その後、遊園地を出た私達であったが、帰りの切符を買った後で、私は計画を行動に移した。
「やばい、携帯がない・・・」
「どっかで落としたのかな?戻って探す?」
「いや、橙花たちは先に帰って。俺と藍で探すから」
「藍が残るんだったら、ボクも残るよ」
「あんまり遅くまで女の子を連れまわすのはよくないだろ。翠さんにもそう伝えておいて」
翠さんは蒼の母親だ。蒼もその名前を聞くと、嫌々ながら従った。
「じゃ、じゃあ。また、新学期ね・・・」
「何言ってんだ。もう引っ越すんじゃなかったのか?」
「っ・・・じゃあね。手紙、書くから・・・」
「急にしおらしくなるなよ。ほら」
私は改札越しに遊園地で買ったキャラクターもののボールペンと便箋を渡した。
「お前のことだから、レターセット買うのが面倒とか言いそうだし。先に渡しとくよ」
本当は藍に渡すはずのものだったが、仕方ない。蒼はそれを受け取ると、ボールペンを握りしめた。そうこうしているうちに、電車がホームにつく。
「ほら、電車が来たぞ」
「うん」
「住所教えてくれればまた会いに行くから。泣くなって」
なかなか電車に乗ろうとしない蒼を慰める。この時ばかりは年相応の女の子らしい蒼に愛おしさすら覚えて、頭をなでた。
「ねぇ、次会う時には、もっと大人っぽくなる」
「おう」
「藍よりも料理も上手くなって、手料理食べさせてあげる」
「食中毒だけは勘弁してくれよ」
「だから、絶対に来て」
「当然。こっちにも遊びに来いよ、『2人で』」
「うん。あのね、ボク、本当は君のことが・・・」
そこで電車が閉まって行ってしまった。駅には藍と私だけが残される。私は電車が見えなくなったのを確認すると、改札を通ってプラットフォームの長椅子に座った。焦った藍が聞いてくる。
「え?え?携帯は探さなくていいの?」
「携帯なら最初から持ってるよ。次の電車で帰ろう。案内したい場所がある」
電車で私たちの街に帰ると、蒼たちがいないことを注意深く確認してから、私たちの通っていた小学校へ向かった。
「よし、ここの柵は修理されてないな」
生徒にしか知られていない、秘密の入り口を使って小学校に侵入する。校舎に入り、階段を上がって、私たちはある教室にたどり着いた。
「ここって・・・」
「ここで、俺たち『結婚式』をして、初めてキスした」
6年2組、すべてはここから始まった。この教室で私たちは特別になった。
「藍。この一か月、俺はこの毎日を忘れないためには、いったい何をすればいいんだろうってずっと考えてきたんだけど、それは俺たちがどうやって今までを覚えてきたかってことだったんだ」
記憶は日々の積み重ねである。過去の多くの出来事から、私たちは学習して、それを積み上げていく。未来の自分にそれが残るということは、即ちそれが自分を作り上げているということである。
「ここでの記憶は、いつでも覚えている。あの時の夕日、藍の表情、息の温かさ、唇の感触。全部はっきりと。それを確かめたいから、今までもキスをしてきた。自分の一部である恋が、確かにそこに在ると確信するために」
思い出を永遠にするためには、それが相手の一部になるほどの強い刺激か、永遠に残る形にすればいい。
「だから、まずこれをプレゼントする」
私はポケットからペアリングを取り出した。なけなしの小遣いで買った安物だが、いつか本物を買うまでの代用品だ。
「もっといいのを買いたかったけど、小遣い、もうなくて・・・気に入ってくれるといいけど」
「ううん、すっごく綺麗」
「忘れそうになったら、これを見て俺を思い出してほしい。俺も肌身離さず持つから」
藍の薬指にリングをはめる。ちゃんと嵌まるか心配していたが、ぴったり指にあった。
「ありがとう。大事にするね」
「あぁ。それと・・・」
私は藍の唇にキスをする。そして唇を首筋に這わせていく。
「藍。お前を、本当の『恋人』にしたい」
「うん。いいよ・・・私の全部、君にあげる」
藍は服のボタンを外し、細い腕で抱き寄せて私を受け入れた。透き通る白い肌を堪能する。
「そんな、舐めてばっかり・・・」
「藍がしてきたからな。こうすればキモチイのか?」
「あぁう!」
私は藍の乳首を指でつねる。甘い嬌声を上げて藍はのけぞった。
「女の子みたいに反応するな。こっちまで興奮してきた」
「一緒に気持ちよくなろう」
藍は私のズボンを下ろして、自らも下をおろして肌を晒す。そのままペニスを咥えようとするのを、私は一旦止める。
「待って、一緒に気持ちよくなるんだろう。なら」
私は藍と69の姿勢になって、互いに性器が顔の前に来るように向かい合った。
