※この作品はR-18です。

この素晴らしいぼっち娘と性活を!   作:ろくでなしぼっち

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奉仕プレイ 前編

「ジハードは寝付いたか?」

「はい。ハーちゃんの寝付きはいいほうですから。うるさくしなければ起きないと思います」

 

 夜。月明かりだけに照らされる宿の部屋。窓際にあるテーブルに座っている俺のもとに寝巻き姿でやってきたゆんゆんはそう言って俺の隣に座る。

 

「お前、対面も空いてんだからそっち座れよ。話しにくいだろうが」

「いいじゃないですか。二人っきりの時くらいしか恥ずかしくて甘えられないんですから」

 

 俺の肩に頭を預けてくるゆんゆん。くすぐったい感触と甘い女の匂いは安心させるようなドキドキさせるような微妙な塩梅で、妙な気分になる。

 その絶妙なバランスが少し崩れればきっと俺はこいつを襲っちまうわけで、ジハードが近くにいるこの状況じゃ正直やめてほしんだが…………まぁ、いいか。こいつがこんな感じでいい出した時は俺が何言っても曲げねぇし。

 嫌なわけでも欠片もねぇしな。

 

「飲み物はどうする?……って言ってもネロイドと酒しか用意してねぇけど」

「えっと…………たまにはお酒をもらいましょうか」

「はいよ……酒二つっと」

 

 二つのコップに酒を注ぎ一つをゆんゆんの前に置き、一つを手に持つ。

 

「んじゃ……今日もレベル上げおつかれさん」

「お疲れさまです」

 

 ゆんゆんがコップを持ったのを確認した俺は、そう言ってゆんゆんのコップと自分のコップを合わせて小さな音を鳴らす。

 

「けど、お前が酒飲むなんて珍しいな」

 

 爆裂娘に対抗するときくらいしか飲んでるイメージなかったんだが。

 

「私だってもう大人の女性ですからね。……それに、ダストさんと一緒にお酒を楽しめるようになったら嬉しいかなって」

 

 ……生真面目な優等生だったこいつも丸くなったもんだ。確かにこの角の取れた丸い印象は大人の女性と言っていいかもしれない。

 

「それで、ダストさん。改まって話がしたいって何の話ですか?」

 

 ちびちびと酒を飲むゆんゆんがそう聞いてくる。

 

「おう、明日の夜、また地獄に行くだろ? その件でちょっとな」

「? 何か問題があるんですか?」

「別に問題が起きたとかそういう訳じゃないんだが…………明日のプレイについては先にお前に説明しとかないといけないと思ってな」

 

 明日やろうとしているプレイは、直前に言っても上手く行かないかもしれないし、上手く行ったとしてもど(・)こ(・)ま(・)で(・)やっていいのか話し合っておく必要がある。

 

「別にダストさんの思うとおりにやってもらって大丈夫ですよ? 私はそれを受け入れられるように頑張るだけですから」

 

 ……明日やるプレイが単にハードだってだけならそれでいいし、俺もこうして話そうとまでは思わなかったんだがな。

 

「あのな、ゆんゆん。俺はお前をエッチな女に変えたいとは思ってる。でも、それが一方的なものじゃ嫌なんだよ」

 

 俺が調教してゆんゆんがそれを受け入れて……そうして変わっていくのならいい。でも、俺の調教で無理やりゆんゆんを変えてしまうのは嫌だ。

 

「…………とりあえず、ダストさんの話を聞きましょうか」

 

 そう言ってゆんゆんは俺の顔をしっかりと見つめてくる。

 その真っ直ぐな視線から逃げないように気合を入れて俺は口を開く。

 

 

 

「なぁ、ゆんゆん。『催眠術』って知ってるか?」

 

 

 

 

 

 前に地獄へ行った時。ゆんゆんとノーマルなプレイをして適当にピロトークをした後。俺は約束通りリリスにありとあらゆる性の知識を教えてもらった。

 あの店にある性グッズの使い方から、媚薬の調合の仕方や性魔法など本当にありとあらゆるだ。性魔法など俺自身では使えないものもあったが、プレイの参考にはなったし、性魔法に関してだけなら、そのうちスキルポイントが余りだすゆんゆんに覚えてもらってもいい。

