「申し訳なかったです」
日本最高の謝意・DOGEZA。
それを聖耶はしていた。何故か、と言うと簡単な話。
手を抜いて戦っていたことに対してだ。
聖耶自身に、その自覚はなかったのは事実だが、今思えば手を抜いているとしか思えない戦闘方法であったのもまた事実である。
見た事もない謝罪の意を示されてうろたえているのはリューテだ。
「……ああ、いや、私もその、なんだ。ちゃんと説明をすればよかった」
ただリューテはこの謝意の示し方にどうしようもない謝罪の力を感じていた。
なんと説明していいのかわからないが、とりあえずそんなことを感じていたのだ。
「ねぇ、あれ何?」
「セイヤ様の国に伝えられる最上級の謝罪の形・平身低頭覇(DOGEZA)です」
「なんじゃそりゃ」
エルフィが聞き、カリンが答え、リンが突っ込む。
見事なまでのコンビネーションであった。
「セイヤ殿の力は理解した。私は氏族の所に戻り、皆を連れてきたいと思うのだが」
「ああ、はい。解りました……って俺は行かなくていいんですか?」
「ああ、大丈夫だ。それにセイヤ殿にはやって貰わねばならんことがあるしな」
その言葉に首を傾げてから、ああ、と手を打ち付けて思い至る。
牧畜の為の設備を作らないといけないことだ。
それにまだ防衛設備も完成していない。
カイゼルを中心とした研究チームに、ブローニングM2を渡してから数日経っているが驚異的な速度で研究してる
そう簡単に出来るものじゃないだろう、と思っていたがすでに機関部が出来上がっている辺り彼らの異常さが垣間見える。
弾薬も練成したものを与えたので、どうにか再現してくれることを願う。
その数日後、フェルプールの民が移民。
牧場が集落の隣に立ち、堀や防壁がより強固にかつ長大に確保される。
さらにその数日後、初のヴェルゲグリム製のブローニングM2が完成するも暴発。
再設計を行い、その一週間後に正真正銘のソレが完成する。
火薬なんてなかったはずだが、と思っていたら鉱脈にありあまっていた火の魔石で補ったらしい。
設計ペース半端無い、とかそんな精密作業が手作業で出来るのか、と思っていたが冶金魔法と古代魔法・練成の精度は機械を越えるようだ。
エルフィに試し撃ちさせてみた所、本家本元より飛距離・威力・精度全てが優れていた。
何をやらかした、と聞いたところ強化魔法をエンチャントしたらしい。
数週間かけて四台製造され、弾薬も十分に確保され漸く、第二段階の初歩が整った。
ぐっちゅ、ぬちゅ、ぷっ、ぐちゅぷっ。
卑猥な音が陰鬱な石造りの部屋に響き渡る。
白い肌に、白い髪に猫の耳がぴこぴこと震え、白い尻尾がびくん、びくん、と痙攣する。
幼い少女に、生々しい肉の触手が絡みつき、その秘所口には少女の腕よりも数回りも太い触手が蠢いている。
「ひ、ぁ……あっ、ぎゅっ、んぎゅうっあぎゅっ」
触手が蠢き、貫く度に少女が悲鳴のような喘ぎ声をあげながら、震える。
その声に呼応するように、触手はさらに激しく蠢く。その律動の度に少女の腹が歪に触手の形に浮き上がる。
「さて、言う気になったかね?」
少女を閉じ込める金属製の檻の向こうから、壮年の男の声がかかる。
その声に少女が、口を開こうとする度に狂いかねない快感が襲う。
「ひにゃ、あっ、にゅうっ! いいましゅっ、言いましゅかりゃあっ、あにゃっふぎゅっ!! たしゅっけ、りぇっ!!」
呂律も回らぬ言葉を紡ぐ度に子宮の奥壁を触手の亀頭が壊れかねない勢いで突き上げる。
その返答を聞いた男は、にやり、と笑う。
「では、近くにある最も大きく、豊かなお前たちの集落はどこだ?」
「うにゃっんぎゅぅっぐぎゅっ、ほくっしぇえっにょっ、やみゃっ、うにゅんっ、にょっ、近くっにょっあにゅんっうぎゅっふにゃっ、森ぃいっ!!」
何度も蠢き貫き、子宮奥をごりごり、と叩かれる。
触手が肌の上を這いずり回る。それだけで媚薬や魔術やらで開発されてしまった体は強い快感を訴えてくる。
それでも、少女の意識が快楽に溶け切らず、また、堕ちきっていないのは魔術の影響だ。
「……グリューネバルド辺境伯領の向こうか……」
「言った、言ったかりゃっ、たしゅけっ、たしゅけ、りぇぇえっ!!」
少女の言った場所に思考を馳せる男が、その快楽に満ちた声を聞き意識をこちらに戻した。
ああ、そうだったな、と呟けば少女に向き直り、頷く。
「ああ……そのまま種付けしてしまえ」
その絶望の宣言に少女はその大きな瞳を開く。
何度も、何度も植えつけられているそれだが、今それをされてしまったら。
少女の思考が凍りつく最中、触手はその声に応じるように、触手の付け根が、ぼごりっ、と膨れ上がる。
その大きさは少女の頭ほどもあり、その球体状に膨れ上がったソレがそのまま、少女の方に送り込まれてくる。
何個も、何個も、波打つようにそれはじょじょに近づいてくる様に、少女は首を何度も横に振る。
しかし、無情にもそれは突き刺さった部分にまで送り込まれ――そして。
――ドボンッ!! ゴボッ!! ドボォッ!! ゴボンッ!!