「あはぁ、これなら、お互いのおちんちん、一緒に気持ちいね」
藍が喜んだのに安心すると、藍のペニスに注目する。白くて、自分のよりも小さく、勃起しているが皮に包まれていた。藍にしてもらったり、本で得た知識をもとに、まずは先から舐めていく。
「こうすれば気持ちいのか?」
「うぅ・・・あぁあ・・・そう、裏とか、されると・・・はぁはぁ・・・きもちいの」
「こうか?」
「ひゃっ!?上手上手。私も、気持よくするね」
藍は私のペニスを舐め回す。後はたまに声を漏らす以外は黙々とペニスを舐め合った。藍は小さな舌で丁寧に裏筋やカリの裏など気持ち良い所を責めてくる。私も慣れない舌使いで皮の被った亀頭をほじってみたりした。続けるにつれて、唾液と混じって変な味をさせる。
「なんか先から変なのが出てる。藍、もしかしてお漏らし?」
「うぅ、ち、違うの!カウパーって言ってね。気持ちいいと出るんだよ。君の先っぽからも、ちょっと出てきてるよ」
「もっと舐めればきもちいいんだな」
「そ、そう・・・あぁん!ひぃう!」
私はカウパーの出ている亀頭に舌を集中させて、それを舐めとって全体に広げる。藍も負けじと私のペニスを小さな口の中に深く入れ込んだ。
「うぅ・・・むぅ・・・ふー」
自分と違い、藍のご奉仕はかなり上手だった。しかし、先に達したのは藍の方だった。
「あぁっ!?出る!出ちゃう!」
口の中でペニスがブルリと揺れて、中から苦いものが出てきた。勢いはなかったが、いきなり喉の奥に吹きつけられたので、思わずむせ返ってしまう。
「ゲホッ、うぇえ・・・これが藍の精液か?」
「あぅ・・・うん。本当はキミと一緒にイきたかったのに・・・」
藍は少し残念そうな表情をした。藍の傍らには藍の唾液で濡れた私のペニスが、夕日に当たってテカっている。
「君の、まだ元気だね。じゃあ、こっちで気持ちよくなろう」
藍は私に尻の穴を向けてつきだした。小さな白い桃の割れ目に、穴が見える。
「大丈夫か?こんなの入れても」
「うん。一つになろう?」
藍は哀願して言う。見返りざま、斜め後ろからの唇と、媚びるような目に誘われるままに、私はイチモツを藍の尻穴につきたて、ゆっくり挿入する。
「ふぁっ!・・・は、入って・・・るっ!君のが・・・」
「うっ、きっつい・・・」
ミシミシと音を立てながらきつくしまった藍の直腸へと、私のペニスが入っていく。蒼で妄想したのと同じだ・・・せっかく藍と一つになるのに、そんなことが思い浮かんだ。
「最低だな・・・」
「どうしたの?」
「なんでもない・・・動くぞ」
キツキツの肛門を、私のペニスが動く。かなり締まっているせいで、手で藍の腰をしっかり掴まないと動かない。
「なんかきつそうだが、大丈夫か?」
「ぅああぁう、痛いっ・・・でも、きもちい・・・大丈夫だよ」
ペニスを食いちぎられるのではと思うほどきつい腸圧で痛いのは私の方だ。しかし、互いの愛を確かめるために、私は藍にキスしながらペニスを突き上げ続けた。
「ふあぁああ、大丈夫っ・・・あぁっ!」
「くっ、出るぞ!」
元々いきり立っていたペニスはあっけなく弾けた。藍の直腸に精液が噴き出る。
「あぁ・・・出たね」
「そうだな」
私達は心も体も一つになった。その確証が得られて、一先ず安心して机に腰掛ける。抜き出したペニスは精液で濡れていて、窓から差し込む夕日でテカっている。それを見た藍は、しゃがみこんで肉棒についた残滓を掃除し始めた。
「すぐに綺麗にするね」
藍の舌が私のペニスを甲斐甲斐しく舐め回す感覚に、私のペニスは収まるどころか再び固くなり始めた。これでは綺麗にする前にまた汚してしまいそうだ。
(しかし、藍はどこでこんなことを覚えたんだ?)
藍の動きは、まるでどこが気持ちいいか解っているかのような、的確なご奉仕フェラであった。前戯と言い、アナルセックスといい、まるで初めてとは思えない手際である。蒼の手厚い保護のもとにある彼がどうしてそんなことを知っているのか?そう思っている私に、どうしたのと藍はフェラをやめてこちらを見上げた。
「藍、本当にお前、どうして急にこんなにエッチになったんだ?その、フェラとか・・・凄く上手いし」
「あ、うん・・・」
藍は立ち上がって私を腕で包む。耳元に寄り添い、夕日を見ている私の反対側、廊下に目を向けて、つぶやいた。
「これで君も、お姉ちゃんも・・・ずっと一緒だもん」
「え?」
直後、小さな悲鳴とガラガラと教室の戸が開く音が聞こえた。藍を引き離し、振り返る。そこにいたのは、戸惑いの表情を浮かべた蒼の姿であった。