 とにかくリリスの知識のおかげでプレイの幅は格段に上がった。

 

 そんないろいろな知識の中で俺でも使えて便利だと思ったものが催眠術だった。

 

 

「体の動きや感覚の操作から始まり、果ては認識や感情、記憶の操作まで出来る『無意識』を操る技術ですか…………なんだか魔法みたいですね」

 

 俺のざっとした催眠術の説明を受けてゆんゆんはそんな感想を持ったらしい。

 

「確かに結果だけ見れば魔法みたいだよな。ただ、魔法やスキルと違って催眠術はちゃんとした知識さえあれば誰でも出来る。……まぁ、条件さえ揃ってればって但し書きがつくが」

 

 だから俺が催眠術をかけようと思ってもかけられるのは多分ゆんゆんだけだ。便利ではあるが万能ではないってのが俺の催眠術に対する感想だ。

 

「誰でも出来るっていうのはなんだか怖いですね…………その条件っていうのは?」

「細かい条件をいい出したらキリがないが大きな条件は二つだな。被術者がリラックスしていることと、被術者が施術者のことを信頼していること。この二つが揃っていればちゃんとした知識があれば誰でも出来る。…………もちろん被術者が催眠術にかかってもいいって前提の前提の上でだがな」

 

 二つの内どちらか片方だけだったら知識があるだけじゃ難しいだろう。それを覆すには確かな経験が必要だ。二つともなければいくら技術や経験があっても不可能に近いし、二つ揃っててもそもそも催眠術にかかりたくない相手にかけるのは現実的じゃない。

 だから俺がかけられる可能性があるのはゆんゆんだけで、そして今話しているのは、明日直前で話しても成功しない確率が高いと思ったからだ。

 

「じゃあ、知らない相手に催眠術をかけられて操られるってことはないってことですね。……少し安心しました」

「おうよ。かかりたくないって思ってたら絶対に催眠術はかからない。それだけは間違いねぇよ。そもそも催眠術にかかるまでにどんだけ時間かかると思ってんだ。かかろうと思ってなけりゃ逃げるなり消し炭にするなりなんでも出来るっての」

 

 ……これは限りなく本当に近いウソだ。催眠術にかかりやすい相手なら催眠術が上手い奴……リリスとかなら、かかりたくない相手でもかけることは可能だろう。身体の操作までなら瞬間的にやれる催眠術もある。

 だが、俺の見立てじゃゆんゆんは芯の強い催眠術がかかりにくいタイプだし、瞬間的にやる催眠は心の隙を利用するもので冒険者として経験を積んでるゆんゆんには使えない。ゆんゆんに関してだけ言えば本当だと言っていいだろう。

 

「うーん…………今のダストさんはなんだか難しいこと考えてる顔です。お陰で嘘か本当か見分けが……。まぁ、いいです。そっちの方が安心できますしダストさんの言葉を信じます」

 

 普段は嘘か本当か表情で見分けがつくのか。もうずっと苦虫を噛み潰した顔しててやろうか。

 

 

「……で、どうだ? 明日のプレイじゃ催眠術を使ったものをしようと思ってる。お前はそれを受け入れてくれるか?」

 

 両手でちびちびと酒を飲みながら考え込んでいるゆんゆんに俺はそう問いかける。

 俺には相手の表情から考えを読むなんて芸当出来ないから言葉を重ねるしかない。

 

「…………。正直、怖いです。ダストさんがどうしてもかけたいと言うなら受け入れようと頑張りますけど。……私の知らない私が操られて、私自身になってしまうんじゃないかって」

「…………だよな」

 

 俺だって自分にかけられるというなら怖い。ゆんゆんならまだ受け入れようと思うが、他人にかけられるなんてまっぴらゴメンだ。

 

