緩やかに流れる風が柳を揺らす。
暑いと言う程では無いが、それでも動き回れば汗がぷくりと球になって浮き出て来る。
そうして篭った熱を微風が肌を撫で行きながら取り除く。
これで周りの木や花が、柳や薄、彼岸花で無ければ酒の一献でも、と思うのだが。
そんな事を考えていると、風に乗ってぷぅんと異質な臭いが運ばれて来る。
「……こりゃあ」
頬の筋肉がぴくぴくと痙攣するのを自覚しながら、臭いの元を辿る。
一分も経たぬ内に、木陰で上機嫌に寝転がる元凶を見付けた。
波の様にうねる赤い髪を左右に分けて結んだ可愛らしい顔の少女が、頬をほんのり上気させて猪口を傾けている。
傍目から見ても随分と退廃的な光景だ。
半袖の紬にふわりと広がる行灯袴を着こなし、すらりと伸びた長身と相俟って同性さえ魅了する程に艶が有る。
「こら、小町」
「んぅ……? おや、姐さん。如何したんです?」
呆れを滲ませて名前を呼べば、何とも暢気に目を向けてくる。
起き上がる気配は無い。
藁の束を枕代わりに頭の後ろに敷いて、ご機嫌な様子でまた一献。
「こら、小町」
「んふふー、そう焦らなくても姐さんの分の酒はちゃぁんと用意してますって」
だらしなく笑みを浮かべてひらひらと手を振る。
このやる気の欠片も無い奴は小野塚小町。
去年部下として配属されたばかりの新人だ。
ちょっとした異能を持ち事務処理能力も高く人当たりも器量も良い、と言う長所をサボリ癖の一点だけで台無しにする困った少女だ。
度々仕事を抜け出しては適当な理由を付けて飲酒に耽る姿は最早日常と化している。
その度に上司からの小言が此方に来るのだが、最近は上司も諦めたのか半ば黙認されている状況だ。
それでいて仕事は真面目にやっている連中と遜色無く終えている辺り性質が悪い。
「こら、小町」
「大丈夫ですって、つまみに炙った烏賊を用意してますから……って姐さん? 何やらお顔が強張ってますけど」
だが見逃すとは一言も言ってない。
一方で仏の顔も三度と言う。
姿勢を正して謝ったのなら大目に見ようと思っては居たがその様子も無いなら致し方無い。
男の股座を穿つ時の様に勢い良く爪先を蹴り上げる。
「わったったっとぉ!?」
「チッ、避けたかぃ」
ごろりと身を捻って回避して、右手に猪口左手に徳利を構えたまま立ち上がる。
その拍子に豊満な胸元が揺れた。
あれだけ自堕落な食生活を送っているにも関らず、少女には乳以外の無駄肉が無い。
此方は適度な運動と節制した食事で体型を保っていると言うのに、何とも妬ましい体質だ。
対する少女は不機嫌そうに口の端を歪める。
「ちょいと姐さん、何するんだい! 折角気持ち良く呑んでたってのに!」
「ほぅ。アタイが汗水流して働いてる横で杯を傾けるたぁ随分と良いご身分じゃないか?」
細めた目で見遣ると少女はわたわたと慌て始める。
流石に拙いと気付いたのかいつもの様に言い訳を並べ出した。
勿論聴く耳は持たない。
「い、いやぁーあたいも最初は真面目にやっていたんですよ? でもほら、こんなに天気も良いし休憩がてら木陰でちょいと横になったら、これまた随分と爽やかな風が吹くじゃありませんか。周囲は少しばかり殺風景かも知れませんが心地良い風に揺られながら一杯やるのも良いかなーと思ったら偶然にも手元に徳利と猪口が! これは休んでのんびりやろうじゃないかと言うお天道様からのお達しに違いないとわたたたたっ!?」
「嫌だねぇ小町。遺言ってのはすっぱり小奇麗に纏めて置くもんだよ」
