中々スマートにエロへ持っていけない。ややこしい文章を出来るだけ減らせるように頑張ります。
今回は導入編です。なのでエロは(ほとんど)ないです。
のんびりマスターと鋼鉄の天使(1)
「傷口からの出血、止血済み。周囲の消毒殺菌を確認。塗り薬の投薬、完了。包帯の処方、完璧――――治療終了です、司令官。カルデアの医療器具によって完全に傷口は塞がっており、恐らくすぐさま動かしても支障は無いかと。ただし戦闘などの激しい行為は抑えてください。
軽傷で助かりましたね。もう少し傷が深ければ神経が損傷を受け、切断しなければなりませんでした」
「あ、ははははは…………。ありがとう、ナイチンゲール」
丁寧に包帯が巻かれた腕をさすりながら微笑む彼に、包帯を巻き治療を施した張本人――――ナイチンゲールは嬉しいような哀しいような、どちらとも取れる表情を浮かべた。
彼女の瞳の中には、包帯で隠されている痛ましい傷がずっと残っている。傷自体は浅く、薬を毎日投与しながら経過を見れば傷跡すら残らないような些細な代物。だがそんな些細な怪我ですら、クリミアの天使にとっては許しがたき問題なのだ。
まして、この怪我の原因が自分にあるのならば。
カルデアの使命は特異点に赴き、人理を修復することだ。
しかし、明らかな歪みが生じている特異点とはまた違い、僅かに波長が乱れている時代は幾つか存在している。場所や年代は様々だが、共通しているのは特異点に近い時代であるということ。つまり特異点が周囲の歴史に歪みを発生させているのだ。
特異点に比べれば優先順位は低いものの、放置してしまうといずれは特異点並の歪みになる――――カルデアに残っている研究員とマスター達が話し合い、そう判断を下した。
現状、カルデアで戦力になる
今回ナイチンゲール達が向かったのは十四世紀。彼らが二番目に修復した特異点・オルレアンに近い時代である。
あくまで特異点に年代が近い故に発生した歪みなので、魔神注や幻想種の大群が襲い掛かってくることはなかったが――――この時代には明らかに存在しないであろう、骸の軍勢なら存在していた。
歪みの原因はその時代に存在してはならないものが混じってしまった事。ならばその原因を取り除く事で修正は完了する。
既に五つの特異点を修正し、数多の英雄と無数の悪鬼と戦ってきた彼らに骸骨など取るに足らない存在だが…………油断慢心は思わぬ結末を引き起こす。
この傷は弓を持った骸骨兵によって付けられた。
ナイチンゲール達が戦っている際、苦し紛れに放った一撃が流れ弾となり彼に命中したのだ。怪しい求人広告に惹かれて応募したらマスター候補に選ばれたという経歴を持つ彼にとって、苦し紛れの一撃すら避けるのは難しい。英霊は兎に角、人間の彼にとっては致命傷になりかねない破壊力を持っている。腕に当たったのは幸運と言えるだろう。
「…………感謝するのは止めて。そもそも貴方を守れなかった私が悪いのです」
だが。彼が傷を負ってしまった理由は、ナイチンゲールが彼を守り切れなかったからだ。
彼は前線に立っていた。骸骨兵の数は多かった。バーサーカーである以上守りが薄くなるのは仕方がない。
――――
看護師を名乗っておきながら大事なマスターに傷を付け、その癖彼を看護する時心は喜色で満ちている。そんな自分に嫌気が指してしまうのも仕方のないことだった。
「全ての命を救うなどと宣言したのに、この体たらく」
「…………」
「加えて、貴方を傷つけたくない、貴方を看護したい――――そんな矛盾した感情を抱いてしまう」
「…………」
ナイチンゲールの静かな独白を、彼は何も言わず聞いている。
眼を閉じ、顔を伏せて――――しかし真剣に、ナイチンゲールが発する言葉全てを聞き逃さないつもりで、全神経を耳に向けている。彼女との間は肌が触れ合う程近く、意識を集中させれば吐息すら聞こえる程だった。
一旦、ナイチンゲールの独白は止まる。重苦しい空気が二人の間に流れ、お互い陰気な表情を浮かべてしまう。
彼が考えているのはナイチンゲールを励ます事のみ。彼女も自分が怒っているとは思っていないだろうし、時間さえ経てばきちんと立ち直ってくれると信じているが…………
――――と。此処で天啓とも言える、妙案が脳内を駆け巡る。
「…………失礼、お見苦しい姿を見せてしまいました。患部に負担をかける訳にもいきませんから、そろそろ部屋へ戻り――――」
