ある日ご機嫌なおそ松兄さんにこっそり外に連れ出され、歩きながら話を聞くに、珍しくパチンコに勝ったとのご報告。
オゴってくれるのかな?と松莉の足取りは軽くなる。
賭け事やらで儲けると、それぞれ兄たちは松莉だけを誘ってくれて、美味しいものを食べさせてくれたり何か買ってくれたりするのだ。他の兄弟には絶対内緒だよ、と言って。
「暑いから、アイス食べたいなー」
「アイスねぇ、あるかな。あれば食っていいよ」
迷いなく進み行く兄について歩くと、いつの間にかラブホの門をくぐっていた。
「えっ」
「せっかくだからちょっと高い部屋にしちゃおうか」
「えっ」
「おおー、さすがいい部屋だなー!」
「ええーっ⁉︎」
なし崩し的に、部屋まで来ていた。
「ちょっとちょっとおそ松兄さん!」
「おっあるぞアイス」
ソファにでんと座ってフードメニューなど眺めている。
「俺ビールいっちゃおうかなー」
「おそ松兄さんったら!」
ソファに立ち膝の格好になって、首も締めん勢いで迫る。
「積極的だな松莉、嬉しいけど」
「違う! なんでこんな真昼間からおそ松兄さんとラブホ⁉︎」
「だってパチンコで勝ったから」
「嫌っ、前戯ナシ男のおそ松兄さんとご休憩二時間なんて死んじゃう!」
「バカだなぁー」
にへらっと笑うと、肩を抱き込むようにして、おそ松は松莉をソファに押し倒した。
「ちゃんとするよ? 俺だって女の子の体に興味あるし」
あくまで興味というところが、やっぱり自分勝手。
間近で目を見つめながら、さわさわと胸を触ってくる。
「家だとゆっくり出来ないじゃん…松莉も声出すの我慢してるんだろ? 今日は思い切りしちゃおう、お兄ちゃんと二人きりで」
ちゅ、キスされれば、暴れる気力を吸い取られてしまう。
言われてみればちょっと魅力的な気がした。確かに家だと誰か来るかもと気が気じゃないし、声も常にセーブしている状態だ、密室で思い切りというのは悪くない。…相手が長兄だというところが少し気にかかるが。
「松莉の可愛いとこ見せてもらおっかなー」
嬉しそうに、もうスカートに手を入れて、下着を脱がそうとしてくる。
「待って待って、先にシャワー!」
暴れるが押さえつけられた。
「いいよシャワーなんて」
「良くないよ!」
昨日洗ったきりなのだ、良いはずがない。
「俺、まんまの松莉がいい…」
力ずくで押さえつけたままでスカートの中に頭を入れてきた。
「ほら、いいニオイするよー」
「ぎゃーもうバカ! やめてヘンタイー!」
恥ずかしさで訳が分からなくなって、気が付けば兄の頭を思い切りグーで殴っていた。
「殴ることなくない?」
「次に私が嫌だっていうことしたら、帰るからね!」
プンプンしながらシャワーを浴びる。おそ松も一緒に入りたがったが、拒否をした。
高い部屋だけあってお風呂場も広く、ジェットバスがついており、壁には大きなエアマットが立てかけてあった。
後でゆっくり浸かるのも良さそう。
ざっと流して出ると、脱衣カゴの前に屈み込んだ赤いTシャツに遭遇する。
「何してんの、おそ松兄さん」
分かっているけど聞いてみる。ショーツを顔に近付けていたおそ松は、ギクリと振り向く。
「…妹のパンツ漁るなんて、ヘンタイ…」
「ああそうさ変態さー」
開き直ってクンクンニオイを嗅ぐから、慌てて奪い返した。
「もうっ! おそ松兄さんもシャワーしてきてよ。その間に私、帰るけど」
「帰るなって。アイス頼んでおいたからさ」
へらへらと服を脱ぎ始める。松莉はため息を吐きながら備え付けのバスローブを持って脱衣所を出た。
おそ松は数秒でドタバタと上がってきた。松莉を見るとニヤッとしてバスタオルで体を拭き始める。
帰ってしまうのを心配したのだろう。松莉の頬も緩んでしまう。おそ松兄さんは素直だ。
ちょうどアイスとビールが運ばれてきたので、ソファに並んで座って飲み食いすることにした。