「いやいやいやいや遺言じゃないですうひょう!? 姐さん今顔面狙いましたよね!?」
「アンタの顔をもう少し小顔にしてやろうって言う老婆心さね」
「私充分に小顔ですし色々とモテてるんで大丈夫ぃぃぃっ!? あっぶな! 今のあっぶな!」
「避けるんじゃないよ面倒臭い」
「当たったら痛いじゃないですかってわっほい!?」
半ば本気で蹴り回すのを全部ひょいひょいと避けていく。
口調は焦り気味だが行動は何処か余裕を感じられる辺り無駄に能力が高い。
やれやれと溜息を吐きつつ足を止める。
そこそこ良い運動にはなったから良しとしよう。
「ふわー……、おっかなかった」
「にしても小町、アンタ慌てると『私』に戻るんだねぇ」
「あ……いや、あはは」
「元の喋りのが可愛いんだから戻しゃ良いのに」
「いやいや! あたいは姐さんの蓮っ葉な所に大人の色香を感じたんですよ、それに何かカッコイイですし!」
ぐっと拳を握る小町。
いつの間にか徳利と猪口は仕舞い込んだらしい。
元々は普通の少女の口調だったのが、何を気に入ったのかこうして真似をし始めた。
色気なら充分有るとは思うが。
「っと、そう言えば姐さん何か用事でも有りました?」
「いんや、酒の匂いを辿ったらアンタが居たから蹴り起こしただけさね」
「横暴!?」
「何処がだい。サボって昼間っから酒呷ってる阿呆に喝を入れただけじゃないのさ」
「……おっと、急用を思い出し」
「ちょい待ち」
「ぐえっ」
旗色が悪いと見るやそそくさと逃げ出そうとした所を首根っこ掴まえてひっ捕らえる。
ちなみに逃げようとしたのは仕事の持ち場とは逆方向だ。
また逃げ出して一杯やる心算だったのは疑いようも無い。
手の掛かる後輩だ。
そんな風に賑やかに仕事へ戻ると、珍しく普通の人影が対岸に見えた。
此処三途の川には普通の人の姿をしているのは死神くらいで、死人は皆魂だけの姿となっている。
その死神も対岸に渡る事は殆ど無い。
三途の川の渡し人の名が示す通り、死人を向こう岸に渡すだけ。
だからこそ、対岸に人影が見えると言うのは興味深い。
「あれ、向こう岸に……?」
「アンタも気付いたかい。ありゃあ誰だろうね?」
「閻魔様じゃないですか? ほら、あの特徴的な帽子」
「どれどれ……お、本当だ」
懐から遠見筒を取り出して覗いてみれば、特徴的な閻魔帽が見える。
確かにあれは閻魔様だろう。
しかし何故この場に居るのか。
「小町に灸でも据えに来たのかね?」
「えぇえ⁉私ただの善良な一般市民ですよ⁉」
「少なくとも一般市民じゃないだろうに」
小脇に小町を抱えたまま船着き場まで移動すると丁度向こうも此方に気付いたらしく、いつも以上に眉を寄せた難しい顔をした閻魔様が船を渡ってやって来る。
胸の前に黒檀で造られた箱を抱えているが、如何やらお土産と言う訳では無さそうだ。
寧ろ割れ物でも扱うかの様に慎重な足運びをしている。
不思議な事に慎重では有るが大切なものでは無さそうだ。
程無くして閻魔様が此方側へ降り立つ。
朱に染めた衣に袖を通した長身の女性と、一才にも満たぬ大きさの黒檀の箱の取り合わせは中々に目を引く。
「閻魔様、如何されました? 何やら珍しい箱をお抱えですが」
「丁度貴女を探していたのですよ」
「……アタイを?」
幾分固い声色で告げられる。
心当たりは無い。
閻魔様の御前だからと解放した小町が原因かとも思ったが、如何もその様子も無い。
ついと視線を向けてみるが小町も見当が付かないらしく首を振るだけ。
膨らむ疑問に閻魔様が答える。
