※この作品はR-18です。

千雨が狼に犯されながら狼になった後、狼をぶち殺す話 【完結】   作:ミキマル

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千雨が狼になった後、今後の行動などを考える話

 とある喫茶店。

 そこには男子大学生二人とフードを被った女性一人が客として喫茶店に訪れていた。

 女性のお腹すこし膨らんでおり妊婦であろうか。そんな女性はルイボスティー。大学生二人はアイスコーヒーを片手に学校生活の事で談笑している。

 そんな中、大学生の一人が話題を変えた。

 

「なあ、知ってるか? 秩父山中の化け物の噂」

「なんだそれ。ナデシコの事か?」

「懐かしいなおい。そうじゃなくて秩父の山の中に化け物が現れるんだ。

 登山に来ていたグループがそいつに襲われて一人残らず全滅。生存者なしってよ。それがまったくもって人間業じゃないから化け物ってわけ。

 なんせ正体不明だからマジで化けもんかもな。お前も夜中出歩かない方がいいぞ。その化け物が山を降りて来て襲うかもしれないからな」

「バッカ、こんな田舎町で出歩く先がないって」

「それもそうか」

「「ハッハハハ!!」」

 

 その話に静かに聞き込む妊婦の女性。

 彼女こそ秩父山中に現れた化け物こと銀狼の正体。長谷川千雨であった。

 

 千雨があの忌々しい狼を噛み殺した後、彼女は体を丸めながら漠然と今後の行動について考えていた。

 まず妊娠は確実であろう。

 獣同士のセックスは確実に妊娠させるためにあのように長いのだ。それを踏まえて腹の子を堕ろすか。

 どうやって? 

 今の自分は狼。まして妖怪、モンスターである。

 中絶の仕方もわからないしこの状態でどのようにもとの生活へ戻れば良いのか。それが不可能なのはすぐに判断することができる。

 幸い狼を殺したときに権限と言うか能力なのか、怪物としての力の使い方や知識が手に入った。

 これによって狼としての本能以外にいろいろと行動することが出来る。

 生き残るためにどのように行動すべきか。妖怪としての常識が14年間で習得した人としての知識と混ざり合う。

 やがてそんな今の自分に笑いが込み上げてきた。

 今の自分はファンタジーの代名詞である狼男、いや狼女である。あんなに毛嫌いしていた麻帆良の住民の誰よりもファンタジーだ。

 いや、手に入れた知識に照らし合わせるならあいつらもファンタジーか。気、魔法。まさかのファンタジーがノンフィクション。

 つまり魔法使いの奴等にとって私は敵でしかないのだ。人型(ヒトガタ)になっても妊婦姿だと中学生が妊娠ということで大問題になり家族にも迷惑をかける。

 今の自分に取り残されている選択肢は魔法使いや術師に見つからず早く子を産み麻帆良に戻る事。行方不明の間は何とか誤魔化せば良い。子供は捨てておけ。

 あの忌々しい狼との子供だ。ろくな子供ではないだろう。

 出産までの間に自衛のため力を付ける事。この先、生きていくために大事なことだ。

 

 そうして千雨の妖怪としての生活が始まった。

 

 怪物。

 今の千雨は銀狼。

 種族的には妖怪上がりの神様である。

 元々千雨を怪物にした銀狼は秩父御岳山を中心に狼のリーダー的存在であった妖怪であった。

 そこに日本武尊が伊弉諾尊・伊弉册尊の国造りを偲んでこの地に神社を創建。それが三峯神社である。

 山犬信仰自体は江戸時代に始まったがその前からその狼は三峯神社とは別にご神体として祭り上げられ神性を得た。

 役割は三峯神社の守護と狼達の管理。

 御岳山一帯にに生息する狼が無闇やたらに人里を襲わないように管理していた。そのぶん30年に一回、付近の村から娘を一人を生け贄を献上して貰いその彼女をつがいにしていたのである。

