一応主人公は熊本先輩の前のゾーネンキントになります。
儀式とかヤバげなことしてる止めなきゃ(使命感)
↓
止めるにしても人外だらけだし無茶な希ガス
↓
あれ、これ…、自分が死ねば解決じゃね?
完
だいたいこんな感じの中身がない話です。もしかしたらプロットすら必要ないかもしれない(
Dies irae 中間の記憶
例えば私の母がそうだったように、私は私なりに自分の人生について振り返るのだ。腹まで沈み、泉に身を浸しながら遠い記憶に想いを馳せても歯止めの効かない感情によって足を引かれてしまう。結局、思い出は思い出でしかないし、現実じゃない。どうあっても過去に戻ることは出来ない。
「………………」
ああ……。母、というけれど。実際はただの親代わりで、当然血は繋がってないし、母だと思ったことはついぞ無かったように思う。私には肉親というものがいないから。だから身近に居る人間を何かそれっぽい役所に収めて想像するのだ。まずは、そう。
例えば、リザ・ブレンナー。
よく世話を焼いてくれる姉のような
例えば、ヴァレリア・トリファ。
彼はどうだっただろう。若干変質的な所があって実はいうと少し苦手だ。気が抜けていて、何だか放っておけなくて。……そして少し怖い人。そんな彼が血の繋がった父だったなら。
「……あるはずも、ないか」
物心付いた頃からそんな
まるで消耗品を慈しみ、限られた生命を尊ぶような、そんな少しだけ嫌な視線。愛に混じった狂気と恐怖心。私を通して全く別の人物を見ているかのような不快感。どこまでも私の存在を無視したような視線に深い悲しみが胸を抉っていく。しかしなんて事はない。ないのだ。同じ所に同じ傷が増えていくだけ。ただそれだけで。
「O Tannenbaum, O Tannenbaum
Wie treu sind deine Blätter.」
「Du grünst nicht nur zur Sommerzeit」
auch im Winter wenn es schneit」
彼女にとって、きっとなんて事の無い出来事だったのだろう。それでも私は嬉しくて、褒めて貰いたくて。何度も何度も練習した。覚えて貰おうと繰り返し聞かせてくれたリザの声が私は大好きだったから。歌えないフリをして何度もせがんだ。
「O Tannenbaum, O Tannenbaum,
Wie grün sind deine Blätter.」
今まで育ててくれた大好きな二人へ。私はあなた達に出会えて良かったと、少しでも思ってしまったから。だから傷付いた体を引き摺りながら進もうとする2人を見ていられない。
「……は、ぁ……はぁ…」
銀の刃が腹に突き刺さり、穿った穴の隙間から赤い汁が噴き出した。失われていく体温と血液。忙しなく波打つその脈動が、私が今まで生きていた証で、それがこれから失われようとしている。
ガシャン
「……ああ、──。なんて事を…」
ヒューヒューと空気が喉を通り抜けるだけで声は出ない。もう殆ど見えない視界に薄らと黄金が写った気がした。恐らく、気のせいではないだろう。
「──。貴女がこんな──ても、──が居る以──何の妨げにも──いない─は貴女も──のはず…」
ノイズのように何も聞き取れない。ごめんなさい神父様。もう何も見えないんだ。
「リザは悲しむでしょうね」
そこだけははっきりと聞き取る事ができた。
うん、そうだといいな。こんな私の為に泣いてくれるんだとしたら。それってつまり、愛されていたって証明になるはずだから。
もう、
ああ……なんだか意識も遠くなってきた。
「安心なさい。私が貴女も救いましょう」
私の頭を抱きしめ優しく撫でる神父様は、私が思い描いていた
でも違う。違うよ神父様。私は救われたかったんじゃない。ただ、愛されている証明が欲しかっただけ。お前は必要なんだと言われたかったんだ。
「……………、……」
ねぇ、
自分が愛されていないことくらい。
ずっとずっと前から。私を見る二人の目が、ひどく乾いていたのを。私を見る度、接する度。時間を重ねる度に二人の表情に苦痛がさしていく。
私のせいで二人が苦しむなら、私はいない方がいいよ。
「ああ…──、…──…ッ」
強く私を抱き締め、名前を呼ぶ。ついぞその名前を認識することは出来なかったけど。
私が死んだら、その死を悼んで泣いてほしい。このちっぽけな死に意味を与えてくれるなら、ほら。私、もう泣かないよ。
O Tannenbaum, O Tannenbaum
Dein Kleid will mich was lehren:
Die Hoffnung und Beständigkeit
Gibt Mut und Kraft zu jeder Zeit.
O Tannenbaum, O Tannenbaum
Dein Kleid will mich was lehren
だから最後ぐらい、いいだろうか。
愛していました。