「ごめんなさい。ダストさんのこと信じてるのに…………どうして私は怖いなんて思ってしまうんでしょう」

 

 うつむくゆんゆん。

 

「ばーか。そこまで無条件に受け入れるようならそれは信頼とかじゃなくて盲目っていうんだよ」

 

 その下ろされた綺麗な髪をぐしゃぐしゃにしてやりながら俺は続ける。

 

「少なくとも俺は盲目になってる相手を信頼できねぇ。……目が見えないって意味じゃねぇからな?…………とにかく、お前はそれでいい。好きだからってなんでも受け入れるような都合のいい……チョロいお前を俺は好きになったんじゃねぇからな」

 

 と言うかこいつ、俺に対してだけは本当にチョロくなかったからな…………チョロいこいつに惚れるわけがない。

 

「……またダストさんがイケメンなこと言ってる…………似合わないなぁ」

「…………相変わらず一言多いなこの毒舌ぼっちは」

 

 ジハードが寝てなきゃ表に出させて折檻だぞ。

 

「……一つだけ聞いてもいいですか? どうして私に催眠術を使いたいんですか? リリスさんの知識は何も催眠術だけではなかったんですよね?」

 

 飲んでいたお酒を机に置き、またまっすぐと俺を見つめてくるゆんゆん。

 

「……まぁ、大きな理由としてはお前の負担を減らすためだな。この間のノーマルプレイで分かったと思うが、どんなにお前が受け入れようと思っても『無意識』まで受け入れるようになるのは難しい。そのズレが辛さを生む。催眠術を使えばその負担は最小限になるはずだ」

 

 意識と無意識のズレが大きくなりすぎれば人は壊れちまう。催眠術を使えば無意識を意識と同じ方向に変える事ができるからそれを防ぐことが出来る。

 …………裏を返せば催眠術を何度も悪用すれば人を壊すことも可能ってことだ。ゆんゆんが怖がるのも当然だろう。医者の治療だとしても腹を切られるとしたら信じようが信じまいが怖くなってしまうものだ。それが初めてだと言うなら特に。

 

「…………あれをノーマルなプレイだとは認めませんけど、確かに途中きつかった気がしますね。気持ちいいのに苦しいっていいますか…………その後は純粋に気持ちよかったですけど」

 

 やってることはノーマルなはずだけどなぁ……なんでこいつ認めないんだろう。

 

「私の負担を減らしたいって理由はわかりました。でも、他にも理由があるんじゃないですか? ダストさんの様子を見る限りダストさん自身も催眠術にそんなに乗り気じゃない気がするんですけど」

 

 …………俺そんな分かりやすいか? いや、確かにポーカーフェイスからは程遠いだろうけど。なんでこんなに見抜かれんだよ。やっぱ苦虫を噛み潰した顔してねぇといけないのか。

 

「…………まぁ、その、あれだな。俺の性癖とお前のこの間のお願い、両方満たすためには催眠術が一番現実的だったっていうか……」

「私のお願い……? あ、もしかして私が『フェラチオ』したいって言ったの覚えててくれたんですか?」

「…………そうだよ。単にフェラチオさせるだけじゃ俺の性癖満たせないけど、催眠術と一緒なら満たすことも可能だから。……お前が奉仕したいって気持ちがなければ俺も催眠術なんて使おうと思わなかったんだが」

 

 基本的に俺の性癖は女が気持ちよくなってる所が見たいわけで奉仕系のプレイじゃ全く満たされない。だから俺的にはゆんゆんには俺の攻めに喘いでもらってりゃそれでいいんだが、それは俺の都合であってゆんゆんにだって気持ちがある。……その気持ちも無視しちまえば俺は俺の嫌う貴族そのものになっちまうからな。

 

「……もう、そういうことは最初に言ってくださいよ。初めにそう言ってくれてたならもっと簡単に受け入れられたのに」

 

 大きなため息を付いてゆんゆんは言う。

 

