青く澄みきった空。
白い雲。
小鳥達がチュンチュンと鳴きはじめる早朝の時間帯。
窓の外のテラスの手すりに数匹の小鳥が朝を告げる鳴き声を響き渡らせる。
ここは日本中何処にでも見かける木造2階立てのアパート。その一室。204号室のベットの上で汗と体液にまみれ、前をはだけている裸パジャマ(男物)のケモミミ尻尾の女の子がすやすやと夢の世界に旅立っていた。
ここで隣に男が居たならば事後の朝チュン状態であったがあいにく隣には誰もいない。
一人スヤスヤと眠っている彼女。呼吸に合わせて肩が上下に動く。
幸せの絶好調なのか「うへへへ」と寝言を漏らしながら満面の笑みを浮かべていた。
そんな彼女をキッチンから不機嫌に眺める一見小学生にしか見えない女の子。
女の子はサイズが合っていないだぶだぶの『I LOVE 佐賀』とプリントされたTシャツを纏っており、長い髪の毛は後ろで縛ってある。
そんな彼女はキッチングリルで焼き魚(シャケ。二切れ300円二割引シール付き)を焼きながら汁物である油揚げの入った豆腐の味噌汁を作っていた。もちろん炊飯器はセット中である。
小さいからだを精一杯背伸びし、届かない場合は仕送りに使われた段ボールだろうか『佐賀ハウスみかん』と記載されたダンボールに乗って作業をする。
その光景はまるで親孝行のために朝御飯をつくってあげる女子小学生しか見えない。
ここでサラダを作っていたならば昔懐かしい『サラダでげんき 著、角野 栄子 絵、長 新太』だったがここでは残念ながら純和食であった。
気持ちよく眠っている彼女にイラつきを覚えながらも慣れた手付きで火を止め、味噌を溶かす彼女。最後に小ネギを散らして完成である。
そんな味噌汁の香りに釣られたのかベットの上の彼女はむくりと起き上がる。シーツを片手に起き上がった彼女は妙な色気を醸し出す。狐耳がしなしなと垂れ下がり尻尾はくるっと曲がっていた。
目が覚めてすぐの彼女は目の焦点が合っておらずフラフラ~と首が前後に動いていたが首を座らせるとキッチンの方に向かって一言口を動かす。
「おふくろ…?」
「だーれがお前さんのおふくろじゃい。」
彼女の答えを受け流した女の子。
女の子の手にはご飯、焼き魚、味噌汁、漬け物と健康的な日本の朝食が二人分トレーに乗せており、彼女のもとへ運んでいるのがわかった。
「ほれ、朝食を作っておいたぞ。昨日はお楽しみだったからのう。感謝するのだぞい。」
「昨日…」
彼女は一気に目を覚ます。
昨日の夜の出来事が一気に頭のなかでフォードバックを起こす。
すべてを思い出す彼女。彼女は思い出した。
「あぁー!あのときの神様‼ じゃあまさか…」
彼女は昨夜と同じようにゆっくりと部屋にある姿鏡に首を回す。
そこにはタボダボの男物のパジャマを着てセミロングの髪を降ろしCからEカップの程のちょうど良い胸をした狐耳美少女(尻尾つき)が女の子座りしているのが目に入った。昨夜と全く同じ状況である。
ちなみに安産型のお尻は下半身がスッポンポンなので丸見えである。トランクスはベットの奥に放り出されていた。
「夢じゃなかったぁー!」
「なんじゃ、夢と思っていたのか。」
やれやれとため息を吐く女の子。
彼女こそ昨夜、彼を狐娘に変えた張本人である神様である。
そんな神様はせっかく作った朝食を冷ますのがもったいないのか彼の部屋の折り畳みテーブルに二人分配膳すると手を合わせ、先に食事を始めていた。
「ほれ、さっさとこっちに来んか。冷めたご飯ほど美味しくないものはないぞ。」
そういってヒョイヒョイと腹のなかに朝食を納め、それでいて美味しそうに食べる一見小学生にしか見えない神様。その光景に自然と彼女のお腹がなり始める。
「ちゃんと説明してくれるんだよな。」
「その為に朝食を作って待っていたんじゃ。」
彼女はのそのそとベットを乗りだし放り出されたトランクスを履き直すと彼女とテーブルの先で対面する形でゆっくりと両足を揃えながら崩した正座で朝食を慎み初めた。
「まずはお互いの名前からじゃな。お主の名前は何と言う?」
味噌汁を啜い、元は男、現彼に質問をする神様。見た目はそこら辺にいる小学生にしかみえない。しかしながら昨日の彼女は
黒地に月と流れる川をあしらった振袖。
赤い髪留めで一括りになっている長い黒髪。
とまるでアニメみたいな奴だったなとつらつらと考える。
なお今は上記の通り『I LOVE 佐賀』Tシャツを着ており神様要素が皆無である。そのような事を考えてた彼女は質問が耳に入っていなかったのか黙々と箸を動かしていた。
イラっとくる神様。机の下で彼女の膝を蹴る。
「イッタァい!ちょ、何するんだよ。」