「フローレンス」
「…………っ」
退室を促そうとした瞬間――――彼の言葉が腰を折る形で割り込んでくる。
表情は優しく、口元には笑みを浮かべているが…………その言葉には有無を言わせない威圧感があった。絶対に命令に従わねばならないと、本能を掻き立てるような一喝。彼が時折見せるマスターとしての一面が遺憾なく発揮されていた。
本名を言われただけで心が波立つ。頬が紅くなり、身体に熱が宿ってくる。
「貴女には精神疾患の可能性があります。これを治療する為に至急、僕の検査を受けてください」
「…………は? 私はクラススキルで狂化こそありますが精神疾患など――」
「いえ、あるのです。――――だって、僕が憧れていたクリミアの天使が、
「そ、れは」
ドクン、と。ナイチンゲールの心がその言葉で揺れる。
クリミアの天使。それはナイチンゲールを指す異名であり、偉業を称えた英雄としての名だ。地上に舞い降りた、死から人々を救う天使…………例えプロパガンダとしても、彼女が残した物は現代医学を支える柱となっている。
普段なら口にしないその異名を、敢えて彼は口にした。それは彼が、他ならぬ彼が――――こんな暗い姿ではなく、いつもの気丈で頼もしいナイチンゲールに戻ってほしいと願っているのだ。
不器用な人だ、と思わず苦笑を浮かべる。だがそんな彼だからこそ、ナイチンゲールは彼に付き添っているのだろう。
「では
「しかし腕の傷が――――」
「大丈夫だよ。見ていて」
息を整えると同時、彼は短い詠唱を刻む。すると魔力の塊が彼の右腕に流れ込み、どんどん傷を修復していく。これは中位の治癒魔術――――彼がキャスター陣から教えてもらった魔術の成果の一つだ。
包帯を外してみると、傷は完全に塞がっていた。普段ならば「傷を治すのにオカルトは必要ない」と一蹴するナイチンゲールも、今回ばかりは空気を読んでいた。
「ほら、ね」
「………………はぁ、仕方がありませんね。
では司令官――――いや、マスター。よろしくお願い致します」
台詞とは反面――――彼女の表情は、終始笑顔だった。
基本、サーヴァントに肉体的疲労は存在しない。
そもそも彼らの本質は霊体である――――サーヴァントの実体化も、マスターから魔力回路を通じて魔力を得ることによって、一時的に肉体を得ているだけに過ぎない。契約しているだけでも魔力を食う彼らは、非常時以外は基本霊体化している。実体化している時間はかなり少ないのだ。
肩凝りで悩む幽霊がいないように、逸話でも残っていない限り腰痛を訴える英霊も居ない。
また、彼らは人間という枠組みを超越した存在であり、人類の究極点とも呼べる存在だ。常人が苦しいと感じ疲れたと思う行動をしても、彼らにとっては少々魔力を消費する程度でしかない。精神的疲労を感じるような…………例えば
特に、三騎士を筆頭とした戦闘タイプのサーヴァントなどは、魔力不足故の倦怠感や戦闘時の息切れはあっても殆ど体力を消費しない。先日カルデアで行われた健康マラソンなど、十キロを数分で駆け抜けるサーヴァントが大勢居た程だ――――ナイチンゲールが幾ら看護師だろうと、サーヴァントになっているこの状態では、雑兵を蹴散らした程度で息切れすることも無い。そもそも身体に疲労は残らない。
故に。彼がナイチンゲールにマッサージを施しているこの状況は無駄そのものなのだが…………。
「…………くッ、ふぅ…………マッサージというのは、案外心地よいものです、ン、ね」
「これでも手先は器用だから、ね。痛かったらはっきり言ってよ、こっちも苦しみながらマッサージを受けて欲しくないし」
「これも治療である以上……痛み、は…………っ、必要です。生命活動が――――あっ、活発になっているからこそ…………痛みは、生まれるのですから。…………ん、はァ…………」
ベッドでうつ伏せになり、思わず悩ましげな声を上げるナイチンゲール。
確かに、彼女の肉体に疲労は無い。彼の傷を早急に癒す為、多少無理をして骸骨兵を打ち倒したが、それも長時間の戦闘に比べれば大したことではない。彼から回ってくる魔力によって傷は治り、看護する喜びによって心が癒された。
ただ。
彼に触れられて、彼に想われて。彼に看護されているという事実が、ナイチンゲールに何とも言えない快感と法悦を齎していた。
「――――ひゃ、んぅ…………。ぁ、うん…………」
彼がマッサージをする際に意識している事は、身体の凝りを
