荒かった呼吸が徐々に落ち着いたものになり、思考を取り戻していった明日香は男から逃げ出す算段を立てる。
(今はまだ逃げられない……けど……)
ホテルについてからが勝負だ。明日香はそう考えをまとめ、改めて逃げ出す決心をした。
男はホテルに明日香を連れ込むやいやな、明日香をベッドへと押し倒した。
「さて、続きをやろうか。明日香」
ホテルに到着するまでの間、明日香は男に持ち物を物色されていた。その中には当然生徒手帳もあり、明日香は男に名前を知られてしまっていた。
「ま、待って……」
明日香はあくまで優しく男を押し返す。
「そ、その前に、シャワーを浴びさせて……」
「そんなのどうでもいいじゃねえか」
男は構わず明日香へと近づく。
「お願い。さっきまで外でしたから、汗かいて気持ち悪いの……」
明日香は、上目遣いで男に懇願する。内に秘める男への不快感をみじんも感じさせない素晴らしい演技である。普段から学生とエージェントの二重生活を送っている彼女にとって、己の本心をひた隠しにし笑顔で応対するのはお手の物であった。男はしぶしぶ明日香の提案を了承する。しかし、男は明日香に条件を突き付けてきた。
「なら、ここで脱いで行け」
男の提案に明日香の思考はほんの一瞬フリーズした。ここで脱ぐことの意味も、男の真意もさっぱりわからなかった。
「わかったわ」
そのくらいなら問題ないと、明日香はベッドから起き上がり男に背を向けた。
(ほんとはこんな奴の前で肌を晒したくないのだけれど……)
明日香は制服のファスナーに手をかけ、服を脱ぎ始めようとした。
「待て!」
男に止められて明日香は振り返る。
「よく見えないだろうが。こっちを向いて一つ一つゆっくり脱ぐんだ」
ようやく合点がいった。どうやら男は明日香にストリップショーをさせるつもりらしい。明日香はしばし考える。男の前で肌を晒すのは嫌だが、その提案は時間をかけるといった点では自分にとっても都合がいいように思えた。
「わかった」
明日香は男の方へ向き直る。
「じゃあ、まずその上着から脱いでもらおうか」
明日香はなるべく男の視線を意識しないようにしながら、ゆっくりと上着のファスナーを下ろした。明日香のピンクの可愛らしいブラジャーをまとった胸があらわになり、男は感嘆の声を上げる。
「可愛らしいブラジャーつけてるじゃないか」
明日香は上着を完全に脱ぎ、足元へと落とす。
「やっぱ、なかなかの巨乳だな。さっきはよく味わえなかったからな、後でたっぷり愛してやるぜ」
男のセリフに、明日香は無意識の内に胸の前で手を組み少しでも肌を隠そうとした。
「隠すなよ!」
言われて初めて自分が腕を組んでいることに気づいた明日香は男によく見えるように腕組を解いた。
(これは……思ってた以上に恥ずかしい……)
このことは明日香自身にとって、あまりに予想外のことであった。ただ男の前で服を脱いでいるだけなのに、ここまで恥ずかしいとは思はなかった。
「肌もスベスベで綺麗だな」
男の言葉はどんなものであれ不快でしかなかったが、明日香の胸の奥で被虐心がくすぐられる。
「つ、次はどうすれば……」
まだ服を一枚脱いだだけなのに、明日香はすっかり動揺していた。はじめは体力を回復させるためにできるだけゆっくりと時間をかけて脱ぎたいと考えていたが、今では早く脱いで男の前から立ち去りたいと考えていた。
「まあ、そう慌てるな。次はそのスカートだ」
言われて明日香はスカートのベルトを外し下ろす、下着だけの格好となった。
「なんだ? 可愛いパンツでも履いてるかと思えば白く汚れてるな。どうしたんだ?」
男にニヤついた声に、明日香は一瞬だけピクリと動きを止めた。確かに明日香のピンク色のパンツはちょうどアソコの部分が白くなっていた。
(誰のせいだと思っているのよ)
