それは隊の者達が寝静まった真夜中。酒に潰れた上官に肩を貸しながら彼女の部屋へ入室したベアトリスは慣れた様子で上官──エレオノーレをベッドへ寝かせてやる。
「中尉、寝苦しいと思うので首周りを少し緩めますよ?」
酔っ払いに言った所で返事が返って来るわけでもないが、一応の呼びかけを済ませたベアトリスはベッドへ横になる上官の首元へ手を伸ばす──その時だった。
「──わきゃッ!?」
視界がぐるりと一転し、気付けば天井を仰いでいた。両手は力任せに掴まれたまま、押し付けられるようにして全く身動き取れず、何らかを察知したのであろう上官によって強引にベットへ押し倒されてしまったようだ。強姦魔だとでも思われただろうか。ベアトリスは何となく嫌な予感を抱えながら
「あの、中尉…。痛いので、離して下さい」
「………、…」
「……中尉?」
「私のものだ」
……突然何を言い出すのだろうこの上官は。こちらを無感動に見下ろすエレオノーレの目は酒に酔っていながら僅かに理性を残していた。そこは部下であるベアトリスも流石だと感心する他ないが、では何故。突然にそんな事を言い出したのだろう。
「ちゅ、…中尉? その、ですね。……酔ってらっしゃいます?」
いや間違いなく酔っているだろう。でなければ肩を貸しここまで連れてきた意味がない。規律や良俗に関して人1倍厳しい上官は普段であればこんなことはしない。顔を紅く上気させ息苦しそうに自ら胸元を緩め、そのままベアトリスを抱き竦める勢いで覆い被さってくるエレオノーレに困惑しながら再度呼びかける。
「あの、中尉…。私を抱き枕代わりにするのは構いませんが、流石に暑いので…上着をですね…」
「……、…」
「……聞いてないですね」
明日起きて酔いが醒めたエレオノーレに神妙な顔付きで殴られるのだろうか。そう考えると少しダウナーな気分になりながらも拒絶はせず、たまにはいいかとベアトリスは目を閉じる。
「──ちょ、ちょっと…あの…、中尉?」
何やらさわさわとした手付きで至る所を撫でられ、ゾワゾワとした奇妙な感覚に唖然と目を見開く。いったい何が起きたのか、或いは起きようとしているのか。身の危険を感じたベアトリスは、先程から何も発しない上官に抵抗しようと体を捩るも、体格然り腕力然りで何においても勝っているエレオノーレに簡単に押さえ付けられてしまう。
「いた、…」
「……なんだ…終わりか?」
ニヒルに嘲笑する
「……少しは、抵抗してみせろ」
「ちゅ、中尉…待っ、」
与えられるむず痒い感覚にベットのシーツを握り締めながら耐える。快感や羞恥に身悶える様を無感動に見下ろすエレオノーレは部下であるベアトリスに顔を近づけていき……
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