まず彼が手を付けたのは肘だった。指を巧みに滑らせ、掌で曲線を描くように撫でる。もどかしい感覚がナイチンゲールの身体を走り、思わず身体を動かすが彼はそれを許してくれない。肘から肩にかけて手で摩擦を起こし、表面から奥に染み渡るよう熱を発生させていく。
ゆっくり、優しく掌で温めていくと、感覚も大分違ってくる。こそばゆいような感触は心地よさに代わり、身体からは自然と力が抜けていく。
「あん…………………ん、んぅん……」
「リラックス出来てるね。後は――――」
肩が温まれば背中へ、背中を擦れば次は腰へ。
徐々に徐々に、ゆっくりとだが確実に、彼の手が下へと伸びていく。それはまるで焦らされているかのようで――――それを自覚した瞬間、ナイチンゲールの頭は沸騰してした。
これは治療である。ならば真摯な態度で治療を受けるべきなのに…………彼が
「――――っ」
「ごめん、痛かった?」
「いえ、違います…………続けて下さい」
羞恥の余り大声で叫びたくなってしまった。辛うじてベッドの枕があったので助かったが、無ければ情けない姿を再び彼に見せることになっていただろう。
彼の攻めは続く。ナイチンゲールの全身の血行が良くなったことを手触りで確認した後、ようやく本番――――凝りを揉み解す作業に入った。
まず彼が選んだのは眼下に広がっている小さな背中だった。
背中とは人間が生活する上で最も負担のかかる部分である。腰痛や肩凝りすら、元の発端を辿れば背中だった、という事例も少なくは無い。人体を支えている骨盤や背骨がある以上、立って歩くだけで疲労は蓄積されていくのだ。
肩甲骨の下辺りを、重心を乗せて掌で押す。イメージは垂直に落ちて弾むバウンドボールだ。これが一方的に沈み込むようでは痛いだけで効果が薄い。力を乗せた後にゆっくりと緩めることで血行も良くなる。
その手付きは凝りを解す故に力強いが――――だからといって、身体を押し潰すような圧迫感は感じられない。あくまで力は凝りに向けられており、ナイチンゲールが苦しいと思うようなことは無かった。
それもその筈であり、
彼が自分を思っていると判っている彼女にとって、
「ん、やぁ……………………ん?
どうしました? 力が弱まっていますが」
「いや、ねぇ。……………そのー、あー…………」
突然マッサージの力が弱まったので怪しく思い、チラリと流し目で彼の方を伺うと――――照れたような、何とも言えない表情をしていた。
ナイチンゲールの視線を受けて恥ずかしくなったのか、視線を逸らして頬を掻く彼。そこでナイチンゲールは彼との魔力回路の同調を深くし、それこそお互いの感情や気持ちが判る程まで心を通わせた。
柔らかくもハリのある肌。シャツの上からでも感じることの出来る人体の温かみ。ベッドで押し潰されてはみ出ている胸。スカートの隙間から見える太腿。汗と同時に漂ってくる色香――――そして、美しい喉から漏れ出す喘ぎ声。
それら全てが彼を興奮させている。
おまけに、次マッサージを施そうと思っている箇所は…………。
「――――臀部、ですか」
「…………うん。僕から始めたことだけど、すっかり忘れてたな。それじゃあ、今回は背中を中心にやるから――――」
「………………いいですよ」
「え?」
「いい、と言ったのです。別に、その…………貴方が相手なら、私も構いませんし…………。治療は、最後まで続けないと――――」
ゴクリ、と息を飲んだのは彼だったか、ナイチンゲールだったか。
すらりと立ち上がり、ナイチンゲールは恥じらいながらスカートを脱いでいく。脱ぐ際に突き出され強調された臀部に、彼の視線は釘付けになる。その熱の籠った視線を自覚しながら、スカートを丁寧に折り畳み再び横になった。
ナイチンゲールの下着は――――天使の名前にふさわしい、純白だった。
白いパンツに白いストッキング。汚れのない無垢なシャツにかかるのは美しく煌めく銀髪――――病的なまでの
何よりも、彼女がここまで勇気を出しているのだから、
恐る恐るといった様子で伸ばしていた手も、吹っ切れると同時に迷いは無くなっていた。下着の白に負けない程に端麗で淡いナイチンゲールの臀部へ、ゆっくりと触れた。
「あひゃあ…………!」
「……………」
柔らかくも跳ね返してくるような弾力があり、まるで胸を揉んでいるような錯覚を覚える。ナイチンゲールの安産型の尻が自分の手によって卑猥に歪んでいる――――その事実が、彼に言葉にならない程の快感を与えていた。