「ぷはー、昼間からビールサイコー。松莉とセックスできるしサイコー!」
裸のままソファにバスタオルだけ敷いて座っている兄を、アイスを食べながら見上げる。
「…するって言ってないけど」
「ここまで来てしなくてどーするの」
半分くらいになったビールのグラスを渡される。一口飲んで返した。苦いのでそんなに好きではない。
「だから、私が嫌だったら帰るんだから」
「…へえ…」
残りのビールを一気に空けてしまうと、早くも据わったような目で松莉の手首を掴み上げた。
「帰れると思ってるの?」
「や…」
再びソファに押し倒される。いきなりディープなキスをされて、バスローブの合わせから手を入れられ、乱暴に胸を揉まれた。
暴れても押さえつけられる。力では敵わない。
それでも、こんなふうに扱われるとゾクッとして疼いてしまう…絶対に言わないけど。
結局のところ、長男には逆らえないのだろうか。
「…大人しくなったね」
つつ、と首筋に指を滑らし、少し顔を離すとおそ松は歯を見せて笑った。
「ははっ、冗談だよ。誰も松莉の嫌がることを無理にはしない…ってか、出来ないよ」
嘘だと思った。長男の目は上から抑えつけてくるような目のままだったから。
でもそれにドキドキしてしまう。従わされたいと思ってしまう…。
いつも適当なことばかり言ってふざけてばかりの長兄に、こんな想いを抱いたのは初めてだった。
「あ、アイス溶けちゃうよ。せっかく松莉が食いたいって言ってたのに」
そういえば、まだ1/3ほどしか食べていなかった。
「ほら、あーん」
スプーンですくって口元に差し出してくれたバニラアイスを、横になったまま松莉は素直に口に含んだ。甘くて美味しい。
次におそ松は、自分でアイスを口に入れ、松莉にキスをしてきた。松莉も迎え入れて、溶けたアイスをまとった長兄の舌を夢中になって舐めてしまう。
「んん…美味しい…」
「エロいよ松莉…あっ」
うっかり斜めにした皿から溶けたアイスがこぼれる。ちょうど松莉の胸元だ。おそ松は喜んで舐め取った。
「松莉のおっぱい可愛い…」
ちゅっちゅと先端を吸ってきた。あっ、と声を上げて、今日はボリュームを気にしなくてもいいんだと安心する。
「じゃあ今度は、こっち…」
兄は残りのアイスを全部口に入れるとお皿をテーブルに置いた。松莉の左脚が持ち上げられ、ソファの背もたれに置かれる。おそ松は露わになった場所に顔を埋めるようにして、敏感な突起に口の中のアイスを押し付けてきた。
「ひぁぁっ!」
冷たい刺激に全身が跳ねる。
べろべろと、甘くて冷たいのを擦り付けながら舐めてくる。
「あーっ! やぁんっ!」
冷たさというのは新鮮な快感だった。子供のような荒い舐め方も興奮を誘う。
「おそ松兄さん、気持ちいいっ!」
加えて思い切り声を出し乱れられるという状況で、松莉の身体は高められる一方だった。
「ひゃ、あっ、そのまま…して、イキそうなのっ…」
「…ん…」
くらくらする。息が苦しくてはぁはぁ荒げる。
止められない。こんなにあっという間に…。
「あああ! やっイッちゃうイッちゃうよぉ…おそ松兄さん…あーっ、やぁーーーんっ!」
体中激しく痙攣させて、大声を出して、初めから激しく絶頂した。
「ああ…もうやめておそ松兄さん…イッちゃったから…」
「松莉すげぇ…可愛い…エロい…」
ようやく唇を離して、まじまじと眺める。ひくひくして汁をいっぱい垂らして、エッチな匂いをさせて、どうにもそそる女の子の部分を。
「こうなってるんだ…」
指で押し広げて更に観察されて、少し落ち着いた松莉は恥ずかしさに脚を閉じようとする。
許さず膝を押さえつけられ、おそ松兄さんの指がぬるぬるしたところをなぞった。
「で、ここがちんぽ入れるとこね…」
ぐっと指を挿入され、背を反らす。
「あ…っ」
「すげぇ…」
楽々呑み込んで締め付けてくる、熱くてでこぼこした内壁に指を擦り付けた。と思ったらいきなり速く手を動かしてくるから、ビックリする。
