潜水艦娘たちが取ってきた魚を主菜とした宴は夜半に行われた。
鎮守府最寄りの港に物資を係留し、近くの民宿で艦娘たちは潮が捌いたバラムツを食した。
宿は天龍が遠征の帰りに時々使う隠れ家的な場所のため、鎮守府にバレる心配はないし、元々休息を海上で取るのも陸(オカ)で取るのも同じなら、せめてゆっくりと飲んだり眠ったりが出来る場所の方がいい。
潮と秋雲は別の食事を取ったが、天龍たちは大皿に綺麗に盛りつけられた刺身を頬張って、感嘆の声を上げた。
「いやぁ、ゴーヤ。こりゃぁうめぇや。いい魚を取ってきたなぁ。帰ったら提督に頼んで間宮の甘味、交渉してみるわ」
しとどに酔ったアハト(伊8)が唇を尖らせた
「あ~、ゴーヤだけずーるーいー。8ちゃんが最初に見つけたのに」
「あはは、お前の分も頼んでやるさ」
「でも天龍さん、本当に美味しいですね。油が実に上品でとろけそう。ボク、教室の油引きの時に使う油の匂いが大好きなんです。ちょっとそれと香りが似てるね」
「ふふふ、時雨、面白いことを言うでち。でも、確かに香りが似てるでち」
「いいなぁ、私もダイエット中でなかったらなぁ」
「潮、ちょっとだけでいいから食べてみろよ。本当に旨いぞ。とはいえ、脂が凄いか。あはははっ」
楽しそうな五人を魚の死んだ目で眺めている秋雲だったが、ふと何かを思いついたのか立ち上がった。
「あ、おい、秋雲。何処に行くんだ」
「ごめん、トイレ」
「食事の後にしろよなぁ」
「すいませーん」
民宿に一つしかないトイレへ向かうべく席を立った秋雲を余所に五人は和気藹々と楽しんでいた。
最初に異変が起きたのは誰だったのか、今となっては事態の本質を知っている冷静な観察者だった秋雲の不在で、誰もそれを知り得なかった。
ただ、4人から離れた場所で野菜サラダを食べていた潮は隣あって座る伊8号とゴーヤの座布団が濡れていることに違和感を覚えた。
潜水艦娘だから水着が濡れている所為にしては、座布団の色が黒く見える。
そして潮はゴーヤたちの周囲から異臭がするのを感じた。
「おいおい、なんか臭いな。誰だ、屁をコいたのは。あははははっ」
笑い声とともにぶりゅっ、ぶりゅりゅびゅるるるっという感覚が天龍の肛門を走った。
「え!?」
「天龍さん。何ですか、今の音は」
時雨は異変にまだ気付いていなかった。しかしどこかで嗅いだことのある異臭の中に、今食している魚の臭いが混じっている事を時雨は理解した。
「んっーー!」
スカートの後ろを押さえて立ち上がった時雨の股間はなぜか「前後とも」盛り上がっていた。
「時雨っ! 前を押さえて!」
異変に気付いた潮が叫ぶ。だが天龍たちには見えなかったが潮のスカートも前の方が盛り上がっていた。
肛門性交を頻繁に行う人種の間では、腸液の臭いを嗅ぐだけで勃起するようになる者がマレにいる。
潮が危惧したのはその事だった。
そして天龍と時雨の異変に気付いたゴーヤたちも立ち上がった。
だが、立ち上がったことで繊維が薄い潜水艦娘のゴーヤたちのスクール水着から白いモノがぶりゅりゅりゅりゅっと吹き出ることになった。
「い、いかん、これは・・・・・・」
「て、天龍さん、と、トイレに」
「ダメだ、この民宿はトイレは一つしかない」
「じゃ、じゃあ」
「う、海辺、海辺まで行こう」
「時雨、天龍さん!」
立ち上がった潮が駆け寄って二人に肩を貸す。
向かいに座るゴーヤたちも互いに肩を貸して支えあう。
「潮、俺達はいい。ゴーヤたちを助けてやってくれ。あいつらは俺達より艤装が薄い水着しか着ていない。
相変わらず男前な天龍だった。
「は、はい……」
一瞬時雨の方を向いた潮だったが、一瞬間を置いてゴーヤたちに駆け寄る。幸い、天龍も時雨のスカートの前方を持ち上げる彼女のペニスには気付いてない。
その間も四人の足を液蝋と化した軟便が伝っていく。
必死で助けあおうとし合う彼女たちはまだ気づいていなかった。
この民宿に間もなくやってくる賓客の存在を……。