最早
最初は揉み心地を楽しむように動かしていた手が、ナイチンゲールを悦ばせる為の動きに変わっていく。強弱や揉む場所を変え、たぷたぷと揺れる彼女の尻肉を弄び始めた。
「……………………んんんっ! ……はぁ……くふぅ…………やあぁ――――」
「可愛いよ、ナイチンゲール」
「………ッ! ……っ……ぁ…………ああ、だめ、だめぇ…………そんなこと言われると、んふぅ……! 身体が、悦んでしまいます…………!」
ナイチンゲールの耳元で愛を囁くと、羞恥と歓喜によって身体を震えさせる。
尻肉を揉むだけでは飽き足らずに、彼は露出された太腿やベッドで押し潰されてはみ出ている胸にまで手を伸ばしていた。絹のように細かく触り心地の良い太腿には指を走らせ、存在を主張する胸はシャツの上から丁寧に皺がつかぬよう触れる。
彼は気付いていない。ナイチンゲールの耳元へ近付いた瞬間、性的衝動によって昂りつつある自身の肉棒がナイチンゲールに触れたことを。
彼女は気付いていない。男を知らぬ身体が徐々に彼の色に染め上げられるのと同時に、自らの秘所が興奮と期待によって濡れつつあることを。
ナイチンゲールの鋼の理性は最早融解しかけていた。
もしもこれが本当に治療ならば、彼女の理性はいかに触られようとも崩壊することはなかっただろう。例え媚薬などの薬物を使われようと、令呪によって強制的に発情させられようとも…………彼女を英雄たらしめている精神力が微動だにすることは無い。
ただ、それ程までの強度を誇る彼女の理性を溶かしたのは――――単純に、
別の女性サーヴァントと同衾していることをシーツの消毒などで察知していた彼女が、ほんの僅かだが期待しなかったと言えば嘘になる。おまけに彼の想いを知ってしまったら――――鋼の理性すら、簡単に打ち砕かれてしまった。
「ぁ……! ん、んん、ァッ――――。きもち、いい…………! ますたーの手、温かくて――――わ、たしぃ……!」
鋼の如き理性の下に存在するのは、かつて監獄島で見せていた天使の片鱗。
喘ぎ声を隠そうとしていた枕は涎で濡れ、汗をかいたシャツはしっとりと濡れている。その狂っていながらも凛々しかった瞳は――――愛欲に溺れた雌そのもの。
身体を滑る彼の指に翻弄されながら、ナイチンゲールは手を伸ばす。やられてばかりというのは彼女の性に合わないし、何より彼に悦んで欲しかったのだ。
伸ばした手が行き着いたのは、彼の股間。ズボン越しでも判る程に膨らんでいる肉棒を優しく撫でる。
「――――ッ。ない、ちんげーる…………く、う」
「はぁ……はぁ…………私も、やられてばかりではありません。……ふぅ、ひゃ――――ふふふ、ガチガチですね」
「……うん。ナイチンゲールがいやらしくて」
一旦彼らの手は止まり、身体を向き合わせて視線を交わす。ナイチンゲールの瞳は蕩けており、唾液で濡れた唇に視線が吸い寄せられる。
自らの中で渦巻く情欲と残った理性の葛藤――――それに終止符を打ったのは、他ならぬナイチンゲールだった。
「……………好きです、マスター。
生涯独身で人生を終え、男性を見る暇も無かった私ですが――――貴方になら、抱かれても構わない。看護師である私を支え、女である私を満たしてくれる…………そんな貴方にこそ、私の純潔を捧げたい」
「ナイチンゲール…………」
「名前で、呼んでください。貴方には、その名前で呼ばれたい」
「――――フローレンス」
「はい、マスター」
愛している――――その言葉と同時に、彼らは唇を重ねた。
キャラクター紹介
・主人公
ぐだーずとは別のマスター候補。一般応募マスターであり、魔術回路はぐだーずよりも多い。
オルタ兄貴に正面から堂々と喧嘩を売れる程度には一般人。消滅しかけの鯖と契約を結ぶのが趣味。
・ナイチンゲール
監獄島から一変、某ウルトラマンAの如き切断厨と化した白衣の天使。
ストーリーでは狂戦士たる所以を遺憾なく発揮していたが、マイルーム会話は案外可愛い。
正直看護プレイも考えたが、本気で看護するなら彼女は鋼鉄の乙女になるのでエロになる訳が無かった。やるとしても滅茶苦茶機械的になりそう。
私情で申し訳ないのですが、ツイッター始めました。
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