 しかし時代は明治に入り日本狼は絶滅。他の妖怪達は隠れ里に向かう中、神様である銀狼は神社の管理を放棄する訳にはいかずだだ一匹その神社に残っていたのである。

 そして太平洋戦争終戦後に西洋魔術師が麻帆良に流入。世界樹を中心に組織を構え、麻帆良に比較的近い三峯神社にいる銀狼をモンスターと判断し封印。

 信仰を受け入れられず力が薄まっていたところ、結界などを無効とする千雨が偶然迷い混み襲いかかったわけである。

 ある意味、時代に振り回された銀狼であったが今はその権限、能力は千雨に受け継がれている。しかしながら狼の管理はニホンオオカミが絶滅したため不可。神社の管理は銀狼に任されたものであり千雨が継ぐものではない。

 おかげで千雨は自由に動く事が出来るわけである。

 また神社に掛けられていた結界も解け、神性も取り戻したのであった。

 

 そんな千雨であるが『妖』として人を襲い食らう事は当たり前である。

 

 

 

 お昼時、山登り来ていた団体客を太陽を背に崖の上から観察する。

 老若男女集まった5.6名の団体の中で真っ先にリーダー格である年配の男性をターゲットとする。船頭を失った組織は脆い。

 千雨は男性めがけて崖から飛び降りると一気に胴体から頭を引きちぎった。

 頭部を口に加え引きちぎったときに一緒に背骨が飛び出し、胴体は直立不動で首から噴水のように血が吹き出す。自分がどのようになったか認知せずに彼は絶命したであろう。

 その光景を目の当たりにし、阿鼻叫喚する人たち。

 そして逃げ出そうとするがそこで崖から転げ落ちる年配の女性に回りの人は目に入る。そこで回りの人は気がつく。

 片方は高くそびえる崖。

 もう片方は奈落の底に続く崖。

 前方から来るのは大きな銀狼。

 四方の三方を塞がれた今、逃げるには進んだ道を戻らなくてはならない。

 急いで来た道を戻る人々。

 しかしながらただでさえ狭い山道で一斉に人が動き出したため崖側の人間は奈落の底に落ちていった。

 しかし千雨は待ってくれない。

 口に加えていた背骨が繋がったままの年配男性の頭部を振り回す。

 それは逃げ惑う人の背後から襲いかかる。

 頭が飛び、腕が切り落とされる。男性の頭部を吐き捨てる。

 手、足、頭など胴体から飛び出た箇所が強靭な顎によって引きちぎられ山道を真っ赤に染めて行く。

 中には胴体の右半分が引きちぎられスッポリと空洞になったり、爪でキレイに真っ二つになった死体もある。高くそびえ立つ崖や山道は真っ赤に染まり至るところで人のパーツが散乱する。

 例えるならば猟奇的殺人事件の現場。

 一人一人と絶命していき、暫くして団体客は全滅した。

 バラバラになった死体を腹に納める。

 ただでさえ一般的な狼よりも大きいのである。腹に納めるのに二、三人分は大丈夫であろう。獲物を頬張る咀嚼音が山の中を響かせる。

 崖から落ちた人達は後で食料として保存しておく。

 人間としての思考が食料としての死体の活用方法を見いだしていた。

 

 妖には人を畏れさせることが本能として存在している。

 それはいわば存在意義だ。

 それに人を襲い食らうのは妖の本能である。

 これが畏れを得るのに一番効率が良いのだ。

 そこに人としての思考、つまり理性が混ざり合わさることによって『妖怪』になるのである。

『妖』と『妖怪』の違い。

 それは理性、つまり人間的思考が働くかどうかだと考えられる。

『妖怪』は人を襲い食らう以外にも人を畏れさせる事を考えるのだ。ジャパニーズホラーがこれに分類するであろう。

 その点で見てみると千雨を襲った狼は理性があったがその時は本能で動いていた。

 ムリもない。100年以上閉じ込められていたのだ。種族保存の本能が働いたのであろう。一番タチが悪いのは理性をもって本能で動くことである。

 今の千雨の場合は人間だったこともあり理性で動いている。よって普段は『妖怪』として千雨は行動しているのであった。

 しかしながらまだ人から妖怪になって数日もたっていない。妖の本能が人の理性に勝ってしまのだ。それが今回の襲撃に繋がるのである。

 