明日香は心の中で男に悪態つき、何事もなかったように立ち尽くす。
「次は?」
「まあ待て。わかっちゃいたがやっぱいいケツしてんな。こっちも揉みごたえがありそうだ。それによく引き締まった脚だ。しゃぶりたくなってくる」
男の感想に胸がぞくぞくする。明日香を言いようのない不快感が包み込む。
それから明日香が一枚服を脱ぐごとに、男は勝手な感想をのべ続けた。そんなやり取りを繰り返し、ついには明日香は生まれたままの姿となった。
「ね、ねぇ、もういいでしょ」
一糸まとわぬ姿となった明日香は、恥ずかしさから早く男の前から離れたい一心だった。
「まだだ。そのまま後ろを向け」
「え!?」
明日香はドキリとする。明日香は男の視線を意識するのは嫌だったが、それ以上に男から目を離す事が怖かった。後ろを向いた瞬間、襲いかかってくるんじゃないかという考えが明日香の胸に渦巻く。
「どうした? 早く背中を向けろ」
明日香に拒否権はなかった。ビクビクと胸を震わせながらゆっくりと後ろを向いた。しばし訪れる沈黙。男は明日香の予想に反して何もしてこなかった。それどころか一言もしゃべらなかった。
「も、もういいかしら?」
男は答えず、ひたすら沈黙。何も答えない男の舐めるような視線がいやらしく、ただ嫌だった。胸の鼓動が早くなる。これなら不快な言葉をかけられていたほうがまだましだとさえ思えた。
「よし。いいぞ。シャワーでも何でも好きなだけ浴びてこい」
男の言葉に明日香はホッと胸をなでおろし、浴室へと向かった。早く立ち去りたい一心の明日香は、自分の心が僅かに火照っていること、そして明日香を見送る男の目がいやらしくニヤついていることに気づかなかった。
ジャーっとシャワーの流れる音だけが聞こえる。、身体の不快な感覚は、いくらシャワーを浴びたところで洗い流してくれず残ったままだった。明日香はただ服を脱ぐだけの行為に随分と時間をかけさせられてしまった。しかし、だからこそ明日香の体力を回復させるのに十分な時間はとれた。先ほどまで、服を脱いでいる最中は明日香の身体に男の注目が集められていたためになかなか動き出せなかったが、今なら隙をついてサイフォンを取り返すことができそうだった。明日香のサイフォンは男に取り上げられていた。サイフォンさえ取り返せれば術式を使って逃げ出すことくらい簡単にできる。明日香はそう考えた。
明日香はふと自身の股間に手をのばす。アソコがまだヒリヒリしている。アソコの痛みと膣内に射精されたという事実に改めて身体を震わせ、涙を流す。
(もう、絶対に好きにはさせない)
(絶対に逃げ出してやるわ……)
明日香はそう固く決心し、浴室を出てからの反撃を頭の中でシミュレートしていた。
ガチャリ。
(!?)
突然背後で鳴った音に明日香は驚き振り返る。浴室の扉が開けられ裸の男が入ってきた。
「な、なんで……」
「せっかくだから、洗うの手伝ってやろうと思ってな」
男がニヤニヤしながら明日香へ近づく。
「こ、来ないでっ……」
男は構わず明日香の身体に背後から抱きついた。
「ん……ふぁ……はぁ……」
背中から抱きつかれた明日香は男にされるがまま身体を洗われていた。まさか浴室に入ってくるとは予想していなかった明日香は簡単に組み敷かれた。そして、ボディソープで身体をヌルヌルにされた状態で全身を弄られた。
「ふ……あ……や……ああ……」
首、脇、胸、お腹、太もも。明日香は指先から足の指の間まで、全身をくまなく愛撫された。身動ぎしようとしても、簡単に抑えこまれてしまう。明日香が身体を動かすたび、背中に密着した男の身体が擦れ、それさえも快感に変わってしまう。
「はぁ……も、もう……やめて……」
「明日香がせっかく俺のために身体を綺麗にしてくれるんだ。俺も手伝ってやらないの申し訳ないだろう」