「貴女との約定に従い、彼を……いえ、彼『だったもの』の残滓を届けに来ました」
「…………はい?」
途中までは話を聞けたが、後半の意味する所が理解出来なかった。
彼だったものの残滓。
肉体諸共この彼岸に送られてくると言うのなら、その言い回しも解る。
だが此処は魂を渡す場。
幾ら現世で肉体を損壊したとしても魂の在り方には何一つとして影響しない。
その筈だ。
ならば何故、閻魔様はそんな言い回しをしたのか。
受け取った箱を右手で支え、左手を蓋に伸ばす。
大した抵抗も無いまま蓋は外れた。
中には上等な白い紙が隙間無く敷かれており、その中央にはきらきらと輝きを返す細かな欠片が山と成っていた。
それを認めた瞬間、世界から音が抜け落ちた様な錯覚に囚われた。
「…………ぁ」
何処か遠くから、小さな声が聴こえる。
酷く掠れた、幽かな声。
「……ぁぁぁあああぁぁぁ……」
己が喉から競り上がる悲しみに満ちたその声以外は、何も聴こえない。
何も、聴こえては来なかった。
「あ、あの……姐さん?」
「小町。今は……そっとしてやってください」
「閻魔様、あの箱は一体何なんです? 何で、姐さんはこんなに」
「…………お話しますよ。それも彼女との約定ですからね。小町は不思議に思った事は有りませんか? 何故三途の川の渡し人に、死神ではなく濡女子が混じっているのかと」
「へ? あぁ、そりゃあ姐さんが優秀だから特例で仕事を任せられているもんだと」
「確かに彼女は優秀です。ですが、それは結果……いえ、副次的な効果に過ぎないのです」
「如何言う事です?」
「簡単な事です。先程から何度か口にした約定の通り、平たく言えば取引をしたのですよ。此処で働く事を条件に、幾つかの約束を交わしたのです」
ぽたりぽたりと雫が落ち、視界を滲ませる。
砂利の上にへたりこみ箱を膝に乗せて、そっと一欠片を右手で摘まみ上げた。
断片よりも細かく刻まれた記憶が流れ込んでくる。
名も知らぬ遠く離れた村。
昔の里の様に、人妖の区別無く平和な時が流れている。
しかしそれも長くは続かず、引き裂かれた人と胸を穿たれた妖怪、そして力無く項垂れる彼の姿が映し出される。
次の欠片も、その次の欠片も同じ様な光景を映している。
僅かに違うのは、彼がその身に重ねた時間だけ。
やがて、彼の記憶から彼の笑みが消えていった。
「生前の彼女は妖怪で在りながら無為な殺生を好まず、人と平穏に暮らしていました。村の危機には身を呈して村人を守ろうとし、愛する人を守る為に最後は自ら命を投げ出しました」
「如何聴いても聖人じゃないですか。極楽一直線でしょうに、何だってこんな所で仕事なんか」
「……色々と問題な事を言われましたが、まぁ流しましょう。当初は私達も極楽浄土行きを勧めたのですが、如何してもやらなければならない事が有ると言って聞かないのです。話を聞いてみれば死の直前まで住んでいた村の子が一人、妖怪の襲撃を受けてなお生き延びている、と。不運にも直ぐ此方に来るのであれば共に転生し側で成長を見守りたい、逃げ仰せて徳を積み生涯善行を為したのならば共に極楽浄土へ、もしも道を外れる様な事が有れば畜生道へ落ちようとも共に輪廻を経て更正させる。そうで無ければ今生の誓いを果たす事が叶わぬ、そう言うのですよ」
「そりゃまた……随分な惚れ込みようですねぇ」
「八正道、正精進と答えられては此方は否とは言えませんからね。彼が彼岸を訪れるまで渡し人の仕事を行う事を条件に許可しました」