そんな音が響くと同時に、少女の腹が破裂したように膨れ上がる。
何度も、何度もその球体状のものが少女の腹に送り込まれ、その度に少女の体は波打ち、腹が大きく膨れ上がっていく。
「あぎゅぅうううううううううううううううううううううううううううっ!!!!」
悲鳴を大きくあげながら、少女はその胎内に触手の精液、それも固体のような粘度を持つ塊を何度も何度も叩きこまれる。
その度に何度も少女の体が波打ち、痙攣する。腹が裂けかねないような苦痛ですら、全てが快楽に変換され、少女は壮絶なまでに襲い掛かる快感に気を何度もやる。
まるで漏らしたような勢いで潮を噴きながら、触手はその身を何度も震わせながら精液を次々と送り込み続ける。
膨れ上がった腹はまるで、妊婦なんかよりも大きくなった腹はいつ破裂するかもわからないほどに大きくなっていた。
「ひにゅうあああああっ、はりぇちゅっ、はちぇちゅしゅりゅっ、はりぇちゅしちゃうぅぅううっ!!」
少女は腹が破裂するのではないか、と言う恐怖におびえながら、同時に襲い掛かる強烈過ぎる快感に気がやり続けていた。
そんな少女に出来る最後の抵抗は、意識を手放すことだった。
しかし、触手は意識を手放した少女であれど容赦などはせずに精液をただひたすら注ぎ込む。
ぐぶりゅっ、と言う音をあげ触手を引き抜くと、恐ろしい程の量と粘度、まるでスライムのような精液が噴水のように噴出す。
地下室に生臭いソレが広がり、膨らみきった腹が萎み、吐き出しきったソレを確認したかのように一度触手が震えれば、ずぼぉっ、と言う鈍い音を響き、別の触手がまた少女を責め立てる。
触手と少女の情事はまだ続く。
「グリューネバルドに調べさせる必要があるな……」
男は、すでにその様子になど興味はなかった。
硬質な音をあげて地下室から立ち去る。
その数日後、一人のフェルプールの少女が触手を孕み、また新たなソレを生む為の機械とされたのは誰も知らない。
彼女が助け出されるには、数年と言う月日を要しその頃には彼女の人格はすでに壊れきっていたと言う。
「……何?」
グリューネバルド辺境伯の当主であるヴァロッサ=エスタ=フォン=グリューネバルドは魔術伝令兵の声に訝しげに声をあげる。
五十後半にもなり、その毛も白くなった壮年の男。されどその眼光はまるで鷹の如き鋭さを持っていた。
「はっ、北西の方角に大規模な亜人集落の存在の可能性あり、至急調査するようにとのことです」
馬鹿馬鹿しい、とヴァロッサは心中で零した。
北西地域は未開地であり、魔獣や妖魔が闊歩するような土地だ。
それらを駆逐し、制圧し国を広げようと言うのが国の一部重鎮の意見である。
ヴァロッサ自体はそれには大いに反対している。
国は拡張政略を取り、土地をさらに広げようとしているが、如何にこの国が精強であろうと今の状態では、今の辺境伯の領土までが限界である。
これ以上領土を広げようと思うと最低でもあと数年は力を蓄えたい、それがこの国の現状だ。
だが、亜人がいるとなると話は大きく変わってくる。魔獣や、妖魔などより遥かに亜人は強力なのだ。
今の重鎮は本当に小さな集落、あるいはそれ以下の規模の亜人狩りをしてその程度だと侮っている。
ヴァロッサはかつて、多くの亜人との戦闘経験がある。
相手はたかが、数百人程度、しかもそのうちのほとんどが非戦闘員であり、戦闘員は百人程度だった。
そのたかが百人を相手するのに、数千の騎士がその躯を大地に晒すこととなった。
決して彼は亜人を侮らない、見くびらない。だが、それ以上に彼は亜人と敵対することは反対だった。
亜人討伐に何度も参加して思うのだ。彼らは人となんら変わりのない精神性を持ち、知性を持つ。
家族を失い、泣き叫ぶエルフ、恋人を殺され憎悪の目で睨むフェルプール。
そんな光景を幾度と無く繰り返す。あれが人であっても何も変わらないだろう。
ヴァロッサは今の国情を知っている。亜人との協調路線はとることはできないだろう。
だが、戦う必要がないのなら戦いたくない。亜人が人と同じだろうし、人も亜人と同じだ。
それに、戦って犠牲が出ないのならその方がよっぽど良いからだ。
「最も、亜人も人を憎んでいるであろうな……相互不干渉すら怪しい……」
人は、亜人を迫害するもの、と教育されている。ただそれだけだ。
だが、亜人はそのような人の傲慢で殺され、犯され、貶められる。亜人はその理不尽を憎悪する。
ヴァロッサはその身を椅子から起こし、北西を見やる。
「……私たちは、分かり合えぬものであろうか」
北西に思いを馳せる最中、その北西を治める者、聖耶もヴァロッサのいる人間領に想いを馳せていた。
彼らが出会い、そして、歴史に名を残す一歩を踏みしめることになるのは、まだ少し先のことであった。