複数の火の刃が出現、そのまま男を襲いかかった。しかし、銀色のスタンドは素早く剣を振るって、火の刃を絡め取り、店の隅にあるテーブルへ軌道を変えさせた。
いや、炎の軌道を変えるに留まらず、テーブルを燃やしつくすと思われた炎は今や細かな火に寸断され、まるで時計の文字盤のように配置されてテーブルに刻まれている。
クロエ「お兄ちゃんの火の刃を斬った!?」
承太郎「あいつは炎を切ったんじゃあねぇ、空中を切って空気の溝を作りやがったんだ。」
ガルッチ「レイピアならではの技か……、僕には難しいな……。」
単なる素早さだけではない、男が費やしてきたこれまでの修練をうかがわせるかのような剣の妙技に、思わず息をのむジョースター一行と感心するガルッチ。そしてそれを見るフラン達。
そこへ、先ほどまでの軽妙な雰囲気を消し去った男が殺意を隠そうともせずに告げた。
ポルナレフ「ポルナレフ。名乗らせて頂こう、ジャン・ピエール・ポルナレフ。」
アヴドゥル「メルシーポークー。自己紹介恐縮のいたり。」
ポルナレフ「そこのレディ、勝手ながら宣戦布告を申し込む。」
ガルッチ「いやだから、女じゃねえっての!!あと受け取るが外で殺りあった方がいい。」
ポルナレフ「ふむ、それもそうだな。いいだろう、一人一人順番に殺してあげよう。」
そう言い、全員外へ行った。
言峰「………代金、忘れてない?」
-to be continue⇨-