晴人がやべぇ……
前に魔力を無くした時もかなりキてたけど今回はさすがに耐えられねぇかも
でもオレだってまさかコヨミちゃんがあんなことになるなんて考えてねぇし
知らされた時はショックだった。
けどコヨミちゃんが死んだって聞いたそのショックより、その時の晴人の目のほうがショックだったかもしれない。
晴人気づいてるか?
おまえ死んだような目をしてるんだぞ
二階に引きこもった晴人を追いかけてオレも部屋に入る。
そしたら晴人はベッドに座ったまんま、オレを見ようともしなかった。
それだけで胸のどっかがズキズキする
晴人はやっぱりコヨミちゃんのことが大事なのか
前のオレならきっとこんなこと考えなかった
男にこんな気持ちを持つなんてありえねーって思ってたからな
けど今のオレは……魔法も使えねぇし、晴人の力にもなってやれねぇ
前に晴人が「いてくれて良かった」って言ったのは、オレがキマイラを飼ってたからだろ?
晴人の隣に座って何か笑わせてやろうと思ったけど、なんの言葉も浮かばない。
「晴人……あのな……」
オレに何ができるのか。そう聞こうとしたんだが、なんでかオレは晴人をベッドに押し倒していた。
晴人の上に覆い被さってその顔を眺める。
「コヨミちゃんがいなくなって寂しいのはおまえだけじゃないんだぞ」
精一杯の強気を込めて晴人に言葉をぶつける。
「だからオレから晴人まで奪うなよ」
ぶっちゃけオレも何を言ってるのかわからねぇ
けど絶望がオレから晴人を奪っちまうんじゃないかって、その時はすげー思ってた
「晴人、オレは晴人のこと……」
「……みなまでいうな」
顔を近づけてささやくオレの口に晴人の指が当たった。
「好きなのは、俺のほう……だからな」
今日はじめて晴人の目がオレを見た。
それだけでオレの胸のどっかが安心したように暖かくなった。
だからじゃねぇけどオレの全部で晴人を慰めてやれたらって思ったんだ
オレの中の暖かいものを晴人にやれたら……
「晴人……」
晴人の手をつかんでどかせたオレは全力で勇気を振り絞った。
晴人の口に触れたのは一瞬のつもりだったけど、すぐに後頭部を押さえられる。頭を引き寄せられてまたキスすると、目の前に晴人の楽しげな顔がある。
「ごめん」
なんであやまるんだって、質問は喉を通らなかった。
「…なん………っぁ!」
身体を引き寄せられて首筋を甘く噛まれて全身が痺れる。
晴人は慣れた手でオレの服を緩めながらいろんなところに刺激を与えてきた。
「ぁ……っ、はる……」
晴人晴人晴人晴人晴人晴人……
頭の中で名前を何度呼んでも足りねぇ気がする
ぶっちゃけ晴人の上に乗って腰を振るオレはかなりダセェ
男のモンくわえ込んで喜ぶとかありえないって前のオレなら思ってただろうな
けど今は晴人のためなら何でもできる気がした
グレムリンを倒した晴人は、指輪になったコヨミちゃんを眠らせられる場所を探すための旅に出るらしい。
それならオレもキマイラを探す旅に出ようと思う
「旅先で会えたらいいな」
最後くらいはとオレは爽やかに握手で終わらせようとした。
けど繋いだ手を引いて晴人が一歩進み寄る。
「おまえの冒険は土日限定だろ?」
ささやくように言われたオレの顔がなんでか赤くなる
「だから……おまえが帰って来りゃいいだろ」
やべー顔が熱い
けど晴人はいつもと変わらない飄々とした顔だから、オレも照れるわけにいかねぇ