「やっやめておそ松兄さん!」
頭を押さえるが止める気配なく、ぐちゅぐちゅと激しく動かされる。
「やだってば! 痛い!」
訴えても止まらない。
「バカ! やめてって言ってるでしょ!!」
最後にはまた頭にゲンコを落としてしまった。
「えーだってほとんどAVだとああやっててさ、そうすると女の子が潮びゅーびゅー吹いてさ、気持ち良さそうに…」
「全ッ然気持ち良くない! AVまんま信じるとか、だからおそ松兄さんはバカ童貞なのよ!」
プンスカ怒って背を向け丸くなる。
「童貞なんてとっくに卒業してるって!」
妹でね。しかもただ挿入しただけね。と心の中でツッコむ。本当に救いようがない。
…少しは次兄を見習ってほしいものだ。
あの夜、カラ松兄さんは、最後まで自分を抑えてまでも優しくしてくれた。
『痛くないかい? 痛かったらすぐ言ってくれよ』
…そんなふうに何回も確認しながら、時間をかけて確かめて、繰り返して…そうやって、本当に感じさせてくれた。
あの声、思いやりを尽くしてもらったこと、心身の満足…。思い出すだけで体が熱くなる。
「…⁉︎」
気が付いたら、おそ松兄さんの顔がすぐそばにあった。覗き込んでニッと笑っている。
「松莉ぃ、今誰のこと考えてた?」
ハッとする。顔が赤くなっているのに違いない。
「せっかくの機会だから、ゆっくり話したいとも思ってたんだ…よいしょ」
おそ松兄さんは立ち上がったと思ったら体の下に腕を差し入れてきた。そのまま松莉を抱き上げて、ベッドまで運ぶ。
ふかふかのベッドに入れられると、掛け布団をかけられて、気持ちがいいなとぬくぬくする。そこに長兄も潜り込んできて松莉を抱き寄せた。
「実際、誰のセックスが一番いい?」
「…なんでそんなこと聞くの。聞いてどうするの」
「別に。好奇心だよ。俺じゃないのは分かってるから、正直に言っていいよ」
「じゃあ、おそ松兄さん以外のみんな」
「かー、キッツイねー」
けらけら笑ってる。
「どうせみんなで色々話してるんでしょ…」
今日ここでこうしていることも、他のみんなに筒抜けなんだろうなぁと思う。
「それがさー、みんな話してくれないんだよね。俺は聞きたいんだけど、みんなはそれぞれ、自分だけの思い出っていうの? 自分だけの松莉を持っていたいみたいで」
「そ、そうなんだ…」
何だかくすぐったい。大事にしてもらえてる気がした。
「俺たちの中での不文律だよね。松莉とのセックスのことは話さない。誰かが松莉とセックスするとき、邪魔しない…自分のとき邪魔されたくないから。そのうち曜日で割り当て決めたりしてな」
月曜日は俺、火曜日はカラ松…なんて指折り嬉しそうに。松莉はげんなりする。
「え、勘弁して。私そんなにしたくない」
「はは。んで、誰がいい?」
まだその話続いていたのか。
「…みんな、それぞれ…」
カドが立つからというよりは、本心だった。
「そっか。それって俺も入ってる?」
「…うん」
頷くと、キスされた。
「じゃあさ、誰が一番好き? 結婚するとしたら誰がいい?」
その質問は、幼い頃からよく繰り返されたものだった。
昔はその日の気分で…例えばトド松兄さんが駄菓子を買ってくれたからとか、カラ松兄さんがいじめっ子を追い払ってくれたからとかで、答えていた。6人の兄はそれにより一喜一憂していたものだ。
しかし何年か振りに発せられたその質問には、当時の無邪気さはかけらもない。
「私たち、兄妹じゃない…」
松莉は急に怖くなった。一松兄さんが言っていたことを思い出したのだ。
ーそりゃ離したくないさお前のこと。身内だから楽だし、セックスできるし、身の回りの世話もしてくれるだろうし。ガキの頃から争奪戦さ…松莉を手に入れられるなら、みんな手段は選ばないー
「なんて顔してるんだ松莉…ほら答えてよ…」
「……」
「決められないなら俺にして。前にも言ったけど、俺長男だし」