「無視するお主が悪いんじゃ。さっさと名前を教えんかい。」
「名前ね…。池 広明だ。」
昨日まで男だった彼の名は池 広明。城南大学一年生の二十歳である。
「ほう、池か。珍しい名前じゃのう。」
「うっさいほっとけ。そういう神様は誰だよ。」
「なんじゃ、敬語が抜けているぞ。」
「昨日あんなことしておいて異敬できるかって。」
「失礼な奴じゃ。これでも己は結構偉い神様じゃぞ。何なら当ててみるんじゃ。」
そういって質問に質問で返す神様。
おもわず「質問を質問で返すなあーっ!!」と叫び返したがったがネタが通じるか分からなかった事もあり止めておく。
「昨日の話からしてみるに狐を使役しているからウカノミタマかダキニ天?」
「ぶっぶー。ウカちゃんはメル友、だっきんはゲー友じゃ。」
「えぇ!これって何処から突っ込むべき…」
「なんじゃ、神様だって暇なんじゃ。メールやゲームぐらいよかじゃろ。」
ウカノミタマとダキニ天。
どちらも稲荷神社に祭られている神様で豊穣、繁栄の神である。
そんな彼女たちもどうやら現世に馴染んでいるらしい。
「だけどウカちゃんとのメールは11時以降じゃないとダメなんじゃよ。」
「え、なんで?神様の仕事でもあるの。」
「テレホじゃ。」
「え、まさかのテレホーダイ?」
テレホーダイ。略してテレホ。
NTTのサービスのひとつで11時から翌朝の8時まで電話料金が一定になるサービスである。
90年代後半、インターネットに繋げるのに電話回線を使用しており、当時の定額制サービスの代名詞であった。
しかしながら時代は進み、ISDNや光回線など進化していったが一応現在もテレホーダイのサービスは続行されている。
「なんでも当時のPCに思い入れがあるらしい。PC-98も現役じゃ。」
「まさかのレトロPCオタク。意外すぎる!」
「ちなみにだっきんはウカちゃんとゲームをするために同居中じゃ。」
「理由が世俗的すぎる。」
まさかの神様事情に驚く広明。
しかしながらこの小説でこの設定は活かされる事があるのだろうか。まったくの謎である。
「まあ分かるまで内緒じゃ。それまでトヨとでも名乗っておくかのう。わかったかアキ。」
「お婆ちゃんみたいな名前だな。まぁ分かったけどアキって俺の事?」
「お主以外に誰がおる。広明のアキじゃ。今のお主はオ・ン・ナ・ノ・コじゃからのう。」
「あぁあーー!!忘れてた!とっとと説明しろ。なんで女にしやがった!」
「まあまあ、お茶でもの飲んでリラックスしな。」
そういってアキの空になった茶碗にお茶を注ぐ神様。なんだがコマンドーみたいな台詞だったが突っ込むのは野暮であろう。
いつの間にか急須にお湯を入れたのか分からないアキであったが相手は神様である。
きっと考えられないような超常現象などお手のものだろうと考えるのを諦めた。
ちなみに茶碗にお茶を注ぐのは洗い物を減らす知恵である。
「まずお主は己の眷属にしたと昨日話したな。」
「あぁ、そうだ。」
「眷属は簡単に言うと己の部下じゃな。お主は今、己の部下と言う形になっておる。そして己が使役しているのは狐じゃ。ここまではいいのう。」
「続けてくれ。」
「で己は考えた。信仰心が弱まり力が弱まるここ最近はもともと信仰心を持つことがない狐に新しく使役することが出来ない。ならば信仰心を持つことが出来る人を眷属にすれば良いと。」
「はぁ」
「なので己はお主に眷属である狐の因子を埋め込み人と狐のハイブリットにしたという訳じゃ。わかったか?」
「うんまぁ言ってる事はわかった。でもなんで女に?」
神様はお茶を一服するとこう言い張った。
「趣味じゃ。」
「はぁ?」
「だ・か・ら 趣味じゃって。」
空気が固まる。
起床時に鳴いていた小鳥の声が改めて聞こえてくる。
アキの体がプルプルと震え、部屋の空気が低くなっていく。
お茶が注がれていた茶碗が震える左手によってお茶がテーブルに溢れる。
「ふ、ふ、ふざけるなーーー‼!」
「ふざけておらん。極めて真面目じゃ。己はTSFフェチじゃ。」
「それをふざけているって言うんだよダメ神!」
「ちょっとまて。だれがダメ神じゃ。お主はTSFの良さがわからないのか!」
「そういう問題じゃねーー!」
この神様、実はTSFフェチである。
TSFのすべてを愛する神様。TSFを現実で実現するため良い機械と思いこのような強硬にでたのであった。
ちなみに先天性はTSFではないと主張している。あくまで変化がTSFで重要なのである。
なおTSFの良い所を語ると時間が掛かるのでここでは割愛。機会があれば書かせてもらう。
「そんなフザケタ理由デ…」