「経緯は解りました。でも、それなら何故、何で、姐さんは」
こんなになってまで、彼は求め続けてくれていたのか。
遠い昔に語った、夢物語を。
一つ、また一つと摘まみ上げる度に彼の心が軋んでいく情景が脳裏に浮かび上がる。
「あぁぁぁ……! ごめんね、側に居てあげられなくてごめんねぇ……っ!」
黒檀の箱を強く抱き締める。
悔恨の記憶はどれ一つ取っても苦悩と後悔に満ちていた。
やがてそれらは諦念へと変わっていく。
彼が願っていたのは、あの頃の平和な暮らし。
分け隔て無く、誰もが笑顔を浮かべていた子供の頃の記憶を、もう一度。
そんな健気な願いさえ叶える事が出来ずに。
涙を零しながら彼の欠片を浚っていると、一際大きなものが指先に触れた。
導かれる様に拾い上げて、覗く。
「本来なら魂は傷を受ける事無く彼岸へ辿り着きます。ですが、現世で魂を破壊する術が無い訳ではありません。神や妖怪や人間がその魂に宿す存在の力、所謂神力や妖力を使えば他の魂へ干渉する事は可能です。……とは言え、大和の神でさえ幾つかの儀式を経て自身の力を高めねば不可能ですがね。それでも魂の表面に細かな傷を付けるのが関の山でしょう」
「……現世でどんな陰惨な儀式が行われたんです? あんな粉々にするなんて、まるで世界中の憎悪を一身に浴びたみたいな」
「私は今でも信じられません。信じられませんが……浄玻璃の鏡は嘘を吐きません。それを為したのは一人の妖怪ですよ」
「え……えぇ? 一人の妖怪? そんな馬鹿な、だって閻魔様、今し方大和の神でさえ一柱じゃ小さな傷で精一杯って」
「本当なのですよ、小町。恐らく大和のみならず、日の本全ての神の力を結集させたとて、その妖怪には手も足も出ないでしょう。外の国の神々の力も合わせて、如何にかその妖怪の力全体の一厘に届くか如何かと言った所」
……嗚呼。
何と言う運命の悪戯か。
よりによって、彼女を敵に回してしまったのか。
遠い昔、塒を共にしていた金色の宵。
その姿を見るのは、種族の枠組みを超えた当時の名立たる者達が、徒党を組んで彼女の力を如何にか隔離して以来。
「ぁぁ……………………」
かちりかちりと砕けた欠片を組み上げて行きながら、前後の記憶を拾い上げる。
見えて来たのは彼女の後ろで、胸を貫かれた少女を抱き寄せる男の姿。
家族だろうか、とても雰囲気が似ている。
更に記憶を辿っていく。
望月の神、郷、金色の伴侶……。
漸く、見えてきた。
彼女が大切にしているものを、彼は壊そうとしてしまったのだ。
そうして、彼女に屠られた。
「…………現世、亡びませんかね」
「奇跡的に無事です。故に、貴女がサボって居られるのですよ。……いえ、すみません。私もまだ受け止め切れていないらしく、下手な冗談で気を紛らわせる事しか出来ません」
「いえ……兎も角、その凄まじい妖怪が件の魂を破壊したと。素朴な疑問何ですが、魂って破壊されたら如何なるんです?」
「魂とはその者の記憶で在り記録。その者が『その者』で在る為のものなのてす。仮に小町。一頁ずつバラバラにされた知らない国の歴史書百冊と、設計図の無い絡繰人形百体の部品の中からそれぞれ指定された一冊と一体を正しい形に復元して持ってこいと言われたら如何します?」
「へ? いや、何れだけの時間が掛かるか解りませんが絶対に不可能では無いかと」
「ふふ、熱心ですね。では期限を定めたら如何でしょう。そうですね、三日では」
「無理です、一月有ったって足りませんよ」
「でしょうね。私でも無理です。……彼女は、それが出来る様ですが」