「ってことは…………催眠術を使っても大丈夫ってことか?」

「使う理由がダストさんの性癖からじゃなくて、私がお願いしたからってことなら大分受け入れやすくなりますよ。……正直ダストさんの性癖はまだ私には未知すぎて受け入れきれてないですから」

 

 …………まぁ、だから調教してやるって話になってるからな。そりゃそうだ。

 

「でも、一つ…………いえ、二つだけ約束をしてくれませんか?」

「おう、なんでも言ってくれ」

 

 約束というのは催眠術に対する制限というか、これはしないでくれというものだろう。

 

「一つは行為中……というか催眠術にかかってる間の記憶を奪うことは止めてください」

「当たり前だよな。てか、記憶奪ったらお前のことからかえないし」

 

 同意の上で催眠術使うんだから記憶奪う理由が全く無い。それどころか楽しみが減る。

 

「…………なんでからかう前提なんですか」

「行為中の乱れっぷりをからかった時のお前の反応が可愛くて面白いから?」

 

 最近こいつの尻に敷かれてること多い気がするし、貴重な逆転タイムだ。

 

「…………私は怒ればいいんですかね? 喜べばいいんですかね?」

「俺に聞くな。…………んなことより二つ目は何だよ」

「ハーちゃんが寝てなければ表で決着付けてる所ですよ」

 

 はぁと息をついてゆんゆんは続ける。

 

「…………二つ目は、私の感情を変えることだけはやめてください。それだけは何をどうしても耐えられそうにないんです」

「……分かってる。それだけは絶対にしねぇよ」

 

 むしろ、それは俺が耐えられないかもしれない。

 

「なら、後は大丈夫だと思います。なんかダストさんと話してて反応見てたら安心してきましたし…………って、なんでそんな苦虫を噛み潰した顔してるんですか?」

「知るかよ」

 

 なんでもかんでも見通した風に言いやがって。お前はバニルの旦那かっての。

 

「くすっ……もしかして私に考えてること筒抜けなのが悔しいんですか? そういう所ダストさん可愛いですよね」

 

 ……ぼっち娘の分際で余裕見せやがって。明日は覚えとけよ。

 

「あ、もう、ダストさん。そんなに一気にお酒飲んだらダメですよ。飲むならゆっくりです」

 

 やってられねぇとばかりに酒を煽ってたら俺のコップをゆんゆんが奪う。

 

「夜の酒くらい好きに飲ませろよ。ただでさえ昼間は飲んでねぇんだから」

「昼から飲んでるとかダメ人間一直線ですからね。ダストさんのこと更生させるって決めてる私が許すわけないじゃないですか」

「ちっ…………わーったよ。ゆっくり飲むからコップ返せよ」

 

 こいつと付き合ってたら本当に俺が真人間にさせられそうで怖い。

 

「駄目です。こういう時のダストさんは信用できませんから」

 

 どういう時ならこんなチンピラを信じられるのか謎だ。…………聞いたらこいつはさらっと答えちまうんだろうけど。

 

「じゃあ、今日はもう酒飲ませねぇってか。…………話しててあんま飲んでねぇんだけどなぁ」

 

 せめて寝酒でほろ酔いするくらいには飲みたかったんだが。

 

「別に飲ませないとは言ってないですよ? ダストさんには私のレベル上げ付き合ってもらってますし」

「だったらさっさとコップを返──んむっ!?」

 

 返せと言葉を紡ぐ前に、ゆんゆんの口が俺の口をふさぐ。それだけでもいきなりで驚きだと言うのに、ゆんゆんは舌で俺の口を開けて熱い液体を流し込んでくる、

 

「──んっ…ちゅっ。ふふっ、これならゆっくりとしか飲めないですよね?」

 

 口移しで酒を飲ませてきたゆんゆんは、頬を上気させ艶やかな笑顔で言う。

 

「…………お前、絶対酔っ払ってんだろ」

 

 ちびちびだったが、俺よりかは間違いなく飲んでるし。

 

「さぁ、どうでしょうね? だとしたらどうしますか? もう寝ます?」

 

 …………ここで寝るって言ったら男が廃るよな。

 