男はクスクスと勝手なことを言いながら、明日香の身体を弄り続ける。男の愛撫は、屋外でのそれと違い優しいものだった。明日香がもう逃げられないとわかっているのだろう。無理やりすることなく、明日香の快感を引き出すかのような動きに変わっていた。
(せっかく逃げる方法を考えていたのに、これじゃあ……)
明日香の計画は男が浴室に入ってきて愛撫を始められた瞬間にすべて崩れ去っていた。浴室を出てから勝負をかけようと思っていた明日香は結局、後手に回って閉まっている。
「はぁ……はぁ……!」
ヌルヌルとした感触に明日香の思考が奪われる。男のどこか焦らすような優しい愛撫は甘い官能を与え、明日香を徐々に追い詰めていった。
「そういえばココもよくあらわないとな」
男の手が明日香のアソコに伸びる。
「だ、だめっ!」
明日香は一番感じる部分を触られることへの恐怖に抵抗しようとするが、全身ヌルヌルの状態では意味をなさなかった。
「んんん!」
膣に指を入れられた明日香は身体を震わせる。
「これからまた使わせてもらうんだ。中の精液もかき出して綺麗にしないとな」
そう言ってクチュクチュと膣内をかき回す。ウネウネとした動きで男は愛撫を執拗に行った。
「んむ……ああ……やああ……」
男の指使いが徐々に激しくなる。
「いきそうか」
「ん……いやあ……あああ……」
それにあわせて明日香も身体をビクビクと震わせる。
「や……あぁ……ああああーーーー!」
明日香は背筋をピンと張り絶頂の快感を味わわされた。
ボディソープによる泡攻めの後にはシャワーによる愛撫が待っていた。男はもう明日香を拘束していない。イカされて力なくうなだれる明日香にシャワーを当て、泡を洗い流してやる。
「あんっ……」
時折、乳首など敏感な部分に触れると明日香は力なく反応する。身体の上から洗い流し、シャワーの狙いは徐々に下へ。シャワーの水が明日香のアソコに触れた瞬間、明日香はあまりの快感に驚き脚を閉じて抵抗しようとした。
「あ! いゃ……やめて……」
しかし男は明日香の抵抗を許さい。力なく閉じられた明日香の脚をやすやすとこじ開け、閉じられないよう押さえつける。
「あ……んん……や……あああ」
シャワーの水圧が明日香のアソコを襲う。
「ああ……ん……やぁ……」
断続的に与えられるアソコへの振動に否が応でも快感が高められる。明日香の身体が再び痙攣し始める。
「や……あ……んんんん!!!」
明日香は股間にシャワーを当て続けられ絶頂を迎えた。
風呂場でぐったりとする明日香を男は抱え上げ、男はベッドへと運びこんだ。
浴室をでたら逃げ出すつもりだったのに。与えられた快感は明日香の思考を完璧に蝕んでいた。風呂場を出たらどうやって逃げようとかあれこれ考えていたはずなのに、一つも思い出せなかった。もっとも思い出せたところで、実行することは不可能な状況だった。
「ふぁぁ……」
男はベッドへ寝かせた明日香の胸をもみ始める。
「さっきは無理やり入れちまったが、今度はちゃんと明日香も感じられるよう開発してやるよ」
男は明日香の乳首を舌で舐めた。
「ひゃ……」
明日香のピンと張った乳首を舌で転がし、時折吸う。
「くっ……んっ……あっ……」
明日香の身体はビクビクおもしろいように反応する。それが楽しくなり男も、胸をもみ、乳首を転がし、弾いいたりして明日香の身体を楽しんだ。まだ時間はたっぷりとある。男は明日香の全身をすみずみまで愛撫した。
「んん……あっ……はぁん……」
明日香は男の愛撫にくねくねと悩ましげに身体をひねらせ、与えられる快感と戦っていた。明日香は、風呂からでたらすぐ挿入されると思っていた。その点はホッとしていたのが、時間をかけて愛撫され自身の身体からこみ上げてくる快楽に戸惑っていた。
(なんで、こんなに……あっ!)