「へ? って、ああっ!?」
幾つもの記憶を辿り、最後の一欠片を組み上げる。
弱弱しく明滅する魂がふわりと浮き上がり、縋る様に胸元へ飛び込んで来た。
もう壊される事の無い様に優しくしっかりと抱き締め、ゆっくりと撫でて行く。
「大丈夫だよ、これからはアタイがずっと側に居てあげるから……」
応える様に魂が震える。
形は如何在れ、こうして手元に帰ってきた。
これからはこの手の届く限り、彼に悲しみを負わせはしない。
「……さて。色々と私達の想像を超える出来事が起こりましたが、少なくとも彼の魂は貴女の元へ辿り着いた。残すは最後の輪廻転生ですが」
「…………あぁ、お見苦しい所を」
「大切な人を思って流した涙です。どんな宝石でさえその輝きには叶いませんよ」
ふっと優しく微笑む閻魔様に頭を下げ、袖口で涙を拭う。
これまでの事は一度脇へ置き、改めて今後の事を愚考した方が良さそうだ。
そんな思いを見抜いてか閻魔様はやや躊躇いがちに口を開く。
「一つ提案なのですがね。このまま転生したとしても、恐らく彼の魂に刻み込まれたモノは彼を蝕み続けるでしょう。一度アレだけ粉々に砕いたのですから、其なりの影響は有るかと」
「それは……確かに」
「ですので、いっそ日の本を離れてみては如何ですか?」
「日の本を……?」
「海の向こう、遠く離れた地であれば例え残響に苛まれたとしても深く干渉しては来ないでしょう。魂に刻まれた臭いを辿って彼女──宵闇が再び襲い掛かって来る心配も無い。丁度知り合いの神に海の向こうで土着信仰を束ねるものが居りましてね」
「それは……」
願ってもない申し出だ。
彼の記憶から読み取った限り、彼女は昔とその性質を違えていない。
即ち、一度敵と見なせば如何なる理由が有ろうと、何度でも叩き潰す。
輪廻を巡り別の個体と成った後でも、探し出して何度も屠ってきたのを隣で見ていたのだから。
「……何れくらい日の本から離れているのでしょう」
「人の足で辿り着くには、一生を掛けて届く事さえ稀です。貴女が懸念している彼女でさえ、気付く事は無いでしょう」
「…………有難う御座います」
静かに頭を垂れる。
唯一にして最大の懸念が取り除かれた今、躊躇う事は無い。
「その話、お受けします」
「…………閻魔様、何処まで本心でした?」
「失礼ですね、小町。全て本心に決まっています」
「こりゃ失礼。では……後幾つ、語っていない本心が?」
「大きく二つでしょうか。もし、彼と宵闇の妖怪が出会う様な事が有れば再び争いが起きます。一方的で有ろうと無かろうと、それを彼女が黙って見ている筈が無い。無闇に定命の者を危険に晒す訳には行きません。それに、争いの矛先を此方へ向けられるのも遠慮したいですからね」
「もう一つは?」
「彼女自身です。私の知る限り、どんな聖人でもあの様な復元等出来ませんよ。まだ気付いてはいない様ですが、他者の記憶を読み取り正しく並び替える事が出来ると言う事は、他者の記憶を思うが儘に組み換える事が出来ると言う事です。何れ程危うい力なのかは、説明不要でしょう。ですので、遠く離れた地で生を受ける様に提案したのです。少なくとも、彼岸に居られるよりはずっと良い。此処には弄ろうと思えば自由に弄り回せる魂が山と在るのですから」
「……最初に無理矢理にでも極楽浄土へ押し込めば良かったのでは?」
「かも知れません。ですが珍しいですね、小町がそこまで言うとは」
「いえね、さっきから止まらないんですよ。背筋に纏わり付く様な冷や汗が」