「そっちがその気ならいくらでも付き合ってやんよ。まだまだ飲み足りねぇしな」

 

 ただ、これだけは言わせてもらおう。

 

「お前やっぱり天然エロ娘だわ」

 

 そうして夜は更けていく。

 

 

 

 

 

 

 

「ダスト様、ゆんゆん様。ようこそいらっしゃいました」

 

 リリスの館。地獄にある見るからに淫靡な館の主は、王族や貴族の相手に慣れてる俺をして見惚れる作法で俺たちを出迎える。

 

「おう、リリス世話になるぜ」

「リリスさん、よろしくお願いします」

 

 その出迎えに俺はいつもどおり適当に、ゆんゆんは一応族長の娘らしいそれなりに丁寧な作法をもって応える。

 

 二度目となるリリスの館。前回同様、そして昨日話した通りに。俺とゆんゆんはエロいことするためにこの館を訪れていた。

 

「お二人の性の営みは私含め、店のもの全員で全力でサポートいたします。なんでもお申し付けください」

「あの…………恥ずかしいんで、場所とかを貸してもらうだけでいいです」

 

 何を社交辞令に対して真面目に返してんだぼっち娘は。というかサポートってどんな意味で捉えたんだよ。

 

「残念でございます。ダスト様とゆんゆん様が望むのでしたら、私の持てる技術全てでめくるめく快楽の楽園へと誘いましたのに」

 

 ……………………ふむ。

 

「おい、リリス。サポート頼むわ。ゆんゆんもそれでいいよな?」

「いいわけないですよ! 私がダストさん以外の人に喘がされてもいいんですか!?」

 

 それはちょっと面白くねぇな。けど、リリスの知識が凄いのは身をもって知ってるし、その知識に百戦錬磨の経験と技術が伴ってると考えれば…………俺だけでも受けられねぇかな。

 

「うぅぅぅぅぅぅぅうううう!」

 

 そんなことを考えてたのが顔に出てたのか、ゆんゆんは真っ赤な顔で俺をポカポカ殴ってくる。痛くねぇけどうぜぇな。…………可愛いけど。

 

「くすっ……相変わらずお二人は仲がよろしいのですね」

 

 そんな俺らを見てリリスは上品に笑う。

 

「リリスさんもリリスさんです! ダストさんは変態さんなんですから変な言葉で惑わさないでください!」

「あら。私に飛び火してしまいましたね。ダスト様、申し訳ありませんが、サポートはまたの機会になりそうです」

「しょうがねぇな。またの機会に頼むぜ」

「またの機会なんてありませんから!」

 

 ホントこいつはからかいがいがあるなぁ。こんだけ素直に反応してくれると面白い。

 ゆんゆんの頭をぽんぽんと撫でて宥めながら俺はそんなことを思っていた。

 

 

「はぁ……ダストさんそろそろ行きましょうか。なんかこのままここで話してたらエッチなことする雰囲気がゼロどころかマイナスになりそうですし」

 

 既にマイナスだと思うが…………まぁ、俺達がエロいことする時は大体マイナスになってからのスタートな気がするしどうでもいいか。

 

「ゆんゆんは先行って風呂でも入ってろよ。俺は少しだけリリスと話していくからよ」

「…………話ってなんですか? 浮気とかだったら流石に見過ごせないんですけど」

「お前がいるのに浮気なんてしねぇよ。どうせするならお前も含めて3Pだっての」

「…………わりと毎日思ってる気がするんですけど、ダストさんて最低ですよね」

 

 否定はしない。

 

「んー…………まぁ、大丈夫かな? 早く来てくださいね?」

「おう。お前が待ちきれずにオナニー始める前までには行くぜ」

「そ、そんなことしませんから! ダストさんのバカ!」

 

 恥ずかしそうに顔を赤くしてゆんゆんはプレイルームへ走っていく。

 …………適当に言ったのにあの様子は図星だったのか。あいつやっぱエロ娘だわ。

 