「なーにがふざけた理由か。昨日はあんなにお楽しみだったのにのう。」
昨日の事を再度思い出すアキ。言われて恥ずかしくなり顔を赤くしたアキはいきなり立ち上がると「ちょっとトイレに行ってくる!」と言ってトイレに駆け込む。
そんなアキを見て興奮しはじめる神様。TSFフェチの好みのひとつが今始まろうとしていた。
バタバタとトイレに駆け寄るアキ。そのままトイレの扉を開けて飛び込む。
ドアを閉め、ドアに寄りかかる。
昨日の事を再度思い出したアキは心臓がバクバクと鼓動が早くなっているのを感じた。
無理もない。昨夜はされるがままあの神様に快楽を浴びせられたのだ。
へなへなと便器に座り込む。しかし途中に尻尾が便器に触れて「ヒャン!」と体を震わせた。
人の体のときにはなかった尻尾という存在が自分の今の状態を思い出させてしまう。頭の先を触ってみるとワサワサと黄金の毛を生やした狐耳。もともと耳があった場所にはこめかみしか残っていない。
渋々男物のトランクスを下げ、尻尾を便器の中に浸けないよう上に高く挙げる。ヒンヤリとした便器の冷たさが体全体に染み渡る。
もちろん股間には昨夜まだあった20年の相棒は見る影もなく消滅しており悲しみを増強させた。
一度も使われることのなかった自分のペニスに別れを捧げトイレの個室で黙祷。こんなシュールなおくやみは一生で一度もないだろう。
あぁ、神様。僕は童貞を失う前に処女を失う事になるでしょう。一体私に何故このような試練を! と心のなかで訴えたがこの結果は神様の仕業と思いだし前言撤回。あの何者かわからないダメ神もとい邪神に呪詛を吐き出していた。
そうこうしているうちに下半部に波が起こる。
膀胱が排尿しようと懸命に動いているのだ。
男の時はそのまま尿道に貯まっていき相棒から小便を放出していたが今の自分は男ではなく女。男の時の尿道を20cmぐらいだったが女の尿道は約5cm。
単純計算でたったの四分の一に過ぎない。
そんな体になってしまった自分は体のギャップに戸惑いはじめる。排尿のタイミングの違いだ。長い尿道も持っている男性に比べ短い尿道をもっている女性は高い拡張性を持っている。例えるならば長いホースと水風船だろう。
その短い尿道にたまった小便が彼女に違和感を与えていたのだ。
そして腟の前を真っすぐに下がった腟口の前が開口。排尿する。
四方八方にシャーに飛び出る小便。男の時と比べ、方向を定められない小便は虚しく大便器へ放出。大きな排出音を奏でていた。
溜まり水に向かっての小便でドボドボドという音を立てていた真実は淡き過去となる。
男性の小便の排出音に音はほとんどなく便器にあたる音だけだあるがそれが女性になると排出音が追加される。確かに恥ずかしいと思う理由がわかったような気がした。大便中の排便音と気分は同じである。音姫の偉大さが女になって実感するとは。
そうこう考えているうちに小便の勢いがチロチロと弱まりやがて全てを出しきる。男の時はこの後相棒を降ってフィニッシュであったが今は小陰唇に小便が濡れている。
グルグルとトイレットペーパーを巻きロールから引きちぎるとそのまま局部に持っていき小便を拭き取り初める。
その時にふと拭き取るとき、自分の局部に目を向けた。
膣と尿道の上にある突起。あぁ相棒は無くなった訳じゃなくて小さくなって残っていたのかと自分とクリトリスを相棒Jrと呼ぶことにした。
生物学上ペニスとクリトリスは同じである。あながち相棒と読んでも間違いないだろう。しかしながらJr(ジュニア)は無いじゃなかろうか。ネーミングセンスが酷い彼女であった。
そうこう思ってるうちになんだか懐かしくなりクリトリスを撫でる。
するとしだいに顔が火照っているのが感じ初めた。神経系列がペニスより集まっているクリトリスである。ペニスを撫でるように触れば感じるのは当たり前であった。
昨夜の情事が目に浮かぶ。
このまま触り、責め続ければ昨日の快楽が味会う事が出来るだろう。
ゴクリと唾を飲む。
静かなトイレの個室で自分一人。
そのまま左手を局部に持っていこうとした時
「なんじゃ、朝っぱらからお楽しみかのう。」
とニヤニヤ笑顔でドアの先に立っている神様が目に入った。
「ドアの鍵はちゃんと閉めないとダメじゃぞ。あまりに長いけんのう気になって開けてみるとのう。そうかそうか楽しんで貰って何より…ってなんじゃその右手にもっている便器ブラシは!ちょちょっと待つのじゃ!」
「うるせえ!デリカシーは守りやがれぇぇぇぇぇ‼!」
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ‼!」