男が明日香のクリトリスを舐めあげる。明日香はM字に脚を開かされ、アソコをクンニされていた。明日香のアソコはもうぐビチョビチョに濡れていた。
「どうだ。気持ちいいか?」
「あっ……んん……あああ……」
男の舌が膣内を出入りする。
(気持ちいい……)
口では決してその言葉を認めないが、心の中ではもう快楽に素直になっていた。もちろん男に身体を触られるのは嫌なのだが、次々と襲う快楽の波が明日香を従順にさせていた。時間をかけた愛撫でほぐされた明日香の身体はとろけきっていた。
やがてその時はやってくる。男が挿入の体勢にうつる。明日香は男のペニスに再び恐れをいだいた。いくら身体が快楽に屈しても挿入だけは嫌だった。しかし明日香にもはや抵抗する力は残っていない。先ほどの処女喪失の恐怖が身体にフラッシュバックする。
「入れるぞ」
(!!)
明日香は恐怖から目をキュッと瞑った。
「んんんんんっ!」
男のペニスが明日香の膣内を一気に貫いた。明日香は身体をビクンと震わせる。その瞬間今まで感じたことのないような快感が明日香の身体を駆けめぐる。明日香は驚き戸惑う。初めてを奪われた時、痛みしか感じなかったはずのペニスの挿入。同じペニスを入れられたはずなのに痛みが全くない、むしろ快感だけが明日香の身体中を駆け巡った。明日香のとろけきった膣は男のペニスの存在を感じる余裕さえあった。
「どうだ。気持ちいか、明日香」
そう言って男は腰をゆっくり動かし始める。
「んっ……あっ……やぁ!」
明日香はいやでいやでたまらない男のペニスで感じさせられる。
「たまんねえな、お前のなか。時間をかけてほぐしてやったかいあったぜ。」
「んん……あん……あっ……あっ!」
男が一突きするごとに明日香にピリピリとした甘い痺れが訪れる。
「や、あ、だめ!」
「ダメじゃなくて気持ちいいんだろ」
男がペニスを強く打ち付ける。
「ああんっ!」
明日香にとって何もかもが快感だった。人の身体は一晩でここまで変えられてしまうのかと恐怖した。
(だ、だめ……もう何も……)
明日香の顔はすでにとろけきっている。その顔を見ただけで男はもう満足だった。男の腰使いが徐々に早いものになる。
「いや、あん、んっ、んっ!」
もう快感の波を止められない。
「んっ、んっ、ああ!」
だんだんと快感の波がせり上がってくる。
「いや、くる! や、あっ、あっ!」
「よし、そのままイケ!」
男が明日香の奥をひときわ強く打ち付ける。
「あん! やっ! あっ! ああああああああーーーーーーっ!」
明日香が絶頂に達すると同時に男は精を膣内にぶちまけた。
それから、明日香は男が満足するまで何度も何度も犯された。明日香は犯されるを望んでいなかったが、胸を揉めば感じ、ペニスを入れられれば喘ぎ声を漏らす、そんな身体になっていた。気が付けばもうすっかり明るくなっていた。
「最高だったぜ。明日香のなか」
ベッドの上で未だ呼吸を荒げている明日香に向かって声をかけた。
(もう、何も考えたくない……)
そんな明日香の横へ男はサイフォンを投げよこす。明日香の頭は未だグルグルと混乱しており、その物体が何なのかわからなかった。
「お前のサイフォンにアドレス送っておいたから、後で送り返しておけよ。」
そう言われて、ようやくこれが自分のサイフォンだとわかる。
「まぁ、送らなくても学園まで迎えに行ってやるがな!」
男はゲラゲラと笑っていた。明日香は思い道理にならない身体を必死に動かし、サイフォンに手を伸ばす。
「お、今すぐ送り返してくれんのか? よほど俺のペニスが気に入ったようだな」
男の声は明日香に届かない。もうすでにこの男に散々感じさせられ、犯されてしまった。今となってはもう遅すぎるかもしれない。しかしそれでも明日香はこの男に一矢報いたかった。
「……イレイズ」
明日香は今にも消え入りそうな声でそうつぶやく。明日香が記憶消去の術式を発動させた瞬間、男はその場に倒れた。
明日香は明るくなったばかりの道をトボトボと歩いていた。グリードと戦うために鍛え上げたこの身体を、まさかただの不良に好きにされるとは思ってもみなかった。先程までの陵辱劇を思い出し恐怖と快楽に再び身体を震わせる。
(今日のことは忘れよう)
そう自分に何度も言い聞かせながら、明日香は下宿先のコーヒー店へと帰っていった。