「…養ってくれる人が…家事やってくれる人が…欲しいんでしょ…もしかして一松兄さんが私を最初に襲ったのも…おそ松兄さんが…っ…」
仕組まれていた…⁉︎
ガクガク体が震え出す。
おそ松は落ち着いていて、そっと妹の体を抱き寄せた。
「あーそれは違うよ松莉…確かに俺たち、松莉としたいってよく話してた…でもまさか実行するとは思ってなかったよ。一松の奴…あいつ振り切ってるよね、まあ俺たちも乗っかっちゃったけど…」
髪を撫で、優しくキスをした。ちゅっと触れるだけのキスを、何度も。
「松莉も満更じゃないみたいだから…こうやって続いてるわけだ…いいじゃん楽しめば」
体に触れてくる。胸を弄られて、微弱な電気が走る。
「結婚ってのはまた別の話…俺、マジなんだよ。何て言われても、信じてもらえなくても…」
手を伸ばして下の方も弄る。今度は無理せず、ゆっくり擦った。
「松莉が好き…お兄ちゃんと一生暮らそう…」
「あ…っ…」
「ね、松莉…」
捕らえられる…離れられない…。
甘くてドロドロの、拘束だ…。
「ラブホのベッドっていいよなぁ…」
ギシギシ揺れている。
松莉はうつ伏せになって、後ろからおそ松を受け入れていた。
兄弟のものは、入ってきただけでいつでも松莉の中の気持ちいいところを刺激して、狂わせる。
松莉のあまり多くない経験の中でも、6つ子はダントツで一番の相性と言えた。
ゾクゾクせり上がってくる感覚に、声を我慢する必要もない。
枕に爪を立てて思う存分乱れていると、何もかも忘れてしまいそうになる。
「ああ、コレいいね…寝バックっていうの? 征服してる感がたまんないね…」
そういうものなんだろうか。ぐっと振り向いてみると、さっきの見下ろす顔をしていたので、それだけでまた一段感じてしまう。
どうしたのだろう…主導権を握りたかったはずなのに、いつの間にかこの長兄に押さえつけられて感じているなんて。
「俺のそばにいてよ松莉…」
「あっあっ…おそ松兄さん…」
「他に行くなよ…」
「いや…私たち兄妹…」
「まだそんなこと言うの? イかせてやんないよ?」
髪を引っ掴まれてビクッとする。それでも、怖さより隷従の悦びが勝っているのが自分でも不思議だった。
「…あ、思わず…ごめんごめん…」
手を離して頭を撫でてくる。背中にぺたっとくっついてきて、耳に囁きかける。
「でも、もう分かってるよね? 戻れないよ…」
「おそ松兄さん…お兄ちゃん…」
枕を握りながら、涙が出てきた。
「ああ可愛い…泣き顔そそるね、興奮する…」
ぺろっと涙を舐めると、一度抜いて松莉の体を反転させた。
「もっとよく見せて…」
「うっくっ…」
なぜか涙が止まらなくて、おそ松の征服欲に満ちた顔も滲む。
「可愛い…可愛い松莉…イかせてあげる…」
明らかに興奮を高め、一気に入ってくると激しく動きを加えてくる。揺さぶられて内臓も揺れる感覚に、泣きながら意識が飛びそうになる。
「あっあっ、お兄ちゃん…お兄ちゃんっ…!」
ぎりとしがみついてどうにか繋ぎ止めようとするが、快感が大きすぎてままならない。
「あーいいよ松莉、お兄ちゃんもイキそうだよ!」
「あーーっ!!」
セーブしない大声が密室に響き渡る。
それから互いが満足するまで体を重ねていたら、とっくに休憩時間も過ぎて、延長しても構わないという今日の兄は太っ腹だ。
「泊まっていっちゃう?」
「さすがにそれは…バイトあるし」
「そっか、じゃあ送って行ってあげる」
最後にお風呂に二人で入った。
くったりした体をお湯の中で抱きしめられれば、気持ちが良くて目を閉じる。
「全部冗談だよ、松莉…兄妹で結婚できるわけがないんだし」
「ん…」
ズルいなぁと思う。こうやって責任を逃れるんだ。
こんなに爪痕を残しておきながら…。
それでも、長男に押さえつけられるあの感じは癖になりそうだから、だまされるふりをして抱きしめ返した。
END