「ふふっ…………やっぱりゆんゆん様は可愛い方ですね。食べてしまいたいです」

 

 ゆんゆんが走っていった方を見ながらリリス。

 

「言ったと思うがあいつに手を出したら戦争だからな。忘れんなよ」

「分かっております。……それに私が今一番興味を惹かれているのはダスト様ですので」

 

 そう言ってリリスは妖艶な笑みで舌舐めずりをする。…………うーむ、サキュバスに狙われるって嬉しいような少しだけ怖いような。ゆんゆんいなけりゃ素直に喜べた気もするが。

 

「ところでダスト様。私に話とはなんでしょうか」

「ん? ああ。最近地獄でなんか変わったことがないかだけ聞きたくてな」

 

 ここは地獄で俺達が普段いる世界と比べると時間の流れがかなり速い。俺達にとっては訪れてから一月も経っていないが、ここでは大きく時間が流れている。地獄という場所の危険性を考えれば、大きな事件にまきこれないためにもある程度情報を集めておいてしかるべきだろう。

 

「変わったことですか? 悠久に近い時を重ねた地獄ではそう変化と呼べるようなことは少ないのですが。…………そう言えば最上位に近い侯爵級悪魔が地上の残機を全て殺されて地獄に帰還したという話がありましたね。それくらいでしょうか」

 

 最上位に近い悪魔ねぇ…………。悪魔の怖さはついこの間も実感させられたし警戒だけはしとくか。バニルの旦那やアクセルにいるサキュバスとばっかり付き合ってると忘れそうになるが、悪魔ってのは本当に怖い存在だからな。この眼の前にいるリリスも含めて。

 

「そういうダスト様たちこそ何か変わったことはなかったのですか?」

 

 俺らの方で変わったことねぇ…………。

 

「最近大物の賞金首倒したり、拾いもん貰ったりしてまとまった金が入ってよ。それで旦那に空飛ぶ城造ってもらってパーティーで移り住むことになった」

 

 城が出来たのはちょうど今日の話だ。今回のプレイが終わって地上に戻れば引っ越しの準備に追われるだろう。

 

「空飛ぶ城……バニル様はまだあの夢を諦めていないのですね。…………なんにせよ、拠点を持たれるのば喜ばしいことです。おめでとうございます」

「おめでとうじゃないっての。俺は炊事洗濯しなくていい宿暮らしが気に入ってたってのに」

 

 そりゃ馬小屋生活よりかはマシだし空飛ぶ城ってのはなくした少年心くすぐられるけど。冷静に考えるとこれから面倒にな生活になるのは見えていた。

 世話好きのゆんゆんだけならともかくリーンも一緒なら俺も洗濯とか掃除をやらされるに決まってる。ゆんゆんも俺を更生させるって宣言してるし、十中八九そうなるだろう。

 

「…………なるほど。炊事洗濯ですか。それは大変そうですね」

 

 ? いまリリスの目が一瞬鋭くなったような…………気のせいか?

 

「けれどダスト様。一番の変化は拠点を持たれたことよりも、その指輪なのではありませんか?」

「あー…………気づいたか」

 

 まぁ、隠してないからそりゃ気づいてもおかしくないが。

 

「もちろん。ゆんゆん様の左手の薬指にも同じ指輪が気づいております。婚約なされたのですね」

「うーん……そう言っていいかは微妙なんだがな……」

 

 ただ、あ(・)い(・)つ(・)はそう思ってるだろうし、事実上の婚約と言っても間違いではないのだろう。俺にそう言うつもりが全くなかったかと言われれば違うし。

 問題はプロポーズなしのそれを婚約と言っていいのかどうかだ。

 

「まぁ、婚約しようがしまいが俺らのやることは変わんねぇからよ。よろしく頼むわ」

 

 ここじゃエロいことしまくる。それだけだ。

 …………というか、婚約のことは別にしてもゆんゆんの両親に挨拶いかねぇとやばいよなぁ。

 

 ちゃんとした婚約前にエロいことしまくってる事実がバレないことを祈る俺だった。

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