 妖としての千雨と人としての千雨。二つの狭間に漂う自意識。いくら混ざりあっていたとしてもつい最近まで人間として生活していた彼女。

 不意に人間からしてのこの現状を認知する。

 込み上げる吐き気。

 目頭に浮かぶ涙。

 千雨の姿は狼から狼耳に尻尾の全裸の女性になっていた。人間としての自意識が無意識に人の姿に変えたのであろう。

 発育途中の未発達な胸や尻などの体はまだ人間の時のままであった。

 人間として、今までの現状を認知し顔を押さえ、血だまりの中、ペタンと座り込む。

 千雨自身の血に塗られた模様は一見、殺人現場で一人取り残され悲しみに更ける被害者の少女ように見える。まあ実際のところは全くの逆であるが。

 吐き出される死体。

 腹のなかでしっかりと混ざりあった人肉は肉細工となり原型をとどめていない。

 いったい自分は何を考えていた。

 人を襲い、食らうこと前提で思考を働かせていた。理性が人を食らうことに働いていたのである。これだとあの忌々しい狼と同じではないか。

 妖怪として、狼としての自分は認知した。不本意ながら認知しなければならない。しかしながら自分から人を襲う怪物にならなくても良いだろう。

 昼と夜との狭間で彼女は全裸のまま山林の中へ消えていった。

 

 彼女は山を降りることにした。

 今の山は危険である。警察がはびこり猟友会が銃を片手に山を散策する。

 ただでさえ身元不明になるぐらいの遺体が何人も発見されたのである。当たり前の事だ。もしかしたら魔法使いの連中も来ているかもしれない。

 それからも逃れるために襲いかかった人たちから剥ぎ取った身ぐるみから血塗られていないサイズの合う服を拝借し、現金をもって町へ降りる。

 ほとぼり覚めるまで人混みに紛れる。まさに灯台もと暮らしとはこの事を言うのであろう。

 彼女は久方ぶりの人間生活を送ることにした。

 そして冒頭の喫茶店の場面に戻るのである。

 

 

 

 千雨が妖怪となってから一ヶ月経とうとしていた。

 人としての妊娠期間は290日。つまり約十ヶ月である。しかしながら狼の妊娠期間は62~75日。約二ヶ月ちょっとである。

 妊婦がお腹が膨らみ始めるのが四ヶ月。つまり狼である千雨は人で言う妊娠約四ヶ月なのである。

 膨らみ始めたお腹をさすりながら午後の喫茶店で一服。

 尻尾と耳は閉まってある。意識するとしまう事ができた。ここら辺は略奪した知識として持っている。

 妊婦にとってカフェインは体に悪いためカフェインレスのルイボスティーで。

 そんな中、バックにいる大学生が自分の事について話題にしていた。

 このことはテレビにも取り上げられ大々的に報道されている。あのような惨事だ。当たり前の事である。

 しかしながらもう一つ、自分が行方不明の事に関してはなにも報道されていないのだ。

 女子中学生が一人行方不明になっていてら少しでも話題になるだろう。だがテレビ、新聞、ネットなど何処を探してを見つからない。いったいどういう事なのか? 

 麻帆良に魔法使いや気使いと言われる人たちが多く存在していることになにか関係しているのか。一度麻帆良の方へいってみるかなどとつらつら考える。

 そして暫くの間、物思いにふける。

 しかし考えていても仕方がないことであった。彼女は考えるのを止める。

 そして首を後ろに回す。

 そこにはさっきの大学生二人が今だに談笑していた。

 そのうちの片方の男、世間一般でイケメンと言われる存在であろう。しかしながらまだ幼さも感じさせる。

 そんな彼に目を向ける。

 

 あぁ、今夜は彼とヤろう。

 

 舌嘗めずりをしたその時の千雨の目は獲物を見つけた化け物の目と同じであった。

 




レイプ被害者の性事情はいろいろあります。立ち直る人、男性恐怖症になる人、そして性に開放的になる人。中にはセックス依存症になる人もいます。人と繋がることで安心感をえるそうです。
そして千雨は後者の分類。次回はエロ回になると思う。

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